真実はいつもひとつ…とは限らない。余裕ある大人の条件を『ワンピース』から学ぶ

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某高校生探偵の決め台詞に「真実はいつもひとつ!」とある。

はたして、本当にそうだろうか。

「事実」はいつもひとつかもしれない。

しかし、そこに紐づく「真実」は、実は人の数だけ存在するんじゃないだろうか。

同じ「事実」を前にしたとしても、そこから読み取れる「真実」は無数にあるんじゃないだろうか……。

そんなことを考えるきっかけになったのが、かの人気漫画『ワンピース』のインペルダウン編だった。

それぞれが異なる「真実」に基づいた正義を掲げ、激しく衝突しあうインペルダウン編。

この記事では、そんなインペルダウン編を引き合いに、同時に存在する複数の「真実」について考えてみたいと思う。

異なる2つの正義が衝突したインペルダウン

死刑執行を待つ兄・エースを助けようと、海底の大監獄・インペルダウンに潜入する麦わらのルフィ。

インペルダウン編では、それを阻止しようとする海兵たちとの激しい攻防戦が描かれている。

「海賊が監獄を襲撃した」という事実はひとつだ。

この事実をルフィの視点で見れば、「大切な兄を救い出すための闘い」となる。

しかし、海軍の視点で見れば、この闘いは「民衆の平和を脅かす凶悪な海賊の襲撃」でしかないのだ。

インペルダウン編では、ルフィと海軍が、それぞれ異なる真実に基づいた「正義」を胸に激突する。

だからこそ互いに決して折れることなく、相手を打ち倒し、目的を果たそうと奮闘するのだ。

真実は決してひとつでないことを認識する

『ワンピース』の主人公は麦わらのルフィだ。

当然、物語はルフィの視点を中心にして展開される。

そのため、読者からすれば、ルフィは「兄を想う正義の海賊」に見えただろう。

さまざまな手段でルフィを阻止しようとする海軍が、卑怯で狡猾な悪者に思えただろう。

しかし、海軍にとってのルフィは「民衆に恐怖を与える大犯罪者」でしかない。

世界の平和のために、大切な人を守るために、なんとしても打ち倒さねばならない敵でしかないのだ。

視点を少し変えるだけで、ルフィという人物が、その行動がまったく別の「真実」を持つことに気付いただろうか。

 

こうしたことは、実は日常でも頻繁に起こっている。

具体的に例を挙げてみよう。

ある日、あなたは課長に資料のコピーを頼まれた。

10分後に始まる会議までに必要な資料だという。

あなたは快く請け負ったが、あいにくコピー機はメンテナンス中で使えない。

作業員に聞けば、メンテナンスはものの2~3分で終わるという。

であれば、メンテナンスが終わってから印刷をしても、会議には十分間に合うだろう。

そう判断したあなたは、メンテナンスが終わるまでの時間つぶしに、近くにいた同僚と談笑を交わすことにした。

話が弾み、ついつい笑い声が大きくなってしまう。

その時、「おい!」という厳しい声がフロアに響いた。

見れば、顔を真っ赤にした課長が、肩を怒らせてこちらに向かってきている……。

この時の事実は「コピー機の傍らであなたが談笑していた」である。

あなたにとっての真実は「メンテナンスが終わったらすぐに印刷できるよう、コピー機の近くで談笑していた」だが、課長からしてみれば、「もうすぐ会議が始まるのに、頼んだこともせず談笑に興じていた」と見えてしまったのだろう。

課長は、コピー機がメンテナンス中であること、それがあと数分で終わること、そしてあなたがそれを把握したうえで談笑していることも知らないのだから。

物事を多角的に見ることが「余裕ある大人」の条件だ

「おい!」と声を荒げた課長は、その後、得意の小言であなたを責め立てることだろう。

あなたの事情を知ろうともせずに。

課長は、課長の「真実」でしか物事を見ていないのだ。

実に小さい男ではないだろうか。

理不尽に怒鳴られたあなたは、当然ムッとすることだろう。

しかし、小さい男・課長と同じ土俵に下りてまでやり返す必要はない。

『ワンピース』のインペルダウン編で「真実はひとつではない」ことを知ったあなたであれば、物事を多角的に見る能力を備えているはずだからだ。

あなたにはあなたの真実があるように、人には人なりの真実がある。

それを知り、物事を多角的に見ることができるだけで、日常に余裕が生まれる。

無駄に怒りっぽくならずに済み、クールでスマートでクレバーな振る舞いができるようになる。

もしもまだ『ワンピース』のインペルダウン編を読んでいないのであれば、ぜひこの機会に手にとってみてほしい。

そして、ルフィだけでなく、海軍側の真実をも慮る広い視点を磨き、クールでスマート、クレバーでファビュラスな大人になるための一助としていただきたい。

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