人が生活を続けていく上で、失恋は避けては通れないだろう。それは必ずしも男女間だけとは限らない。
この記事では、新旧問わずおすすめの失恋ソングを切なくて泣ける・重たい・発散できる・別れた後に後悔などのジャンルごとにランキング形式でご紹介!
自分だけの失恋を、自由に当てはめて聴いていただけたら幸いだ。
目次
【忘れられない】失恋ソングおすすめ
1位『別の人の彼女になったよ』wacci
聴く人全ての「暮らし」の中にそっと入り込んでいけるようなポップスを作るバンドwacciの代表曲。
失恋を経て、新しい恋人と一緒になった主人公が、元恋人を懐かしむ様子が描かれている。
直接的に出てくるわけではないのに、元恋人の人となりがかなり近い距離感で伝わってくる。
主人公が楽しそうにしている様子が目に浮かび、別れた後でも想ってしまうのも仕方ないかという気持ちになってしまう。無骨なロックサウンドと橋本の表現力豊かな声が儚く、美しい。
タイトルにもなっている「別の人の彼女になったよ」のフレーズのインパクトと切なさは強烈だ。
2位『First Love』宇多田ヒカル
デビューアルバム『First Love』に収録されている楽曲。アルバムからのシングルカットされた本作は累計出荷枚数96万枚を記録している。
歌詞では歳上の恋人との失恋を描く。冒頭の「最後のキスはタバコのflavorがした」からも感じるように16歳の少女が書いたとは思えないほど大人びたラブソングだ。
タバコの香りがする大人な人に対し、主人公は相手を想って涙を流している。そこには精神年齢の差が明らかに出ている。
大人な人との恋愛が終わってしまった人に聴いてほしい。
3位『ドライフラワー』優里
シンガーソングライター優里による「失恋もうまく出来なかった」失恋ソング。
優里のどこか繊細でありながらもどこか泥くささも感じられる歌声が、囚われてしまった恋心を絶妙に体現している。
歌詞では恋人を引きずってしまう主人公の葛藤や悲しみが描かれている。失恋ソングでありながら、完全に別れ切っていない点に新しさを感じる。ストリーミング累計6億回再生突破しており、これはソロアーティスト初の快挙。
Cメロの「好きという気持ち/また香る」が甘美で切ない。抗えない恋心に飲み込まれてしまう主人公の弱さがこの曲の魅力だ。忘れかけていた人からの連絡は毒にも薬にもなる。
4位『カブトムシ』aiko
1999年11月17日にリリースされた。恋をする喜びが繊細な歌詞で綴られている。
モチーフがカブトムシである理由は、昆虫の中で強い存在でありながらも、骨格の中身は柔らかく脆いため、実は寂しい昆虫なのではないかと捉えたことによる。
「少し癖のあるあなたの声/耳を傾け/深い安らぎ酔いしれる/あたしはかぶとむし」など、独特でありながら、なんとなく分かる気がする感覚的な歌詞が秀逸。
ゆったりとしたメロディーに、ブルースを1つのルーツに持つaikoの歌声が良く絡み合っていて美しく恍惚としてしまう。
ちなみにこの曲は”冬の曲”として作られている。aikoの家では父の趣味で一年中カブトムシがいたため、冬の虫だと勘違いしていたのだそう。
5位『青いベンチ』サスケ
サスケの1stシングル。学生時代の恋愛を思い出し、想いを馳せるも叶わないと分かっている切ない感情を歌う。
「君は来るだろうか/明日のクラス会に」の歌詞から、恋人だった時からかなり時間が経っていることが分かる。背景を考えると当時の相手は既に結婚をしているのかもしれない。
イントロのハーモニカから哀愁を誘い、学生時代に経験した甘酸っぱい気持ちが再び熱を帯びる様子が伝わってくる。
効果音的にギターやベースの音も入っているが、基本的にはバッキングのアコギとハーモニカ、歌声という最小限で構成されており、素朴で親しみやすい楽器編成が聴き手のセンチメンタルな気持ちを高めてくれる。北清と奥山の優しく温かい歌声も1つの楽器のように響く。
6位『M』プリンセス プリンセス
1989年4月に発売され、シングルCD史上初のミリオンセラーとなったプリンセス プリンセスの『Diamonds』のカップリング曲。
2022年の現在も共感できる歌詞ではフラれてしまった人の心境が描かれている。
代表曲のひとつだが、当初はただのカップリングでしかなかった。バンドの方向性と曲の持つ雰囲気がマッチしなかったのもタイトル曲にしなかった所以である。
イントロのピアノは情感がたっぷりで心に沁みる。1フレーズ目の「いつも一緒にいたかった/となりで笑いたかった」というシンプルな歌詞が深く深く突き刺さる。
サビはイントロとは雰囲気が違い、バンドアレンジが効いている。聴くだけでも良いが、カバーして合奏しても楽しい楽曲だ。
7位『いつか』Saucy Dog
Saucy Dogの知名度を一気に高めた楽曲だが、初の全国流通作品『カントリーロード』の1曲であり、シングルカットもされていない。
歌詞では恋人になった2人が別れてしまう物語が描かれる。今を後悔し、まだ見ぬ未来に想いを馳せてしまう主人公が切ない。
ボーカル石原のチャイルディッシュな歌声がより心情を豊かに感じさせ、シンプルなバンドサウンドが聴き手の胸の奥の奥まで届き渡る。
ちなみに石原はヒゲダン結成の地、島根県松江市出身であり、自分以外のバンドメンバーが脱退し、その後現メンバーになる経緯はクリープハイプと重なり合う。偶然か運命か、人気バンドとの共通項にSaucy Dogがもっと大きくなる予感を感じてしまった。
8位『Blue』嵐
嵐3枚目のアルバム『How’s it going?』に収録されているかなり初期の楽曲で、ファンからの支持が厚い。恋人と別れてしまった主人公の喪失感が描かれている。
「淡いブルーのスカートが夕暮れの丘にたなびく」という歌い出しのフレーズが詩的で、主人公の胸中が間接的に伝わってくる。直接的な感情を吐露されるよりも鮮明な切なさが伝わってくるのはなぜだろうか。
当時のメンバーは18歳〜20歳前半。若々しい歌声が失恋した男性の喪失感をリアルに滲ませる。嵐は声の個性が分かりやすい。それにより、五人五色の失恋模様を感じられるのも嵐の強みだろう。
【切なくて泣ける】失恋ソングおすすめ
1位『366日』HY
HYの代表曲。Aメロの「たまにしか会う事出来なくなって口約束は当たり前/それでもいいから…」は、主人公の置かれている状況を包み隠さず表していて胸が痛む。
破いたカレンダーは元には戻らない。次第に恋人とも言える関係ではなくなっていくが、それでも忘れられないという沼系の失恋ソングだ。
心情を素直に吐露するような赤裸々な歌詞に加えて、力強くも繊細さもあるボーカル仲宗の歌声。失恋していなくても、だんだん失恋した気がしてしまう。
隙間を埋めるようなトランペットもブルージーで良い味を出している。AメロBメロはマイナー調なのに、サビでは突き抜けたように明るいメジャーにシフト。聴き終えたあとは心も晴れやかになる。
2位『Pretender』Official髭男dism
ストリーミング累計6億回再生を突破した失恋ソングで、距離が近過ぎるゆえに叶わない恋が歌われている。
曲中の主人公は、状況を嘆きつつもどこか楽しんでいるような雰囲気も感じられ、悲しさとユーモアのバランスが素晴らしい。
エレクトロなサウンドが新しくも懐かしい。サビだけでなくBメロの旋律も切なく胸に響く。ボーカル藤原の伸びやかな声がかなり生かされている、美しいのに人懐こいサウンドが絶妙だ。
ザ・フーの『Won’t Get Fooled Again』のイントロにある、シンセのフレーズをギターで取り入れているなど、サウンドにも遊び心が感じられる。
3位『恋をしたから』あいみょん
失恋はまだしていないが、今の関係性が終わってしまうかもしれない恐怖感で恋心を伝えられない様子。言うなれば失恋未遂だ。
過度に遠回りせず、シンプルな言葉、というか素直な言葉でポツリポツリと呟くように紡がれている。
アコースティックな編成でテンポが遅めのサウンドがどこか切実で、沁みる。
最後のフレーズ「当たり前なんてものはなくて/いつか失うこともあるわけで」には、陽が落ちていくようなセンチメンタルさを痛感させられた。
歌詞もサウンドの作りも、心地よい風が吹き抜ける夕方のワンルームで聴いているような距離感と手触りがする。
4位『たぶん』YOASOBI
YOASOBIの4thシングル。1〜3に比べて最もミドルテンポの楽曲だ。
代表曲『夜に駆ける』や『ハルジオン』でも別れや終わりの気配は確かに感じられるが、『たぶん』はそれをより強く感じる。
テンポ感のためでもあるが、同棲を解消したカップルが描かれているという点もそうだろう。YOASOBIが真っ向から失恋ソングと向き合った結果生まれたのが本作だ。
原作は同名の小説『たぶん』。同棲の解消という大きなテーマは同じだが、楽曲の延長線が小説という括りではないため、1つの題材で異なる2つの物語が楽しめる。
切ないメロディーでありながらも、打ち込みによる無機質なサウンドはどこか冷たくもあり、恋の終わりの淡々としたニュアンスが伝わる。
5位『エイプリル』mol-74
バンド名mol-74はモルカルマイナスナナジュウヨンと読む。別れの3月を超えた4月をモチーフに挙げ、良くも悪くも変わってしまうことを切なく歌った失恋ソング。
思い通りにいかない現実を憂う気持ちが伝わってくるサビのフレーズ「奇跡のように出会って必然のように別れて」が印象的。出会いは劇場版なのに対して、別れはいつだって通常回だ。
儚く繊細なボーカルの歌声もあいまって、メロディの美しさが際立つ。粗暴に触れたら壊れてしまうだろう。
最小限で最大限の効果をひき出しているピアノの旋律も良い。寸分違わず細かく刻みつけるようドラムもグッとくる。繊細で柔軟。ノスタルジーを感じさせるサウンドが聴き手の心を優しく撫でる。
6位『恋人ができたんだ』My Hair is Bad
サブスクも好評のマイヘア。
タイトルだけ見ると失恋ソングには見えないが、実は「恋人ができたから元恋人のあなたとはもう会えない」とした、元恋人への決別を歌う楽曲となっている。
新しい恋を描くことで古い恋も同時に描き出し、なおかつ元恋人がいなければ、新しい恋人も好きになっていなかったと、あくまでも元恋人への”想い”を歌う。
サウンドとしてはマイヘア初のストリングス導入楽曲でもある。マイヘアの魅力である、豪快で荒っぽく、男くさいバンドサウンドと、繊細でどこか女性的なストリングスが恋人同士のランデヴーのように上手く溶け合っている。ミドルテンポで椎木の歌声もよく活かされていて、切なさが胸に迫る。
7位『生活』SUPER BEAVER
2つの似た意味の漢字で成り立つ”生活”。SUPER BEAVERの『生活』では2人の別れが綴られている。
そのワケは「夢のためで 現実のため」。その後に「それでも別れが嫌だったこと」と詩が続いていくので、やむを得ない事情があったと推測できる。愛しい日々も辛い別れも、すべてを生活が飲み込む。
優しいサウンドに、ボーカル渋谷の伸びやかで心境を素直に吐露するような切ない歌声が心を満たす。何かを我慢するように控え目にピッキングされたギターの音色もたまらない。エレキギター、ドラム、ベースのアンサンブルが加わる後半は力強くもある。
生活が続いていった結果、主人公自身も強くなっていく。歌詞の中で楽しそうにしている2人は似たもの同士だったのだろうと想像した。
8位『愛す』クリープハイプ
愛すと書いて”ブス”。サビのフレーズ「逆にもうブスとしか言えないほど愛しい/それも言えなかった」が印象深い。
好きだからこそ意地悪したくなる人には痛いほど分かる歌詞だ。いなくなってしまうその間際まで素直になれない恋心を描いている。
側を蕎麦、君を黄身など言葉遊びに富んでおり、正面から相手に向き合えない気持ちを、そういうくだらないシャレで誤魔化してしまう様子がたまらなく切なく妙にリアル。
バンドサウンドにホーンも加わり、どこか温かくしんみりとする。言葉の強さとは裏腹に人懐っこいメロディが良い。
配信限定では空音や津野米咲がリミックスしたバージョンがある。人には人それぞれの”愛しのブス”がいることに気付かされた。
9位『傘』King Gnu
King Gnuの3枚目のアルバム「CEREMONY」に収録。配信限定シングルとしてもリリースされている。上手くはいかなかった恋愛を、やや強がった感じで描いている失恋ソングだ。
SixTONESに楽曲提供した『マスカラ』にも表れているが、ボーカル常田の描く失恋曲はちょっとハードボイルドで泥くさく、かっこよさと情けなさが共存している所がたまらない。
洗礼されているのに、しっかりとしたロックサウンドも生き生きしていてアツい。失恋の悲しみを涙とは別方向で消してくれる。
程よく哀愁を放っているサウンドはKing Gnuによって編曲・アレンジまでされている。作詞作曲まではバンド内で行うアーティストは多いが、そこまでセルフで行うバンド、作品も珍しい。
10位『マスカラ』SixTONES
SixTONESサイドからのラブコールによつて、King Gnuのボーカル常田が作詞作曲を務めた楽曲。
楽曲演奏には常田が自らギターをプレイしており、King Gnuのベース新井和輝も参加、鍵盤楽器では常田と交流のある江﨑文武が参加している。豪華な出会いではあるが、恋の散り際を歌ったもの失恋ソングだ。
繊細なメロディを有する失恋ソングでありながらも、歌詞はかなり男くさい。「終わりがあるのなら始まらなきゃ良かったなんて/いじけてばかりで」のフレーズが苦々しくて儚い。
曲中から色気が滲み出し、登場するモチーフは”マスカラ”であって、”煙草”というフレーズは一切ないのに、どうしても煙草が似合いそうに感じる。
【前向きになれる】失恋ソングおすすめ
1位『もう恋なんてしない』槇原敬之
王道の失恋ソング。歌詞では”君”に振られてしまった主人公の喪失感が描かれている。
目を閉じると歌詞の景色が浮かんでくるような生々しさがあり、2人から1人になった生活があまりに切ない。
おそらくこの楽曲は失恋の悲しみが味わいたくて再生する人が多いだろう。自身の失恋にも重ねた場合も多いはず。
「もう恋なんてしない」と投げやりなタイトルでありながら、サビでは「本当に本当に君が大好きだったから/もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」と曲中の主人公はしっかり前に進んでいる。
失恋の喪失を味わいたかった聴き手の気持ちも前向きにさせてしまう槇原敬之の魔法のような作詞力に救われる。
2位『Time goes by』Every Little Thing
Every Little Thingが1998年にリリースした8thシングルで、ELTシングル初のミリオンセラーを達成した名曲。
付き合いが長くなっていくにつれ、次第に上手くいかなくなっていく様子を歌う失恋ソングだ。
1番Aメロの歌詞「きっと誰もが何か足りないものを無理に期待しすぎて人を傷つけている」は、いつの時代でも当てはまるフレーズで深く納得してしまう。この歌詞がフックとなり、最後まで曲が頭に入ってくる。
シンセをはじめサウンドが煌びやかで、失恋ソングでありながらも不思議と悲壮感がない。
Time goes byというタイトル通り、時間を経て失恋直後から心境が変わってきたニュアンスが感じられる。
3位『メトロノーム』米津玄師
3枚目のアルバム「Bremen」に収録されている失恋ソング。同じ想いで一緒になった恋人と少しずつズレていってしまう様子が描かれている。
「刻んでいた互いのテンポは同じでいたのに/いつしか少しずつズレ始めていた」など、生活や考えの変化を2つのメトロノームで表現した点は流石。一瞬で情景が浮かび、悲しみが伝わってくる。
サウンドはメトロノームの音が時計のようでもあり、時間の経過を感じさせる。ピアノやストリングスの柔らかい音が優しく包み込む。温かさを感じる米津玄師の歌声にもグッときた。力強い歌声や、切ない歌声など感情の表現が巧みなシンガーだ。
MVは米津玄師本人が描いたイラストを使用し、ディレクションまで担当。また、同アルバム収録の『Blue Jasmine』は『メトロノーム』の対になる曲でもある。
【もう2度と会えない】失恋ソングおすすめ
1位『瞳を閉じて』平井堅
映画『世界の中心で、愛をさけぶ』の主題歌で、ポップソングとして絶対的な完成度を誇る平井堅の代表曲。愛する人を失ってしまっても続いていく日常を歌う。
平井堅の温もり溢れる歌声が切なくも美しい。2番のサビ「瞳を閉じて君を描くよ/それしか出来ない」が切実だ。
失恋の悲しみは時間が解決してくれるというが、この曲では時間の流れによって別れの痛みが少しずつ薄くなっていくことが悲観的に描かれている。
本来であれば、生きやすくなるはずなのに、それが悲しい。これは失恋だけでなく、大切なものを失うこと全てに言える。大なり小なり、人は何かを失いながら人生を歩み続けるのだから。
2位『ハッピーエンド』back number
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌。
そのタイトルとは裏腹に歌詞とメロディーはどこか悲観的で絶妙な違和感を生み出している。
歌詞では失恋が意味深に歌われているが、どちらかの気持ちが変わったり無くなったりしたわけではなく、作品に沿った特殊な恋愛模様が描かれる。
サビのフレーズ「大丈夫 大丈夫」のロングトーンは最終的にマイナー調に着地し、聴き手に不安感を与える。”大丈夫”と口では言っているが、本心はそうではないというの心の乖離を表しているようだ。
特殊な恋愛をモチーフにしながら、誰もが感情移入できるポピュラーな歌詞に落とし込んでいるところにback numberの美学を感じる。
3位『ラストシーン』いきものがかり
映画『四月は君の嘘』の主題歌。
歌詞では恋愛の終焉ではなく、恋心を含んだ死別としての失恋が描かれている。
映画の主題歌だからといって映画を見た人しか分からない歌詞を入れ込むのではなく、映画を見ていない人も平等に切ない歌として楽しめる”のりしろ”が残されており、ポップスとしての完成度が高い。
「言葉にできなかった/ぜんぶがほら/僕のなかにある/今を生きていく」とサビで歌われているが、この曲では不在の証明が全面に出ている。いないからこそ存在感が色濃く滲み、自分の中で確固たる存在になっていく様に泣けてくる。
2人のラストシーンから先にある切なさを、ボーカル吉岡の優しい歌声と温もりあるメロディが空っぽの心にそっと寄り添ってくれる。
【別れた後に後悔】失恋ソングおすすめ
1位『たばこ』コレサワ
アコースティックなサウンドが聴き手の心境に寄り添う、コレサワの代表曲。2番以降のバンドサウンドが溢れ出した感情を感じさせる。
歌詞中では、相手は好きだけど主人公は苦手な煙草を通じて2人の気持ちのすれ違いが描かれている。
タバコをモチーフにした失恋曲は宇多田ヒカルの『First Love』をはじめ多数存在する。
MVでは女性目線になっているが、歌詞中では主人公が女々しい男性で、女性側が喫煙者という珍しいパターンだ。
タバコは嫌いだけど、「君」が吸っていたタバコだけは気になってしまい、置いていかれた思わずタバコに火をつけてしまう健気さが切ない。相手を想い過ぎるあまり、苦しくなってしまう方にぜひとも聴いてほしい。
2位『もう君がいない』FUNKY MONKEY BABYS
2007年にリリースされた2枚目のアルバムに収録。フる側の視点で、恋の終わりが描かれている。やや身勝手だがフッてから自分の大きな喪失に気付いてしまう失恋ソングだ。
1番は露骨に韻を踏むことを避けているのに対して、「いつからか心二人すれちがい/楽しかったあの頃嘘みたい/夢みたいに過ごした毎日/の中でずれていってたタイミング」など2番Aメロのモン吉によるリリックが心地よく踏んでくれている。
そういう2人のズレも歌詞の物語をより強く意識させた。分かりやすい歌詞により、老若男女問わず失恋の喪失が感じられる楽曲となっている。ちなみに、ファンモン恒例の顔ジャケットには人気女優・戸田恵梨香を起用。
3位『アイランド』レミオロメン
『3月9日』『粉雪』で知られるレミオロメンの隠れた名曲。『粉雪』の大ヒットによって生まれてしまった苦悩や葛藤を生々しく歌う。
そういう裏テーマこそあれど、聴き方によっては大切な人とすれ違ってしまった失恋ソングとしても捉えられるだろう。
ラスサビ前のフレーズで「時は止まらず人は変われない」と断言してしまうなど、歌詞はかなり暗い。気持ちが滅入ってるときであれば、その暗さに安心感や優しさを覚えるだろう。
1番では声にノイズをかけることによって、霧の中を彷徨っているようなニュアンスを演出。美しく壮大に仕上げてくれるストリングスも、どこか孤独感を感じさせる物寂しい旋律だ。
【未練タラタラ】失恋ソングおすすめ
1位『ブルーベリー・ナイツ』マカロニえんぴつ
元々「ブルーベリー・ナイツ」という映画があるが、この楽曲は映画のことを歌っているわけではなく、ニュアンスや言葉の響きが優先されている。
マカえんは言葉遊びが特徴的なバンド。自暴自棄な気持ちをブルーベリーに喩えた「私を救って食べて/誰でもいいよ、私を潰して舐めて」はモチーフの使い方が巧みで思わず感嘆の声が漏れる。
途中のシンセからは夜のニュアンスが感じられ、”泣き”の要素が香るギターロックは聴く人に哀愁や喪失感を与え、非常に人間くさく魅力的だ。
2位『恋いしくて』UVERworld
2008年リリースの失恋ソングで、彼女と別れてしまった喪失感を男性目線で歌う。
タイトルはあえて『恋いしくて』となっている。同じタイトルの曲は小沢健二をはじめいくつかあるが、変化をつけたことで唯一無二のタイトルになり独自性が生まれた。
本当の孤独とは何かを提示した1番にあるフレーズ「たくさんの人に囲まれているときほど/この世界中で一人きりな気がして」からは、主人公の切なさがひしひしと伝わってくる。
サウンド面でも歌詞でも2000年代的で、とにかくボリュームがある。バンドサウンドにピアノやストリングスも入り、様々な音を駆使しながら琴線に触れる。
ちなみに、シングルとしては初めてギター克哉が作曲したナンバーだ。
3位『香水』瑛人
元恋人から久しぶりに連絡があり、再会する物語が綴れている。しかし恋が再熱することはなく、2人の温度感の違いに主人公はまた傷付く。
サビの「君のドルチェ&ガッバーナのその香水のせいだよ」は一聴するだけで永遠に忘れないほどの凄まじい魔力を持っている。シンプルなコード進行であるがゆえ、より一層強くそれを感じるのかもしれない。
カラッと晴れ渡るような瑛人の声は、誰からも親しみやすいという点もこの曲が多くの人に知れ渡った理由だろう。
チョコプラを筆頭に芸人らにも様々な内容でカバーされており、それを咎めたりしない瑛人の器の大きさも並大抵ではないと個人的に思うところだ。
【発散できる】失恋ソングおすすめ
1位『女々しくて』ゴールデンボンバー
ヴィジュアル系バンドは大きく好みが分かれるが、『女々しくて』はヴィジュアル系かつ演奏しないという、乱暴な言い方をすれば異端なバンド発でありながらも老若男女歌えるし踊れる特異な曲だ。
楽曲は基本的にボーカルの鬼龍院翔が作詞・作曲・編曲までも務めている。
ムーディーなブラスも印象的だが、これはサザンオールスターズの『匂艶 THE NIGHT CLUB』にインスピレーションを受けたもの。MVも同楽曲と同じ場所で撮影されるなど、 エアーバンドではあるが、楽曲の魅せ方やルーツの使い方がその辺のバンドよりもしっかりしている。
2位『猫』DISH//
別れてしまった彼女を、急にフラッといなくなってしまう”猫”になぞらえて歌う失恋ソングで、テレビ東京でドラマ化もされるほど物語性の強い楽曲だ。
等身大で伸びやかな北村匠海の歌声と、どこかキザなあいみょんの歌詞が、聴き手の心を掻き乱す。
サビ前の「君の顔なんか忘れてやるさ馬鹿/馬鹿しいだろ、そうだろ」も独特な譜割によって、「馬鹿」がものすごく強調され、強がっている等身大の弱さが感じられる。
3位『フラレガイガール』さユり
タイトルからも薄々感じるように、フラれてしまった主人公の心境を歌っている。楽曲のプロデュースはRADWIMPSの野田洋次郎。
主人公は強がりな性格をしており、フラれる間際でさえ「だからあんたみたいなバカ/わたしからフッてあげるわよ」などとウソをついてしまう。
キンキンと張り詰めたさユりの声が主人公の気持ちを見事に代弁している。基本的にBPMは遅めで、サビ以外は演奏も全体的に比較的穏やか。淡々としたメロディがかえって狂気を感じさせる。
サビの爆発力は一度聴いたらクセになり、メリハリのついた展開には主人公の感情の起伏の激しさが感じられる。
4位『貴方解剖純愛歌〜死ね〜』あいみょん
あいみょんの1stアルバムの1曲目に収録されている失恋ソング。
いざ、世界へ出て行かんとする大事な作品でありながら、1フレーズ目が「あなたの両腕を切り落として」。これはあまりにも衝撃的。かなり攻めているが歌詞は愛情が強すぎるラブソングだ。
カニバリズムさえも感じるほどに愛情が強い。失恋ソングとカテゴライズするのも憚ってしまう。
グロテスクな歌詞だとついヘヴィなサウンドを当て嵌めたくなるものだが、この曲はロックサウンドではあるが、比較的軽やかなもの。それが歌詞との良い違和感を生み出しているし、聴きやすさにも繋がっている。
思わず目を伏せたくなる歌詞ばかりだが、それだけ愛情も伝わってくるというモンスターラブソングだ。
5位『手と手』クリープハイプ
恋人がいなくなってしまった現実を振り切るような疾走感を持った歌。2人の「手と手」が離れた結果、続編として『手』という楽曲も。
歌われている内容は普遍的な恋愛の結末だが、歌い出しの「本当の事を言えば毎日は君が居ないということの繰り返しで」など、言葉の吸引力を高めて、ありきたりなものをただ一つの喪失の物語に変えた。
また喪失を疾走感に乗せているのも新鮮で、グッとくる。畳み掛けるアウトロもエモーショナルな気持ちにさせられてしまう。
失恋を歌いながら、「君の他にはなんにも要らないよ」と恋をしてる時の多幸感も同時に描き出している。失恋ソングだけどバラードではないからこそ、喜びと悲しみの双方にアプローチ出来ているのだろう。
6位『アボカド』yonige
アボカドという一風変わったモチーフを使った失恋ソング。
元恋人にアボカドをを投げつけ、元恋人はそれを潰すというかなりエキサイティングな別れ方をした2人をユーモラスに切り取った。
牛丸の低めの歌声と荒削りなバンドサウンドがかなりグッとくる。歌詞面、サウンド面どちらにも少し投げやりな様に、失恋後の自暴自棄な感じが伝わってきた。
「愛していたんだっけ?今じゃもうよく覚えていないけど」の歌詞も妙にリアルで聴き手を惹きつける。
ライブ現場の実力者が集うsmall indies tableに所属していたが、現在は独立。オルタナティブな楽曲と活動が際立っている。
【重たい】失恋ソングおすすめ
1位『会いたくて会いたくて』西野カナ
2019年に活動休止を発表した恋愛ソングの名手・西野カナの楽曲。
好きな人に別れを告げられ孤独を感じている心境を歌う。サビの「会いたくて会いたくて震える」はあまりにもインパクトがあり、世間をざわめかせた。
「頬が染る」「心に穴が開く」といった凡庸な例えの遥か先に、本当に”震える”という感覚があるような気がしてくる。
タイトな打ち込みや、嵐の前のようなAメロ、跳ねるようなサビの抑揚の付け方など、常に気鬱さを引き摺っており、歌詞だけでなくサウンドでも”重たい恋愛感情”をあの手この手で伝えている。
表現が突き抜けているため、全てに共感することは難しいかもしれないが、メロディの人懐こさや伝わりやすい歌詞が絶妙なバランスを保つ。
2位『me me she』RADWIMPS
タイトルだけでは歌の内容が分かりにくいが、歌詞では失恋が描かれている。
女々しく落ち込んでいる姿を「自分・自分・彼女」という形に落とし込んでいるタイトルがあまりにも素晴らしい。
彼女のことを真剣に考えているようでいて、その実、自分のことでいっぱいな様は失恋を経験していれば十分理解できるだろう。
特に2番の歌詞はとにかく愛情が重たく、聴き手の心理状態によっては「気持ち悪い」と思うくらい振り切れている。とても悲しく切ない、そして重たい、失恋者に優しく寄り添ってくれる楽曲だ。
ミディアムバラードで、ポロポロと涙が溢れるようなギターのアルペジオが儚く切なく美しい。
【本命になりたかった】失恋ソングおすすめ
1位『予感』My Hair is Bad
ついにサブスクも解禁されたMy Hair is Bad、通称マイヘアの失恋ソング。
彼女との失恋が描かれているが、どうやら主人公は2番手の様子。その彼女から「大事な話がある」と連絡をもらい、良い予感と悪い予感の狭間で揺れる。
歌詞や曲調を加味して、明らかに望みの薄い展開だと分かっているのに、この予感がどう転ぶのか気にさせるストーリー性がある。
「恋人に飽きた日だけ愛されていた」の歌詞が切なく、胸に痛む。主人公が現実に気づいてしまってる点が余計にそう感じさせる。
瑞々しいバンドサウンドとエモーショナルや椎木の歌声が主人公の一喜一憂を切実に伝えており、聴きながら落ち込んでしまうくらい巧みなラブソングだ。
2位『悪い女』ヒグチアイ
アニメ『進撃の巨人』ED主題歌『悪魔の子』で話題のヒグチアイ。
冒頭の歌詞は「二回くらいしだだけで彼女ヅラしないで」。いわゆる悪い女であれば”彼女ヅラ”という部分が”彼氏ヅラ”になるはずだ。
悪いの捉え方を変えて「あなたは悪くない/わたしが悪い」にすることで、悪い女を演じていることが分かる。つまり、悪い男を庇うために自分を傷付けてしまう悪い女なのだ。
元々はアルバム収録曲だったが、プロデューサーの耳に止まったところからドラマ『雪女と蟹を食う』のEDに抜擢され、EPとしてリカットされている。
自分を犠牲にしてまでダメな男に縋りついてしまうダメな女を題材にした楽曲が、こうして表になることで、曲中の主人公が救われたような気持ちになる。
まとめ
三度の飯より音楽が好きなライター石田がおすすめの失恋ソングをご紹介した。
幸せなラブソングよりも、失恋ソングの方が何故だか心に響く。今そこにあるものよりも既に失ったものの存在証明は重く、あたたかく、優しく、そして悲しい。
音楽の力でそのトゲの部分だけを上手く抜いて、喪失を大切に守り抜いてほしい。
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