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『森に眠る魚』あらすじと感想【母子とママ友と歪んで行く世界】

『森に眠る魚』あらすじと感想【母子とママ友と歪んで行く世界】

今回紹介させていただく本は、母と子、そしてママ友たちの歪んで行く関係性を痛快に書ききったこの作品

『森に眠る魚』

繭子、容子、千花、瞳、かおり

この五人の視点から描かれるママ友たちの世界は息を飲むものがあります。

あらすじ・内容紹介

舞台は東京の文教地区。

四人の母親、繭子、容子、千花、瞳がいわゆる「ママ友」として出会うところからはじまる。

四人はみんなでそれぞれの子供を連れてピクニックに行ったり、写真館で子供の写真を撮影したり、濃い友情を育む。

それぞれが心の底から友達だと思っていたが、五人目の母親・かおりとその元同僚である橘ユリとの出会いによって友情は崩れはじめる。

橘ユリはライターとして初めての本を出すと言う事で、テーマは「幼稚園児の小学校受験」であった。

全員が幼稚園児の子供を持っている身として最初こそ団結して「そんなものは馬鹿馬鹿しい」と笑い飛ばすつもりだったが、この取材をきっかけに全員考え直すことになる。

そして、関係性は徐々に変容していく。

依存・嫉妬・羨望――様々な感情が絡み合いドロドロと歪んで行く。

この物語の見せ場である。

主な登場人物

繁田繭子

開けっぴろげな性格で、五人の中で一番年下。夫の父親の遺産で高級マンションを購入するが、来客にスリッパを出さない、コップはプラスチックの使い捨てのものを使う、など、生活レベルと見合っていない。長女・怜奈。

久野容子

何に対しても疑い深く、被害妄想癖がある。先回りして「そうじゃないのよ」とフォローをしているつもりが逆に相手の神経を逆撫ですることが多々ある。長男・一俊。

高原千花

上品な出で立ち。子供を叱らない教育を貫いているが、行き過ぎて子供の悪い所から目を逸らす癖がある。少し見栄っ張りで、かおりに憧れを持っている。長男・雄太、長女・桃子。

小林瞳

内気で少し神経質。ひまわりプロジェクトと言うボランティアサークルに属していたが、子育てのために今は休んでいる。女同士の嫌味の応酬を目の当たりにして理解できない気持ちでいる。女ばかりのにぎやかな所ではなかなか自分の思っていることを発言できない。長男・光太郎、長女・茜。

江田かおり

ブランドものを嫌味なく着こなし、家の中も全て綺麗に整えていて、千花いわく「こんんなふうな妻で、こんなふうな母親でありたい」と言う理想を絵に描いたような女性。繭子の娘に自分の娘のお下がりの服を上げている。長女・衿香。

『森に眠る魚』人物相関図

『森に眠る魚』の登場人物は多岐に渡っていて複雑なので、一目でわかるように相関図を作ってみました。

注意
以下、ネタバレ注意。

森に眠る魚の感想(ネタバレ)

登場人物たちに対して思ったこと

繁田繭子

五人の中で一番年下で、最初の内こそ無邪気で嫌味のない女性だと思っていたけれど、次第に浮き彫りになっていくのがその人柄ゆえにあまりにも常識のない行動。好きになれるタイプではありませんでした。

久野容子

一番苦手な人物です。女性特有のべたついた性格で、仲間内で差別をしたり、「この人には話すけどこの人には話さない」など割と陰湿。最後の方は心を病みすぎてて怖かったです。子供の一俊がかわいそうだと思いました。

高原千花

嫌味っぽさは五人の中では一番少なかった気はするものの、計算高くて、生活レベルの低い人間を見下す発言が多々あって、友達にはなりたくないタイプだと思いました。

小林瞳

容子と少し似ていて「この人には話すけど…」と言った行動もあり、思ったことをはっきり言わない所も見ていてイライラしました。女々しいのは男性も女性も苦手です。

江田かおり

子育ての方針が厳しすぎて、娘の衿香がかわいそうだと思いました。気取ってる所がありすぎるのも苦手です。

 

このように欠点ばかりが目につくのがまた「上手い」と思わせる所です。

女性特有のねちねちとした関係性をかなり上手くえがいてて読んでる分にはとても面白いです。

女同士の、母親同士の友情とは?

私自身は母親になったことはありませんが、女同士の友情は簡単に壊れてしまうと言う事は日頃から感じていることです。

些細な事をきっかけに女性同士は揉めて、陰口を叩きあい、挙句仲間割れしてしまいます。

もちろんみんながみんなそうだとは限りません。

しかし私が女として体験してきたこの薄っぺらい友情のようなものは、私は自ら進んで壊してきました。

薄っぺらい毒すら含むそんなものはいらない――と。

この本を読んでいると、終始べったりと付きまとう女性の怖さ、薄ら寒さがリアルに体感できます。

例えば容子は瞳は自分に似ていると勝手に思い込み、深夜だろうとなんだろうとお構いなしに電話をかけ、居留守を使われると途端に不安になり、瞳の家の前まで行ってしまうシーンがあります。

ベタベタと張り付くこの不快感が、しかしたまらなく面白いのです。

ゾクッとするシーンもたくさんあります。

これはフィクションだからこそ味わえる「不快の快感」だと思います。

まとめ

この作品は、1999年に起きた文京区幼女殺人事件、当時「お受験殺人」と呼ばれた事件がモチーフにされていると言われています。

ネタバレになるから詳しくは言えませんが、事件に至る経緯までが本当に似ていて、加害者にかなり人物像が似ている人物も。

色々書いてきましたが、私はこのような女性同士の関係が本当に苦手で女友達がいないので、本当の所は理解しきれていないのかもしれません。

それでも女性と付き合わなきゃいけないシーンも多々あるのでそういうときに感じるあの不快さがリアルに描かれていて、角田さんはほんとに女性の嫌な所や確執を書きだすのが上手いと思いました。

自分では絶対に付き合わないであろう人間、それはフィクションであるから面白いのです。

主題歌:鬼束ちひろ/眩暈

鬼束ちひろ『眩暈』

この本を読みながら真っ先に思い浮かんだのが、鬼束ちひろさんの曲です。

薄暗く、迷い込んで行きそうなこの曲は『森に眠る魚』にピッタリだと思います。

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