初対面の人や苦手なタイプの人と2人きりになったとき、何を話せばいいのかわからなくて困った経験をしたことはないだろうか。
そんな困った状況のときに役立つのが“雑談力”である。
もともと会話が苦手と思っている人でも大丈夫。
本作を読み進めると、雑談力の身につけ方は難しくないことに気づくはずだ。
目次
こんな人におすすめ!
- 話すことが苦手と感じている方
- 仲の良い人としか極力関わりたくないと思っている方
- 自分は誰にでもうまくコミュニケーションとれてると思っている方
あらすじ・内容紹介
上司や取引先の偉い人、義理の両親など、あまり親しくない人との雑談に気疲れしたり話が進まなくて気まずい思いをした経験をしたことがある人は多いはず。
その理由は、
「雑談は普通の会話とは、まったく違うから」
であり、
「微妙な間柄の人と、適当に話をしながら、なんとなく仲良くなる」というとても繊細な会話方式
だからだと著者の五百田氏は語る。
そんな“繊細な会話方式”である“雑談”の仕方のポイントを今作では教えてくれるのだ。
雑談力を身につければ人づきあいも楽になったり、会話にも困らず人気者になれたりといいことづくし。
今まで慣れない雑談で気まずい思いをしてきた人にも場面ごとに雑談に適した話し方のコツを分かりやすく書かれている。
これまで知らなかった“雑談の正体”を学ぶことができる1冊。
『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』の感想・特徴
場面ごとにやっていいこと、悪いこと両方わかる
雑談をするにはルールがあり、やってはいけないこと、やるべきことがあるらしい。
場面ごとにやっていいこと、良くないことが一言で書いてあるので分かりやすく、覚えやすかった。
例えば、“話題の選び方”には、
×お互いが知ってる話題を話す
のではなく、
○知らないことを教えてもらう
ことをする方がいいそう。
この2文を読んだだけでも、何がよくて何がよくないのかがすぐ理解しやすいだろう。
この2文の後に、共通の話題で話してみたときの会話例が書いてある。
共通の話題を見つけようとすればするほど話が噛み合わなくなっていく過程や、逆に知らない前提で話すと相手が次第におしゃべりになっていく様子が書かれている。
この一連の流れを読み、職場の人に全然知らない内容を「それ何ですか?」と問いかけたときに相手が嬉しそうに話し始めたことを思い出した。
これは1人だけでなく何人も同じく問いかけたところ嬉しそうに話し始めてくれたのだ。
この経験から私は、共通点がなくても楽しく雑談できるものだとうすうす気づいていたので、この定義を読んで自分が感じていたことに確信を持つことができた。
ほかにも知らなかった雑談のコツをたくさん知ることができ、とても勉強になった。
全て読み終わった今でも何がよくて何がだめなのかすぐ確認できるので、時間がない人もサクッと雑談のコツを学べると思う。
今までよしとしていたことは実はそうではない
別のメディアではコミュニケーションのコツとして紹介されていたことがかえってNGであることがいくつか紹介されている。
その中でも印象に残ったのが、
「さ・し・す・せ・そ」での相槌はNG
「あ・い・う・え・お」でリアクションする
というものだ。
モテるためにメディアでよく紹介されている、
「さ(さすが)・し(知らなかった)・す(すごい)・せ(センスいい)・そ(そうなんですか)」
は、
いざというときにとっさに出ないので雑談には不向きで、
「あ!!!」「いいですね!」「うーん」「えぇ!!」「お!!!」
とリアクションする方が興味を持っていることが相手に伝わるとのことなのだ。
自分自身「あ・い・う・え・お」のリアクションは日常でよく使っているので高度なテクニックの言葉を使わなくていいことが少し意外な気がした。
確かに初対面の人に「さ・し・す・せ・そ」の言葉を使って褒めたり反応するのは緊張して言葉にするのはとても難しい。
今思えば、「さ・し・す・せ・そ」はコミュニケーション能力をあげたいと思っている人にとってはすぐ使いこなせるわけではないから、高い壁になっていたテクニックだったのかもしれない。
それに対し、「あ・い・う・え・お」のリアクションは考えなくても話をしっかり聞いていれば自然と出てくる言葉なので実践しやすいだろう。
このように、今まで聞いたことがあった会話テクニックが雑談にも使えるとは限らないようである。
真新しいテクニックが知れるとともに今から使えるコツもたくさん書かれているので、今作を読んで「今からやってみよう」と前向きに取り組める人はたくさんいるだろう。
性格を変えなくても雑談力は身に付く
雑談力をあげるには外向的な性格に変わらないといけないのかと思いきや、性格は変えなくていいらしい。
社交のコツを実践すればいいそうなのだ。
五百田氏は雑談力をあげる心構えについて次のように述べている。
無理に社交的な性格を目指さなくてもテクニックさえ身につければ雑談はうまくいきます。
人見知りな「陰キャ(陰のある暗いキャラ)」でも雑談力は身につけられるのです。
この一文を読んで「私でも頑張れるかも」と思った人もいるのではないだろうか。
実は、今作以外にも数々の会話のコツを執筆し、著書を出している五百田氏自身、陽キャではなく、陰キャだそうなのだ。
会話のコツをこれだけ分かりやすく教えてくださっているので、陽気で会話上手な方だと思っていただけにこの発言にも驚いた。
彼は人と触れ合うことを増やし、慣れていったそうで、性格自身明るい陽気キャに変わったわけではないそうだ。
はじめてやることはすぐにできるものではない。
何度も何度も練習して次第にコツを掴んでマスターしていくものだ。
私も仕事で何年かやっていて自分には向いていると思ったことのない業務があったが、昨年出会った上司にその業務を「向いてると思うよ」と言ってもらえ、とても驚いたことを思い出した。
昨年までその業務を第三者から「向いている」と言われたこともなかったし、好きなことではあったものの、実は自分に不向きな業務だと思いながらやっていただけに「向いている」と言葉をかけてもらえたことが意外だった。
しかし、少しずつ努力しながら頑張ってきてはいたので苦手だと思っていたことにも真面目に取り組んできたことに意味があるのだと思えた。
経験を積み、どのようにやればいいかコツを掴んできたことでいつの間にか苦手に思っていた業務もマスターしていたのだと思う。
今作を読んで自分の向き不向きを決めつけずに努力する大切さを改めて学んだ。
まとめ
いかがだっただろうか。
「さ・し・す・せ・そ」の相槌はNGであることや明るい性格でなくていいなど今まで会話をする上で“こうでなくてはいけない”という固定観念がいくつも崩され、雑談力の壁が前よりも低くなった気がする。
雑談力をつけるには、コミュニケーションの才能も、難しいテクニックも必要ないのだ。
今作を読んで私も雑談力を身につけてあまり関わらなかったタイプの人や職場の人との雑談をもっと楽しんでみたいと思えるようになった。
私以外にも「雑談力をつけてみよう」と思ってくれる人が増えれば嬉しい。
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