海外小説おすすめ12選【読まなきゃ損!近代から現代物まで】

あなたは、海外小説に親しみがあるだろうか。

海外小説は、翻訳されているため、読みづらく、登場人物までもが難解で、読むのに抵抗がある方も多いことだろう。

でも大丈夫。今回はそんなあなたのために、面白い!と断言できる海外の小説を12作品ご紹介する。

確かに時間はかかるかもしれないが、時間をかけてでも、読む価値のあるもので、読まなければ損をしてしまうほどの作品たちだ。

少しでも海外小説に興味を持っていただければ幸いである。

海外小説おすすめ12選

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』【20世紀恋愛小説の最高傑作】

「プラハの春」の激闘下に書かれた、チェコ出身のミラン・クンデラによる名作。

プラハの優秀な外科医であるトマーシュと、その恋人・テレザを中心に描かれた、激闘下での愛の物語。

トマーシュの愛人であるサビナや、そのサビナの愛人・フランツの登場で、物語は思いがけない方向へと突き進む。

全世界の存在は必ず二分され、肯定的なものと否定的なものに分けられるというペルメニデースの哲学。

では、「重い」と「軽い」では、どちらが肯定的で、どちらが否定的なのか。

もし「軽い」が肯定的だとしたら、なぜ私たちは恋愛において、「重い」行為を求めてしまうのだろう。

たった一度しかない人生で、「愛」という存在の軽さは、果たして本当に耐えがたいものなのだろうか。

「愛」というテーマに真っ向から立ち向かった、20世紀恋愛小説の最高傑作だ。

ジョン・アーヴィング『神秘大通り』【現代アメリカ文学の巨匠が25年温めてきた大作】

小説は長ければ長いほどいいと評した、ジョン・アーヴィングが手掛ける、長編超大作。

フワン・ディエゴは、人の心が読めるが兄にしか分からない言葉を話す妹と共に、ゴミ捨て場で育った。

ゴミ捨て場に捨てられた本を読み漁り、膨大な知識を身につけたフワン・ディエゴは、ある日父親とも呼べる存在が運転するトラックに轢かれて足が動かなくなる。

母親は教会の掃除婦であり、妹はサーカスに入団。

その二人の存在をのちに亡くすことになるフワン・ディエゴは、古い友人との約束を守るために、はるばるマニラへと舞い降りた。

彼がとある親子と出会い、その親子と性交渉を繰り返す中で、亡き友人、亡き妹、亡き母親への感傷旅行(センチメンタルジャーニー)は、一体どこへ向かっていくのだろうか。

アーヴィングが25年間温めてきた長編大作を、ぜひ堪能あれ。

ドストエフスキー『地下室の手記』【ドストエフスキーの全作品を解く鍵】

この作品はジッドによって、「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」とも評されたものであり、それほどドストエフスキーの思想が全面的に溢れている。

極度の自意識過剰のせいで、社会と断絶し、地下に閉じこもった主人公。

人間は結局、目的を達成することに楽しみを見出すのではなく、その過程を好んでいるだけなのではないか。

自然とは一体何か。

神は最強というのならば、自然よりも強いということになる。

しかし2+2=4、という自然の法則は変わらない。

では自然の摂理を変えられない神は最強とはいえないのではないか。

なぜ彼は地下室に閉じこもるようになってしまったのだろうか。

その全貌が、彼が地下室で書きなぐった手記によって明らかになる。

第一部では彼の思想。

第二部では彼が地下室に閉じこもった経緯が書かれる。

人間の本性とは一体何なのだろうか。

究極のテーマに向かい合ったドストエフスキーの大作である。

ページ数も少ないため、ドストエフスキーをこれから読んでみたいと思う方におすすめの作品だ。

トルストイ『イワン・イリイチの死』【人は死を間近に迎えるとどうなってしまうのだろうか】

物語は1人の判事、イワン・イリイチが死ぬところから始まる。

彼は昔から、「こうすれば幸せになるんだ」という思いが強く、必死に勉強して、良い仕事に就き、立派な家庭を持った。

それこそが幸せなのだと感じていた彼に、不治の病が襲い掛かる。

周囲の者たちは、「病気は治る」と、ありもしないことをイワン・イリイチに日々訴えるが、彼はその嘘を見抜く。

しかし「嘘」とは、イワン・イリイチが、自分自身に対してついてきたものだった。

自分のやってきたことは果たして正しかったのだろうか

自分の内側に秘めた嘘が彼を苦しめ、精神的にも肉体的にも彼は追い込まれていく。

人は死を目の前にしたとき、どのような思考になり、どのような態度をとるのか。

そのあまりにもリアルな描写から、目が離せない。

ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』【物語というものが持つ壮大な力】

著者は、孤児として育ち、過去に壮大な苦労をしたことで知られる。

そんな彼女の分身のような、少女シルバーを中心に物語が展開されていく。

シルバーは、灯台守である老人のピューに引き取られることになるのだが、そこで彼女は、ピューから、約100年前に壮絶な人生を歩んだ、牧師のダークの話を聞くことになる。

その話から、彼女は困難に立ち向かっていく術を学び、苦しい人生を乗り越えていく。

シルバーはピューに、ハッピーエンドの物語を要求するが、老人はいつも、物語に「エンド」なんてないのだと訴えかける。

人は「物語」を聞くこと、そして話すことによって、他人の人生に干渉でき、救われるのだ。

そんな彼らの心温まるストーリーに、あなたはきっと胸を打たれることだろう。

チェーホフ『三人姉妹』【チェーホフ四大戯曲の1つであり、戯曲の究極体】

チェーホフはロシアの戯曲家として知られるが、「戯曲」に対して、抵抗を持つ方は多いだろう。

物語のテーマを見つけるのに苦戦するため、それは当然だといえる。

しかしその中でもチェーホフの『三人姉妹』はぜひ読んでいただきたい作品だ。

旅立ちをすることに対して抵抗がある人物が数多く登場する。

登場人物のそれぞれが、「過去」に執拗にしがみつき、「未来」へと向かっていく勇気を持っていないのだ。

私たち人間が、過去に見た「夢」の中の自分と、今の現実の自分を重ねたときに、明らかに異なっていることは多々あるだろう。

だからといって、かつて見た「夢」の自分を執拗に追いかけるのではなく、たとえその繰り返しになったとしても、自分たちの子孫のため、未来の世代のために、未来を繋ぐものとして生きていかねばならない。

私たちはなぜ、今を生きているのか。

戯曲に込められたその奥深さを堪能していただきたい。

新潮文庫版には、太宰治が愛し、彼の作品『斜陽』のモチーフにもなった『桜の園』も収録されているので、あわせて読んでみることをおすすめする。

カミュ『異邦人』【人間の固定観念の矛盾に立ち向かった名作】

新型コロナウイルスが蔓延したこのご時世で、『ペスト』という彼の作品を本屋で見たことがある方も多いのではないだろうか。

そんな彼の一番の代表作は『異邦人』。

主人公であるムルソーは、一般人とはかけ離れた思考回路で物事を判断し、異常な行動をとる人物。

彼は、母親が死亡した時でさえ、冷淡な態度をとり、その彼の異常な精神が母親を殺したと言われるほど、異常な人物だ。

友情など様々なものを捨てて彼が求めたのは、「性」への莫大な欲望だった。

人間というものが持つ矛盾とは一体何なのだろうか。

理性とは何か、欲望とは何か。

その核心に迫っていくことができるだろう。

ノーベル賞作家の傑作・『異邦人』と『ペスト』は、何度も繰り返し読むことが求められるため、苦戦する可能性がある。

それでもその奥深さに気付いたとき、あなたは驚愕するはずだ。

ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』【人間の崩れていきそうな精神を支えるもの】

ヘルマン・ヘッセは、数多くのドイツ文学を手掛けた。

そんな彼の代表作は多くあるが、その中の一つがこの『車輪の下』である。

たくさん勉強することによって、難関の進学校に合格した少年・ハンスが主人公。

ハンスは新たな生活に心を弾ませ、期待に胸を膨らませていたが、待っていた現実は、それとはかけ離れた過酷なものだった。

教師には理不尽すぎることを突きつけられ、模範生だったはずのハンスはその状況に絶望し、学校を挫折してしまう……。

タイトルにある、車輪の下とはまさに、車輪の下に押しつぶされそうなほど苦しい彼の精神そのものであった。

そんな悲劇に救いの一手はあるのだろうか。

トニ・モリスン『青い眼がほしい』【ノーベル賞作家が手掛けた鮮烈なデビュー作】

美や人間の価値は白人の世界にのみ見出され、そこに属さない黒人には、存在意義すら認められない世界の不条理の中、一人の黒人少女・ピコーラは、誰よりも青い眼がほしい、と祈るのであった。

しかし、彼女の祈りは誰にも届かず、誰もが彼女に無関心だ。

白人によって奴隷にされた黒人は、人権を得るために抗わなければいけない。

そんな現実が目の前にあるにもかかわらず、その残酷な現実に立ち向かい、本当の問題の解決のために抗うことができる人は、果たしてどれだけいるのだろうか。

差別、貧困、そういった概念は、誰によって生まれ、誰によって深刻になっていくのか。

ノーベル賞作家が届けたかったメッセージとはいかに!?

フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』【アメリカ黄金期を象徴する、女性を愛することの真髄】

ある男の視点から描かれる主人公のギャツビーは、いつも偉大であった。

大豪邸に住み、何百人もの人たちを招き、連日のようにパーティーを開く。

そんなギャツビーという男は、かつて、一人の女性を心から愛し、その思いはずっと続いているのであった。

彼の愛した女性は、既婚状態だが、それでも彼の思いはとどまらない。

一途に愛した女性を追い求めるあまり、彼は最後、悲惨な運命に直面することになる……。

あの村上春樹が、人生において最も大切な本というほどの小説。

村上春樹や、野崎孝など、色んな人が翻訳しているので、その違いに触れてみるのも面白いだろう。

また、レオナルドディカプリオ主演で、映画にもなっている。

小説に抵抗がある方にはそちらを観ていただきたい。

アメリカ黄金期を象徴する名作を、ぜひご堪能あれ。

リウ・ツーシン『三体』【太陽が三つ存在する異世界との戦争SF小説】

中国のリウ・ツーシンが書いた『三体』は、作り込まれたSF小説だ。

ある日を境に、科学者たちが次々に命を落としていく。

それは、絶対に間違いがないと証明された科学に、歪みが生まれたからであった。

それには、巷で話題になった「三体」と呼ばれるゲームと、その作成に携わる団体が深く関連していた。

「三体」のゲームの世界では、太陽が3つ存在し、次々に人が死んでいく。

そんなゲームの中での世界が、現実に存在することが判明した。

三体世界との戦争に備えるために、科学者たちは結束し、立ち向かっていく。

スティーヴン・スピルバーグが手掛けた『レディープレイヤー1』のような世界観で、SF好きに限らず、誰もがページをめくる手が止まらなくなる長編大作。

全三部作で、2021年に日本で『三体Ⅲ』が発売され完結する予定だ。

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ソン・ウォンピョン『アーモンド』【2020年翻訳小説部門第1位の感動作品】

アーモンドと呼ばれる「扁桃体」が人より小さく、喜怒哀楽の感情を表現したり、感じたりできない高校生のユンジェ。

そんな感情のない彼は、目の前で通り魔が、自分の祖母や母を襲っているのを見ても、何の感情も出さず、ただ黙ってみているだけだった。

彼の母は彼に、こういう場面ではこういう感情を表現するのだ、ということを一覧で丸暗記させるも、中々うまくはいかない。

しかし事故によって感情を教えてくれた母が植物状態に。

彼はみんなから「怪物」と呼ばれていたが、ある日もう一人の怪物・ゴニが現れる。

ゴニはユンジェとは違い、激しい感情を持つ。

ゴニの登場によって物語の展開は加速していき……。

2020年本屋大賞翻訳部門で1位を獲得した作品を、お手に取ってみてはいかがだろうか。

おわりに

以上、海外小説のおすすめ12作品を紹介した。

もちろん、すべてがすべて簡単に読み進められる代物ではない。

しかし、何度も何度も読んでいくことで、日本の作品より魅力に感じる部分も見つかることだろう。

私たちの発想にもない世界、自分が普段関わることのない世界に、足を踏み入れたことによる優越感は、尋常ではない。

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