【道に迷ったらとりあえずお茶を飲んでみよう】日日是好日/森下典子

あらすじ

母に勧められてお茶を習い始めた典子は就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。

失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。

がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。

しだいに日日是好日(にちにちこれこうじつ)という言葉をかみしめながら生きていく物語である。

この本は作者の森下典子さんの実体験から書かれている。

映画化された件

この本は実際に映画化され(2018年10月)、主演は黒木華さん、多部未華子さん、樹木希林さんなど豪華なメンバーである。

なお、今回が樹木希林さんの生前の最後の作品である。私は樹木希林さんが大好きなうえに茶道部に所属しているので、見ない理由が見当たらず、公開直後に観に行った。

本で書かれている世界観がそのまま現実になったような、四季の変化を肌で感じる映画であった。

特に映画で使われていた道具は掛け軸から茶碗まで原作を忠実に再現しており、細部にまでこだわってあると感じた。

雨の滴る音や花の美しさなど文字で表現されるものとは違った、視覚と聴覚で感じることのできる映画である。

原作を読んだ人はぜひ劇場にも足を運んでほしい。

表千家について

主人公は表千家という流派の茶道をしている。

表千家とは、裏千家・武者小路千家と並ぶ三家の一つである。

表千家を象徴する茶室不審庵の号の由来は禅語の「不審花開今日春」からきている。

ちなみに裏千家は表千家から分家し、名前の由来は茶室の今日庵が表通りの不審庵の裏にあったことからきている。

感想

まずはじめに読んで、すぐに思ったことは「今すぐ抹茶を飲みたい!」という気持ちである。とにもかくにも抹茶が好きな人にはうってつけの本であると思う。

主人公の人生に寄り添うような形で茶道というものがあり、茶道を通じて成長していく姿は美しいを超えてかっこいい気がする。

日日是好日」という禅語は、単に毎日が良い日という意味ではなく、「生きていれば良いことばかりではなくつらいこと、悲しいこと、いやなことにも出くわすけれど、そういったことに出会えることができたこと自体素晴らしいことなんだ」という意味としてとらえることができた。

茶道の良さを感じ取ることのできる良い作品だと思う。

著者紹介

森下典子

1956年、神奈川県生まれ。横浜市在住。日本女子大学文学部国文学科卒。就活に失敗し、『週刊朝日』の名物コラム「デキゴトロジー」の記事を書くアルバイトをしていたのが、この世界に入ったきっかけ。1987年にその体験を描いた『典奴どすえ』(朝日新聞社)でデビュー(同年、賀来千香子主演でテレビドラマ化された)。以後、雑誌などにエッセイを執筆している。

2002年、茶道の稽古を通じて得た気づきを書いた著書『日日是好日 お茶が教えてくれた15のしあわせ』(飛鳥新社)を出版。2008年に新潮文庫化され、現在もロングセラーを続けている。この本は、台湾、中国などでも翻訳され、版を重ねている。

茶道の稽古に40年通い続けており、2010年、「表千家教授」の資格を許された。宗名は、森下宗典。不定期だが、カルチャースクールなどで、茶道の魅力を伝える講演を行っている。
好きなものは、山野草、海、イタリア、温泉、うちの猫たち。
日本文藝家協会会員。

こちらもよろしくお願いいたします。

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