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『図書室で暮らしたい』あらすじと感想【ときめく心を持つ彼女はいつでも子供になれる大人】

図書室で暮らしたい。

そう考えたことのある読書好きの方は多いのではないでしょうか。

タイトルに何度もうなずきながら手にとったことをよく覚えています。

しかし当時は、辻村さんのことを「特別好きな作家」とはおもっていませんでした。

辻村さんを好きになったきっかけは、このエッセイでした。

あらすじ・内容紹介

作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの…etc.

すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集!

タイトルが秀逸ですね。

図書「館」は施設そのものを差し、図書「室」は学校の中の部屋を差すイメージ。

児童でも生徒でもなくなってしまった私にはもう二度と行けない場所です。

もちろん調べてみたら入る方法はあるのでしょうけれど、日常的に利用することはもうかなわないです。

子供なら堂々と入れる場所。

そこで「暮らしてみたいなぁ」という願望。

手が届かないからこそ、輝いて見えるのです。

手に届くときはなんともおもっていなかったのに。

注意
以下、ネタバレ注意です。

図書館で暮らしたいの感想(ネタバレ)

豪雨に降られる

印象的だったエピソードをふたつ、ご紹介します。

ひとつめ、「豪雨に降られる(31頁~)」は、保育園のお迎えに行ったタイミングで突然の豪雨に遭い、雨宿りをしたときのお話。

前半の、雨が降る前になんとか連れて帰ろうと大人たちがばたばたしているところから、雨が降り始めてふっと力が抜けてしまうまでの緩急の差に鳥肌が立ちました。

私たちは同じ日本語を使っているはずなのに、巧い人はどうしてこんなに魅力的な文章が書けるのでしょうか……。

しかも短い頁で。凄いです。

知っていることと使いこなせることは別の話なのだと、つくづくおもいます。

雷の音や子供たちの興奮する声が聞こえてきて、お母さんたちが立ち話をしている様子が見えるかのよう。

お母さんたちの距離感が縮まっていくさま、子供たちの関係性・性格が同時に描かれています。

数十分ほどのわずかな日常を、ここまで生き生きと書ききることができる力に脱帽しました。

女子と文庫

ふたつめは、読書ノートに「この話をコピーしてここに貼っておきたいくらい好き」とメモしていた、「女子と文庫(172頁~)」。

飲み会で「好みのタイプ」の話になったとき、一人の男子が「本を読むのが似合う人」と答えた、というお話。

なんて素敵な「好みのタイプ」。

いい人だ、とすぐ思ってしまった活字中毒です。

彼自身は読書家ではなく、「文庫」のことを「小さい本」と言う人。

ますます素敵!

本好きにとって本のサイズを差す言葉は「常識」(と思いがち)だけれど、本好きでない人は意外と知らないようです。

言葉を知っているとつい固有名詞で呼んでしまいますが、それ以外の言葉で表現することで新たな一面を見たような気持ちになりました。伝われば問題なし。

このエピソードのさらに素晴らしいのは後半部分

ネタバレになってしまうので語りたいのをぐっと我慢しますが……。

是非ぜひ、読んで確認してください。

本好きの方は「わかる~」とうなずき、それ程でもない人は「そんなに……?」と首をかしげるかもしれません。

まとめ

このエッセイを読むまで、辻村さんのペンネームの由来が綾「辻」行人さんだということも、バイキンマンが自分の価値観をつき通しているカッコイイキャラクターだということも、味気ない日常をこんなにもキラキラした文章で切りとることができるということも、知りませんでした。

好きなものを好きなように語っている姿は、本当に素敵です。

一つ一つ丁寧に物事と向きあい、自分なりの考えをきちんと持って、ぶれずに生きているのがまぶしいです。

現実逃避ではなく現実だ、と主張できる強さがうらやましいです。

勝手ながら、幼いころの辻村さんと幼いころの自分は似ている、と感じました。

でも彼女の方が積極的で、ご本人が言うとおり、強くなりましたね。そういったところを見習わねばとおもいます。

彼女の中の「子供」と自分の中の「子供」が寄りそうこともあれば、反発することもありました。

ここまで心が揺さぶられたエッセイは初めてでした。

主題歌:福山雅治/生きてる生きてく

ドラえもんが大好きな辻村さん。

ドラえもん愛はエッセイにも随所に表れています。

そこで映画「ドラえもん」の主題歌から一曲、ご紹介します。

福山雅治さんの「生きてる生きてく」です。

映画『ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』(2012年公開)の主題歌です。

辻村さんは良くも悪くも「子供」なのだと感じました。

「大人」たちが忘れてしまった感覚を忘れずに大切に持ち続けているからこそ、彼女が描く子供たちはリアルなのでしょうね。

不思議なものだ
子供のころは大人になんてなれないのに
大人になれば「ときめく」だけで
いつでも子供になれる

辻村さんはどうして子供になれるのか。

それはときめく心を忘れていないからなのかもしれません。

あなたは、いつ、何に対して、どのくらいときめいたか、すぐに答えられますか?

私はすこし考えてしまいます。「大人」になりたくないなぁ……。

できることならば、図書室で暮らしてずっと読書していたいです。

来年は辻村さんが脚本を担当した「ドラえもん」の映画が公開されるそうです。

それに合わせて辻村さんご本人が書き下ろした小説版も刊行予定。

来春がたのしみですね。

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