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『茶色の朝』フランク パヴロフ, ヴィンセント ギャロ他著【明日、私たちが遭遇してもおかしくない恐怖】

この本の評価
読みやすさ
(5.0)
面白さ
(3.0)
考えさせられる度
(5.0)
装丁の美しさ
(1.0)
総合評価
(4.0)

ある朝、世界が茶色一色だったら、あなたはどうしますか?

あなたにとっての普通。それは、本当に普通でしょうか。誰かに抑圧され、同調したうえでの普通になっていませんか。

今回紹介するのは、「茶色の朝」。現代の日本でも起こりうる個人の自由の弾圧を描いた、風刺絵本です。

※本記事では茶色のかわりに、オレンジで代用しています

あらすじ

主人公は「」です。

俺は、飼い猫を殺処分した過去があります。それなのに、彼は感情を動かすことなく、淡々と過去を語ります。友人のシャルリーが、犬を安楽死しなくてはならなくなったと話しかけても、どこ吹く風です。

大切な犬や猫を殺さなければならなかったのには、理由があります。「茶色ではない」からです。茶色以外の犬や猫は異端とされ、処分されてしまいます。

今まで読んでいた新聞は廃刊になり、代わりに彼が読むのは「茶色新報」に。

いつ粛清されるか分からないので、会話には「茶色の」という言葉をいちいち挟まなければなりません。

ラジオも茶色、パスティスも茶色。何もかもが茶色に染まっていきます。世界が茶色に染まり続けたとき、世にもおぞましいことが起こります

茶色に守られた安心、それも悪くない。-p13

そしてついに、その時が来てしまうのです。

今、そこに迫る恐怖

高橋哲也さんが書いてくださったあとがきが非常に丁寧なので、参考にしながら私なりにまとめました。

なぜ、「茶色」なのですか。

それは、茶色がフランスで「ナチズム」を連想させる色だからです。

そのほかにも、茶色には「ファシズム」をはじめ、極右の思想を持つ人を象徴する色として、強烈な印象を残しています。

  • 差別的で過激な発言をして、熱狂的な人気を得る政治家
  • 特定の国を差別するような発言をするメディア
  • 一方的な権力によって、個人情報を強制的に管理開示させ、主導権を握る

など…。数え出したらきりがありません。

このような強制的な管理社会、「茶色の朝」を防ぐにはどうしたらいいのか。

私たちが、自らの目でメディアを監視し、状況を把握するのです。

簡単なことではありませんが、同調して意見に流されるよりは、ずっと聡明な判断と言えます。

茶色の朝がはびこる一番の理由は、無抵抗の国民にあるのですから。

主題歌:グレン・ミラー/茶色の小瓶

グレン・ミラーの「茶色の小瓶」です。

茶色がテーマの絵本ということで、選曲してみました。

この曲は初心者向けのジャズということで、幅広い層から愛されています。元々は、アルコール依存症の夫婦の様子を歌った歌です。

軽やかなメロディーに乗せて、じっくりとお楽しみください。

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