キングダム ネタバレ669話感想【蘇える、識が伝えた最期の言葉】

前回668話では、あの日行われた忌まわしき“祭”の全貌が明らかとなった。

壮絶な死闘・狂宴の末、生き残ってしまった2人。

一言話したかった礼。

間髪入れず、強烈な殺気を放つ識。

「生き残るためには決して躊躇しない」、あの言葉通りだ、識は!

とっさに突きを放った礼の首元で、識の剣は止まっていた。

止まっていたのだ、躊躇したのか?

お互い生き残るために全力を尽くすというのが、暗黙の約束ではなかったのか?

礼は「裏切られた」と感じた。

その言葉でしか、識を殺めてしまった現実を受け止められないから。

はたして羌瘣は、この哀れな戦士を救えるのだろうか?

『キングダム』669話のネタバレありの感想をお送りする。

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識を殺めてしまった瞬間

羌礼「子犬を飼いたい」

羌識「!?えっ?」

羌礼「くっ食うんじゃないぞ、飼うんだよ。かわいー子犬をっ」

羌識「アハハハハハ」

あどけなく優しい笑顔の識。

少し拗ねた表情で礼が返す。

羌礼「コ、コラ笑うな、識」

幼かった頃、2人で話した「外界へ出たら何をしたい?」が思い浮かんでいた。

羌礼「じゃあ、識はもし外に出たら何がしたいんだよっ?」

羌識「えっ、私?」

答えを急かす礼に、

羌識「んー、私はねー・・・」

次の瞬間、識を貫いていた現実に引き戻される。

羌礼「し・・・識・・・な・・・何で・・・何で・・・」

口から血を吹き出す識。

言葉にならない言葉と涙があふれだす礼。

羌礼「識~~~~~~~~~~!」

壮絶な状況を聞き、言葉をなくす飛信隊員たちと羌瘣。

羌瘣「・・・・・・、礼・・・」

次の瞬間、心に貯めていた言葉が礼の口から次々とあふれ出す。

羌礼「識が私を裏切った。全力で“祭”で戦おうと約束したのに。あいつは剣を止めた。だから負けたはずの私が識を殺して勝ち残った」

「識の心臓を貫いたあの手の触感・・・。最後の識の苦悶の表情」

実の妹を殺めた幽連も、この経験を口にしていた。

羌礼「私が変貌するには十分すぎる“供物”だった

最後の最後で、一番大切な者の命を糧とし、礼は“本物の蚩尤”になったと言うのだ。

すでに彼女は闇の淵にいる。

死をまき散らす闇の神“蚩尤”

羌礼「私は死をまき散らす闇の神“蚩尤”。お前たちはその私をさらに闇の先に押し進めるための“糧”に過ぎん

これで礼が飛信隊へやってきた理由がはっきりした。

蚩尤族の掟で裏切り者の羌瘣を殺しにきたというより、まだ自分の中にある大切な者を全てこの世から消し去ることで、更なる闇の先へ進もうというのだ。

羌瘣が大切にしている信や飛信隊さえも全て消し去り、糧にしようとしている。

この世の全てを恨んでいるかのよう。

羌礼「お前ら全員、ここで識の元へ送ってやる」

飛信隊にしたら、ものすごいとばっちりだ。

蘇える、識が伝えた最期の言葉

羌瘣「やめろ、礼。お前は間違っている」

この言葉に逆上し羌瘣へ切りかかる礼。

彼女はもう後戻りができないと思い込んでいる。

礼の剣を必死に受け止めながら、羌瘣はさらに諭す。

前蚩尤・幽連も同じ経験を経て、精神が壊れてしまったこと。

そしてその闇の先には礼の言うような道はないことを伝える。

さらに羌瘣は核心に迫る。

羌瘣「戻ってこい、礼。暗闇の淵から戻って初めてお前は本当の強さを得る。恐らくそれが蚩尤の本当の・・・」

かつて、深い闇「魄領(はくりょう)」から戻ってきた羌瘣は、そのこと自体が本当の強さであることを、礼に伝えようとしているのだろう。

しかし識を殺めてしまった事実は変えられない。

どうやって戻るというのだ。

羌礼「どこにどうやって戻ると・・・あんたが私を戻せるのか!?」

羌瘣はその役目が自分ではなく、識であることを伝える。

識の最期を思い出せ、と。

ただ苦痛の中で逝ったはずがないと。

識はきっと礼に何かを伝えていたはずだと。

見てもないこの場面、羌瘣が識の行動に確信が持てるのは、羌瘣も象姉と同じようなことが起きていたとしたら、きっと何かを伝えていたと思えるからだろう。

羌礼「何を言っている、瘣姉(かいねぇ)・・・、識は何も言っていない。胸を私に貫かれて苦しみ抜いて死んだ・・・」

あの瞬間、識は血を吹き出しながら、膝を地についた。

礼は起こってしまったことを受け止められず、目から血の涙を流し、口を開けたまま放心状態・・・

しかし識は薄れゆく意識の中で、か細い声で、確かに言葉を発していた。

今、礼はその言葉を思い出し始めていた。

放心状態の中で、確かに聴いていた大切な言葉を・・・

やっと戻ってきた羌礼

羌識「ごめんね、礼。覚悟ができていなかったのは、私の方だった・・・。ずっと礼を・・・手にかけるのはムリだと分かっていた。だから・・・」

ハッキリと思い出した。

羌識「本当にごめん・・・でも礼が残れてよかった・・・勝手ばかり言うけど・・・礼・・・外で・・・私の分も・・・」

ここで満面の笑みを浮かべた識の顔が描かれる。

羌識「精一杯強く生きて」

だがこの時、礼は放心状態で呆然と上を眺めたまま。

識も貫かれた状態で膝をつき、うなだれた状態だ。

礼が思い出した満面の笑みは、識の言葉を聴いて、礼の中で創られた最期の識の表情。

羌礼「あっ・・・あっあっ」

礼は膝から崩れ落ち、とめどなく涙があふれだす。

羌礼「ああっ、はああ・・・識っ、識っ、識ィっ」

何度も何度も識の名を叫ぶ。

ついに戻ってきたのだ。

だがそれは、礼が識の死を受け止めるということ。

羌礼「かっ瘣姉、私・・・いっ言ってない、識に・・・何てこと・・・」

地面に顔をあて、泣きじゃくる後輩を羌瘣は見守るしかできない。

羌礼「言わなきゃいけなかった。最後に言わなきゃいけなかったのに。」

あふれ出す涙を隠そうともせず、顔を上げ、頼れる先輩に全てをさらけ出す。

羌礼「私も大好きだよって・・・、頑張って生きるよって」

羌瘣「じゃあ、しっかり頑張れ、礼」

泣きじゃくる礼を優しく抱きしめる羌瘣。

彼女も泣いている。

その後も礼は識の名を、絶叫し続けた。

外界を夢見て語り合った、幼き頃を思い出しながら。

 

識の最期の言葉を思い出し、戻ってきた礼を描いた『キングダム』669話。

羌瘣の苦労が報われて、ホッとした方も多かったのでは。

今後の焦点はやはり羌礼がどうするのか?になる。

飛信隊に入るのか?去るのか?だが、どうだろう。

蚩尤として秦国に召し抱えられるならわかるが、正規軍の一員として蚩尤が働くのだろうか?

だが、このまま去ってしまうとつまらないので、一応飛信隊に入ることを前提として考察してみる。

蚩尤族の掟として、裏切り者の羌瘣が許されないことを前提とするならば、

  • 蚩尤である羌礼が、羌瘣と一緒に軍で戦っていること自体がおかしくなる。
  • 羌瘣は長い時間瞑想をして準備しないと、以前のようには戦えない。
  • 対外的には羌瘣が羌礼に討たれたことにして、今後羌礼が羌瘣の部隊を引き受ける。
  • 羌瘣は裏方にまわり(軍師?)、第一線から退く。

こうすれば、羌族も潤うし、新たな“祭”も開かれないので一石二鳥。

さらに李信と羌瘣が結婚するという、展開もアリだと予想できる。

実は李信も24~25歳ぐらいなので、十分適齢期なのだ。

 

今回のネタバレ・考察はここまで。

幼い頃の識と礼の関係や、識を殺めてしまった礼の悲しみ、一部始終を見守る信や飛信隊員の様子をぜひヤングジャンプ本誌でご覧いただきたい。

では次回670話もお楽しみに!

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