『百瀬、こっちを向いて。』中田永一【恋したくなる気持ちが止められない、青春恋愛小説集】

 

こんにちは!ReaJoyライターのまなです。

バレンタインも近いと言う事で素敵な恋愛小説を紹介させていただきたいと思います。

「百瀬、こっちを向いて。」

このタイトル、見たことがある方もいるのではないでしょうか。

2005年に小社刊から刊行された恋愛アンソロジー「I LOVE YOU」に収録されたこのタイトルが話題になり、2008年に表題作の「百瀬、こっちを向いて。」を含む四編の恋愛短編小説集として刊行されました。

また、2014年に映画化もされていて、一躍話題となった恋愛小説です。

愛しさと切なさに満ちたこの本を今回は私なりに紹介させていただきたいと思います。

「百瀬、こっちを向いて。」

ノボルこと「僕」は、自分のことを「人間レベル2」と例えて自虐するのが癖の、冴えない男子。

自分と同族の田辺と言う男子といつもつるんでいて、もちろん彼女もいない。

ところがある日、幼なじみであり人間レベル90前後の輝かしい先輩、宮崎に頼まれごとをされる。

自分が付き合ってる彼女・神林と二股をかけている浮気相手百瀬を紹介され、神林に浮気がバレないように百瀬と付き合ってる「振り」をしてくれと頼まれる。

こうして始まった百瀬との「恋人の振り」、厄介なことを頼まれたと思いつつもノボルは彼女との交流を深めていき――?

最初から最後まで胸がときめく素敵な短編です。

ヒロインの百瀬陽のかわいさがたまらない。きっとこの本を読み終わる頃にはみんな百瀬に恋をしていると思います。

「なみうちぎわ」

主人公の姫子は遷延性意識障害――いわゆる植物状態と言う状態で物語が始まる。

目が覚めたら、高校一年生だったはずが二十一歳になっていた。

そして話は過去へと遡る。姫子が海に飲まれて五年間意識障害を患うことになるまで。

姫子は近所の小学校6年生の男の子、小太郎に家庭教師として勉強を教えることになり、二人は授業をしたり、たまには海辺に出かけたりして、楽しく過ごしていた。

ところがある日、ひょんな事から喧嘩をしてしまう。

そしてその次の日小太郎が海で溺れている所を目撃してしまう。

喧嘩の事など忘れて死にもの狂いで小太郎を助け出すが、姫子は海の底へと沈んでしまい、助け出された頃にはもう意識がない状態だった。

目が覚めると五年と言う歳月が経ち、歳をとった家族や、成長した小太郎がいた。

昔は教え子で自分より年下だった小太郎が、あの頃の自分より成長していて男らしくなっていることに姫子はどぎまぎする。

姫子は小太郎に恋をしてしまったのだろうか?

そして五年前に隠された秘密に、きっと読み終わった頃にはびっくりしてることでしょう。

「キャベツ畑に彼の声」

主人公の久里子は、とあることがきっかけで担任の本田先生が小説家の北川誠二だという事を知ってしまう。

想いを寄せている本田先生に彼女がいるという事は噂で知っていたが、実際に目で見た時に久里子はショックを受けてしまう。

秘密の共有をすることで少し本田先生に近付けた気がしていたのだろう。

しかしその秘密の先には更なる秘密が隠されていて――?

ミステリー的な仕掛けが隠されているこのお話は読み終わったとき「そうだったのか!」と素直に驚きました。

久里子の先生に寄せる甘い恋心も小説にかけられた仕掛けもダブルで楽しめるお話です。

「小梅が通る」

主人公の柚木はクラスでも目立たないグループに属していて、メガネが合っていない、しもぶくれ顔、ホクロ人間、などクラスメイトから揶揄されていた。

ところが柚木のその顔は化粧で作った偽物の顔で、素顔の彼女はとびきりの美少女だった。

美貌が原因で女子にねたまれたり、町を歩いていて注目されるのが嫌で柚木は毎日、合わない眼鏡をかけ、ホクロを顔中に書き、頬に脱脂綿を詰め込んで、「ブスメイク」をして学校に通っていたのだ。

しかし素顔で家族と外食をしている時に、会計の所にいるアルバイトの男子がクラスメイトの山本寛太であることに気付く。

とっさに、柚木の妹で「小梅」という名前であると嘘をつくが、すっかり一目惚れされてしまった柚木の素顔は寛太の脳裏に焼き付いていた。

その次の日から「小梅ちゃんに会わせてくれ」と寛太に付きまとわれ始める柚木だったが――。

寛太に恋をしてしまい、その寛太が自分であり自分ではない「小梅」に惚れていることに複雑な心境を抱く柚木。

甘酸っぱい青春恋愛小説で、胸がときめくこと間違い無しのお話です。

主題歌:Mr.Children/Sign

どのお話も捨てがたいくらい素敵な一冊ですが、今回はやはり表題作の「百瀬、こっちを向いて。」にピッタリの曲をチョイスしました。

Mr.Children「Sign」

ありふれた時間が愛しく思えたら

それは“愛の仕業”と小さく笑った

君が見せる仕草 僕に向けられてるサイン

もう何一つ見落とさない

そんなことを考えている

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