前回654話では、魏・秦両軍が左右から楚軍を挟み撃ちにする策を打ち、本格的な戦闘が始まった。
天才軍略家・呉鳳明の指示により、一気に玄右軍を押し込んでいく。
呉鳳明も注視する中、劣勢を強いられたように見えていた什虎軍が、いよいよ本領を発揮しだす!
玄右・満羽軍の各精鋭部隊「黄鋒」「迅樹」が、左右から迫りくる魏・秦軍を蹴散らしはじめたのだ。
寿胡王「我らは楚軍にあって、楚軍にあらず」
かつて楚の大将軍・汗明をも返り討ちにしてきた、什虎の4将とその軍。
楚に対し忠誠心は無くとも、戦における圧倒的な強さを持っていた!
しかしまだ、寿胡王・満羽の2人は、ほとんどその力を見せていない。
さらに、かつて騰と互角の戦いを繰り広げた、楚の若大将・項翼も然りだ。
全く先の見えない什虎の乱戦は、まだ始まったばかりである!
『キングダム』655話のネタバレありの感想をお送りする。
録嗚未・乱美迫の2人掛かりでも討てない千斗雲!
玄右の突撃の前に、一太刀で討たれてしまった魏将・馬介の首が転がる。
敵大将の首をとっても眉ひとつ動かさず、玄右は冷静かつ的確な指示を出す。
玄右「端から崩していけ」
左端に位置していた馬介軍は大将が討たれたことで崩れ出したため、中央の荀詠軍がフォローにまわらざるを得ない状況となり、魏軍の攻勢が弱まり戦況は膠着。
どうやら玄右という将は、武力だけでなく戦術にも長けたバランス型の強者と言える。
このような状況を打破するための切り札が、最右翼にいた狂戦士・乱美迫。
のはずだったが、戦大スキ変態・千斗雲と激闘を繰り広げていた。
録嗚未も負けじと千斗雲に襲いかかるが、彼は2人同時に相手しながら、またも本性が出始める
千斗雲「そうだ、もっとだ、もっと来い」
さらに変態魂に火がつき、快感を覚えているようだ。
ここでも膠着状態に陥っており、乱美迫が機能していない。
この様子を魏軍本陣で見ていた呉鳳明は、無言のまま何かを捉えようとしているようだ。
蒙武・騰軍も前に進むことができない!
その頃、「圧倒的な個の力」と呉鳳明が評した、蒙武・騰の両将軍も苦戦を強いられていた。
蒙武軍は精鋭部隊「迅樹」の底知れぬ強さに手を焼き、思うように前進できない。
さらにその後ろに控え圧倒的なオーラを放つボスキャラ・満羽、こいつはヤバイ。
一方、項翼軍と戦っていた将軍・騰も、今までのようなファルファルで切り刻みながらの直線的な突破を阻止されていた。
どうやら隣で戦っている満羽軍から精鋭部隊の一部が入ってきており、そのため騰軍の勢いが削がれているようだ。
次の瞬間、疾風のように項翼が騰に襲いかかる!
2人は刃をかち合わせながら交差するも、互いの頬に浅い傷を負わせた。
五大宝剣の1つである妖刀・莫邪刀(ばくやとう)を天にかざしながら、項翼は騰に言い放つ。
項翼「よそ見なんかしてんなよ騰、今の俺には瞬き1つ命取りだぜェ?」
騰「千年早い」
やはりこの2人の再戦となった。
騰に限って万一のことは無いと思うのだが・・・
戦況を冷静に見れず、焦る蒙毅
戦況を注視していた秦軍本陣。
秦・魏軍共に前進を止められ膠着状態に持ち込まれただけでなく、挟撃を跳ね返されようとしている。
時間が無い中、軍師である蒙毅は打開策を探っていた。
蒙毅「この同盟軍の挟撃に一体何が足りないんだ。」
蒙毅「!、はっ」
何かを感じとった様子だ。
しかし蒙毅は感情が戦況に流され過ぎるようで、これは軍師として致命的な欠点ではないだろうか?若さ故か?それとも父が参戦しているからか?
どちらにせよ、万の命を預けるには頼りなさ過ぎるように感じてしまうのは、私だけだろうか。
戦略変更!魏軍の呉鳳明が秦軍の録嗚未に伝令を!?
一向に進まない自軍を見て焦っていたのは魏軍本陣も同じだった。
だが秦軍と違う所、それは魏軍には天才軍略家・呉鳳明がいることだ!
呉鳳明「戦術を変える。乱美迫と秦将・録嗚未に伝令を送れ」
魏兵A「え!?しっ秦将・録嗚未にも?」
呉鳳明からの伝令は、すぐに戦闘中の録嗚未に届く。
録嗚未「はあ!?呉鳳明が俺にだと!?」
無理もない。
同盟中とはいえ他国の将軍へ指示を出すなど聞いたことも無い!
伝令の内容を聞いた録嗚未は、驚きのあまり聞き返す。
録嗚未「本当に呉鳳明がそう言ったのか!」
伝令兵「はい、間違いありません」
一瞬考えた録嗚未だったが、次の瞬間部下の兵たちに檄を飛ばす!
録嗚未「お前ら、ここの敵!死にもの狂いでぶっ潰すぞ!!」
そして同時に伝令を受けていた乱美迫軍は、別の動きをし始める。
呉鳳明の伝令の内容とは、
- 戦況を変えることができる強軍・乱美迫軍を、戦場の端から中央へ動かす必要がある
- そのために録嗚未軍はつぶれ役となり、千斗雲軍をなんとしてでも足止めする。
というものだった。
録嗚未が千斗雲を止めることができると判断したからこそ、呉鳳明はこの策を打ったと思いたいところである。
呉鳳明の指示に従い、千斗雲軍との交戦から抜け出した乱美迫軍。
誰もが玄右に苦戦している魏軍へ向うと思ったのだが、なんとその行き先は!
魏軍へ向わず、騰のいる秦軍の戦場へ向かい出したのだ!
そして騰と項翼が戦っている最中、乱美迫とその軍が楚軍の兵たちを蹴散らしていく。
呉鳳明と騰、共鳴し合う天才同士!
騰「そうゆうことか、呉鳳明。よかろう、心得た。」
目の前の状況をひと目見ただけで、戦況全体を俯瞰で把握できるのが騰だ。
まさに王騎に劣らぬ天才である
その様子をただ眺めることしかできない蒙毅は、呆然としつつも理解する。
蒙毅「呉鳳明はこの挟撃の中で作るつもりです。「助攻」と「主攻」を!!」
乱美迫軍は軍の半分をこの場に置き、もう半分はさらに前進して蒙武軍の加勢に向おうとしている。
呉鳳明の策とは、この膠着した戦況を打破できるのは自軍の武将ではなく、圧倒的な武力を持つ秦軍の蒙武と騰であり、この2人に戦いの命運を委ねる、ということだろう。
一方で秦・魏軍の分け隔てなく個の能力を正確に分析し、盤上の駒として冷静に戦局を操る呉鳳明。
残念ながらこの戦いに、秦軍・軍師の出る幕はなさそうだ。
膠着状態に陥った戦況を、呉鳳明の策により打開への糸口が見えはじめた『キングダム』655話。
呉鳳明の策は確かにすばらしいが、明らかに無理があるのも確かである。
それは録嗚未の戦場だ。
乱美迫と2人掛かりでも互角だった千斗雲を、録嗚未1人で止めることができるのだろうか?
さらに次週からはいよいよ各大将同士の一騎打ちが描かれていくと思われる。
その中でも蒙武vs満羽、騰vs項翼、そして録嗚未vs千斗雲。
お願いだから録嗚未、死なないでくれ!
漫画ではより緊迫感が味わえるので、もし買っていなければ今週のヤングジャンプを買って読もう!
では次回656話もお楽しみに!
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