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『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』あらすじと感想【村上春樹、rockinon、星野源、又吉直樹、森見登美彦、ヘミングウェイが一冊で読めます。】

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』あらすじと感想【村上春樹、rockinon、星野源、又吉直樹、森見登美彦、ヘミングウェイが一冊で読めます。】

あらすじ・内容紹介

書かれている内容はカップ焼きそばの作り方だけ。

『蓋を開き、液体ソースとかやくを取り出し、湯を沸かし、それを注ぎ入れ、五分待つ。』

ただそれだけの38文字を掘り下げて様々な”書き方”で綴られていく。

著者

本文は神田圭一と菊池良。

著者は2人だが、”うつヌケ”で名を馳せた田中圭一も作画で参加している。

神田圭一はフリーライター、編集者。

「POPEYE」「ケトル」「スペクテイター」等の媒体で記事を書いている知る人ぞ知るライターである。

菊池良もライター、web編集者。

学生時代に開設した「世界一即戦力な男・菊池良から新卒担当のキミへ」がネット上で話題となり、Webメディア界を震撼させた。

両者とも戦うフィールドこそ違えど、書くことを生業をしている共闘者だ。

注意
以下、ネタバレ注意です。

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたらの感想(ネタバレ)

本文を一部抜粋

1.ラッパー詩集

カップ麺にお湯注ぎ それで済むわけない禊

身動き取れない君の瞳 一瞬固まる緊張し過ぎ

2.糸井重里

カップやきそばは、「適当」に作れるところが、よいところだと思う。

3.小沢健二

お湯を沸かして かやくを入れて 恥ずかしながらもペヤング通りを行ったり来たり

4.さくらももこ

子供の頃、カップ焼きそばはご馳走だったような気がするが、大人になったらただの即席麺でありがたいことは何もない。

なんでこんなことを

掲載されている作品はなんと100種類。

帯のコメントにはクリープハイプの尾崎世界観が「切実に馬鹿だから、なんか泣けてくる」と推薦している。

もし私がこのこの本の担当者になったとしたら、100種類の特徴を調べる時間と労力を考えて卒倒する。

だからこそ思うのは、

「どうしてこの人たちは、こんなにも真剣に、カップ焼きそばの作り方をつくってんだ…」

という素朴な疑問だ。

そういえば小学生の頃、消しゴムのカスを集めて丸めて大きくしたり、固い土だんごを作ったりすることに躍起になっていたのを思い出した。

多分、この人たちにとって、この”カップ焼きそばの作り方”は遊びなんだろう。

大人が本気で遊ぶとこんなことになる。

大人の遊び心を思い知った。

観察眼

2人の鋭い観察眼は凄まじい。表情や手癖とは違い文章の表現をマネることは掴み所がなくて難しい。

その上で、想像力が必要だ。

特徴を掴んだって想像力がなければペンは進んでいかない。

“もしも”を仮定し、その人の発想に寄り添いながらユーモラスに”カップ焼きそばの作り方”を想像していく

高い観察力と想像力があったからこそ、この本は出来上がった。

伝え方が9割

伝え方が9割。

コピーライター佐々木圭一が書いた、大ヒットを記録した本の名前である。

伝え方が9割。

この本の言わんとしていることは伝え方の大切さだ。

リンカーンがあれだけ人気を博したのは名演説者だったからだという話を聞いたことがある。

リンカーンはこんな言葉を残した。

『私は自分の3分の1を使って、何を話すかを考える。そして3分の2の時間を使って、相手が何を求めているかを考える。』

この本で“何を求められているか”という問題に対する答えは“特徴をきちんと捉えられているか“だ。

特徴を捉えた上で、どう伝えるかが大切になる。

良い伝え方は、相手を感動させることも笑わせることも出来る。

大人が本気で遊んだこの本からは、そんな学びを得ることも出来る。

ムダという美学

『好奇心というのは道草でもあるわけです。確かに時間の無駄ですが、必ず自分の糧になる。』

手塚治虫の名言である。

ムダ知識というのは回り回って必ず役に立つ。

必要ではない知識は、考え方にゆとりを与えるからだ。

トリビアの泉があれだけ流行ったのは番組構成、編集のウデが良かったというのもあるだろうが、視聴者に驚きとゆとりを与える番組だったからではないだろうか。

決して必要ではないけれど誰かとの会話のタネになったり、何かを深掘りするキッカケになったり、私を含め、視聴者はそのムダ知識を利益だと感じていたのだ。

この本を読む時間は、決して時間のムダではない。

教養は見えないお洒落

この本を楽しむのには教養が必要不可欠だ。

知識の浅い子どもに読ませても、どこが面白いのか分かってもらえないだろう。

大人だからこそ楽しめる。

大人だからこそ楽しめるって最高の贅沢だ。

ハーゲンダッツをより美味しく食べるためには解凍する時間が必要なように、この本をより楽しむためには教養が必要だ。

雑誌でもマンガでも、テレビやYouTubeでもいい、たくさんのモノに触れることが教養になっていく。

逆にこの本を始点にして、気になる著者の作品を読み始めるのもこの本の楽しみ方だと思う。

教養は心のお洒落だ。見えないけれど、自分を美しく着飾ってくれる。

この本をカルチャーの交差点のように楽しめたら、心はどんどんお洒落になっていく。

まとめ

“もし村上春樹がカップ焼きそばの作り方を書いたら”。

この本の始まりはひとつのツイートである。

その反響の大きさが書籍化まで繋がっている。

ひとつのツイートが本になる。

なんて夢のある話だろうか。

無駄な時間だと思っていたことが、立派な成果になる。

無意味だと思いながら辞められない投稿も、ひょっとしたら、なにかの始まりのキッカケになるかもしれない。

主題歌:ヤバイTシャツ屋さん/鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック

ヤバイTシャツ屋さんの”鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック”がしっくりくる。

歌詞や世界観がマッチするからというよりは、ファンの捉え方が同じだからだ。

両者とも”内容よりも伝え方”を大切にしている。

無意味そうなのにときおり現れるハッと核心を突くような歌詞。

意味を持たないことが、対照的に一行に込められた意味を重くする。

能ある鷹は爪を隠す。

ヤバTも”カップ焼きそばの作り方”もキャッチーの皮を被っているが、一枚剥いだところには底無し沼のようなマニアックさを秘めている。

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