【ドラマ化で話題!】早見和真さんの『イノセント・デイズ』ー無罪の日々ー(♫いきものがかり『LIFE』)

 

今年WOWOWでドラマ化もされた評判作『イノセント・デイズ』を読んでみました!

1年半程交際していた田中幸乃と井上敬介の2人だったが、ある日敬介から強引に別れを切り出された。敬介との別れが受け入れられない幸乃は、やがてストーカーとなり・・・

「もしあなたが私以外の誰かを守ろうとしているのなら、私はたぶんその女を許さない。すべて消し去って、私も死ぬ」

この言葉は現実と化してしまう。

元恋人(井上敬介)の妊娠中の妻(美香)とその子供たち(彩音・蓮音)を焼き殺し、自殺未遂で逮捕された幸乃は裁判で死刑を宣告をされるところから物語は始まる。

犯行前に顔を変えていたことから、「整形シンデレラ放火殺人事件」として報道され、社会でも注目の事件となる。

この事件を知った彼女のかつての友人たちは皆、幸乃はそんなことをするような子じゃないと彼女の無罪を信じ、思い思いに行動をするが、マスコミは彼女の生い立ちから凶悪犯罪人像を仕立てあげる。

本のタイトルにもある”イノセント”には、無罪のと言ったような意味があるそうです。

感想

死刑宣告を受けてから刑執行までは6年ほど。
判決が下された瞬間から命のタイムリミットが設定されることになる。

過去に幸乃と関わったことがある人の思う幸乃と、幸乃の過去からマスコミが作り上げた「整形シンデレラ」ではイメージが大きく変わってしまう。

世間でももしかすると、本当にこのような事件もあるのでは?だとしたら、その人のことをよく知りもしないで、マスコミの報道に疑いもせず、”なんて悪い奴なんだ” ”あんな人、さっさと刑を執行しちゃえばいいのに”と考えてしまう私たちは愚かだ。そして報道の影響力は恐ろしい。

刑が執行される前に再審を求め、無実を証明するため必死にになる友人の焦りの描写がリアルで、お願いだから間に合ってくれ!!!!と願いながらあっという間に読み終えてしまいました。

この本の中で印象的なセリフは、刑宣告を受けた直後に幸乃が法廷で発する「生まれてきてすみませんでした」だ。なんて悲しい言葉なんだろう。今までに関わった人たちのエゴによって幸乃の人生は振り回され、沢山苦しめられた。本当に彼女は生まれてきたらいけなかったのだろうか。

そして幸乃にひとこと
”そんな考え方間違っているよ”と言いたくなりました。

おわりに

死刑制度について書かれているだけあって、重めのお話でしたが・・・
(私的)今年のオススメ作品ベスト3に入っています!ちなみに他の2つは知念実希人さんの『リアルフェイス』と有川浩さんの『明日の子供たち』です。

【現役医師が書いた医療ミステリー×サスペンス】知念実希人『リアルフェイス』(♫Mrs. GREEN APPLE『アウフヘーベン』) 【施設の子供たち≠かわいそう】有川浩『明日の子供たち』(♫flumpool『Blue Apple & Red Banana』ONE OK ROCK『内秘心書』)

この作品を執筆するにあたり、30冊以上もの参考文献と専門家への取材をされているようです。だからこそこんなにリアリティの溢れる作品が出来たのではないのでしょうか。

この小説に音楽をつけるとしたら

いきものがかりの「LIFE
メロディから伝わる切ない雰囲気と、歌詞の”生きていくことの悲しみ”は、幸乃の生きる辛さを”あなたに言葉を僕は伝えたいよ”は、幸乃の無罪を信じ、再審を求める友人たちが頭に浮かびました。

著者紹介

早見 和真はやみ かずまさ

昭和52年 神奈川県で生まれる
平成20年 『ひゃくはち』で作家デビュー
平成27年 『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞

その他の著書に『ぼくたちの家族』『ポンチョに夜明けの風はらませて』などがあります。

最後まで読んでいただき大変嬉しく思います。こちらもよろしくお願いいたします。

◯この他の「イノセント・デイズ」の主題歌はこちら

 

◯本の主題歌を決める読書会「BGMeeting」