海外小説おすすめ12選【読まなきゃ損!近代から現代物まで】

あなたは、海外小説に親しみがあるだろうか。

海外小説は、翻訳されているため、読みづらく、登場人物までもが難解で、読むのに抵抗がある方も多いことだろう。

でも大丈夫。今回はそんなあなたのために、面白い!と断言できる海外の小説を12作品ご紹介する。

確かに時間はかかるかもしれないが、時間をかけてでも、読む価値のあるもので、読まなければ損をしてしまうほどの作品たちだ。

少しでも海外小説に興味を持っていただければ幸いである。

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』【20世紀恋愛小説の最高傑作】

「プラハの春」の激闘下に書かれた、チェコ出身のミラン・クンデラによる名作。

プラハの優秀な外科医であるトマーシュと、その恋人・テレザを中心に描かれた、激闘下での愛の物語。

トマーシュの愛人であるサビナや、そのサビナの愛人・フランツの登場で、物語は思いがけない方向へと突き進む。

全世界の存在は必ず二分され、肯定的なものと否定的なものに分けられるというペルメニデースの哲学。

では、「重い」と「軽い」では、どちらが肯定的で、どちらが否定的なのか。

もし「軽い」が肯定的だとしたら、なぜ私たちは恋愛において、「重い」行為を求めてしまうのだろう。

たった一度しかない人生で、「愛」という存在の軽さは、果たして本当に耐えがたいものなのだろうか。

「愛」というテーマに真っ向から立ち向かった、20世紀恋愛小説の最高傑作だ。

『存在の耐えられない軽さ』の基本情報
出版社 集英社
出版日 1998/11/20
ジャンル 恋愛
ページ数 400ページ
発行形態 単行本、文庫

ジョン・アーヴィング『神秘大通り』【現代アメリカ文学の巨匠が25年温めてきた大作】

小説は長ければ長いほどいいと評した、ジョン・アーヴィングが手掛ける、長編超大作。

フワン・ディエゴは、人の心が読めるが兄にしか分からない言葉を話す妹と共に、ゴミ捨て場で育った。

ゴミ捨て場に捨てられた本を読み漁り、膨大な知識を身につけたフワン・ディエゴは、ある日父親とも呼べる存在が運転するトラックに轢かれて足が動かなくなる。

母親は教会の掃除婦であり、妹はサーカスに入団。

その二人の存在をのちに亡くすことになるフワン・ディエゴは、古い友人との約束を守るために、はるばるマニラへと舞い降りた。

彼がとある親子と出会い、その親子と性交渉を繰り返す中で、亡き友人、亡き妹、亡き母親への感傷旅行(センチメンタルジャーニー)は、一体どこへ向かっていくのだろうか。

アーヴィングが25年間温めてきた長編大作を、ぜひ堪能あれ。

『神秘大通り』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 2017/07/31
ページ数 406ページ
発行形態 単行本、電子書籍

ドストエフスキー『地下室の手記』【ドストエフスキーの全作品を解く鍵】

この作品はジッドによって、「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」とも評されたものであり、それほどドストエフスキーの思想が全面的に溢れている。

極度の自意識過剰のせいで、社会と断絶し、地下に閉じこもった主人公。

人間は結局、目的を達成することに楽しみを見出すのではなく、その過程を好んでいるだけなのではないか。

自然とは一体何か。

神は最強というのならば、自然よりも強いということになる。

しかし2+2=4、という自然の法則は変わらない。

では自然の摂理を変えられない神は最強とはいえないのではないか。

なぜ彼は地下室に閉じこもるようになってしまったのだろうか。

その全貌が、彼が地下室で書きなぐった手記によって明らかになる。

第一部では彼の思想。

第二部では彼が地下室に閉じこもった経緯が書かれる。

人間の本性とは一体何なのだろうか。

究極のテーマに向かい合ったドストエフスキーの大作である。

ページ数も少ないため、ドストエフスキーをこれから読んでみたいと思う方におすすめの作品だ。

『地下室の手記』の基本情報
出版社 新潮社
出版日 1970/01/01
ページ数 216ページ
発行形態 文庫、電子書籍

トルストイ『イワン・イリイチの死』【人は死を間近に迎えるとどうなってしまうのだろうか】

物語は1人の判事、イワン・イリイチが死ぬところから始まる。

彼は昔から、「こうすれば幸せになるんだ」という思いが強く、必死に勉強して、良い仕事に就き、立派な家庭を持った。

それこそが幸せなのだと感じていた彼に、不治の病が襲い掛かる。

周囲の者たちは、「病気は治る」と、ありもしないことをイワン・イリイチに日々訴えるが、彼はその嘘を見抜く。

しかし「嘘」とは、イワン・イリイチが、自分自身に対してついてきたものだった。

自分のやってきたことは果たして正しかったのだろうか

自分の内側に秘めた嘘が彼を苦しめ、精神的にも肉体的にも彼は追い込まれていく。

人は死を目の前にしたとき、どのような思考になり、どのような態度をとるのか。

そのあまりにもリアルな描写から、目が離せない。

『イワン・イリイチの死』の基本情報
出版社 光文社
出版日 2006/10/12
ページ数 364ページ
発行形態 文庫、電子書籍

ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』【物語というものが持つ壮大な力】

著者は、孤児として育ち、過去に壮大な苦労をしたことで知られる。

そんな彼女の分身のような、少女シルバーを中心に物語が展開されていく。

シルバーは、灯台守である老人のピューに引き取られることになるのだが、そこで彼女は、ピューから、約100年前に壮絶な人生を歩んだ、牧師のダークの話を聞くことになる。

その話から、彼女は困難に立ち向かっていく術を学び、苦しい人生を乗り越えていく。

シルバーはピューに、ハッピーエンドの物語を要求するが、老人はいつも、物語に「エンド」なんてないのだと訴えかける。

人は「物語」を聞くこと、そして話すことによって、他人の人生に干渉でき、救われるのだ。

そんな彼らの心温まるストーリーに、あなたはきっと胸を打たれることだろう。

『灯台守の話』の基本情報
出版社 白水社
出版日 2011/08/09
ページ数 259ページ
発行形態 単行本、新書

チェーホフ『三人姉妹』【チェーホフ四大戯曲の1つであり、戯曲の究極体】

チェーホフはロシアの戯曲家として知られるが、「戯曲」に対して、抵抗を持つ方は多いだろう。

物語のテーマを見つけるのに苦戦するため、それは当然だといえる。

しかしその中でもチェーホフの『三人姉妹』はぜひ読んでいただきたい作品だ。

旅立ちをすることに対して抵抗がある人物が数多く登場する。

登場人物のそれぞれが、「過去」に執拗にしがみつき、「未来」へと向かっていく勇気を持っていないのだ。

私たち人間が、過去に見た「夢」の中の自分と、今の現実の自分を重ねたときに、明らかに異なっていることは多々あるだろう。

だからといって、かつて見た「夢」の自分を執拗に追いかけるのではなく、たとえその繰り返しになったとしても、自分たちの子孫のため、未来の世代のために、未来を繋ぐものとして生きていかねばならない。

私たちはなぜ、今を生きているのか。

戯曲に込められたその奥深さを堪能していただきたい。

新潮文庫版には、太宰治が愛し、彼の作品『斜陽』のモチーフにもなった『桜の園』も収録されているので、あわせて読んでみることをおすすめする。

『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』の基本情報
出版社 光文社
出版日 2009/07/09
ページ数 359ページ
発行形態 文庫、電子書籍

書き手にコメントを届ける

記事の感想や追加してもらいたい情報のリクエスト、修正点の報告などをお待ちしています。
あなたの言葉が次の記事執筆の力になります。