『茶色の朝』あらすじと感想【明日、私たちが遭遇してもおかしくない恐怖】

『茶色の朝』あらすじと感想【明日、私たちが遭遇してもおかしくない恐怖】

この本の評価
読みやすさ
(5.0)
面白さ
(3.0)
考えさせられる度
(5.0)
装丁の美しさ
(1.0)
総合評価
(4.0)

ある朝、世界が茶色一色だったら、あなたはどうしますか?

あなたにとっての普通。

それは、本当に普通でしょうか。

誰かに抑圧され、同調したうえでの普通になっていませんか。

今回紹介するのは、「茶色の朝」。

現代の日本でも起こりうる「個人の自由の弾圧」を描いた、風刺絵本です。

あらすじ・内容紹介

主人公は「」です。

俺は、飼い猫を殺処分した過去があります。

それなのに、彼は感情を動かすことなく、淡々と過去を語ります。

友人のシャルリーが、犬を安楽死しなくてはならなくなったと話しかけても、どこ吹く風です。

大切な犬や猫を殺さなければならなかったのには、理由があります。

「茶色ではない」からです。

茶色以外の犬や猫は「異端」とされ、処分されてしまいます。

今まで読んでいた新聞は廃刊になり、代わりに彼が読むのは「茶色新報」に。

いつ粛清されるか分からないので、会話には「茶色の」という言葉をいちいち挟まなければなりません。

ラジオも茶色、パスティスも茶色。

何もかもが茶色に染まっていきます。

世界が茶色に染まり続けたとき、世にもおぞましいことが起こります。

茶色に守られた安心、それも悪くない。

そしてついに、「その時」が来てしまうのです。

今、そこに迫る恐怖

高橋哲也さんが書いてくださったあとがきが非常に丁寧なので、参考にしながら私なりにまとめました。

なぜ、「茶色」なのですか。

それは、茶色がフランスで「ナチズム」を連想させる色だからです。

そのほかにも、茶色には「ファシズム」をはじめ、極右の思想を持つ人を象徴する色として、強烈な印象を残しています。

  • 差別的で過激な発言をして、熱狂的な人気を得る政治家
  • 特定の国を差別するような発言をするメディア
  • 一方的な権力によって、個人情報を強制的に管理開示させ、主導権を握る国

など…。数え出したらきりがありません。

このような強制的な管理社会、「茶色の朝」を防ぐにはどうしたらいいのか。

私たちが、自らの目でメディアを監視し、状況を把握するのです。

簡単なことではありませんが、同調して意見に流されるよりは、ずっと聡明な判断と言えます。

茶色の朝がはびこる一番の理由は、「無抵抗の国民」にあるのですから。

主題歌:グレン・ミラー/茶色の小瓶

グレン・ミラーの「茶色の小瓶」です。

茶色がテーマの絵本ということで、選曲してみました。

この曲は初心者向けのジャズということで、幅広い層から愛されています。

元々は、アルコール依存症の夫婦の様子を歌った歌です。

軽やかなメロディーに乗せて、じっくりとお楽しみください。

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