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『わたし、定時で帰ります。』あらすじと感想【定時ダッシュでビールを飲みに行ってはいけませんか?】

『わたし、定時で帰ります。』あらすじと感想【定時ダッシュでビールを飲みに行ってはいけませんか?】

採用面接の場において、必ず質問される「志望動機」。

その会社のどこに魅力を感じ、何を成し遂げたいのかを語る場面だが、彼女の答えはこうだった。

みんなが定時に帰る、そういう会社を作りたいです。

当然、こんな発言をする者の就職活動は厳しく、100社受けて、内定が出たのはたったの1社。

これが現実だった。

唯一内定をもらえたネットヒーローズ株式会社で、本当に定時帰りを実行している主人公・東山結衣(ひがしやま ゆい)の仕事ぶりを覗いてみるとしよう。

こんな人におすすめ!

  • 過去の恋愛に未練がある人
  • 自分の働き方に疑問を感じている人
  • 仕事終わりのビールがたまらなく好きな人

あらすじ・内容紹介

入社以来、どれだけ仕事が忙しくても業務時間内にすべてのタスクを効率良く捌き、ほぼ毎日定時ダッシュで向かうのは、会社近くの中華料理屋。

時間ギリギリで駆け込み、ハッピーアワーのビールを飲みながら店主の王丹(ワンタン)や常連のおじさん達とワイワイ楽しむのが東山結衣の日常である。

普段はソフトウェア会社でディレクターとして働き、新人の来栖(くるす)を指導するのが彼女の主な業務。

業界1位のライバル会社に勤め、残業はせず、プライベートの時間を大切にしたいと考える彼氏・諏訪巧(すわ たくみ)との交際も順調だが、新しいマネージャー・福永が着任し、結衣の部署では労働環境が大きく変わってしまう。

結衣はこれまで通り自分の信念を貫くことができるのか?!

『わたし、定時で帰ります。』の感想・特徴(ネタバレなし)

残業しない=悪いことなのか!?

自分の仕事が終わっていても、周りを気遣い、定時で帰ることに躊躇いや罪悪感を感じ、素直に帰れない方は結構多いのではないだろうか。

社内では、毎日定時で上がる結衣のことを羨ましいと思う人もいれば、「空気の読めない人」とあまり良い印象を持っていない人もいる。

だが、そんなことは気にせず定時退社を貫いてきた結衣。

同僚の三谷には、有給を取る度にブツブツと文句を言われ、避難される始末である。

諸外国に比べ、勤勉で働き者と称される日本人。

たくさん働いてきたからこそ、ここまで経済成長できたのだが、その反面、プライベートをかなり犠牲にしなければならない。

日本の古い労働体質が露呈した残業モンスターだらけの職場で働く結衣だが、そもそも残業や有休を使わないことは、誇らしく、当たり前のことなのだろうか。

「東山さんは残業したくないだけですよね?」

世の中には仕事が好きで、長時間労働が苦にならない人もいるが、だからと言って全員に残業を強制させたり、社員に与えられた正当な権利である年次有給休暇を取りにくい雰囲気を作っている会社はナンセンスだ。

業務に支障がないのなら、文句を言われる筋合いも無いし、きっちり消化しても構わないのではないか?

もっと伸び伸びと心に余裕をもって働いた方が思考もクリアになり、生産性もアップするだろうに。

残業の多い業界に勤めている結衣だが、残業や有休をとらない事が当然だと思う社員が大勢いる組織体質は結構ヤバすぎる。

そんな会社で働くなんて絶対に嫌だ。

結衣は吾妻の机にタスク表を置いた。「これを定時までに終わらせよう」

「げ、今日中にこんなに進めるのは無理ですよ」

決して仕事をサボっているわけではないのに、結衣が毎日定時で帰れる秘訣は、タスク管理にある。

毎朝数分、仕事に取り掛かる前にその日の業務内容やボリュームを把握し、業務の優先順位をつけ時間配分をする。

たったこれだけのとてもシンプルで簡単な作業だが、タスクを細分化することで、消化していく度に達成感も味わえるし、何時までにどの作業が終わっていないといけないのか、業務の進捗状況もすぐに分かる。

私自身も、結衣と同じように日頃の仕事は毎日退社前に翌日のタスクを書き出す時間を設け、前日に書き出したタスクを消化していく。

そして、定時と同時に帰るタイプだ。

余程イレギュラーなことがない限り、残業などしなくても済むし、業後の時間を有意義に過ごせて満足しているので、おすすめの方法だ。

定時帰りに批判的な結衣の職場環境だが、作業効率を上げる工夫等もしっかり評価してほしいところだ。

仕事とプライベート、大切なのは?

「自分たちが残業をすればなんとかなりますが」

出た。晃太郎の口癖だ。結衣はすかさず首を横にふった。

結衣の元婚約者であり、現在の上司でもある種田 晃太郎(たねだ こうたろう)と結衣では、仕事に対する考えが大きく異なり、2人の意見は度々対立する。

全員が定時で上がれるようにスケジュールを組む結衣に対し、クライアントの無茶な要望であっても残業をして、自分が無理をしてでも出来るなら引き受けてしまい、労働環境を悪化させる晃太郎。

クライアントとの関係や経営を考えれば、多少の無理も必要になるのだろう。

社会人歴が長くなれば、自分の処理能力に関係なく、不可抗力で残業しなければいけない場面が出てくるのも承知のはずだろう。

日頃の業務をそつなくこなし、それなりに気遣いのできる結衣だが、定時上がりに関する執着は少し異常とも言える。

「納期より命のほうが大事です」結衣はふりかえった。

「納期のほうが大事だ」その男は愉快そうに笑っていた。「この会社にいたいのなら、能力がない分、せめて命くらいは賭けるべきだとは思わないか」

普通のスタッフよりも生産性が圧倒的に高くて、体力もある晃太郎基準で進めれば出来る業務は多い。

だが、他の人には難しい要望だ。

仕事の出来る人が出来ない人の気持ちを理解できない典型例ともいえる。

こんなに危険な考えを持つ晃太郎のマネジメントが正しいとも思えない。

彼はなぜそこまで仕事に打ち込み、結衣は定時上がりに拘っているのか?

両極端な意見がぶつかりあうが、互いの意見を分かりあえる日は来るのだろうか。

最後に決めるのは自分

就職先を決めるのに大事な要素は人それぞれあると思う。

夢や希望、待遇や自分の価値観と照らし合わせて、自分に合う会社を見つけることになる。

「大手だったから、入社できてすごく嬉しかった。でも入ってみると――飛び込み営業ばっかりでした。」

どれだけ慎重に選んだとしても、実際に入ってみないと分からないことだってたくさんある。

現実の世界でも、入社したのは良いが、思っていた会社と何か違ったというミスマッチはある。

だからこそ、新しい環境に飛び込むのには勇気がいる。

晃太郎の弟・柊(しゅう)も、就職先のパワハラで心に大きなダメージを受けた被害者の1人だった。

もし、自分の職場が期待していたものと違っていた場合、あなたならどう対処するか。

  • 自分の求めている環境を探し、転職する
  • 今の職場で自分が働きやすい環境をつくる
  • 我慢する

上記以外の選択肢もあるだろうし、どの選択が間違いで正解かは人それぞれだが、最後にそれを決めるのは自分自身だ。

柊が勤めていた職場を退職するに至った経緯は、もし、自分が同じ目に合っていたらと考えると、とても辛く、胸が苦しくなった。

柊の場合は、事を起こす前に思いとどまることができたが、残念ながら最悪のケースが後を絶たないのもこの国の現状である。

もし、今の職場にいるのが辛いという方は、心身が壊れて取り返しのつかない行動を起こしてしまう前に、どうか最善の選択をしてほしい。

まとめ

長時間労働に関する規制の他にも、サラリーマンの副業が認められたり、テレワーク勤務が導入されるなど多様な働き方改革が進む昨今だが、本作が2019年4月にドラマ化された際も、タイムリーなテーマとして話題となった。

この作品をきっかけに、自分の望む働き方、ワーク・ライフ・バランスやQOL(クオリティ・オブ・ライフ)について考え、向きあってみてほしい。

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