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『東京會舘とわたし』あらすじと感想【祝グランドオープン!建て替え前の東京會舘をもう一度】

『東京會舘とわたし』あらすじと感想【祝グランドオープン!建て替え前の東京會舘をもう一度】

2019年1月8日、東京會舘本館がグランドオープンしました。

約4年の歳月を経て、また新しい歴史を刻み始めたのです。

東京會舘とは、東京・丸の内、皇居を正面に臨む場所にそびえる宴会場・ホールです。

ホテルではないので、これだけ聞いてもピンと来ないかもしれませんが、読書をする人であったら(そうでなくても)、芥川賞・直木賞の授賞式会場というと少し身近に感じるんじゃないでしょうか?

私がここに紹介したい『東京會舘とわたし』を書かれた辻村深月さんも、この東京會舘で直木賞の授賞式に臨まれたのです。

芥川賞・直木賞の授賞式が行われるだけでも、何となく「凄い場所」というように感じてしまいますが、「凄い場所」の言葉だけで片づけてられないほど、多くの物語が詰まっています。

『東京會舘とわたし』はこの東京會舘を舞台にした10の物語が(上)旧館と(下)新館に収められているのです。

東京會舘とは?

宴会と料理を専業とするユニークな施設

東京會舘は、大正十一年(1922年)、初めて民間によって庶民のため社交場として創業されました。

庶民に限らず、政治家や芸能人等、多くの著名人も通っており、何世代にも渡ってファンが多い場所でもあります。

よって、この本には実在の人物も多数登場します。

  • 日本にフランス料理を広めた「レストラン」
  •  数々のコンサートやショー、文学賞の授賞式が開催される「ホール」
  •  新しく誕生した夫婦の幸せを形にした「結婚式場」
  • レストランの味を家庭でも味わえる「クッキングスクール」
  • 家庭でもレストランと同じお菓子を贈答用にした「プティ・ガトー」

など、一度訪れた人はファンになる要素が詰まっているのです。

開業間もない頃に見舞われた関東大震災、大政翼賛会とGHQ による2度の接収に遭いながらも、これまで営業されてきました。

昭和46年(1971年)に最初の建て替えがなされ、今回(2018年)は2度目の建て替えでした。

この93年間の物語が、辻村深月さんの手で紡がれています。

あらすじ(旧館)

ヴァイオリニスト クライスラーが来日公演を行うというので、上京した文学青年の寺井承平。

  • 第1章『クライスラーの演奏会』大正11年
     クライスラーの楽屋に行くといった友人と別れ、自分が居たときになかった東京會舘へ向かう途中、クライスラーとすれ違う
  • 第2章『最後のお客様』昭和15年
     明日より東京會舘は、大政翼賛会の手に渡る。従業員である佐山は最後のお客様を迎えるために出勤する
  • 第3章『灯火管制の下で』昭和19年
     第二次世界大戦下、静子は結婚式を挙げることを嫌がっていた。相手の顔を内緒で見に行ったことがばれ、その後何も言ってこないことに腹を立てていた。それでも、結婚式は刻々と進んでいく
  • 第4章『グッドモーニング、フィズ』昭和24年
     GHQの手に渡った東京會舘は、「アメリカン・クラブ・オブ・トーキョー」の名でアメリカ人将校向けに営業していた。見習いバーテンダーとして働く桝野は、先輩バーテンダー今井に憧れ、そして学んでいた。あのマッカーサーが飲んだという、看板メニューモーニングフィズ誕生秘話も描かれている
  • 第5章『しあわせな味の記憶』昭和39年
     東京會舘のお菓子を家庭でも味わえるようにと、当時の事業部長に散々諭され、製菓部長の勝目は生み出す。今や東京會舘のスウィーツの代表となるプティ・ガトー誕生秘話

あらすじ(新館)

  • 第6章『金環のお祝い』昭和51年
    建て替え後、初めて東京會舘へ足を運んだ芽衣子。2年前に夫に先立たれてから初めての外出であった。建築業界で働いていた夫は、変わってしまう東京會舘に抵抗があり、自然と芽衣子も足が遠のいていたが、習い事の新年会出席のために訪れる
  • 毎回すぐにチケットが売り切れてしまう越路吹雪のディナーショー。異動して2年の未熟なボーイ志塚は、初めてその舞台裏を目の当たりにする
  • 第8章『あの日の一夜に寄せて』平成23年
    平成23年3月11日、東北を震源とする大地震が発生した。銀座に遊びに来ていた文佳を含む4名は、東京會舘へ身を寄せる。彼女たちはかつてクッキングスクールで学んだ仲間であり、当時の思い出に花を咲かせる
  • 第9章『煉瓦の壁を背に』平成24年
    直木賞への受賞が決まった。作家小椋真護は、その連絡を受け、東京會舘へと向かう。東京會舘に足を運ぶのは大学入学が決まり、マナー教室に通って以来だった。その記憶は作家を軽んじ、県庁に勤めることを強制していた父と確執が深まった、思い出したくないものであった
  • 第10章『また会う春まで』平成27年
    2度目の建て替え前、最後の営業日。ホールでは最後の結婚式が行われ、レストランでは作家小椋真護が藤原社長へ東京會舘を題材にしたいと申し出、インタビューを行っていた

訪れた人が持つそれぞれの物語

実話を基にしていますが、各章の主人公は一般人のため、まるで自分が経験しているような、歴史の一部にいるような感覚になります。

著名人であっても、一般人であっても、東京會舘に来た人には思い出があるのだと、このセリフが思わせてくれます。

「きっと、この建物にやってきた人の数だけ、それぞれ、どんな思いでどういう時に来たのかという物語があると思うんです。それはお客さんの側にも、もちろん従業員の側にも」

これまでの東京會舘を知っている方も、そしてリニューアルした東京會舘に初めて行く方にも、また新しい物語が紡がれるんだと感じるのです。

2度目の建て替えが終わった今、もう一度この物語を読み、新しい思いを馳せていくのも、また良いのかもしれません。

主題歌:中島みゆき/時代

もしこの本に曲をつけるなら、中島みゆきさんの「時代」です。

失恋の曲ですが、恋人を他人やものに置き換えると、歌詞が東京會舘へ訪れる人に合うと感じました。

めぐるめぐるよ 時代はめぐる
別れと出会いを繰り返し
今日は倒れた旅人たちも
生まれ変わって歩き出すよ

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