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『風が強く吹いている』原作小説あらすじと感想【走れ、素人選手達! 目指すは天下の箱根駅伝だ!】

『風が強く吹いている』あらすじと感想【走れ、素人選手達! 目指すは天下の箱根駅伝だ!】

「走るの好きか?」

今から十年前に出会った。

なん万もある文字で綴られた、ある小説の中。

その短い言葉が、いつまでも私の中に残り続けた事をよく覚えています。

皆さんは『箱根駅伝』をご存知でしょうか?

毎年一月二日~三日の二日間にて行われる、あの駅伝の事です。

正式名称は『東京箱根間往復大学駅伝競走』

全10区の定められた距離とルートを、全十人で走り、競い合う――。

その走行距離、『217.1㎞』。

それぞれの区間が20km以上の距離があるという、日本の学生長距離界では、最高の距離を誇る長距離の試合です。

この一月。テレビで観た人達もいたのではないでしょうか。

そんなこの時期だからこそ、ぜひ読んで頂きたいのが、今回私がお話させて頂く小説。

三浦しをん『風が強く吹いている』

寒さもピークへと達し始めるこの時期。

冷たい空気の中、己の身体の全てを使い、強い風を吹かせながら走る彼らの『走り』に、一緒に触れてはみませんか?

あらすじ・内容紹介

かつて『天才』とうたわれていた、高校生ランナー『蔵原走(くらはらかける)』。

しかし彼は、とある理由から陸上をやめてしまう。

その後、故郷から遠く離れた東京の大学『寛政大学』へ入学するも、居住が決まらず、大学の体育館の外階段下で雨風をしのぎながら過ごす生活を送る羽目に。

『清瀬灰二(きよせはいじ)』と名乗る彼と出会ったのは、走が空腹で万引きしたパンを片手に、持ち前の足の速さで逃げている最中の事だった。

自転車で追いかけて来た彼は、走の走りを見ながら、熱を帯びた瞳と共に、こう言葉を投げかけてきた。

――「走るの好きか?」――

その言葉に思わず心が揺り動かされた走は、灰二に勧められるがままに、彼が寮監をやっているという学生寮『竹青荘(チクセイソウ)』に住む事になる。

待っていたのは、個性豊かな八人の学生達。

そして、灰二の中に隠されていた、とある計画。

灰二はずっと、この竹青荘に『十人』が揃うのを待っていた。

そして待ちに待っていた時が来た彼は、住人達に向かって言う。

「十人の力を合わせて、スポーツの頂点を取る」
「目指すは箱根駅伝だ」

学生長距離界、最高距離の試合に、二人の走りの天才と八人の素人で挑む!?

前代未聞の、箱根駅伝へ向けた戦いが、火ぶたを切って落とされる!

著者:三浦しをん

作者様のお名前は三浦しをん。

代表作は『まほろ駅前多田便利軒』や『舟を編む』等。

この二作は映像化をはたしている作品で、前者はドラマにて、後者は映画にて、その名前を見た事がある方が多いと思われます。

今年(2019年)の『本屋大賞』にも『愛なき世界』がノミネートされるなど、その名前の広がりは留まることを知らない、女性作家様です。

家族の話や、特徴的な関係性のある人々の話だったりと、『ヒューマンドラマ』と呼ばれる面が色濃く出るのが、三浦さんの特徴的な作風。

そんな『人間』という点において、様々な話を書いてきた、ヒューマン作家な三浦さんが送るこの作品は、『走る』という事にその姿勢を貫くことになった人々の話。

どうしてこんなに苦しいのに自分は走るんだ?

どうしてこんなにもキツイのに、自分は走り続けているんだ?

辛くてやめたい、苦しくて倒れそう――なのに、なぜ足は動き続ける?

走るって、一体なんなんだ?

その疑問を強く胸に抱きながらも、ただひたすらに『走る人間』を、強く強く一点突破に描き出した小説。

続いては、そんな小説の魅力についてお話させて頂ければと思います。

風が強く吹いているの感想(ネタバレ)

走りは素人。でも個性の豊かさでは負けぬ! 竹青荘の仲間達!

灰二に誘われるがまま、竹青荘にやってきた走。

そんな走の前に現れた、そして箱根駅伝で共にチームを組む事になる住人達は、衝撃的な人達ばかりでした。

元サッカー部で走と同じ運動畑で育ってきたものの、その頭の中は『女の子にモテたい』という理由しかなかった双子の『ジョータ』と『ジョージ』。

元陸上部だけど今はタバコを吸ってばかりなダメダメ浪人生『ニコチャン』。

法学部在席、司法試験にも一発合格な頭の出来の『ユキ』。

海外から社会勉強で留学してきた、物腰が日本人以上の丁寧さと礼儀であふれた黒人の『ムサ』。

無類のクイズ番組好きが転じてあだ名をつけられた雑学王、『キング』。

偏狭すぎる田舎から上京してきた好青年『神童』。

顔はイケメンなのに漫画好きなせいで残念キャラ扱いをされている『王子』。

そして、突然「箱根駅伝で頂点を取る」と言い出した、『清瀬灰二』こと、『ハイジ』。

元運動部はいるも、『走る』という事に関心があるのは、ハイジだけ。

しかも、そんなハイジですら、どうやら他にも何か隠している事がある模様――。

こんなメンバーで、本当に箱根駅伝を走り切る事ができるのか?

そもそも、箱根駅伝に出れるのか? いやもうそれ以前に、練習自体、成り立つのか!?

そんな疑問と疑念が走の胸中で、そして読んでいる側の胸の中にも渦巻きます。

けれど、そんな『走る』ことに全くの興味も縁もなかった彼らが走る事で、ずっと『走る』を続けて来た人々とはまた違った観点からの、『走る』というものを観る事ができるのです。

この風変わりな観点がとても面白いのです。

個人的な見解ですが、スポーツものは、そのスポーツに興味がある人々が奮闘していく様が描かれる事が多い傾向があると思います。

その中には、好きでそのスポーツに臨む者もいれば、嫌々臨む者もいますが、それでも登場人物達の中心には、そのスポーツへの何かしらの関心が存在している事が多いのです。

けれど、この『風が強く吹いている』では、その真反対を行く、全くそのスポーツに興味がなかった人々、が描かれているのです。

つまり、この小説は『走る人』の小説でもあると同時に、『走らない人達』の小説でもあるのです。

これまた個人的な見解ですが、小説を読む人達は、走る人より、走らないまたは走りたくない人の方が多いのではないでしょうか。

ちなみに私自身は嫌いでした。

身体を動かす部類の部活にはいたのですが、正直体育はサボりたい派の人間でした。

部活で頑張るから、授業では勘弁してくれって気持ちでいっぱいでした。

そんな私からすると、住人達の気持ちは非情に納得する、わかるわかる! と頷きたくなる気持ちでいっぱいの視点でした。

けど、走ることだけを続けてきた走には、それが予想外の事で、彼自身に大きな影響を与えていくことになるのです。

走るってなんだ

『大学に入ってはじめて、走は知った。陸上と縁のないひとからすると、マラソンと駅伝のちがいなんてよくわからないものなんだ、と。』
『俺にとってはすごく大事なものなのに、陸上って世間一般では案外地味な扱いなんだなと、走としては衝撃の事実を知ってしまった思いだった。』

本文内では、このような形で走が周囲との価値観の差に驚いている描写がされています。

走にとって『走る』は、当たり前に生活の中に存在しているものでした。

たとえば、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、寝たり、いやもうそれどころか空気を吸ったりとするような領域で、傍にあって当たり前のものでした。

――高校の部活で、ある問題が起きるまでは。

その『問題』については、ストーリー展開に大きく関わる事の為、ここでは伏せさせて頂きます

この秘密に関しては、ぜひ本編にて味わってくださると幸いです。

けど、その問題が起きるまでは、彼はずっと『走る』生活を続けて来ました。

周囲も、走り漬けな人達ばかりがいて、先輩も後輩も同期も、全員走っていました。

両親からの応援などもあり、彼にとっては本当に『走る』という事は、当たり前に人の傍にあって、酷く大きくて凄いもの、として取り扱われている世界だったのです。

しかし、竹青荘に来て、初めて走は、走りに興味のない人々と出会いました。

『走る』という事に全く興味のない人々。

『走る』事を苦しい事だと嫌がる人々。

嫌々な顔で『走る』人々。

それは、走にとって新鮮で思いもよらない世界だったのです。

けど、そんな住人達が、なぜか走り続けている。

最初はハイジに尻を叩かれる形でやっていたのに、気が付いたら皆、各々の意思で走り出している。

漫画ばかり読んでいる引きこもりな王子ですら、ぐちぐち言いながらもずっと走り続けている。

そしてじっくりとではあるが、着実にそのタイムを縮ませていっている――。

この光景も、走にとっては驚きの光景でした。

どうして続いているのかと不思議に思うのと同時に、走は思わず期待も抱いてしまいます。

このまま行けば、皆と一緒に箱根駅伝を走れるんじゃあないかと。

驚きの考えでした。

だって走にとって、走る事は一人でする事だったから。

走るのはいつだって自分の足で、自分以外誰もできない筈の事で、『一緒に』なんてできる筈のない事だったから――。

そんな自分の思考の変化に戸惑う走に、ハイジは言います。

「もっと強くなれ」と。

「いいか、過去や評判が走るんじゃない。いまのきみ自身が走るんだ。惑わされるな。振り向くな。もっと強くなれ」

今まで、『速くなれ』と走に言ってきた人達はいっぱいいました。

けれど、『強くなれ』とは言われた事がありません。

強くなるってなんだ。『走る』で強くなるって? ――『強い』ってなんだ?

ハイジの言葉は、走を鼓舞すると同時に、走の中にあったこれまでの『走る』への概念を覆していきます。

そして、次第に走は『走る』事とは何か、考え始めるようになります。

周囲にとっての『走る』とは、竹青荘の皆にとっての『走る』とは、そして己にとっての『走る』とは……。

走りへの期待、興奮、焦り、苦しみ。それらを全て混ぜ合わせ、ぶつかっていきながら、次第に走は自分なりの答えや形を見つけようと始めます。

そして、箱根駅伝へ向けて、竹青荘の皆と共に走り続けていくのです――。

迫りくる時間の壁! 出場できるか、箱根駅伝!?

しかし、そんな風に走が悩もうとも、竹青荘のメンバーがど素人な面々であったとしても、時間は刻々と迫り続けてきます。

そして、彼らに迫りくるのは、そんな現実の時間だけではありません。

それが、『5km、17分』の壁。

実は、箱根駅伝には、出場する為に『予選会』と呼ばれる大会に出場をして、上位10位以内に入らなければいけないという条件があります。

しかもその予選会に出場するには、『記録会』と呼ばれるまた別の大会に出場し、そこで『5km』の距離を『17分』以内に走り切る事が必要とされます。

もっと簡単に速さを表すなら、1kmを3分半で走り切らなければいけない――という形になります。

箱根駅伝に参加する為には、避けては通れない道。

当然、竹青荘のメンバーもそれに出場します。

ド素人集団な彼らですが、元々走る事には向いてる人間が多かったせいか、日々の練習の成果もあり、一人また一人と条件をクリアしていきます。

が、ここで問題が一つ。

それが、王子のタイム。

最初に言った通り、王子は引きこもりな漫画オタクです。

つまり、運動が大の苦手

他の皆が遅くとも18分以内にはゴールする中、彼だけは周回遅れの20分越え

しかも、脱水症状でも起こしたのかと審判者に思われ、途中で棄権になりかけた――、なんて事件もくっついてきます。

箱根駅伝に出るには、10人の人間が必要

竹青荘のメンバーは10人ぽっきりのチーム

つまり、一人でも欠けたら箱根駅伝には出場できなくなってしまうのです!

はたして王子は、条件をクリアする事ができるのか。

そして、竹青荘メンバーは箱根駅伝に出れるのか!

頂点云々どころじゃあないですよ、ハイジさん! 大丈夫ですか!?

そんなハラハラとする展開も合わせ、『走る』という事を通して様々な変化をしていく、竹青荘メンバー達による『疾走青春小説』!

結末はぜひ、あなた自身の目ででご確認下さい!

まとめ

私事なお話ですが、この本に関する記事はどうしても一月中、それも来年のじゃダメだ、今年(2019)の一月じゃなきゃダメだ、という気持ちであげさせて頂いたものだったりします。

なぜなら、現在『風が強く吹いている』のアニメが日テレにて放送中だからです。

アニメの放送が始まったのは、昨年(2018年)の10月のこと。

放送の発表そのものはもっと前から行われていた為、知った当時は私の心の中は感動の嵐で、日テレさんがある方向には足を向けて寝れないな、という気持ちでいっぱいになりました。

そしてこのアニメ、びっくりする程に、原作とストーリー展開が違うのです!

でも、正直とても面白い! 凄く面白い! 最高に面白い!

こんな展開のさせ方もあったのか、こんなやり方での説明もあったのか、と、原作と比べれば比べる程に驚きと面白さがどんどんとわいてくるのです。

それはまるで、走る事しか知らなかった走が、それ以外の価値観を持った住人達と触れ合った時に驚愕したように、原作の展開ばかりを真実だと思っていた自分には衝撃的なものでした。

と言いましても、違うのは展開のみで、大筋は原作と同じだし、細かな舞台設定や『走る』という根本のテーマに対するものは何も変わってはおりません。

原作の中で、本当に大事なところだけを綺麗に抜き取って、その上で『アニメ』というジャンルだからこそできる、魅せ方、演出方法、でストーリーを進ませていっている――、そんな印象を受ける展開です。

現在、アニメは二クール目に突入しております。

周回遅れにも程がある王子のタイムを、どうにかしなければと奮闘するところまで

つまり、今回私がお話させて頂いたような、内容のところまで進んでおります(※あくまでこの記事を書いてる時点では、です)。

あまり大きなネタバレをしたくなかったのも、箱根駅伝に出場できるのか!? という流れで紹介を切ったのも、全部はこのアニメの存在の為です。

もしこの記事で、ご興味をわいた方がいましたら、ぜひアニメと一緒に原作を読んでみて下さい。

驚きの世界が、あなたを迎えてくれる筈です。

主題歌:イトヲカシ/やくそく

イトヲカシ『やくそく』

この楽曲の一番のポイント。

それは、歌詞です。

この気持ちの名前はなんだろう? 嬉しい筈なのに歯がゆくて
テキスト越しの感謝の気持ち 本当に伝わってるか不安で

これは、この楽曲の最初に流れて来る歌詞です。

テキスト越し? 感謝の気持ち? その散りばめられた、どこか現実的で、でも少し表現が不思議なその言葉の並び。

実はこれ、この楽曲ができた経緯に関する歌詞だったりするのです。

バンド『イトヲカシ』は、ニコニコ動画発のバンド

歌い手『伊東歌詞太郎』とボカロP『レフティーモンスター』が組んで生まれたバンドなのです。

今では当然のように、ボカロや歌い手発端のアーティストが生まれ、前に出てきている世の中ですが、当時(2013年)は、まだまだそのような事が少なく、少しずつその数を増やし始めていた頃でした。

元々はニコニコという、プロともなんにも関係のない人々が動画をあげられるサイトで活動していただけの人々。

そんな言ってしまえば半ば素人まがいな人達のアーティストデビューには、肯定や祝いの声だけではなく、否定的な意見なども飛び交う時期でした。

そんな頃、バンドを組んだイトヲカシは、『全国路上ライブツアー』をする事を決めました。

全国路上ライブツアーとはその名の通り、全国各地を回って路上ライブをするツアーの事です。

時折、駅前などの大広場にてギターを片手に、またはマイクだけを片手に、といった形で歌っている方々を見かけた事はありませんか?

それが路上ライブで、イトヲカシはそれを全国各地でやろうと計画したのです。

もちろん、会場への荷物運び等は自分達でやらなきゃだし、演奏場所の確保、向かった先で宿泊する為の場所等の事前準備も自分達で行います。

当時はまだ大手会社会社に所属していなかった為、それらの費用は全て自分達持ちです。

何かあっても、全て自分達でどうにかしなければいけない――。

そのような状態で、それでも2013年の春、彼らはついに全国路上ライブツアーを開始します。

あの頃からずっと考えてた 無謀だと言われたこの計画
出会った頃のぼくらの顔と 同じ様に無邪気に話してた

出だしの歌詞の次のパートとして歌われるのが、この歌詞。

一言で『無謀』と現わされたこのライブツアー。

でも確かに言葉にしてしまえばその通りの出来事でした。

準備にかかった時間等を想像すると気が遠くなりそうです。

それでも、彼らはその無謀を、時代の荒波にも負けずに突き進み、たくさんのファンの方々と共に最高に楽しいツアーとして終幕します。

そして、その終幕後、楽しかったという気持ちと、ファンや周囲の人々への感謝の気持ちを込めて作ったのが、この楽曲なのです。

その経緯が詰められた歌詞が、この本の展開と被って見えた――それが、この曲を選曲した理由です。

ハイジによる、無謀な箱根駅伝への計画。

本編では走のおかげで10人揃いましたが、もしかしたら10人が揃わないまま終わる可能性だってあったのです。

揃ったとしても、必ず全員が箱根駅伝に向けて走ってくれるなんて保証はない。

出場できるのかだって妖しい。

本当にできるのか? やれるのか? そう言った、穴だらけの計画でした。

でも、それでもハイジはただひたすらにその日が来るのを待ち続けました。

そして、住人達も、無理だ、無茶だと言いながら、次第に箱根駅伝へ向けてその闘志を高めていきます。

その様が、この曲の経緯と、そして込められた思いに似ていると、そう思ったのです。

これからも変わらぬ想い歌い続けると誓うよ
もう迷わない
この道の先に君がいるから

そう締めくくられる楽曲は、イトヲカシのこれから描いてく自分達の音楽への決意、そしてファンや周囲の人々への感謝であふれているように感じます。

走達も箱根駅伝という、長い『道』を行く者達です。

その長い道を走り切った先、彼らが目にする光景はどんなものか――。

それを想像しながら聴くと、ほら。

なんだか今にも、強い風を吹かせながら走る彼らの足音が聴こえてくるような――、そんな気がしませんか?

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