【論理的思考の時代は終わった、これからは「直感」と「感性」で戦う時代に!】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?/山口周(🎵Bill Evans『Waltz for Debby』)

 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

このタイトルをみて、ドキッとしませんか?

私はしました。とても核心を突いている気がしました。読了したときに「なるほど!」と声を上げたくなりました。

これから日本人に必要なのは「美意識」かもしれない。

今、世界中の大手企業は期待度の高い社員ほど、「美意識」を磨かせようとしています。

それはなぜか?

そして日本はどうなのか?

その答えがこの本にはあります。

まずこの本と出会ったきっかけ

この本、実は会社の役員から紹介されました。その役員は日頃から「教養」が大切だと言っています。

確かに、人とコミュニケーションを取るうえで「教養」は武器になります。「人間力」にも繋がる気がします。

その役員から「この本は読んだほうがいい」と言われたときに、また「人間力を鍛えるよう」という内容かと思いました。

しかし読んでみて違いました。これはとても論理的に、「美意識」が必要であるということを説いています。

しかも、その論理を超える力として「美意識」が必要なんだということを説いています。引き込まれるように読んでしまいました。

「直感」と「感性」の時代に突入している

今ビジネスにおいても人生においても、論理的な思考だけでは判断ができない「直感」と「感性」の時代に突入しつつあります。

とてつもないスピードで進化するインターネットの世界では法整備などが間に合わず、正しい基準というものがないということは、皆さん感じられるのではないでしょうか?

ビットコインなどの仮想通貨の問題、すぐに炎上するSNSなど、変化が激しく、誰もが共通して頷くような「正しい正解」というのはない。そんな中で必要なのは「美意識」だと、この本は言っているのです。

2017年7月に発行された本ですが、現在(2018年11月)Amazonでも「アート・芸術」部門でベストセラー1位です。

2位、3位と2018年に出版された同じようなタイトルの本が並んでいますが、それらの上にきているのが、この本です。

私も役員に紹介されて本屋にすぐに行ったときに、割と大きな書店でしたが、売り切れ状態でした。

逆にあまり売れていない本なのかと疑いました。でも逆でした。

この本はもう一年以上売れ続けている本なんです。

とりあえず、この本を読みたくなるように煽るだけ煽ってみました。

ここからは少し、この本の内容に触れていきます。

ざっくりですが、もちろん約250ページあるこの本を読まないとすべて腑に落ちてこないと思うので、読むきっかけ程度になるよう、最初の「美意識」の必要性について説いているところを私なりに噛み砕いて、ご紹介します。

参考までにしてください。「美意識」もそうですが、すぐに手に入れようとすると逃げていくものです。

なぜ「美意識」なのか?

これに関して著者は大きく3つの理由を挙げています。簡単に、そして、なるべくわかりやすい言葉で説明してみました。

1、 倫理的・理性的な情報処理スキルが限界にきている。

これは要は世界中の人が同じように頭が良くなってしまったということです。

言い換えると同じような考え方をしてしまうということです。

「論理的な思考」というのは、以前からビジネス書では流行りで、これに関して多くの書籍が出版されました。

その結果、みんなが同じように考え、同じような答えにたどり着くようになってしまいました。

これを著者は「正解のコモディティ化」と呼んでいます。

言い換えると、論理的に考えていくと同じような結論にたどり着いてしまい、差別化ができない状態ということです。

つまり論理的思考では均一の答えしか導き出せず、限界にきているということです。

イメージできるでしょうか?

また企業が行う問題解決的なアプローチですが、(時に人は自身の人生にも応用していると思います)こちらも限界にきています。

これまで使われてきたアプローチは、ある程度想定の範囲内で起こることを基準にしています。

しかし現代の、この複雑化した社会において、確定していることなどほとんどなく、アプローチの起点となるものを定めにくい状況がほとんどです。

ここで合理性を重視して分析していくと、状況が複雑過ぎて、意思決定が行えません。

著者は経営学者のイゴール・アンゾフの『企業戦略論』を引用しながら、多くの日本企業が「分析麻痺」に陥っていることを訴えます。

「分析麻痺」とは分析することに時間や労力を使い、肝心な意思決定が疎かになっている状態のことだと私は受け止めました。

このような状況を打破するには、論理ではないものが必要だと主張しています。それを越えたものが求められているのです。

2、 世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある。

今世界規模で、欲求の変化が起きています。

それは最も低いレベルの欲求である「生存の欲求」から、高レベルの欲求である「自己実現の欲求」への変化です。

これは例えば、ある商品に求められることが利便性や安全性よりも、他者から認められたい=承認欲求や自分らしい生き方を実現したい=自己実現欲求に変化しつつあり、ただものを使う時代からもので自分を表す時代に入っているということだと解釈しました。

先進国における消費行動が自己実現のための行動になっています。

これはうまく感じていることを言えないのですが、SNSでの行動もあてはまる気がします。

SNSで投稿したいために、ある消費活動をしてしまうこと、皆さんもありますよね?

例えばおしゃれなカフェに行き、食事を楽しむというよりも雰囲気を楽しんで、それを写真に収め、ネットにアップするようなことなんか。

今私たちの多くが時間という究極の資源をそれらに投入しています。

私の、この記事を書いている行動もそうです。

今ここが大きな市場(これは何も経済というかお金的なことだけではなく、これもうまく言えないのですが、自己実現の市場というか。言いたいことが伝わればいいのですが)になりつつある。

そこで必要なのは、決まりきった手法でのマーケティングではなく、感性で磨かれた「美意識」です。
(この個所についてはかなり著者の意見よりも個人的な曲解が入っているかもしれません。参考までに)

3、 システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

これは本当に今の日本で多いと感じることなのですが、法整備が追いつかず、グレーゾーンが広がっています。

法やルールというのは必要に迫られて初めて整備されます。要は後追いなんです。

問題が起きてから「さて、どうしようか」とルールが決まっていくことがほとんどです。

また私個人の感覚ですが、日本というのは、基本的には新しいものに厳しい印象です。

海外に比べてハードルが高い。そんな社会のなかで、問題を起こさずに、うまくやっていくには、意思決定をしていくには、自分たちの中に確固たる「善」を持つ必要があります。

それを助けてくれるのが「美意識」なのです。

自らの確固たる「美意識」を内に持って、外部のまだ曖昧な基準に頼らず、正しいか正しくないかを判断し、意思決定する必要があります。この必要性は、今後の激しい変化の時代にますます高まっていきます。

さあ、本屋で手に取ってみよう!

長くなってきました。著者はこのことをわずか20ページ程度で一気に語っています。

導入部分を、私なりにわかりやすくお伝えしたつもりです。少し曲解してしまっている部分もありますが、それはこの本から私が個別に得たメッセージであるので、ご了承ください。

この必要な理由を簡単に説いたあと、さらにこの理由を深掘りして、「美意識の範囲」や「どうやって美意識を鍛えていくか」など著者なりの考えを披露してくれます。

企業例もあれば、他の著作からの引用もあります。かなり説得力があり、これからの社会で論理を越えた「美意識」が必要な理由がわかります。

ビジネス書なので、受け入れるか否かはあなた次第です。でも私はかなり納得しつつ読了しました。

特に判断基準を自身の中に求めていくということ。それには感性を、「美意識」を磨かなくてはならない。
ぜひ、気になった方は書店でこの本を手に取ってみてください。

BGMは…

今回著者が言っている「美意識」にはジャズのような、その場に合わせて奏でる音楽のようなものが合うと思いました。そこでビル・エヴァンスを選択。静かなジャズなので、読書音楽にも最適です。

著者紹介

山口 周

1970年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業、
同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、
ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、組織開発・
人材育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループに参画。
現在、同社のシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、
組織開発、人材/リーダーシップ育成。
著書に『グーグルに勝つ広告モデル――マスメディアは必要か』
(岡本一郎名義)『天職は寝て待て――新しい転職・就活・キャリア論』
『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』
『外資系コンサルの知的生産術――プロだけが知る「99の心得」』
(以上、光文社新書)、
『外資系コンサルのスライド作成術――図解表現23のテクニック』
(東洋経済新報社)など。神奈川県葉山町に在住。

こちらもよろしくお願いいたします。

◯この他の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の主題歌はこちら

◯本の主題歌を決める読書会「BGMeeting」

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