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百合ではない?女同士の究極の友情、ロマンシス

マイブロークンマリコ書影画像

ロマンシスという概念をご存知だろうか。

これは男同士の究極の友情をさすブロマンスの対義語だ。

語源はロマンス+シスターで、広義における女同士の共依存・確執・バディ関係をさす。

百合というほど甘くなく軽くなく、ともすると骨太ハードボイルドな彼女たちの絆にはガツンとくる。

今回はロマンシスを扱ったおすすめ漫画を3本紹介したい。

『マイ・ブロークン・マリコ』平庫ワカ

SNSで何十万RТもされ、2021年度版「このマンガがすごい!」オンナ編第4位に堂々ランクインした衝撃作。

本作はクズな父親の虐待と、クズな恋人のDVが原因でおかしくなったマリコが自殺し、それを主人公・シイナがテレビニュースで知るところから始まる。

がらっぱちで口も態度も悪いシイナは、長年マリコを苦しめ続けた父親のもとから衝動的にその遺骨を奪い、生前親友と行こうと約束していた岬をめざす。

マリコとシイナの関係は共依存に分類される。

シイナはマリコにとって唯一の親友で、体を張って彼女を守ってくれる存在だった。

シイナはマリコが向けてくるクソデカ感情に辟易し、「私から離れたら死んでやる」とリストカットで脅す彼女を、内心「面倒くさい女」と思っていた。

それでも見捨てられない、見放せない。

彼女が男に傷付けられていたらなりふりかまわず殴り込んで助けてしまうし、そんなシイナだからこそマリコは強く執着する。

本作を読んでいるとマリコにおいていかれたシイナの絶望や哀しみ、親友を救えなかった後悔の念がひしひし伝わってきて胸が苦しい。

どうしようもなく壊れてしまったマリコ。

かわいそうでかわいいマリコ。

深夜バスで眠るシイナの膝に中学時代のマリコの幻が抱かれるシーンは、切なすぎて涙がでた。

『羣青』中村珍

『マイ・ブロークン・マリコ』を挙げるならこちらも当然外せない。

本作もまたDVと女性同士の共依存を扱った話である。

旦那の暴力に苦しむ人妻が、学生時代自分に恋していた獣医と再会し、体の関係を結ぶのと引き換えに夫の殺人を依頼する。

彼女たちは夫の殺害に成功するものの証拠を残してしまい、何もかも捨て逃亡劇をくりひろげる羽目になる。

獣医はレズビアンであり、もともと人妻に恋していた。

その未練を断ち切れず殺人の片棒を担ぐのだが、人妻は獣医を巻き込んでしまった、獣医は人妻の弱みに付け込み関係を持った負い目がある。

共犯と書いて運命共同体と読む二人の逃避行は、行く先々での出会いと別れを通して自分たちの生き様を見直す、魂の巡礼の旅でもある。

お互いボロボロになるまで憎み合い傷付け合い、なのに離れられない二人の姿にはどん詰まりの閉塞感と切迫感が漂っていて、終盤で本音をぶちまけあうくだりなど見ているのが辛くなる。

個人的に衝撃を受けたのは獣医の恋人のエピソードだ。

獣医にはラブラブ同棲中の恋人がいたのだが、最終的に人妻を選んだことで彼女は捨てられ、読者のトラウマとなることうけあいのショッキングな末路を辿る。

二人の決断が犠牲にしたものの大きさを突き付けられて、読後はため息を吐かざるえない。

『少女ファイト』日本橋ナヲコ

日本橋ナヲコは高校生のドロドロした感情を描かせたら右に出る者はいない。

彼女の描く人間関係は青臭さと歪みを両立させ、青春の輝きと残酷さを見事に再現している。

才能と挫折がワンセット、そんな物語だ。

この話は最愛の姉の真理に付き合い、渋々バレーボールを始めた練が主人公だが、その姉がなんと開幕早々、交通事故死してしまうのだ。

突然の姉の死にショックを受けた練は、これに熱中している間だけは何も考えずにすむという理由でバレーボールに打ちこむようになる。

まさしく狂犬とあだ名されるほどに。

本作は練の成長を軸にしたスポ根ものであり、彼女が癖の強いチームメイトたちとどう向き合っていくかを丹念に掘り下げている。

姉の死がトラウマになっているのは練だけではない。

チームメイトたちも仲間の死にうちのめされ、ぽっかり空いた喪失感をもてあましている。

その証拠に、練の姉亡きあとチームは優勝するが、表彰台に並んだバレー部の面々に一切笑顔はない。

全員がお通夜のような無表情だった。

この物語は練やチームメイトが、どうやって真理の死を乗り越えて再生していくかを追っている。

何度も衝突をくり返してチームメイトの信頼を勝ち取っていき、真理の代わりや穴埋めではない、一人の選手として練が認められていく姿には目頭が熱くなるはずだ。

もっと認知度が上がってほしいロマンシス

以上、傑作ロマンシス漫画3選を紹介した。

BLの人気とともにブロマンスは市民権を得てきたように思うが、ロマンシスの概念を知っている人は少ない。

この記事をきっかけに少しでもロマンシスが認知され、百合とは一線を画す女同士の絆に焦点があたれば幸いだ。

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