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『夜と霧』あらすじと感想【人生の意味はこの中にある】

『夜と霧』書影画像

「生きづらい世の中だ」と感じたことはないだろうか。

災害や景気、その他の事情で仕事を失ったり、生きる術を失くしたりする人が多いご時世。

経済的な事情、しがらみの多い人間関係、やりたいことができない不自由さ。

近年は自死を選ぶ人がまたじわじわと増えていると言われている。

本書が描かれた時代は、第二次世界大戦中のオーストリアだ。

舞台はユダヤ人強制収容所、しかもあのアウシュヴィッツ。

そう、あのホロコーストを通じて描かれる物語なのだ。

なんだか重そう・・・と思ったあなたはちょっと待ってほしい。

この物語は、生きづらさに対する答えを提示してくれるのだ。

こんな人におすすめ!

  • 人生について考えたい
  • 精神医学に興味がある
  • 生きづらさを感じている
  • 前向きに生きたいが、希望がない

あらすじ・内容紹介

舞台は、1942年のオーストリア・ウィーン。

診療所を運営している、精神科医のフランクルが主人公だ。

時は第二次世界大戦下、フランクルは「ユダヤ人だから」という理由でナチスに捕らえられてしまい、妻や両親と一緒に強制収容所へ送られてしまう。

世界史上でも、最大級の悲劇として伝わるホロコースト。

その渦中でフランクルは、残虐な行為を目にし、自身も残虐な行為を受けながらも、生きることを決して諦めなかった。

周囲は絶望と死が常に隣り合わせの毎日だが、彼は人々を支えて励まし、過酷すぎる状況を奇跡的に生き抜いていくのだ。

『夜と霧』の感想・特徴(ネタバレなし)

選別は無慈悲で容赦ない

ユダヤ人として捕まり、強制収容所に送られたフランクル。

男女それぞれ一列になり、ひとりずつナチス親衛隊員の前を歩くように言われる。

その親衛隊員は人差し指を右、または左に動かしているが、ほとんどは左に動かしているのだ。

そして、とうとうフランクルの番がきた。

親衛隊員はフランクルの肩に手を置き、右側に向かされる。

夜になって、わたしたちは人差し指の動きの意味を知った。

それは最初の淘汰だった!生か死の決定だったのだ

フランクルたちの移送団のおよそ90%は左に人差し指が振られ、死の宣告をうけたという恐ろしさ。

移送団の人々は、周りの状況をわかっていなかった。

ただ親衛隊員の前を歩き、わずかな瞬間で大半が死へと送られる恐ろしさはわたしたちにはわからない。

わたしたちだって、何かの試験や面接でおそらく「縁がなかった」という言葉のもと理不尽な思いをしたことはあるだろう。

しかし、これは生死の分かれ道だ。

自分の意志とは別に、無慈悲に選別される恐ろしさはけっして想像しきれない。

想像するだけで、鳥肌が立って震えが止まらなくなる。

収容所でのわずかな娯楽

アウシュヴィッツ収容所と言えば、ホロコーストの中でも特に知られた場所だろう。

ここに送られて無事に解放された人がいったいどれほど幸運だったのかは言うまでもない。

そんな収容所でも、ごくまれに娯楽が開催されることがあった。

歌が数曲、詩が数篇など、とうてい現実を忘れるには程遠いものでも、劣悪な環境に置かれていると些細なことでも芸術と呼びたくなるのだ。

フランクルが生涯忘れられなかった夜があるという。

まだアウシュヴィッツに到着して2日目の夜、眠っているとどこからか音楽が聞こえてきた。

わたしのなかでも、なにかが泣いていた。

この日、24歳の誕生日を迎えた人がいたからだ。

その人はアウシュヴィッツのいずれかの棟にいた

その人はフランクルの妻。

妻の誕生日を祝いたくても、到底叶わない状況。

明日の命さえわからないのに、思い出すのは愛している妻の誕生日のことという状況は想像を絶する世界なのだろうと思う。

妻だけでなく、両親も生きているか死んでいるかさえわからない。

自分の命すらわからないのに、誰かを思い出しているこの描写に涙せずにはいられない。

生きる意味とは

フランクルは、生きてアウシュヴィッツから解放されたが、妻や両親の死を知ることになる。

自由を手に入れても、もう家族はいないのだ。

アウシュヴィッツは、いつ誰が死の道へ送られてもおかしくない世界。

その差は本当に紙一重としか言いようのないものだ。

でも、その紙一重が何なのかは、誰にもわからない。

“わかしたちにとって生きる意味とは、死をまた含む全体としての生きることの意味であって、「生きること」の意味だけに限定されない、苦しむことと死ぬことの意味にも裏付けされた、総体的な生きることの意味だった”

人間が極限の状況に追い込まれたときの心理や行動を見ていた精神科医のフランクルだが、彼だってまた人間だ。

この状況を生き抜くことが困難であることは彼も同じ。

その中で彼は希望を失わずにいられた。

その小さくて大きな差が何なのか、これこそが生きる意味であり、「人生とは何か」という問いへの答えだと思った。

解放後のフランクルの生き様そのものが、ひとつの答えなのかもしれない。

まとめ

名著と呼ばれる『夜と霧』だが、どうしても海外のものだと思うとなかなか読む気になれないかもしれない。

しかし、この話ほど人生に行き詰っている人の処方箋になる本もないのではないだろうか。

「人生とは何か」の答えは、人によって違うと思うがこの本の中にヒントはある。

ぜひ、あなたの「人生論」を見つけてほしい。

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