自分の将来に迷ってはいませんか?
思い悩んではいませんか?
今回の主人公は就活を控えた大学生・愛奈と、正社員登用で新たな道を提示された彩加、二人の書店ガールが主人公の物語です。
それぞれが悩み、切り開いていく道とはどんなものなのでしょう。
あらすじ・内容紹介
愛奈は就活を目前に控えたアルバイトの大学三年生、そして三巻までの亜紀の後輩であり、前巻ではそのパワフルな仕事ぶりから「小幡亜紀二世」と呼ばれていた。
そんな彼女には亜紀とは決定的に違う点があった。
それは、自己主張がとても苦手で大学の仲間内だと自分の本音・将来設計を何一つ言いだせないと言うところだった。
「わざわざ斜陽産業を目指すことないよ。俺たちこれから四十年近く働かなきゃいけないのに」
友野に続き、峻也も旅行代理店をばっさり切って捨てる。
斜陽産業。書店もきっと同じだと思われているんだろうな。
心の内では書店業界に就職したいと思いつつも、その業界の厳しい現状は理解している愛奈。
そんな彼女は友人に流されて興味のない化粧品会社の人の話をわざわざ聞きに行ったり、と迷走を続けている。
しかし一方、愛奈は一人のお客様と真剣に向き合い、本への情熱も忘れていなかった。
小さい頃に読んだ本が忘れられないと言う、五十代半ば頃の主婦、川西。
愛奈はそのお客様のために本探しに奮闘する。
特別な本を見事探し出したことでお客様には感謝され、喜びを見出した愛奈だが物語後半、彼女には試練が訪れる。
彼女はその試練にどうやって向き合うのだろうか?
書店を愛し続けることはできるのだろうか?
書店ガール4 パンと就活の感想(ネタバレ)
正社員登用の通知を受ける彩加、しかし彼女の気持ちが晴れない理由とは?
彩加は立地に恵まれていて客足が絶えない、吉祥寺の一書店の契約社員。
そんな彼女にある日、正社員登用の話が舞い込む。
しかし、それと同時に新しくオープンする店舗。
しかも駅ナカの小さな坪数の店である場所で店長を任されるという。
突然の異動と、想像だにしない小さな店舗ということでどう立ち回ればいいかわからない彩加。
そんな折、静岡の沼津に住む彼女の叔母から、地元の小さな書店である店を継いで欲しいと言う話も耳にする。
彼女は迷っていた。
沼津を出て、東京を自分のホームベースにしたかった。でも、そうはならない。職場が変われば東京との縁はあっさり消える。その程度のものだ。
では沼津はどうなのか。生まれ育った縁は強いけど、この六年の間に友だちもだんだん離れ、叔父が死んだりいとこが海外に行ったり、どんどん縁は薄れていくだろう。十年後二十年後、そこに私の居場所はあるだろうか。
彼女は居場所を求めて迷走する。
そして叔母が相談があると言うので、休みを利用し、愛奈を連れて共に沼津に帰省する。
そこで二人は、叔母の店の隣でパン屋を経営しはじめたという店主の大田に出会う。
大田は叔母にある事業の提案をしていた。
その事実を受け入れられない彩加。
彼女は居場所を見つけることができるのだろうか?
彼女の未来はどうなっていくのだろうか?
まとめ
さて、書店ガールを特集させていただいて4回目になりますが、このシリーズにはシリーズ通しての1つの魅力があります。
それは、「実際に存在する本」がこの本の中にたくさん登場することです。
第2回では著者の書店への愛を紹介させていただきましたが、このシリーズは本当に色々な本が登場するのでついつい色んな本を読みたくなるような魅力があります。
一例を上げると最後の方で書店員たちが交わすこの会話。
「就活生向けのフェア?やっぱり『何者』とか?」
「それより、石田衣良の『シューカツ!』の方がストレートじゃない?就活シミュレーション小説みたいだし」
「最近『あの子がほしい』って小説が出ていたね。就活生じゃなくて面接官が主人公だけど、これとか役に立ちそうだよ」
「あとは三浦しをんのデビュー作『格闘するものに〇』っていうのもあったよね」
と、このような定番どころのタイトルが交わされ、その後に続く様々な本の紹介はぜひ『書店ガール』4巻を実際に読んで確かめて欲しいと思います。
主題歌:Mr.Children/足音〜Be Strong
未来や将来を考える曲、就活応援ソングなど色々あると思いますが、私は力強いこの詩で勇気を奮起されるこの曲を紹介したいと思います。
Mr.Children「足音 ~Be Strong」
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