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『代筆屋』辻仁成【あなたの思いを代わりに書き記す】

はじめに

みなさんは大切なことを誰かに伝えたいとき、どんな手段をとりますか?

直接会って伝えたり、電話をする?
それともやっぱり最近はLINEが定番でしょうか?

LINEは本当に便利ですよね。
時間も気にせず送れるし、かわいいスタンプに挨拶もついている。
スタンプの種類だって友だち用のフランクなやつ~敬語のものまでバリエーション豊富です。

では”手紙”という選択肢はありますか?

少し前ですが中谷美紀さんの直筆での結婚報告、字が綺麗だと話題になりました。
容姿はもちろんのこと、字まで綺麗とは素敵な女性なんでしょうね。

私は・・・

字が汚いから極力書きたくない

子供の頃、「字が綺麗になるから」と書道教室に通わされていましたが、嫌で嫌で仕方なかったです。

反抗期前のことだったので、サボったりはしなかったものの、好きなことではなかったので上達はしませんでした。

恥ずかしながら人様にお見せできるレベルではありませんでした。

余談はこのくらいにして、本題に入りましょう。

あらすじ

小説家になりたての頃、「代筆」のお仕事をしていた主人公。

小説家としてはまだ無名なのに、代筆屋としては繁盛。大々的な宣伝をしているわけでもないのに、口コミだけで依頼が舞い込んでくる。

そんな主人公が代筆した手紙とエピソードが10個紹介されています。

気に入った作品紹介

10個の中から気に入った作品をいくつか紹介したいと思います。

●1つ目

バイト先によく来るお客さんを好きになった茅野君。彼女の通っている学校は分かるがそれ以外のことを何も知らない。勿論名前すら分からない。

そんな彼女に向けた手紙を頼まれた代筆屋。自信がないものの、彼を応援したい思いから成功報酬という形で恋の成就を願い書いた。

その後、手紙を受け取った彼女からお断りの手紙の代筆を書いてほしいと頼まれてしまう。

●2つ目

88歳のおばあちゃんからの代筆依頼はなんと、65年も連れ添っている旦那さんに向けた別れの手紙だった。

若いころ奴隷のように扱われ、浮気されたことが許せず、残り少ない人生をやり直すために離婚を決意したとのこと。

あまり気乗りしない代筆屋は65年間の出来事を聞いてから書くことにする。

●3つ目

病気で死期が迫っている母は、孫の広信に会いたがっている。それを叶えてやりたいのは山々だが、孫は事故で既に亡くなっていた。

広信の死を知らせると、ショックで病状が悪化することを恐れ、知らせないことにしている。

そんな母のために広信からの手紙を代筆し、元気付けさせることに……。

主人公の代筆技量が相当スゴイと感じた作品や心が温まる作品を紹介しました。

ネタバレしてしまうので詳しく書けないのが残念ですが、それぞれの結末は本書を読んでお楽しみください!

感想

字が綺麗な人って、それだけでも魅力的ですよね。

でも、字が綺麗なだけの人は世の中にたくさんいるし、字が綺麗だからと言って代筆ができるわけではない。

大切なことを伝える

人の字を真似て、思いをその人の言葉で表すことができなければ代筆屋は務まらない。

私はライターとして言葉を使い表現をしていますが、同じ言葉を使い、他人が書いた手紙で第三者の心を動かすことができるって尊敬します。

私の辞書の中の「手紙」は、お元気ですか?から始まる近況報告のようなものという位置づけでしたが、恋文、謝罪文、時には遺書と色んな手紙の在り方があることを思い出させてもらいました。

この本を読んだからと言って、「よ~し、私も字を練習して手紙を書くぞ!」という気にはなりませんでした。

実在する「代筆屋」という職業。

決して安い値段ではないと思いますが、自分では上手く言葉にできないことを伝えてくれるのであれば、悪くないのかも。と思いました。

電子化・ペーパレス化が進む昨今ですが、ここぞ!というときは「手紙」と使い分けられると素敵ですね。

主題歌:住岡梨奈/言葉にしたいんだ

住岡梨奈言葉にしたいんだ

歌詞

言葉にしたいんだ
できるならそうね全部
正しさも間違いも
おそれずに 伝えたい

(歌詞:住岡梨奈)

「手紙」のような改まった文章を書くというのは、相手に伝えたいことがあるから。

代筆を頼むのは、より語弊のないように伝えたいから。

本当は自分で書くのが一番。
でも、自分ではうまく書き表せない。
だけど、伝えたい。

だから代筆屋に依頼すると解釈しました。

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