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謎に包まれた史実上の王騎について解説
記録では紀元前246年に嬴政が即位すると王騎は蒙驁・麃公らと共に将軍に任じられていることから、『キングダム』作中はほぼ史実通りに描かれている。ただ六将の一角・王齕(おうこつ)と同一人物ではないか?という説がある。
王騎は本来「王齮」と書くことから「齮」と「齕」の文字が似ていることと、中国語の発音が酷似していることが原因らしい。
しかもこの2人は同時期に活躍しているにも関わらず、別の書物で別々にしか登場しない不自然さがある。
ハッキリと分かっていることは、『キングダム』同様紀元前246年に死亡することだけで、作者の想像力がいかに凄いかがよくわかるキャラだ。
筋肉俳優に大変身!実写版映画『キングダム』王騎役は大沢たかお
「こういうシーンが撮れるのが中国ロケならではの醍醐味。ものすごい迫力でした。」
大平原を騎馬隊が駆け抜けるシーンでは、約100頭もの騎馬がずらりと並び撮影。
中国ロケ、そして日本ロケの様子はプレミアム・エディションに収録されるメイキングで✔️#キングダム pic.twitter.com/8o3jbcluBd
— 映画『キングダム』公式アカウント (@kingdomthemovie) October 4, 2019
「人が演じることを全く想定せずに描いている」
実写化の際、原作者・原先生の王騎に対する言葉だ。推定2mはあろうかという大男が、馬上で20㎏の矛を悠然と振り回す。『キングダム』作中には欠かせない、ファンの期待値MAXの難役だ。
ところが映画公開直後から「ハマり役だ!」との賛辞が続出するほど、大沢さんはこの期待に見事に応えた。浮世離れしたキャラクターにどうやってなったのだろう。
「引退も考えた」からの転機は王騎役!
「いいアイデアも出なくなり、頑張ってもドキドキしなくなった」
大沢さんが休業した理由だ。2016年から2年間も俳優に戻ってこなかった。それどころか滞在先のアメリカでは引退も考えていたという。
ところが2年経過した頃、気になる仕事の話が舞い込んだ。そのひとつが実写版映画『キングダム』の王騎役だ。
「今できる全てはやったと思う」
こう言い切る大沢さんは役作りのために体重を15㎏以上増量することで、強靭な肉体を持つ王騎というキャラに変身した。それは限界に近い過酷なトレーニングと、一日何度もステーキを食べ間食にプロテイン、といった急激な肉体改造の結果だった。
健康診断でお医者さんから「数値がおかしい」と指摘されることもあったとか・・・
続編『キングダム2』での王騎役の苦労を考察
続編となる『キングダム2』に向けた筋トレ中には、腹直筋断裂のケガを負ったという情報もあった。次回作も限界まで自らを追い込んで臨むようだが、それには理由がある。
馬陽の戦いが含まれるはずの『キングダム2』では、主人公は信というよりむしろ王騎だ。そこには龐煖との一騎打ちや死亡シーンなど、王騎が登場するシーンは全て名場面となるからだ。
すべてのキングダムファンの期待は、王騎役の大沢さんに重くのしかかるだろう。まさに俳優界における“大将軍”といえる活躍が必要なのだ。
アニメ『キングダム』で王騎を担当した声優は小山力也
【キャラクター紹介➁】加藤鳴海 (CV. 小山力也)
18歳。困っている人を放っておけない気骨のある青年。
中国拳法の使い手であり、卓越した体術を扱う。
人を笑わせないと呼吸困難に陥る「ゾナハ病」を発症している。#karakuri_anime#からくりサーカス pic.twitter.com/2e6tRue0US— TVアニメ「からくりサーカス」公式 (@karakuri_anime) August 1, 2018
王騎役の小山力也(こやまりきや)さんと言えば、数々のアニメで好演しているベテラン声優だ。代表作は『名探偵コナン』毛利小五郎2代目、『Fate/Zero』衛宮切嗣、『はじめの一歩』鷹村守とお馴染みのキャラがズラリと並ぶ。
また、洋画の吹き替え役としても有名で、筆者は王騎の声を初めて聞いた際、「ジャックバウアーだ!(24 -TWENTY FOUR-)」と思った。渋すぎる声はまさに王騎にハマっている。
おわりに
『キングダム』の偉大過ぎるキャラクター、王騎を紹介してきた。
原作者・原先生曰く
「王騎を抜く存在となるキャラが出なかったことは、私にとって大きな課題です」
わずかな回想シーンで登場させても読者に強いインパクトを与え、いい所を持って行ってしまうという。
王騎を創り描いているのは原先生だが、まるで別の人格を持ち、意に反して勝手に活躍し続けているかのように語っていることが面白い。
きっと作者にとっても、読者にとっても、ずっと記憶に残り続ける大きな存在になったということなのかもしれない。
『キングダム』の最終話を私たちが目にする時、大将軍となった李信を王騎が褒めている、そんなシーンが描かれて欲しいと願うのは、きっと私だけではないはずだ。
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