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『ナナメの夕暮れ』あらすじと感想【待望の新作エッセイ!生き辛さを抱える人、必読!ナナメ目線で世の中を見たっていいじゃない!】

『ナナメの夕暮れ』あらすじと感想【待望の新作エッセイ!生き辛さを抱える人、必読!ナナメ目線で世の中を見たっていいじゃない!】

オードリー若林正恭さんの待望の新作エッセイ!

本作品は、雑誌『ダ・ヴィンチ』での連載に、大幅に書下ろしを加えた作品だ。

若林さんと言えば、『社会人大学人見知り学部 卒業見込』のエッセイがベストセラーとなり、次に続く、キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では、なんと第三回斎藤茂太賞を受賞するという輝かしい経歴がある。

彼のエッセイが、なぜ、ここまで人々の心を掴むのか、本書を読んで考えてみた。

注意
以下、ネタバレ注意です。

ナナメの夕暮れの感想(ネタバレ)

正論が持て囃される世の中で、自分の正解はどこにある?

他人の正解に自分の言動や行動を置きに行くことを続けると、自分の正解が段々わからなくなる。

(中略)

正論が持て囃されている。

多様化された世の中では自分の中の正解に自信が持てなくなる。なんとなく正しいことを言ってそうな、有名人のコメント、Twitterのアカウント。誰かの正論に飛びついて楽をする。自分の中の正解と誰かの正論は根本的に質が違う。

小さい頃から、世間での所謂「正論」に違和感を持っていたことを自覚していた若林さん。

そして、「周りにうまく馴染めない」という本音をこのエッセイで吐露する。

おそらく、私たちの多くは、それを表立って言わないまでも、若林さんと同じように何かしら違和感を持っていて、でも、それを誤魔化して生きてきたのではなかろうか。

だからこそ、彼が綴るエッセイは私たちに共感され、「この社会に生きづらさを抱えているのは私一人だけではないのだ」という救いになっているのではなかろうか。

「自分の中の正解と誰かの正論は根本的に質が違う。」

彼がここで言いたいことは、自分の頭で考え、心で感じたことを大事にすべきであって、それが「自分を生きるということ」なのではないかということだろう。

彼は、不器用ながらも、誤魔化さずに、自分の内面ととことん向き合う。

自分をとても大切に生きていることがわかる。

そのほか、

自分の外側ではなく、内側におもしろいことを創るべきなのだろう。

とか

真実はあまりにも残酷で、あまりにも美しくて、まともに向き合うと疲れてしまうから。真実はたまにぐらいが丁度いい。

などといった等身大の言葉で語られるメッセージに、ハッとさせられる。

タイトルの『ナナメの夕暮れ』が意味するところ

本作品では、具体的にタイトルの『ナナメの夕暮れ』については言及されていない。

しかし、大方考えられることとしては、40歳になった若林さんが、「自分は、ナナメ目線で物事を見ていると自覚していたが、それをナナメ目線と表現しなくていいんだ、有りのままの自分目線でいることを大事にしよう」という気づきに繋がっていると考えられる。

また、「夕暮れ」というのは、物事の終わりを意味する。

つまり、ナナメ目線という自覚はもう終わりなんだ、ということだろう。

理想の自分に追いつこうとしているから、今日の自分を生きることなく、常に未来の理想化された自分を生きているだから、今日をずっと楽しめなかったんだ。今日じゃないな、今だな、もっといえばこの一瞬を楽しく生きてこられなかったんだ。37年もね。「今日の自分は本当の自分じゃない。自分というものはもっと高尚な人間なんだ」と言い訳(逃避)をして今日の自分をないがしろにしてきたんだ。

本タイトルが、エッセイの結び*とうまく結びついていて、「あぁ、うまいなぁ」と思った。

*ちなみに、皆さんに、実際に読んでほしいのでここには書かないが、「あとがき」の彼の気づきは達観している

私も、残りの人生は、彼の言葉を胸に生きてみたいなぁと思う。

それが、「自分の人生を生きる」ということだから。

主題歌:Mr.Children/End of the day

このエッセイ本に、主題歌を与えるとすれば、私は、Mr.ChildrenのEnd of the dayを贈りたい。

この曲は、歌詞が人間らしくて、「燻ぶった毎日から一歩進みたいとする気持ち」と、「現在社会を皮肉ってみる気持ち」がアンビバレントに描かれている。

何かを否定することで、自分を正当化してバランスを保ってみたり、でも、それ自体が空しくなってしまったり・・・まさにこのエッセイで若林さんが言わんとすることを表現しているように思う。

櫻井さんの曲を歌う前に話す言葉にも、ぜひ、耳を傾けてみてほしい。

目指したものが 自分とはあまりにかけ離れてて
どうせあそこには 届くはずがないんだって吠える
「なんとかなるさ」「ケ・セラ・セラ」
「It’s gonna be alright」
そんなフレーズさえも とんだ戯言に思える
(中略)
あと一歩のとこまで きっと来てる
そうやって言い聞かせて
もっと もっと
輝ける日は来る きっと来る
もう少し そう信じて
(中略)
競争しながら 人は切磋琢磨していくんですか?
その理想論が また人の上に人をつくる
なんてデカイ話にすり替えて
何かを否定しなくちゃ
もう可哀想なくらいに 自分がちっちゃく思える

また、歌詞は、次のように締められる。

でも明日は来るさ
寒い夜にだって終わりは来るさ
太陽は昇り
どんな人の上にもまた新しい 暖かな光

皮肉った目線でしか生きられない自分だとしても、また新しい1日がやってきて、でも、その1日は、前よりちょっとだけ生きやすい1日なんじゃないかな、という希望で終わっている。

この辺りも、エッセイの締めと繋がっているなと思った。

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