前話109話では、夜凪が「シェアウォーター」のCM撮影に臨んだ。
監督やスポンサー側からはOKが出るも、役作りの伴わない演技に納得できない夜凪。
今までの芝居とは違う新しいジャンル「CM」にどう立ち向かっていくのか?
『アクタージュ』最新話110話ネタバレありの感想、あらすじをお送りする。
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目次
『アクタージュ』最新話110話感想・あらすじ(ネタバレ)
夜凪、CMでの「迫真の演技」にまさかのNG
元井製薬が売り出す「シェアウォーター」はスポーツドリンクだ。
その商品の魅力を伝えるCM撮影で、夜凪は迫真の演技を見せる。
涙が溢れそうな瞳、ドリンクを飲んだ後遠くを見て物思う表情。
流石…すぐ軌道修正したね。
くぐり抜けてきた修羅場が違うよ
星アキラにそう言わしめるほどの完璧な演技だった。
今までの現場であれば。
「母が亡くなり、父は去り、すべてを投げ出して走った末に『支えてくれる家族』である妹、鳴乃皐月から飲み物を受け取る」という役作りで感情を籠めることに成功したはずなのに、監督からはNGが出る。
最初の「爽やかな笑顔のパターン」をもう一度撮りたいとのことらしい。
スポンサーから
当初のコンセプトからズレてきてるよね
シェアウォーター美味しそうに飲んでくれないと
などのダメ出しが出てしまった結果だ。
自分としては良い演技をしたのにNGを出され戸惑い、その理由を監督に問う。
言い淀む監督に代わり、星アリサの指導が入る。
大衆のスターになるということ
監督のOKとNGは絶対でしょう。
受け入れなさい、景
しかし、夜凪は引き下がらない。
じゃあ、もう一度役を考え直します。
監督はどういう気持ちでこの話を考えたのか教えてください
場数を踏んでいる皐月もこれには引いているようだ。
わっ、全然引き下がらない。
何なのこの子
だが、CMのストーリーを考えたのは監督ではない。
スポンサーの元井製薬やその依頼を受けた広告代理店など、様々な人の要望が折り重なって生まれた脚本なのだ。
直接目に見えない「大勢の人たち」の要望に応える芝居は、夜凪は経験したことがない。
お芝居に心はいらないんだよ
と以前の千世子の言葉が皮肉にもここで腑に落ちる。
だが、『羅刹女』の舞台で魂の籠らない芝居をしかけたところ、王賀美はじめとする仲間たちに救われたばかり。
私は自分で納得のできないお芝居はできない
と彼女は訴えるも、星アリサは無情に告げる。
俳優(あなた)の都合は私たちには関係ない。
プロを名乗るなら意地でも求められている芝居をやりなさい。
さすが大手芸能プロダクション・スターズの社長。
徹底した職業人である。
それが大衆のスターになるということよ
さあ、期待の演技派新人女優、夜凪景はどう戦う。
夜凪が見つけたCMでの新しい戦い方とは?
CMとはそもそも宣伝だ。
サービスや商品の良さを画面を通してできるだけ多くの人に伝えるのが、出演する役者の使命。
人が人になにかを紹介したくなるのはどういう時?
と星アリサに問われ夜凪が答える。
自分が好きなものを好きになって貰いたい時
確かに、私たちもプライベートで何か熱心に作品やモノやサービスなどを勧めたことがあるだろう。
「これ本当に良いよ!」と。
その時、私たちは間違いなく紹介するものを「好き」になっている。
それがリアルであり、役者が行う役作りであることを夜凪は気がつく。
課題は見えた。
あとは紹介する商品「シェアウォーター」を好きになるだけ。
ゴクゴクと勢いよく飲み、抱いた感想は、
あんまり美味しくない
前途多難である。
これにはスポンサー社員も怒り顔。
夜凪は一体どうやって不味いものを「好き」になればいいのか。
この難題を乗り越えるため、彼女は「開発者はどんな気持ちでこの商品を作ったのか。それを知るために話を聞きたい」とリクエストする。
渋る監督を遮り、星アリサが言う。
開発者に繋げてあげて下さい。
お願いします。
星アリサの要望なら断るわけにはいかない。
スポンサーや撮影スタッフが取り囲む中、夜凪による「シェアウォーター開発者インタビュー」が始まった。
役者には商業的な姿勢で仕事をさせることに徹していた星アリサだったが、ここに来て「どのような舞台でも本気で演じること」を夜凪に求め始めた。
「役に没入しすぎることによる悲劇」と、「心ない演技を繰り返すことによる摩耗」のいずれも避ける、新しい演技指導の行く末に期待だ。
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