おすすめの失恋ソングを、忘れられない・前向きになれる・もう会えない・重たい・発散できる・別れた後に後悔などのジャンルごとにご紹介!
目次
【忘れられない恋】失恋ソングおすすめ
『ドライフラワー』優里
シンガーソングライター優里による「失恋もうまく出来なかった」失恋ソング。
優里のどこか繊細でありながらもどこか泥くささも感じられる歌声が、囚われてしまった恋心を絶妙に体現している。
歌詞では恋人を引きずってしまう主人公の葛藤や悲しみが描かれている。失恋ソングでありながら、完全に別れ切っていない点に新しさを感じる。ストリーミング累計6億回再生突破しており、これはソロアーティスト初の快挙。
Cメロの「好きという気持ち/また香る」が甘美で切ない。抗えない恋心に飲み込まれてしまう主人公の弱さがこの曲の魅力だ。忘れかけていた人からの連絡は毒にも薬にもなる。
『M』プリンセス プリンセス
1989年4月に発売され、シングルCD史上初のミリオンセラーとなったプリンセス プリンセスの『Diamonds』のカップリング曲。
2022年の現在も共感できる歌詞ではフラれてしまった人の心境が描かれている。
代表曲のひとつだが、当初はただのカップリングでしかなかった。バンドの方向性と曲の持つ雰囲気がマッチしなかったのもタイトル曲にしなかった所以である。
イントロのピアノは情感がたっぷりで心に沁みる。1フレーズ目の「いつも一緒にいたかった/となりで笑いたかった」というシンプルな歌詞が深く深く突き刺さる。
サビはイントロとは雰囲気が違い、バンドアレンジが効いている。聴くだけでも良いが、カバーして合奏しても楽しい楽曲だ。
『First Love』宇多田ヒカル
デビューアルバム『First Love』に収録されている楽曲。アルバムからのシングルカットされた本作は累計出荷枚数96万枚を記録している。
歌詞では歳上の恋人との失恋を描く。冒頭の「最後のキスはタバコのflavorがした」からも感じるように16歳の少女が書いたとは思えないほど大人びたラブソングだ。
タバコの香りがする大人な人に対し、主人公は相手を想って涙を流している。そこには精神年齢の差が明らかに出ている。
大人な人との恋愛が終わってしまった人に聴いてほしい。
『いつか』Saucy Dog
Saucy Dogの知名度を一気に高めた楽曲だが、初の全国流通作品『カントリーロード』の1曲であり、シングルカットもされていない。
歌詞では恋人になった2人が別れてしまう物語が描かれる。今を後悔し、まだ見ぬ未来に想いを馳せてしまう主人公が切ない。
ボーカル石原のチャイルディッシュな歌声がより心情を豊かに感じさせ、シンプルなバンドサウンドが聴き手の胸の奥の奥まで届き渡る。
ちなみに石原はヒゲダン結成の地、島根県松江市出身であり、自分以外のバンドメンバーが脱退し、その後現メンバーになる経緯はクリープハイプと重なり合う。偶然か運命か、人気バンドとの共通項にSaucy Dogがもっと大きくなる予感を感じてしまった。
『青いベンチ』サスケ
サスケの1stシングル。学生時代の恋愛を思い出し、想いを馳せるも叶わないと分かっている切ない感情を歌う。
「君は来るだろうか/明日のクラス会に」の歌詞から、恋人だった時からかなり時間が経っていることが分かる。背景を考えると当時の相手は既に結婚をしているのかもしれない。
イントロのハーモニカから哀愁を誘い、学生時代に経験した甘酸っぱい気持ちが再び熱を帯びる様子が伝わってくる。
効果音的にギターやベースの音も入っているが、基本的にはバッキングのアコギとハーモニカ、歌声という最小限で構成されており、素朴で親しみやすい楽器編成が聴き手のセンチメンタルな気持ちを高めてくれる。北清と奥山の優しく温かい歌声も1つの楽器のように響く。
『カブトムシ』aiko
1999年11月17日にリリースされた。恋をする喜びが繊細な歌詞で綴られている。
モチーフがカブトムシである理由は、昆虫の中で強い存在でありながらも、骨格の中身は柔らかく脆いため、実は寂しい昆虫なのではないかと捉えたことによる。
「少し癖のあるあなたの声/耳を傾け/深い安らぎ酔いしれる/あたしはかぶとむし」など、独特でありながら、なんとなく分かる気がする感覚的な歌詞が秀逸。
ゆったりとしたメロディーに、ブルースを1つのルーツに持つaikoの歌声が良く絡み合っていて美しく恍惚としてしまう。
ちなみにこの曲は”冬の曲”として作られている。aikoの家では父の趣味で一年中カブトムシがいたため、冬の虫だと勘違いしていたのだそう。
『別の人の彼女になったよ』wacci
聴く人全ての「暮らし」の中にそっと入り込んでいけるようなポップスを作るバンドwacciの代表曲。
失恋を経て、新しい恋人と一緒になった主人公が、元恋人を懐かしむ様子が描かれている。
直接的に出てくるわけではないのに、元恋人の人となりがかなり近い距離感で伝わってくる。
主人公が楽しそうにしている様子が目に浮かび、別れた後でも想ってしまうのも仕方ないかという気持ちになってしまう。無骨なロックサウンドと橋本の表現力豊かな声が儚く、美しい。
タイトルにもなっている「別の人の彼女になったよ」のフレーズのインパクトと切なさは強烈だ。
『Blue』嵐
嵐3枚目のアルバム『How’s it going?』に収録されているかなり初期の楽曲で、ファンからの支持が厚い。恋人と別れてしまった主人公の喪失感が描かれている。
「淡いブルーのスカートが夕暮れの丘にたなびく」という歌い出しのフレーズが詩的で、主人公の胸中が間接的に伝わってくる。直接的な感情を吐露されるよりも鮮明な切なさが伝わってくるのはなぜだろうか。
当時のメンバーは18歳〜20歳前半。若々しい歌声が失恋した男性の喪失感をリアルに滲ませる。嵐は声の個性が分かりやすい。それにより、五人五色の失恋模様を感じられるのも嵐の強みだろう。
【前向きになれる】失恋ソングおすすめ
『もう恋なんてしない』槇原敬之
王道の失恋ソング。歌詞では”君”に振られてしまった主人公の喪失感が描かれている。
目を閉じると歌詞の景色が浮かんでくるような生々しさがあり、2人から1人になった生活があまりに切ない。
おそらくこの楽曲は失恋の悲しみが味わいたくて再生する人が多いだろう。自身の失恋にも重ねた場合も多いはず。
「もう恋なんてしない」と投げやりなタイトルでありながら、サビでは「本当に本当に君が大好きだったから/もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」と曲中の主人公はしっかり前に進んでいる。
失恋の喪失を味わいたかった聴き手の気持ちも前向きにさせてしまう槇原敬之の魔法のような作詞力に救われる。
【もう2度と会えない】失恋ソングおすすめ
『ハッピーエンド』back number
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌。
そのタイトルとは裏腹に歌詞とメロディーはどこか悲観的で絶妙な違和感を生み出している。
歌詞では失恋が意味深に歌われているが、どちらかの気持ちが変わったり無くなったりしたわけではなく、作品に沿った特殊な恋愛模様が描かれる。
サビのフレーズ「大丈夫 大丈夫」のロングトーンは最終的にマイナー調に着地し、聴き手に不安感を与える。”大丈夫”と口では言っているが、本心はそうではないというの心の乖離を表しているようだ。
特殊な恋愛をモチーフにしながら、誰もが感情移入できるポピュラーな歌詞に落とし込んでいるところにback numberの美学を感じる。
『ラストシーン』いきものがかり
映画『四月は君の嘘』の主題歌。
歌詞では恋愛の終焉ではなく、恋心を含んだ死別としての失恋が描かれている。
映画の主題歌だからといって映画を見た人しか分からない歌詞を入れ込むのではなく、映画を見ていない人も平等に切ない歌として楽しめる”のりしろ”が残されており、ポップスとしての完成度が高い。
「言葉にできなかった/ぜんぶがほら/僕のなかにある/今を生きていく」とサビで歌われているが、この曲では不在の証明が全面に出ている。いないからこそ存在感が色濃く滲み、自分の中で確固たる存在になっていく様に泣けてくる。
2人のラストシーンから先にある切なさを、ボーカル吉岡の優しい歌声と温もりあるメロディが空っぽの心にそっと寄り添ってくれる。
【別れた後に後悔】失恋ソングおすすめ
『たばこ』コレサワ
アコースティックなサウンドが聴き手の心境に寄り添う、コレサワの代表曲。2番以降のバンドサウンドが溢れ出した感情を感じさせる。
歌詞中では、相手は好きだけど主人公は苦手な煙草を通じて2人の気持ちのすれ違いが描かれている。
タバコをモチーフにした失恋曲は宇多田ヒカルの『First Love』をはじめ多数存在する。
MVでは女性目線になっているが、歌詞中では主人公が女々しい男性で、女性側が喫煙者という珍しいパターンだ。
タバコは嫌いだけど、「君」が吸っていたタバコだけは気になってしまい、置いていかれた思わずタバコに火をつけてしまう健気さが切ない。相手を想い過ぎるあまり、苦しくなってしまう方にぜひとも聴いてほしい。
『もう君がいない』FUNKY MONKEY BABYS
2007年にリリースされた2枚目のアルバムに収録。フる側の視点で、恋の終わりが描かれている。やや身勝手だがフッてから自分の大きな喪失に気付いてしまう失恋ソングだ。
1番は露骨に韻を踏むことを避けているのに対して、「いつからか心二人すれちがい/楽しかったあの頃嘘みたい/夢みたいに過ごした毎日/の中でずれていってたタイミング」など2番Aメロのモン吉によるリリックが心地よく踏んでくれている。
そういう2人のズレも歌詞の物語をより強く意識させた。分かりやすい歌詞により、老若男女問わず失恋の喪失が感じられる楽曲となっている。ちなみに、ファンモン恒例の顔ジャケットには人気女優・戸田恵梨香を起用。
【発散できる】失恋ソングおすすめ
『フラレガイガール』さユり
タイトルからも薄々感じるように、フラれてしまった主人公の心境を歌っている。楽曲のプロデュースはRADWIMPSの野田洋次郎。
主人公は強がりな性格をしており、フラれる間際でさえ「だからあんたみたいなバカ/わたしからフッてあげるわよ」などとウソをついてしまう。
キンキンと張り詰めたさユりの声が主人公の気持ちを見事に代弁している。基本的にBPMは遅めで、サビ以外は演奏も全体的に比較的穏やか。淡々としたメロディがかえって狂気を感じさせる。
サビの爆発力は一度聴いたらクセになり、メリハリのついた展開には主人公の感情の起伏の激しさが感じられる。
『アボカド』yonige
アボカドという一風変わったモチーフを使った失恋ソング。
元恋人にアボカドをを投げつけ、元恋人はそれを潰すというかなりエキサイティングな別れ方をした2人をユーモラスに切り取った。
牛丸の低めの歌声と荒削りなバンドサウンドがかなりグッとくる。歌詞面、サウンド面どちらにも少し投げやりな様に、失恋後の自暴自棄な感じが伝わってきた。
「愛していたんだっけ?今じゃもうよく覚えていないけど」の歌詞も妙にリアルで聴き手を惹きつける。
ライブ現場の実力者が集うsmall indies tableに所属していたが、現在は独立。オルタナティブな楽曲と活動が際立っている。
『手と手』クリープハイプ
恋人がいなくなってしまった現実を振り切るような疾走感を持った歌。2人の「手と手」が離れた結果、続編として『手』という楽曲も。
歌われている内容は普遍的な恋愛の結末だが、歌い出しの「本当の事を言えば毎日は君が居ないということの繰り返しで」など、言葉の吸引力を高めて、ありきたりなものをただ一つの喪失の物語に変えた。
また喪失を疾走感に乗せているのも新鮮で、グッとくる。畳み掛けるアウトロもエモーショナルな気持ちにさせられてしまう。
失恋を歌いながら、「君の他にはなんにも要らないよ」と恋をしてる時の多幸感も同時に描き出している。失恋ソングだけどバラードではないからこそ、喜びと悲しみの双方にアプローチ出来ているのだろう。
【重たい】失恋ソングおすすめ
『me me she』RADWIMPS
タイトルだけでは歌の内容が分かりにくいが、歌詞では失恋が描かれている。
女々しく落ち込んでいる姿を「自分・自分・彼女」という形に落とし込んでいるタイトルがあまりにも素晴らしい。
彼女のことを真剣に考えているようでいて、その実、自分のことでいっぱいな様は失恋を経験していれば十分理解できるだろう。
特に2番の歌詞はとにかく愛情が重たく、聴き手の心理状態によっては「気持ち悪い」と思うくらい振り切れている。とても悲しく切ない、そして重たい、失恋者に優しく寄り添ってくれる楽曲だ。
ミディアムバラードで、ポロポロと涙が溢れるようなギターのアルペジオが儚く切なく美しい。
『会いたくて会いたくて』西野カナ
2019年に活動休止を発表した恋愛ソングの名手・西野カナの楽曲。
好きな人に別れを告げられ孤独を感じている心境を歌う。サビの「会いたくて会いたくて震える」はあまりにもインパクトがあり、世間をざわめかせた。
「頬が染る」「心に穴が開く」といった凡庸な例えの遥か先に、本当に”震える”という感覚があるような気がしてくる。
タイトな打ち込みや、嵐の前のようなAメロ、跳ねるようなサビの抑揚の付け方など、常に気鬱さを引き摺っており、歌詞だけでなくサウンドでも”重たい恋愛感情”をあの手この手で伝えている。
表現が突き抜けているため、全てに共感することは難しいかもしれないが、メロディの人懐こさや伝わりやすい歌詞が絶妙なバランスを保つ。
【本命になりたかった】失恋ソングおすすめ
『予感』My Hair is Bad
ついにサブスクも解禁されたMy Hair is Bad、通称マイヘアの失恋ソング。
彼女との失恋が描かれているが、どうやら主人公は2番手の様子。その彼女から「大事な話がある」と連絡をもらい、良い予感と悪い予感の狭間で揺れる。
歌詞や曲調を加味して、明らかに望みの薄い展開だと分かっているのに、この予感がどう転ぶのか気にさせるストーリー性がある。
「恋人に飽きた日だけ愛されていた」の歌詞が切なく、胸に痛む。主人公が現実に気づいてしまってる点が余計にそう感じさせる。
瑞々しいバンドサウンドとエモーショナルや椎木の歌声が主人公の一喜一憂を切実に伝えており、聴きながら落ち込んでしまうくらい巧みなラブソングだ。
まとめ
三度の飯より音楽が好きなライター石田がおすすめの失恋ソングをご紹介した。ぜひ今回紹介したラインナップを参考にして、失恋の痛みを癒やしてほしい。
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