『あるかしら書店』あらすじと感想【本への愛が最大限に詰まったユニークな絵本】

『あるかしら書店』あらすじと感想【本への愛が最大限に詰まった、ユニークな絵本】

とある町のはずれの一角、ぽつんとたたずむ一軒のお店。

そこにお客様がやってきました。

ここでは少し変わった決まりごとがあるのです。

店のおじさんに彼らは口をそろえて言いました。

「こんな本って、あるかしら?」

お店の名前はあるかしら書店

本であればだいたい何でもそろっています。

おやおや。あなたも探したい本があるようですね。

良かったら手伝いましょうか。

私もあなたの本に興味があります。

こんな人におすすめ!

  • 物語に入り込むことが大好きな人
  • 想像力を駆使して、頭を柔らかくしたい人
  • 本を愛してやまず、本に携わる仕事が好きな人

あらすじ・内容紹介

「ちょっとめずらしい本」「本にまつわる道具」
「本にまつわる仕事」「本にまつわるイベント」
「本にまつわる名所」「本そのものについて」
「図書館・書店について」の7つのカテゴリーに分かれています。

なかには、満月が出ているときにしか読めないインクで書かれた本。

読書をサポートしてくれる高性能のロボット。

職人の手によって1冊ずつ丁寧に作られる本。

大富豪が遺した蔵書を集めた水中図書館のような観光地があります。

そのほかにも一年に一度、亡くなった人の蔵書が読めるお墓まいり。

5年に一度、さまざまな生物が本を読み始める「読書現象」が起こる地方に、ある季節になると空から本が降ってくる地域。

バナナの葉やカスタネットといった奇妙なもので本を包む書店。

書店を会場にした本好きにはたまらない結婚式のお話などがあります。

本に対する愛情と妄想がふんだんにつまった絵本です。

『あるかしら書店』の感想・特徴(ネタバレなし)

一家に一台!読書を究極までサポートしてくれる万能ロボット

読書サポートロボ、ヨムロボくんは高性能の読書専用ロボットです。

全身は黄色で、ロボットの顔にあたるところは本の形になっています。

円錐型の胴体とペンギンのように平べったい足が特徴的です。

お客さんの会話で騒がしいカフェやレストランなどでは、ヨムロボくんの両腕が耳栓になって自動的に塞いでくれます。

これでどこでも快適に読書ができますね。

 

本のページが多くて、なかなか読書が進まないときはありませんか。

難解な言い回しや単語が多くて、読み進められない本に出会ったことはないですか。

ヨムロボくんには、読書を頑張る人を励ましてくれる機能が搭載されています。

もうちょっとで読み終わるよ。

あと一息だから頑張って。

このロボットが机の上にいたら、難しそうな本でも「もうちょっとだけ頑張るか」と、重い腰を上げて読み進められそうです。

 

ヨムロボくんには感想を聞いてくれる機能もあります。

読んで面白かったけれど、人に話すことをためらわれる本、自分にはあまり向いていなかった本、ほかにも読んだ感想を誰かに聞いてもらいたいときに役に立ちます。

 

しおり機能があることも、ヨムロボくんの大きな特徴です。

本を買って読もうとしたときに、手元にしおりがないことはありませんか。

スピン(しおりひも)があるときは、利用すれば事足りるのですが、そうでなかった場合はどうすればいいのでしょうか。

レシートやチラシで代用できますが、少し見た目が良くありません。

ヨムロボくんの手は伸縮自在でひものように細く長いので、しおりのように使えるのです。

 

いねむり防止機能もついていますので、本が難しくてついうとうとしてしまい、気付けば本の上によだれが……という事態も防げます。

暗がりで本を読むと目が悪くなります。

そのようなときはヨムロボくんが家族の代わりに叱ってくれるでしょう。

人間のようなしぐさに愛着がわきそうですね。

読書をサポートする万能ロボット。

一家に一台いかがでしょうか。

あなたの欲望をコントロール!「カバー変更機」

お客さんが来ることになりました。

家にある本は、自己啓発本やアイドルの写真集などでぎっしり。

タイトルを見られてしまったら、その後の対応に困ります。

こんなときにおすすめなのがカバー翻訳機です。

オーブントースターのようなこの機械に変更したいタイトルの本を入れると、知的な印象を受けるタイトルとデザインにカバーを差し替えてくれるのです。

どんな雰囲気のカバーにするのかを何種類か選べます。

例えば水着アイドルの写真集は、ミロのヴィーナスの芸術的な雰囲気のカバーに。

異性にモテるためのテクニック集は、データやグラフをあしらったビジネス書風に。

欲望に忠実なダイエット本も、ローマ字のタイトルが印象的な洋書風に変更できるのです。

これがあればちょっと読みにくいタイトルの本でも、ものの数秒で変更できるので人目をはばからずに読めますよ。

ただし内容はそのままですので、くれぐれものぞき読みだけはご注意ください。

大ヒットしてほしかった本

世の中には売れた本とそうでないものがあります。

そのなかでもほんの一部だけが大ヒット作品と呼ばれるのです。

当然のことながら、本を作っている人の顔は見えません。

この言葉が著者1人ひとりの熱い思いを代弁してくださっています。

良い本を作れば誰かがちゃんとわかってくれる!
部数がすべてじゃないんだよ!

そうはいっても、できることならば大ヒットしてほしいと願うのが人間です。

魅力的な本を作れば、それだけたくさんの人に作品が読まれる確率が上がります。

人の目に留まり、口コミで感想が広まり、有名人に取り上げられることもあるでしょう。

心を込めて作った本が多くの人に読まれることほど幸せなものはないですね。

 

本を書く人は年齢も価値観も様々です。

子どもの方もいれば、大人の方もいらっしゃいますし、なかにはお年寄りや体の不自由な人も含まれることでしょう。

過激な思想を持っている人もいらっしゃれば、単純に自分の意見を伝えたいという気持ちで書く人もいるに違いありません。

価値観も全く異なっていますが、彼らにはある共通点があります。

自分が出した本をひとりでも多くの人に読んでもらいたい」ということです。

売れなかった本にも、作者の情熱が大量に詰まっています。

その量は大ヒットした本に引けを取りません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

興味を持ったお話はありましたか?

この他にも不思議な仕掛け絵本ばかりを集めた「世界のしかけ絵本」。

しんみりしたお話かと思いきや、オチが秀逸な「本とのお別れ請負人」。

実際に開催されたら盛り上がりそうな「本のお祭り」などがあります。

あるかしら書店のおじさんと一緒に、ユニークな本の世界を味わってみてはいかがでしょうか。

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