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【2022年】おすすめ小説ランキング105選!面白い作品から考えさせられる作品まで

今すぐに読んでみたくなる面白い本が勢ぞろい!
この記事では、読書好きの方に教えてもらったおすすめ小説105作品を、ジャンル別のランキング形式でご紹介します!

読書が好きな人はもちろん、苦手な人でもサクサク読み進められる楽しい小説ばかりです。

お気に入りの1冊や、素敵な読書ライフのきっかけとなる1冊を見つけてみてください。

ミステリー小説のおすすめランキング16選

1位:『向日葵の咲かない夏』道尾秀介


まさみ

イヤミスの金字塔と名高い傑作!ミチオ視点で綴られる日常は、徐々に虚実入り混じる狂気を帯びだし、生理的嫌悪をかきたてます。

小学生のミチオは学校を欠席した同級生・S君にプリントを届けにいき、S君の死体を発見。しかし担任を連れて戻ると死体は消えていました。その後ミチオは蜘蛛に生まれ変わったS君と再会し、独自に調査を開始します。

トカゲとして生まれ変わったミチオの妹のミカや蜘蛛に変身したS君など、バイプレイヤー(脇役)の強烈な個性に注目。

それぞれがやましい秘密や変態的な欲望を抱え、歪んでしまった人間の本質が事件の核心に収束していくのが見事でした。

終盤のどんでん返しには度肝を抜かれること確実!鬱展開にうちのめされたい方におすすめです。

ページ数 470ページ

2位:『告白』湊かなえ

本屋大賞受賞のデビュー作!生徒に娘を殺された女教師の告白が冷静で怖い

#2009年本屋大賞 #松たか子主演映画の原作

veyu

犯人は最初に分かってしまうのに、物語の終着点は最後まで読めません。

女性教師の口から語られたのは、生徒の中に自分の娘を殺した人間がいるという衝撃の「告白」でした。女性教師、加害者の少年達とその周囲の人々。6つのモノローグが明らかにする、衝撃の結末とは?

中学生による幼児殺人、教師による復讐、HIVとタブーをこれでもかと詰め込んだ作品です。しかし、根底に共通しているのは親子という普遍的なテーマに見えます。ダーティーな話ながら共感を持って読めてしまうのは、この親子像がリアルに書かれているからかもしれません。

名探偵とトリックが用意されたミステリーには飽きてしまった人におすすめの「変則系イヤミス」です!

ページ数 320ページ
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『告白』湊かなえ あらすじと感想【良かれと思ったことが面白いほどにズレていく】湊かなえ『告白』 あらすじと感想【良かれと思ったことが面白いほどにズレていく】

3位:『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー

クローズドサークルの金字塔!童謡の歌詞通りに1人ずつ殺されていき…

#映画化

Cartus

トリックが鮮やかで、種明かしのシーンは実に爽快!「読みやすく、とっつきやすい」ミステリーといえば、アガサ・クリスティーこの人ではないだろうか。

とりわけクリスティーのなかでも「最高傑作」と称される本作は、絶海の孤島に集められた年齢も職業も様々な男女10人が、意味深なわらべ歌とともに1人ずつ殺されていき、最後には「誰もいなくなる」という非常に明快なプロットだ。

生存者すらいない中、「いったい誰が犯人なのか?」「どのようなトリックを使ったのか?」を考えながら読み進めていくミステリーの醍醐味を十分に味わえる。

ページ数 387ページ
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『そして誰もいなくなった』あらすじと感想【絶海の孤島で起こる殺人事件!クローズドサークルの金字塔】

4位:『変な家』雨穴


#映画化

まさみ

2021年のベストセラーとなったモキュメンタリー小説!

Webライター・雨穴は、第一子の誕生を控えて新居の購入を検討している知人から相談を受けます。彼が買おうか悩んでいる一戸建てには、壁の裏側に謎の空間があるというのです。雨穴は建築家・栗原の助言を乞い、「変な家」の秘密を探り始めました。

前半はロジカルなミステリー、後半はおぞましさを前面に押し出した民俗ホラーと、異なるテイストの二部構成で楽しめます!

1枚の設計図から想像を膨らませ、考察を積み重ね、探偵さながら衝撃的な真相を導き出すアドバイザー・栗原氏がかっこいいです。

ウイットに富む文章で書かれているので、ホラー小説入門としてもおすすめ。

ページ数 248ページ
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変な家サムネイル雨穴『変な家』あらすじと感想【背筋が凍る間取り!残酷すぎる不動産ミステリー】

5位:『世にも奇妙な君物語』朝井リョウ

直木賞作家・朝井リョウ版「世にも奇妙な物語」

#ドラマ化

ymd_books

どの話にもオチがあってわかりやすく面白い!「物語に起伏がないと…」と思われる方にはピッタリです。

最終話まで読んだ人だけにわかる大オチが待ってます!!

平成を代表する作家、朝井リョウさんの短編集で、「小説って面白い!」と好きになれること間違いなしです。

異様な世界観。複数の伏線。先の読めない展開。想像を超えた結末と、それに続く恐怖。もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに―では始めましょう。朝井版「世にも奇妙な物語」。

ページ数 336ページ

6位:『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル

名探偵ホームズと相棒ワトスン医師の活躍を刮目せよ!

Cartus

コナンと聞くと、真っ先に人気マンガ『名探偵コナン』が思い浮かぶうちはミステリー界のまだ入り口にいる証拠。

ミステリー界でコナンといえば、やはりコナン・ドイル。あらゆる探偵推理小説の基本であり、人気ナンバーワンの探偵といえばシャーロック・ホームズだ。ミステリー好きを名乗るなら、1作くらいは読んでおこう!

どの作品でも彼の名推理を堪能できるが、初心者におすすめなのがこの作品。味のある挿絵もまた魅力で、当時のベーカー街の暗く情緒ある雰囲気をうまく醸し出している。

読了後はたくさんある続編短編や長編、モーリス・ルブランの怪盗紳士ルパンとの対決、宮崎駿のアニメ版など、興味の世界がどんどん広がることだろう。

19世紀ロンドン、科学者より鋭敏で幅広い知識を持ち、犯罪者より危険で変装の名手、警察をも出し抜く捜査方法で数々の難事件を解決し、王族からも絶大な信頼を得ていた人物がいた。その名はシャーロック・ホームズ。医師にして著名な推理作家コナン・ドイルが世に送り出した、不世出の名探偵とその助手ワトスンの活躍が、色恋にはまったく無関心なホームズも唯一特別と認めた人物の事件を含め、12の事件で描かれる傑作集。

ページ数 455ページ
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7位:『和菓子のアン』坂木司

デパ地下が舞台のほっこりミステリー!和菓子の魅力に夢中になるかも?

本屋さん専門デザイン・企画事務所:honne

日本文化、季節、和菓子、接客。たくさん勉強になるほっこりミステリーです。

人間味あふれる登場人物ばかりなので、読んでいるとやさしい気持ちになります。

ホッと一息つきたいとき。気を張らずに読める本作がおすすめです!

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー。

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8位:『第三の時効』横山秀夫


あした

トリック解明より「人間」を読みたい方へ。クセ者好きなら尚よろし、です。

殺人事件と捜査の最前線に立つ刑事が描かれる6つの短編。一編ごとにフォーカスされる人物は変わりますが、彼らが放つ陰の気配と3人のキーマンが物語を繋ぎます。

湿度と密度がある文章で、犯罪や人物が巧みに描写されています。特筆すべきは現場を束ねる3人の班長!

刑事としてはこれ以上なく優秀で、理論・冷徹・動物的カン、とそれぞれの流儀で犯人を追いつめます。「犯人だから捕まえる」彼らの行動原理はシンプルで獣のようです。

力のある短編が集まることによって、強力な磁場をもつ警察小説に進化した一冊。

ページ数 424ページ

9位:『希望が死んだ夜に』天祢涼


#2019年本屋大賞発掘部門で最多票

まさみ

悲劇を生み出しているのは無知と無関心、社会的弱者への想像力の欠如だと痛感しました。

同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された14歳の少女、冬野ネガ。事件を調べるうちに、ネガとのぞみの秘密の関係が明らかになり…。

子どもの貧困をテーマにした社会派ミステリー。捜査に携わる刑事視点の現在パートと、ネガ視点の過去パートが交互に行き来することで、ネガとのぞみの家庭の事情が徐々に炙り出されていく構成が秀逸でした。

頼れる大人に恵まれず、二人で支え合うしかなかった少女たちの結末には、もどかしさを感じずにはいられません。

相対的貧困を他人事だと思っている読者の目を開かせてくれる、現代に即した一冊です。

ページ数 308ページ

10位:『五匹の子豚』アガサ・クリスティー


#ドラマ化

veyu

仕掛けられているのはロジックではなく、人間心理の罠。

16年前に画家が自宅で毒殺され、容疑者となった妻は有罪判決を受け獄中死を遂げます。「自分は無罪だ」という母(妻)の手紙を受け取った娘は、名探偵ポアロに事件の真相解明を依頼します。

5人が過去の事件について語っていくのですが、これには「主観」というフィルターが働いています。そのフィルターが取り除かれた時、読者の見ていた風景が180度変わってしまう展開はお見事と言うほかありません。

ラストの鮮やかなどんでん返しを読んだら、再読の誘惑にかられること間違いなし!著名なクリスティー作品は読んでしまった、という人にもぜひ読んでほしい隠れ名作です。

ページ数 414ページ

11位:『スマホを落としただけなのに』志駕晃

もしも、落とし物の拾い主がハッカーだったら?

#第15回『このミステリーがすごい!』大賞 #北川景子主演映画の原作

読書枕 | HONTO

スマホには私以上に私の情報が詰まってる。誰かに見られるなんて想像しただけでムリ。

そんなスマホを落としたことで始まるミステリーは、普段小説を読まない人でも「怖っ!」の連続。

「いやいや、これ実際出来ちゃうでしょ」となんだか自分が置かれてる状況がリアルに「やばいかも…」と恐怖に慄きながら、「で、どうしたらいいの!?」と救いを求めて一気に読み進めちゃうストーリーです。

麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され…。

ページ数 403ページ

12位:『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン

暗号解読者のソフィーが『モナリザ』に隠された暗号の謎に迫る

#映画化

Cartus

グライダーの仕組みを発明し、人体解剖図や名画を描いたイタリアの多才な天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の絵画のなかで知らない者はいない、最も有名な作品といえば『モナリザ』だ。

2003年に刊行された本書は、『モナリザ』に隠された暗号や、イエス・キリストの婚姻を巡って怪事件が繰り広げられる、いわば歴史サスペンス・ミステリー小説である。

折しも一昨年はダ・ヴィンチの没後500周年を迎え、パリのルーブル美術館で記念展覧会が催されるなど、国内外で大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。最新の3D解析技術によって『モナリザ』が重ね書きされた等の証拠が見つかったため、”リアル・ダ・ヴィンチ・コード”と称されたそうだ。

ルーヴル美術館のソニエール館長が異様な死体で発見された。死体はグランド・ギャラリーに、ダ・ヴィンチの最も有名な素描“ウィトルウィウス的人体図”を模した形で横たわっていた。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大学教授ラングドンは、警察より捜査協力を求められる。現場に駆けつけた館長の孫娘で暗号解読官であるソフィーは、一目で祖父が自分にしか分からない暗号を残していることに気付く…。

ページ数 296ページ

13位:『犯罪者』太田愛


むら

脚本家でもある著者が手がける描写は臨場感たっぷり!

息もつけないほどの怒涛の展開にスケールの壮大さも加わり、スピード感満載のアクション映画を見ているかのような気分を味わえます。

「逃げろ、あと10日生き延びれば助かる」4人が刺殺された通り魔事件で生き残った5人目の被害者・修司は、見知らぬ男からそう告げられ、自分が狙われていることに困惑。刑事の相馬とライターの鑓水と共に真相を探ることにしますが、事件の裏側では政界や財界までも絡んでいることが発覚し…。

全900ページ一気読みは避けられません。あらかじめ予定を調整してお臨みください。ちなみに私は眠るのも忘れてのめり込んでしまい、次の日の仕事に遅刻しかけました。

ページ数 528ページ

14位:『強欲な羊』三輪和音


まさみ

どれもが粒ぞろいの後味の悪さを誇るイヤミス短編集。

母が死んだ後、母の雇用主の屋敷に引き取られた「わたくし」。そこには正反対の性格の姉妹がおり、「わたくし」は意地悪な姉にいじめられます。心優しい妹とはすぐ仲良くなるものの、成長した姉妹は一人の画家の青年を奪い合い…。

使用人の「わたくし」が姉妹の愛憎劇の顛末を語る表題作では、まるで盲点だった黒幕の正体に衝撃を受けました。

他の短編も男のずるさや愚かさ、女の怖さやいやらしさが存分に引き出され、ラストで明かされる真相に仰天!無関係と思われた短編が実は繋がっていたと判明する、構成上の仕掛けも憎いです。

女の秘めたる狂気にぞっとしたい方は、ぜひ読んでください。

ページ数 288ページ

15位:『オーブランの少女』深緑野分


まさみ

少女の純粋さ故の残酷性や、裏切りへの復讐を取り上げた話が多く、詩情あふれる文章が炙り出す仄暗い情念に圧倒されます。

謎の老婆が美しい庭園「オーブラン」の女管理人を殺害した1ヶ月後、管理人の妹が自殺。「オーブラン」によく通っていた作家の「私」は、偶然にも管理人の妹の日記を手に入れ、恐るべき真実を知ることになります。

『戦場のコックたち』で直木賞にノミネートされた深緑野分の短編集。表題作は第二次世界大戦中の悲劇を扱っており、管理人とその妹が子供時代を過ごした「オーブラン」の痛ましい秘密が胸を抉りました。

可憐な少女が垣間見せる無邪気な狂気にぞっとしたい方や、ほんのり百合要素を含んだ短編集を探している方におすすめです。

ページ数 304ページ

16位:『ビブリア古書堂の事件手帖』三上延

博識な美人店主と青年アルバイトが古書の秘密を解き明かす!

#黒木華/野村周平主演映画の原作 #ドラマ化

Reiko

表紙はラノベっぽいけど、読書の楽しみがいっぱい詰まった小説。

主人公の大輔は、活字を読むと体調が悪くなる体質なので、本が苦手な人や読書初心者にも分かりやすく寄り添った物語になっていると思う。

謎解きあり、人間ドラマあり、シリーズが進むごとに大輔と栞子の関係がどうなっていくのか、2人の恋愛模様も楽しめる。

物語の中に出てくる小説を全く知らなくても、いや、逆に知らないからこそ楽しめる小説。

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

ページ数 322ページ
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泣ける小説のおすすめランキング12選

1位:『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

時空を超えてつながる手紙と心

#第7回中央公論文芸賞 #山田涼介主演映画の原作

kumi

殺人ミステリーのイメージが強い東野圭吾作品には珍しい、ほっこり優しいヒューマンドラマです。

悪事を働いた少年たちが逃げ込んだのは、とある廃屋。そこはかつて、波矢雄治が店主を務めるお悩み相談所として人気だった雑貨店でした。

少年たちの目の前に1通の手紙がシャッターの外から投げ込まれ、それは時空を越えて過去から届いたお悩み相談でした。店主に代わって悩みに答える少年たちが起こす奇蹟の物語。

幼少期を同じ児童養護施設で過ごした少年たち。生活に困り窃盗など悪事を働くも優しい心を持ち合わせている彼らは、投函された人々の悩みに真摯に向き合います。次第に解明されていく雑貨店の謎、そして児童養護施設とのつながり。最後は一気読みでした。

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2位:『かがみの孤城』辻村深月

著者最高傑作!鏡の中で出逢う7人の心に秘めた願いとは?

#2018年本屋大賞 #映画化 #アニメ化 #漫画化

あした

良い意味で疲れる読書ができる、時間泥棒な本です。

学校に行けなくなった少女こころは、部屋の鏡を通り抜けて城のような建物へ誘われます。そこには似通った境遇の子ども7人とオオカミの面をつけた少女が。

「オオカミ様」の指示は期限内に「願いの部屋」の鍵を見つけること、毎夕5時には自分の家に帰ること。現実世界と行き来しながら、子ども達は次第にかがみの城に居場所を見つけていきますが…。

子ども達が集められた理由は?オオカミ様は何者?謎が謎のまま物語は進みます。主人公にシンクロし、読み手の心は物語の世界を乱高下します。

ことごとく裏切られる予測、ラストに向かって起こる怒涛の真実の連鎖。最後の1行まで油断できません。

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3位:『本日は、お日柄もよく』原田マハ

スピーチライターのお仕事小説。言葉が持つ力って本当にすごい!

#比嘉愛未主演ドラマの原作

あした

好きだった幼馴染の結婚式。最悪のシチュエーションで、主人公こと葉は衝撃のスピーチをする女性に出会います。

伝説のスピーチライターと呼ばれる久遠久美が紡ぐ言葉の魔力に魅せられ、こと葉は彼女のもとで学び始めます。

スピーチライターの戦略性やロジックが魅力的で、読み応え十分。そうして語られる言葉は、キング牧師やジョブズのように、世界や人々の心を変える力があると訴えてきます。作者の綴る言葉一つ一つが秀逸で、こと葉と久美が生み出すスピーチに胸を打たれました。

読後に手に入るのは、自分も誰かを助けられるのかもしれないという希望と、一歩進んでみようと思える勇気。消費される言葉に食傷気味のあなたにもどうぞ。

ページ数 381ページ
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4位:『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ


#2019年本屋大賞 #永野芽郁主演映画の原作

あした

これは心に傷を負った少女の成長と卑怯な大人たち、みたいな物語ではありません。

女子高生の優子は、父3人・母2人、苗字が変わること4回。現在の家族は血の繋がらない父・森宮さんだけと、17歳にしてかなりヘビーな人生と思いきや、普通に学生生活を送っています。

特殊な家庭環境に育っても飄々と生きる優子をみて、ダークな描写を無意識に予測していた自分にハッとしました。5人の親は全員彼女を愛しており、それぞれの愛の形は時に破天荒。幸せを願うリレーは普通じゃないけど滋味深いものでした。

最後の余韻に浸っていると、主人公を勘違いしていたかもと思わされます。予断や固定観念を白日にさらす、リトマス紙のような小説です。

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5位:『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ

52ヘルツの孤独な声が紡ぐ「救済の循環」

#2021年本屋大賞

真木

ふと「寂しい」と思ったり、孤独を感じたりしたときに読めば、心が静かに温まるでしょう。

家族から搾取され孤独を背負わされている主人公が、母親からの虐待を受け少年・ムシと出会うことで物語は動き始めます。

本作は「孤独」についての話ですが、どちらかを「孤独」から救うだけの単調なものではありません。救いつつも誰かから救われる、そんな優しい循環があります。

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。

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6位:『下町ロケット』池井戸潤

「ものづくり」に魂を込める男たちの熱い闘い

#第145回直木賞 #阿部寛主演ドラマの原作

早坂

理想と現実の板挟みになりながら、困難な目標に立ち向かう物語。

航平が社長を務める町場の工場・佃製作所は、資金難や訴訟といった危機に瀕していました。そんな折、大手の帝国重工から、佃製作所が持つロケット部品に関する技術の特許を売ってほしいと持ち掛けられます。

売れば特許を使った開発はできなくなる。航平は技術を守るためこれを断り、逆に佃製作所で製造した部品を使ってもらえないかと提案します。

町場の工場が傲慢な大手を相手に、一歩も引かない戦いを繰り広げます。特許売却派の社員達も仕事に誇りを持っており、部品製造を決意して協力するシーンは胸熱!

理想を追いかける厳しさを知っている方なら特に、登場人物たちの奮闘に大きな勇気をもらえる作品です。

ページ数 496ページ

7位:『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

現実はもう変わらないと分かっていても、戻りたい過去がある

#2017年本屋大賞10位 #有村架純主演映画の原作

文学堂美容室 retri店主

脚本家の方が書いているので、頭の中で映像が流れるように読める小説。

過去に戻れる喫茶店での心温まるお話を読みながら、コーヒー片手に良い読書時間が過ごせるのでは。

お願いします、あの日に戻らせてください―。「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」不思議なうわさのある喫茶店フニクリフニクラを訪れた4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語。

ページ数 348ページ

8位:『カラフル』森絵都

色彩に溢れたこの世界の「真実」とは?大人も泣ける青春小説

#第46回産経児童出版文化賞受賞 #3度の実写映画化 #アニメ化

勝哉

まるで、カラフルな絵の具たちでいっぱいなパレットのように、ギュッとたくさんの要素が詰まっており、共感するだけではなく、ワクワクと胸が躍り、夢中になって読み込んでしまった1冊です。

出会いは中学校の図書室。描かれるのは思春期ならではの悩みや、家族などの複雑な人間関係。それとは別に主人公には時間制限つきの「謎」が課せられていたり…。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。

ページ数 290ページ

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9位:『星の王子さま』サン・テグジュペリ

大切なものは目に見えない

#映画化 #アニメ化

Cartus

一見、子ども向けとして知られる名作だが、実は大人が読んでも読み応えのある作品だ。むしろ、子どものときに読んでピンと来なかったという人も多いだろう。

人生経験をある程度積んでからの方が、数々の名言がより心に沁みわたるかもしれない。

蛇やバラなど抽象的な暗示を与える物が登場し、読む人や時期によっても解釈が異なる作品だが、「大切なものは目に見えない」というキツネのセリフが普遍的で心に刺さる。

息苦しい世の中で心が疲れたときに珠玉となる1冊であり、プレゼントにも最適だ。

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった…。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。

ページ数 160ページ
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10位:『西の魔女が死んだ』梨木香歩

「喜びも幸せも何でも自分で決めるのよ」大好きなおばあちゃんの教え

#第28回日本児童文学者協会新人賞 #第13回新美南吉児童文学賞 #第44回小学館文学賞 #映画化

柴田

人生には楽しいことも辛いこともある。

家族との関係に悩んだり、学生生活への窮屈さ、日常の物事に敏感で生きづらさを感じている子は周りに相談出来ないことが多い。

ある時、「魔法」を授けてくれたのはおばあちゃんこと、西の魔女。主人公の女の子の視点を通して、今まで気が付かなかったことや別の見方、考え方があることを教えてくれる。読み終えたあとは、ほっと出来るような1冊。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

ページ数 226ページ
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11位:『世界から猫が消えたなら』川村元気

余命わずかの僕に悪魔が持ちかけてきた「奇妙な取引」とは?

#2013年本屋大賞8位 #累計発行部数100万部越え #佐藤健主演映画の原作

ヤマハ

人は失ってからその「もの」の大切さに気付く。

自分の周りの「もの」や人の思いについて、改めて考えさせてくれる1冊です。

郵便配達員として働く僕は、脳腫瘍で余命わずかだと宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。世代を超えて受け継がれる、奇跡の物語。

ページ数 221ページ

12位:『君の顔では泣けない』君嶋彼方

1番新しい「男女入れ替わりもの」!他人の人生を生きる苦悩とは?

#第12回小説野性時代新人賞

真木

「男女の入れ替わり」というテーマは使い古されたものだと思っていましたが、そのような考えを良い意味で裏切ってくれた傑作。

本作は、ひょんなことから同級生の女子と入れ替わってしまった主人公の長い人生が描かれています。

多くの人が感じる幸福と苦悩や、入れ替わりによる違和感などがとても繊細に描かれているため、「自分とは別の人生」を生きているような感覚が味わえます。だからこそ、「自分の人生」をしっかりと生きたいと感じました。

高校1年の坂平陸は、プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決めた陸だったが、“坂平陸”としてそつなく生きるまなみとは異なり、うまく“水村まなみ”になりきれず戸惑ううちに時が流れていく。もう元には戻れないのだろうか。男として生きることを諦め、新たな人生を歩み出すべきか――。迷いを抱えながら、陸は高校卒業と上京、結婚、出産と、水村まなみとして人生の転機を経験していくことになる。

ページ数 256ページ
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恋愛小説のおすすめランキング13選

1位:『トリツカレ男』いしいしんじ

「没頭」のプロ、風船売りの少女に恋をする

まさみ

器用なのか不器用なのか、心を奪われた対象に全力を注ぐ彼の姿は、何か、誰かを好きでいつづける気持ちの素晴らしさを思い出させてくれます。

レストランの給仕係ジュゼッペは、あることに夢中になるとそれを極めるまで止まらない愚直さから「トリツカレ男」の別名で呼ばれています。ある日ジュゼッペはペチカと呼ばれる少女に恋をして…。

ペチカを一途に想い続けるジュゼッペを応援したくなる、なんとも切なくて愛おしい純愛小説。情熱が空回り挫折してもまた立ち上がる信念の強さに勇気をもらえました。

今恋をしている方はもちろん、好きなことに情熱を注げなくなった方にこそ読んでほしい一冊です。

ページ数 176ページ
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2位:『植物図鑑』有川浩


#2010年本屋大賞8位 #高畑充希主演映画の原作

大人ラブコメの王道〜逆シンデレラストーリー

あした

キュンよりギュンとしたいあなたへ。萌えの準備体操を忘れずに、いざ!

「お嬢さん、よかったら俺をひろってくれませんか」
OLのさやかは行き倒れていた男子を拾い、ハウスキーパー契約してしまいます。イケメンで料理上手なイツキにさやかは恋をしますが、やたら植物に詳しいこと以外、彼のことを何も知らないと気づくのでした。

作中に出てくるイツキの料理と、来るぞ来るぞとわかっていても心を鷲づかみにされる展開で2度美味しく味わえます。

さやかがイツキに恋をする過程も、イツキのさやかに対する想いや行動の謎も、全てが女子心に刺さること間違いなしです。

ページ数 425ページ
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3位:『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』尾形真理子


あした

タイトルを見た瞬間「わかる!」の一言。オトナ女子の心の揺らぎに共感しきりの一冊です。

恋に悩むオトナ女子が集まる路地裏のセレクトショップ。女性たちは戦いに挑むように服を選びますが、試着室の鏡に映るのは、思ったようにならない自分と恋の有り様。そんな彼女たちに、店員はアイテムを1つ提案します。それぞれの恋と未来へ背中を押すように。

物語全体が優しく包みこむ雰囲気なのに、読み味はすっきり。元コピーライターの作者の言葉は潔く、無駄がありません。

恋愛や生き方の迷いを服選びになぞらえ、決断の舞台を試着室に置くセンスも流石です。そしてただ服を選ぶことで彼女たちを良き方へ導いてくれる、店員の存在がとても素敵です。

ページ数 229ページ

4位:『阪急電車』有川浩

恋の始まりは片道わずか15分のローカル線で

#中谷美紀主演映画の原作

ことえ

人生皆いろんなことがあるけれど、これを読めば「明日も頑張ろう」ってきっと思えます。

電車での出会いは一期一会。辛いことがあっても、素敵な出会い1つでスカッとしたり、ほっこりしたり。

有川さんの紡ぐ文章は読みやすく、1駅ごとに小話になっているので少しずつ楽しめます。しかもオムニバスだから、次の駅でも同じ人に違う出会いがあってワクワクします!

あなたも乗ってみませんか?

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

ページ数 269ページ

5位:『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』七月隆文


#福士蒼汰×小松菜奈共演映画の原作

kumi

両想いなのにずっと一緒にいられない。

大学生の高寿は、ある日電車で見かけた美女・愛美に一目惚れし思いきって告白。何度かのデートを経て、2人は付き合い始めます。はじめこそ幸せ満開のラブラブなカップルでしたが、実は彼女は残酷で切ない秘密を抱えており…。

高寿が愛美の忘れたメモ帳を見て真実を知ってしまってから、2人はまるで余命宣告を受けたかのように残された日々を大切に大切に過ごしていきます。胸キュンな出会いからの悲しい結末に涙が止まりませんでした。

彼女の抱える秘密を知ったとき、彼と共にきっとあなたも涙します。電車内での読書は厳禁な1冊。機会があれば、舞台である京都へ聖地巡礼の旅もいいかもしれません。

ページ数 287ページ
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6位:『君の膵臓をたべたい』住野よる


#2016年本屋大賞2位 #浜辺美波主演映画の原作

となみ

唐突に訪れる結末は予想していたものと違っていたのでかなり衝撃的でした。

ある日、高校生の「僕」は病院で「共病文庫」というタイトルの日記帳を拾います。それは天真爛漫なクラスメイト・桜良のもので、彼女の余命がわずかであることが書かれていました。秘密を知ってしまった僕は、桜良の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合わされることになりますが…。

明るく奔放な言動で主人公を振り回す桜良が魅力的!「運命は選択の結果だ」と語る彼女の言葉も印象的で、被害者みたいに生きるのはかっこ悪いと考えさせられました。2人の何気ない会話もドキドキしてしまいます。

読み終わった後、小説のタイトルに納得!周りの人に素直に気持ちを伝えることの大切さを教えてくれる作品です。

ページ数 328ページ
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7位:『センセイの鞄』川上弘美


#谷崎潤一郎賞 #小泉今日子主演映画の原作

はるう

2人の「歳の差恋愛」は、静かに気持ちを確かめ合いながらゆっくりと進みます。その様子はとても美しく、心が洗われるようです。相手を思いやり、いたわる様子が伝わってきます。

居酒屋で学生時代の国語の恩師「センセイ」と、偶然再会した37歳のツキコさん。2人は思い出話や現在の生活を報告し合い、ときには旅に出かけたりして、仲を深めていきます。やがてツキコさんの心に灯るセンセイへの恋情は、緩やかに四季をめぐっていき…。

やさしくて淡い、極上の大人の恋愛小説。疲れきった心を癒しましょう。

ページ数 278ページ
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8位:『冷静と情熱のあいだ』江國香織、辻仁成

10年前のあの日からどうしても忘れられない彼/彼女のこと

#竹野内豊主演映画の原作

Cartus

同じ恋愛模様を、男女の登場人物それぞれの視点から描いているのが最大の特徴で、男女の恋愛観の違いがよく分かる。

2人の人気作家、江國香織と辻仁成によって交互に連載された構成で、独特な味わいをもつ恋愛小説だ。「Rosso」と「Blu」の2冊が刊行された後、往復書簡の形をとって合わさった愛蔵版が刊行された。

登場人物の設定も面白く、イタリアのフィレンツェで宗教画の修復に携わっている人物が主人公になっているため、日本のありふれた恋愛ドラマにはない異国情緒溢れるストーリーが堪能できるのも大きな魅力だ。

穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない―。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。

ページ数 288ページ

9位:『好き好き大好き超愛してる。』舞城王太郎

舞城王太郎が満を持して挑んだ恋愛小説の新境地!

まさみ

愛とは何か、本当に人を愛するとはどういうことか。

小説家の治は、難病に罹りあっけなくこの世を去ってしまった最愛の恋人・柿緒と過ごした幸せな日々や闘病の記憶を回想します。病の進行に伴い荒んでいく柿緒との思い出は綺麗事では済まず…。

難病ヒロインと小説家の悲恋といったオーソドックスなテーマに、SFテイストな治の作中小説を挟んだ変則的な構成になっており、どちらも抜群に面白いです!

余命を宣告された恋人のためにもっとできることはなかったのか、柿緒の死後も自分に問い続ける治の饒舌なモノローグと、やるせない心情の発露が胸に刺さりました。

ページ数 194ページ
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10位:『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎

エンタメ小説の名手が放つ「魔法のような」恋愛短編集

#2015年本屋大賞9位 #三浦春馬×多部未華子共演映画の原作

ゆうや

伊坂幸太郎さんの作品の中では本作がダントツで好きです!

連作短編集で各話それぞれ読後感がすごく気持ちいい、魔法のような作品。

読後は斉藤和義さんの『ベリーベリーストロング アイネクライネ』をぜひ聴いてみてください。「おや?」となるはずです。

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

ページ数 341ページ

11位:『桜のような僕の恋人』宇山佳佑

幸せなヒロインを襲う理不尽な早老症

#中島健人×松本穂香共演映画の原作

オシアゲ読書会:あくび

恋愛、やりたいこと、病気、家族愛。

難しい言葉はほとんど使ってないのに感情わし掴み!

読書初心者でも入り込み感が半端ないです。

美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は…。桜のように儚く美しい恋の物語。

ページ数 336ページ
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12位:『勝手にふるえてろ』綿矢りさ

恋愛経験なし、26歳OLヨシカのキュートな恋愛小説

#松岡茉優主演映画の原作

soca

恋愛小説だけどキュンとしない、笑えるけど痛い、そんなところがたまらなく愛おしい!

「私には彼氏が二人いて」という主人公は、人生にも恋にも不器用なオタク女子。彼女の心の声がダダ漏れてしてくるような軽やかな文体が、まっすぐ心に突き刺さる。

生きることや愛することに悩んだときは、彼女の声に耳を傾けてみて。

江藤良香、26歳、OL。中学時代の同級生への片思い以外恋愛経験ナシ。おたく期が長かったせいで現実世界にうまく順応できない不器用な彼女だったが、熱烈に愛してくる彼が出現! 理想と現実、ふたつの恋のはざまで右往左往、揺れ動くヨシカ。時に悩み、時に暴走しながらやがて現実の扉を開けてゆく。遅咲きの主人公はコミカルながら切なく、そして愛おしい。妄想力爆発のキュートな恋愛小説が待望の文庫化。

ページ数 218ページ
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13位:『花芯』瀬戸内寂聴


#村川絵梨主演映画の原作

かのまお

一般に考えられている「女性のタブー」に、息苦しさや生きづらさを感じている女性たちに読んでほしいです。きっと勇気づけられます。

人妻で子供もいる「私」は、夫の上司でプレイボーイの越智と恋に落ちます。親やまわりからは全力で引き止められますが、私の「子宮」はどうしても越智を求めてしまいます。

半世紀前に書かれた小説ですが、当時はかなりのバッシングを受け、文壇からも干された作者。

しかし今になってみると、その時代に「女性の性愛」を正面から書ききったものはありませんでしたし、当時の男たちは怖くて認めたくなかったのだと分かります。妻の不倫を知った夫の慌て方や行動も面白かったです。

ページ数 264ページ
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青春小説のおすすめランキング4選

1位:『ぼくは勉強ができない』山田詠美

高校生小説の決定版!凛々しい秀美くんが大活躍

#映画化

華奈

自分が本当に幸せを実感できる人生を送りたい人に読んでほしい小説。

主人公・秀美の人生を達観したような言動は、世の中で「良し」とされているものがいかに意味をなさないかを教えてくれます。

まだまだ無限の可能性を秘めている10代の方だけでなく、「世間で良いとされていること」をやって生きてきた大人にもおすすめです。

ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ―。17歳の時田秀美くんは、サッカー好きの高校生。勉強はできないが、女性にはよくもてる。ショット・バーで働く年上の桃子さんと熱愛中だ。母親と祖父は秀美に理解があるけれど、学校はどこか居心地が悪いのだ。この窮屈さはいったい何なんだ!凛々しい秀美が活躍する元気溌刺な高校生小説。

ページ数 288ページ

2位:『夜のピクニック』恩田陸

これぞ青春!全校生徒で夜通し80キロ歩き通す

#第26回吉川英治文学新人賞 #2005年本屋大賞 #映画化

ちょっと新しい読書会

修学旅行のかわりに、80キロを1晩かけてあるく「歩行祭」を通して、話が進んでいきます。

私は中学生の時にこの本を読みました。読む前は「修学旅行のほうが楽しいに決まってる!」と思っていたのですが、読了後は「夜に友達と語り合いながら歩く高校生活を送りたいかも」と180度転換するくらい、主人公たちの青春が羨ましくなりました。

いつか、夜のピクニックしてみたいなー。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

ページ数 455ページ
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3位:『ラメルノエリキサ』渡辺優

オフビートな文章が痛快なノンストップ青春小説

#第28回小説すばる新人賞受賞

まさみ

本作を読めば復讐への見方ががらりと変わるでしょう。

自他ともに認めるマザコンにして「復讐の申し子」な女子高生・小峰りな。彼女は自分や自分の大事な人に危害を加えた相手に、絶対報復する信念を持って生きていました。ある日、りなは通り魔事件の被害者になってしまい、犯人に復讐を誓います。

エゴイスティックを極めた主人公のキャラクターがとにかく強烈で、パンチの利いた名言の数々に惚れずにはいられません。

「復讐は誰のため」と聞かれ、「自分が気持ちよくなるため!」ときっぱり言いきる潔さは、泣き寝入りを強いられた経験のあるすべての人に見習ってほしいです。

ページ数 200ページ

4位:『明け方の若者たち』カツセマサヒコ

「こんなハズじゃなかった人生」を送るあなたへ

#北村匠海主演映画の原作

真木

10代後半から20代前半は、「人生の青さと苦さ」が色濃く現れる時期だと思う。

自分自身への期待や青すぎる野心は、就職や進学を通して経験する失望や挫折によって苦味に変わり、「こんなハズじゃない人生」を送ることを予感させるのです。

そんな時期を懐かしく思える人にはぜひ手に取ってほしいです。本作に描かれているのは、青さと苦さを抱えていた頃のあなた自身なのだから。

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生”に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。それでも、振り返れば全てが美しい。人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

ページ数 248ページ
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ホラー小説のおすすめランキング18選

1位:『黒い家』貴志祐介

隣人が怖くなる、エグすぎサイコホラー小説の金字塔

#第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞 #内野聖陽/大竹しのぶ主演映画の原作

まさみ

私達の身近にも「黒い家」はあるかもしれません。

保険会社の調査員・若槻慎二は、顧客である菰田夫婦の自宅を訪問した際に息子の首吊り死体を発見。現場の状況から自殺と思われましたが、実は菰田夫婦には子どもの不可解な事故死による保険金請求の前科があり…。

平凡で善良な青年・若槻の日常が保険金殺人の常習犯であるモンスタークレーマーに狂わされ、生き地獄と化していくのに戦慄しました。特に菰田妻・幸子の存在感が強烈!凄まじい執念でもってどこまでも主人公を追い詰める姿は確実にトラウマになります。

ページ数 392ページ

2位:『墓地を見おろす家』小池真理子

スティーヴン・キングリスペクトを感じる和製モダン・ホラー

まさみ

意気揚々と新生活のスタートを切った主人公の身に降りかかる惨劇に、終始震えが止まりませんでした。

主婦の美沙緒は新居のマンションに引っ越しますが、そこは火葬場と墓地に囲まれ住人の入れ替わりが激しい物件でした。やがて美沙緒の周囲では怪現象が続発し、娘までもが異常な行動をとりだします。

夫婦間の軋轢や娘の言動の変化、隣人たちの不自然な態度など、些細な違和感を散りばめた演出が巧みで夢中になります。

中盤から終盤にかけてのパニック描写も素晴らしく、ショッキングなホラー小説を求めている方におすすめです!

ページ数 330ページ

3位:『残穢』小野不由美

#第26回山本周五郎賞受賞 #竹内結子主演映画の原作

まさみ

怨念の拡散を示唆するラストにぞっとします。

ホラー小説家の「私」は読者のファンレターを読んだ際、そこに綴られている心霊体験に不可解な既視感を覚えます。過去の手紙を掘り出した結果、よく似た報告に行き当たり…。

いわゆるモキュメンタリー仕立ての構成で、小野不由美をモデルとする「私」が綿密な取材と検証を重ね、土地の因縁を紐解いていく展開にのめりこみました。

点と点が結ばれ線になるように次々明らかになる登場人物同士の繋がりや、呪われた一族の系譜に戦慄しました。

ミステリー小説さながら結果から原因へ遡る思考過程を経ているので、ホラー小説が苦手な人にも手にとってほしいです。

ページ数 359ページ
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4位:『ぼぎわんが、来る』澤村伊智

澤村伊智の看板作「比嘉姉妹」シリーズ1作目!

#第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉#岡田准一主演映画の原作

まさみ

子供の頃に謎の怪物・ぼぎわんに遭遇するも辛うじて生き延びた田原秀樹。大人になり家庭を持った彼の前に、再びぼぎわんの気配が忍び寄ります。秀樹はぼぎわんを撃退するため、有識者の知恵を借りに行くのですが…。

騙しのテクニックを駆使した構成が秀逸!視点人物が交代するごとに前章の語り手の印象が様変わりするのがポイントです。最強霊能者・比嘉琴子の活躍も素晴らしく、終盤の無双っぷりには痺れました。

ぼぎわんの正体とは何か、衝撃の真実はぜひご自身の目で確かめてください。

ページ数 347ページ
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5位:『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子

#第6回日本ホラー小説大賞受賞

まさみ

タイトル「ぼっけえきょうてえ」とは岡山弁で「とても怖い」の意味。内容も決して名前負けしておらず、独特のトーンを帯びた岡山弁の語り口がじっとりした恐怖を盛り上げています。

明治初期の岡山遊郭にて、客に身の上話をする醜い女郎。極貧の寒村で産声を上げ、物心付く前から堕胎の手伝いをしていた彼女は、胎児が捨てられた川でひとり遊んでいた日々を懐かしみます。

想像を絶する貧困が生むこの世の地獄、即ち弱者を虐げ搾取することでしか立ち行かない荒廃しきった村の惨状に言葉を失いました。

鄙びた土と血の香りがする和風ホラーが好きなら絶対読んでほしい一冊です。

ページ数 226ページ

6位:『シャイニング』スティーヴン・キング

モダンホラーの王様、スティーヴン・キングの傑作

#映画化

まさみ

動物の植木が動いたり、ひとりでに道順が変わる通路の演出にぞっとしました。

小説家志望のジャックは妻子を伴い、オーバールックホテルの冬季限定管理人として赴任します。冬の間は人がいなくなる為最高の執筆環境だとジャックは喜ぶものの、ホテルでは奇妙なことが起こりだし…。

様々な惨劇の舞台となったホテルの過去がオーバーラップした挙句、現実と幻覚の境が溶け出し、次第に正気を失っていくジャックの言動が恐ろしいです。

家族の崩壊と再生を描いた話でもあり、父親の立場で読むとより社会不適合者の烙印をおされたジャックの苦悩に共感できます。

ページ数 421ページ
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7位:『怪談のテープ起こし』三津田信三


まさみ

表題作「怪談のテープ起こし」は、自殺者の遺言テープに纏わる怪現象を扱った話。

ホラー作家・三津田信三は担当編集の時任と今度出す短編集の打ち合わせをしています。時任は自分の体験を断章として挟むことを三津田に提案し、早速刊行準備にとりかかるのですが、徐々に様子がおかしくなっていき…。

一篇が終わるごと三津田と編集者の対話が挿入され、どれもが現実に起きた出来事のような臨場感を味わえます。担当編集の心霊体験すらもフィクションに落とし込むことで虚実の境をぼかし、読者を翻弄するストーリーテリングの手腕にぞくぞくしました。

実話風怪談が好きな方は必ず満足できる、完成度の高い一冊です。

ページ数 336ページ
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8位:『ZOO』乙一

ホラー・ミステリー・SFなど、ジャンルやテイストの異なる傑作を収録した短編集

#映画化

まさみ

どの話もトリッキーな仕掛けがあり、読者の先入観を逆手にとったミスリードが大変上手いです。

だんだん腐敗していく死体の写真を送りつけられた主人公。最初の1枚に遡ってみたところ、そこに写っているのは恋人だと判明します。彼女の死の真相を突き止めるため、主人公は廃墟の動物園に赴きますが…。

乙一の作風の特徴である「乾いたユーモア」が十二分に発揮されているため、どれほどグロテスクな話でも不思議と後味は悪くありません。

同じ作者が書いたとは思えない、一風変わった短編集を探している方はぜひ手にとってください。

ページ数 277ページ
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9位:『殺人鬼』綾辻行人

グロテスクの極みのスプラッタ描写が炸裂するホラー小説

まさみ

次々と殺人鬼の犠牲となる若者たちに、生き延びる術はあるのでしょうか?

夏合宿のため双葉山を訪れた若者たちの一行。楽しいサマーキャンプは一転、正体不明の殺人鬼の襲来により阿鼻叫喚の地獄と化します。

ターミネーター並の不死身さを誇る殺人鬼の圧倒的存在感と、バリエイション豊かな殺害方法の数々が素晴らしいです。

様々な道具を用いて対象を拷問し、限りない苦痛を与える加虐性に圧倒されます。暴走に駆り立てられた集団の狂気も描かれており、ページをめくる手が止まりません。

人体損壊の過程すらエンタメとして楽しめる、覚悟を持った人におすすめしたいです。

ページ数 349ページ
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10位:『Another』綾辻行人

ミステリアスなヒロイン・鳴が魅力的なホラー小説

#アニメ化

まさみ

世界の見え方が反転する衝撃を味わえます。

榊原恒一は家庭の事情で田舎の中学校に編入。彼が割り当てられたクラスメイトには無口で無表情な美少女、見崎鳴がいました。独特な雰囲気を持った鳴に惹かれていく恒一ですが、彼女の姿は他のクラスメイトに見えないらしく…。

夜見山北中学校三年三組でのみ機能する特殊ルールがミスリードとなっているのがポイントで、終盤のどんでん返しには見事に騙されました。不条理なシステムに翻弄される少年少女の群像劇としても楽しめます。

ダークな雰囲気が好きな方はぜひ手に取ってください。

ページ数 402ページ
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11位:『異端の祝祭』芦花公園

和洋折衷の一風変わったホラー小説

まさみ

親から子へ世代を経て刷り込まれる洗脳の怖さとは。

就職浪人の島本笑美は幽霊が見えるせいで周囲から孤立し、唯一の理解者の兄に依存する日々を送っていました。ある日の面接で笑美はヤンと名乗る不思議な青年に出会い、新興宗教のセミナーじみた研修に連れていかれ…。

和製『ミッドサマー』と名高いホラー小説。キリスト教をベースにした異端の宗教を絡めた物語は、歪んだ思想を持った共同体に我知らず取り込まれていく異化の恐怖を描き、生理的なおぞましさに鳥肌が立ちました。

ページ数 336ページ

12位:『悪の教典』貴志祐介

#第1回山田風太郎賞受賞 #2011年本屋大賞7位 #伊藤英明主演映画の原作

まさみ

サイコパスの二面性にうちのめされたい方は必読!

高校教師の蓮実聖司はイケメンな上に人格者、生徒にも慕われている完璧な青年。ところが彼は目障りな人間を躊躇なく葬り去ってきた、真性のサイコパスでした。

聖人めいたカリスマを発揮する教師が、裏で残虐な殺人を犯し続ける落差に震え上がりました。自分の教え子や保護者までも始末するのだから理解を超えています。

蓮見の正体に勘付いた数少ない生徒との駆け引きも見所で、仮面が剥がれる瞬間は今か今かとハラハラしました。

クライマックスに描き出された地獄絵図は強烈の一言。どうせ終わるならと満を持して自身を解き放った、蓮見のやりたい放題ぶりが圧巻です。読後は蓮見の邪悪な魅力の虜になっているかもしれません。

ページ数 467ページ

13位:『屍鬼』小野不由美

#アニメ化

まさみ

「吸血鬼化」を一種の伝染病ととらえた小説を読みたいなら、きっとご期待に添えます。

ある時、外場村で3名の変死体が発見されました。医者の尾崎は死体の所見にひっかかりを覚えるものの、村人たちの意向で自然死として処理。しかしその後も村では人が消えていき…。

前半は村人たちの紹介に費やされ冗長に感じますが、中盤以降はジェットコースターさながらの疾走感!守りに入る村人視点のみならず、望まず吸血鬼に変えられてしまった元村人視点も進行するため、単純な善と悪に分けられないのがやりきれません。

集団ヒステリーに駆り立てられた群衆の狂気や暴力性も描かれ、よってたかって吸血鬼をなぶり殺すシーンは目を覆いたくなります。

ページ数 583ページ
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14位:『暗黒童話』乙一


まさみ

女子高生とサイコパスの対決に萌える方はきっと気に入ります!

不慮の事故で記憶と左目を失ってしまった女子高生の「私」。死者の眼球を移植してからというもの、その目が過去に見てきた光景が脳裏に映し出されて……。

記憶喪失の「私」が死者の目を借り、監禁されている少女を救出しようと奮闘する話。過去の映像からヒントを得て犯人に迫っていくストーリーは緊迫感に満ちていました。犯人視点と「私」視点が交互に展開される構成も巧みで、終盤で明かされる衝撃の真相には呆然。

滑り出しこそローテンポながら、ギアが入った中盤以降は時間を忘れて一気読みです。死者の記憶の再現シーンでは、ダークな童話の世界に迷い込んだような感覚を追体験できました。

ページ数 352ページ

15位:『闇祓』辻村深月

「人の悪意」に背筋が凍る!著者初の本格ホラーミステリー

真木

ホラーといえば幽霊や怪物が定番ですが、本作の恐怖は私たちの「日常」で現れます。その原因は「闇ハラ」と呼ばれ、自分の事情や思いなどを押しつけることで相手を傷つけたり、不快にさせる行為をさします。

決して突飛ではありませんが、日常と地続きになっている「闇ハラ」の恐怖が読みどころです。

幽霊系のホラーが苦手な人にこそ、新たな恐怖にぜひチャレンジしてもらいたいです!

「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!

ページ数 416ページ
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16位:『ジキル博士とハイド氏』ロバート・ルイス・スティーヴンスン


まさみ

二重人格の概念をフィクションに持ち込んだ画期的なホラー小説。

19世紀末ロンドンに住む弁護士アンダーソンはある日の帰り道に悪漢ハイドと会います。その非道な振る舞いに嫌悪を示すアンダーソンですが、ハイドが老若男女に慕われるジキル博士の知己だと判明し、2人の間柄に興味を持ちました。

薬を用いて凶暴な人格を切り離したものの、そのせいでハイドを押さえこめなくなったジキル博士の苦悩が胸を打ちます。理性的なジキルと衝動的なハイドの対比も際立ち、最も忌むべき存在に自我を乗っ取られる恐怖が余す所なく描かれていました。

善と悪の間で揺れ動く、人間の二面性に関心を持っている人に読んでほしいです。

ページ数 144ページ

17位:『ダイナー』平山夢明

グロくてグルメなエンタメホラー!実在のシリアルキラーをモデルにした殺し屋たちの饗宴が楽しい

#藤原竜也主演映画の原作

まさみ

最高に狂った殺し屋たちに出会いたいなら、この店に行くしかありません。

アラサー無職のオオバカナコは犯罪に巻き込まれ、助命と引き換えに裏社会の店で働くことになります。そこは元殺し屋の天才料理人・ボンベロが経営する、殺し屋専門のダイナーでした。

自堕落で無気力だったカナコががむしゃらに働くうちに、クセモノぞろいの常連たちと渡り合えるタフさを身に付けていくのが胸熱でした。

壮絶な過去を秘めた殺し屋たちの存在感も強烈で、好物の料理を頬張る人間臭い一面と狂気のバランスが絶妙。ボンベロが作る料理はどれも絶品でよだれがでます!

ページ数 533ページ

18位:『魔女の子供はやってこない』矢部嵩


まさみ

小学生の夏子は変なステッキを拾ったのをきっかけに、落とし主の魔女の子供と友達になりました。しかし夏子が人助けと信じてお願いした魔法はことごとく裏目に出て…。

夏子と魔女の子供がピュアな友情を育み、メルヒェンな冒険を繰り広げる傍らで、彼女たちが使った魔法がことごとく惨劇のトリガーとなるのが印象的です。

斬新な比喩が多用された文体はとても癖が強いですが、一度ハマると抜け出せない中毒性でコアな読者をつかみました。

どの話もラストに驚愕の結末が待ち受けていて、その中でも「魔法少女帰れない家」は突き抜けてシニカルでブラック。

今まで読んだことないエキセントリックなホラー小説を探している方に自信を持っておすすめします。

ページ数 336ページ
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1位:『一九八四年』ジョージ・オーウェル

全体主義国家の恐怖を描くディストピア小説の最高傑作

#映画化

吉川

「英語で書かれた最も重要な小説」とも言われるディストピア文学の金字塔!

舞台は独裁者ビッグブラザーによる恐怖政治に覆われた英国。一介の公務員・スミスは、伝説の反逆者ゴールドスタインを中心とする秘密結社に近づき、ディストピアから抜け出そうともがきます。1つまた1つと禁忌を犯していくスミスに待つのは、「完璧な絶望」と評されたラストシーンでした。

思考を制限される「二重思考」や、政府によって感情を操られる「二分間憎悪」というアイデアに、読んでいて何度もぞっとする小説です。特に、終盤で主人公が洗脳されていくシーンは、ホラー小説にも全く引けをとらない悍ましさがありました。

独裁政治の恐ろしさを体感したい方におすすめです。

ページ数 512ページ
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2位:『三体』劉慈欣


#アジア圏初のヒューゴー賞受賞 #映画化

吉川

過去、現在、そして450年後の未来まで、圧倒的なスケールで描かれる現代中国SFの大ベストセラー。

エリート天文学者・葉文潔は宇宙開発に携わっていたある日、人類よりはるかに高い技術を持つ宇宙人の「三体人」とのコンタクトに成功します。数十年後、三体人がついに地球への侵攻を開始。巨大な技術力の差を前に、はたして人類は三体人に勝利することができるのか?

三体人の攻撃によって科学技術の発展を封じられた人類が、知恵と工夫で危機を乗り切ろうとする展開は、読んでいて熱くなります。人類の特技として「嘘」を押し出そうとする作戦も面白いです。

SF新時代を象徴する本作。これまでSF小説に縁がなかった人もぜひ読んでみてください。

ページ数 448ページ
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3位:『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ


#映画化

むら

キャシーたちは何のために生まれ、何故生かされていたのか。悲劇の一言では括れない登場人物たちの軌跡の積み重ねが、豊かな余韻をもたらします。

主人公は英国在住の介護人キャシー。彼女は人々の世話をする傍ら、ヘールシャムと呼ばれる施設で過ごした子供時代を懐かしみます。特別な子ども達だけを集めたヘールシャムには、ある大きな秘密が隠されていたのです。

美しく端正な文章が紡ぐ回想シーンは、ノスタルジックな箱庭の趣で心を奪われました。牧歌的ともいえる幼年時代の記憶と、大人になったキャシーの独白が交錯することで物語は陰影を増していき、徐々に明らかになっていく真実の重みが胸を打ちます。

ページ数 450ページ
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4位:『ボッコちゃん』星新一

「ショートショートの神様」の代表作!

まさみ

ある酒場に雇い入れられたミステリアスな美女。たちまち看板娘となった彼女の正体は実はロボットなのですが、客たちはそうと知らず、今日も口説きにかかります。

表題作「ボッコちゃん」は、ロボット特有のワンパターンなマニュアル対応が衝撃的な結末を招いており、皮肉の極みのシュールな余韻がたまりません。一話一話は短いながらも常人離れした奇想が凝縮されており、鮮やかなどんでん返しに度肝を抜かれます。

どんなブラックなオチも、ウイットとユーモアに包まれているため、読後感が悪くないのが特徴。

難しい設定や専門用語は一切ないので、SF初心者におすすめの入門書です。

ページ数 352ページ
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5位:『虐殺器官』伊藤計劃


#映画化 #アニメ化

まさみ

ソリッドなアクション描写もさることながら、言葉の本質とは何か、人類の進化とは何かを考えさせられる哲学的な命題にひきこまれます。

アメリカ情報軍のクラヴィス大尉は、後進国で虐殺を扇動している謎のアメリカ人ジョン・ポールの暗殺を命じられます。早速プラハに飛んだクラヴィスは、そこでジョン・ポールの元愛人ルツィアと接触するのですが…。

テクノロジーが発達した近未来を舞台に、特殊な言語による洗脳で虐殺を蔓延させる黒幕と、過去に傷を負った大尉の対決を描くSF小説。

殺伐とした世界観で描き出されるディストピアの実状は、十数年後に訪れるかもしれない近未来のリアリティを持っていました。

ページ数 428ページ
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6位:『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス


#ヒューゴー賞受賞 #ドラマ化

早坂

優しさと悲しみに満ちたタイトルの意味を知った時、自然と涙が頬を伝うでしょう。

知的障害を持つ心優しい青年チャーリィは、脳手術を受けることで天才へと変貌しますが、以前は気づかなかった周囲の悪意や欠点、つらい記憶に悩まされるようになります。そんな中、先に手術を受けたネズミのアルジャーノンに異常な行動が見られるようになって…。

主人公が記録した報告書という形式のため、知能の変化によって文章力や語彙力が変化していき、主人公の精神状態を追体験しているような感覚になります。そのため感情移入がしやすく、読者の感情も大きく揺さぶられます。

幸せとは何なのか、優しさとは何なのか、心の深い部分に問いかける小説です。

ページ数 464ページ
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7位:『ハーモニー』伊藤計劃


#アニメ化

真木

本作で描かれている支配の仕方や危機は遠くない将来、私たちを襲うかもしれない、と思わせる迫力があります。

健康と幸福であることが義務となった近未来の社会で生きる霧慧トァンは、かつて共に自殺を図り死んでしまった友人・御冷ミァハのことが忘れられずにいました。ある日、世界同時多発自殺事件が起こり、彼女は犯人を追いますが、事件の背後にいるのは死んだはずのミァハで…。

健康を重視する社会や電子端末による人々の行動の管理という設定は現代にも通じるところがある分、本作からは不気味なリアリティを感じました。

私たちが生きる社会の未来や、これからの時代の幸福のあり方を真剣に考えたい人には強くオススメしたいです。

ページ数 398ページ
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8位:『ユービック』フィリップ・K・ディック


吉川

近代SFの父ディックによる「現実崩壊モノ」の傑作。

主人公ジョーはある日、爆発に巻き込まれたことをきっかけに「時間錯乱テロ」に直面。車が次々と旧世代のものに変わり、食品は腐り、人間までもが朽ちてゆく中、ジョーは次々に現れる謎のメッセージを頼りに悪夢から逃れよう奔走しますが…。

亡くなったはずの人物からメッセージが届いたり、そこにあったものが少し目を離した隙に別のものに変わるなど、当たり前のことが通じない不条理な世界で展開するストーリーは、予測不能でとにかくスリリング!

冒頭10ページを超えれば雪崩のように物語が進む徹夜本。SF小説を読み慣れていない方は、なんとかそこまでたどり着いてください!

ページ数 324ページ

9位:『華氏451度』レイ・ブラッドベリ

読書が禁じられた未来を描くディストピア小説

#映画化

Cartus

タイトルからは内容の想像がつきにくいのだが、暗い未来社会を描いたいわゆるディストピア小説だ。

「華氏451度」とは、”昇火士”となった主人公が本を焼くための温度のこと。この作品で描かれるディストピアとは、なんと本を読むことが禁じられている社会なのだ!

つまり、大衆が本を読んでしまうと自分で考える力がついてしまうため、未来の支配層が本の所持を禁じたのだ。「なんだ、SFの話か」と思うのは大間違い。実は私たちが現在暮らしている社会そっくりなのだ。というのも、作者がこの作品を書いた1953年はちょうどテレビが登場した頃。多くの人はテレビに夢中になり、本を読まなくなってしまったのだ。

その結末は…もうお分かりだね?

華氏451度―この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。451と刻印されたヘルメットをかぶり、昇火器の炎で隠匿されていた書物を焼き尽くす男たち。モンターグも自らの仕事に誇りを持つ、そうした昇火士のひとりだった。だがある晩、風変わりな少女とであってから、彼の人生は劇的に変わってゆく…。本が忌むべき禁制品となった未来を舞台に、SF界きっての抒情詩人が現代文明を鋭く風刺した不朽の名作、新訳で登場!

ページ数 299ページ
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1位:『アルケミスト』パウロ・コエーリョ


#全世界8500万部 #81カ国語に翻訳

むら

大切に傍において、何度でも読み返したい1冊!

ピラミッドの側に宝物が埋まっている夢を見た羊飼いの少年サンチャゴは、その夢を信じ全てを捨てて宝物を探す旅に出ます。様々な出会いや別れの中で学びながら成長していくサンチャゴが、旅の最後に得たものとは?

主人公が試練を経て成長する王道ストーリーを期待していると、次々に登場する人生の教訓に良い意味で裏切られることでしょう。「人は自分の夢見ていることをいつでも実行できることに気づいていない」など、散りばめられた数々の名言はまるで宝石のよう。「世界で最も読まれた本ベスト10」入りしたのにも頷けます。

夢を追う人、人生の選択に迷う人…どんな人にとっても、人生を変えるきっかけをくれるでしょう。

ページ数 208ページ

2位:『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング

伝説はここから始まった!世界を席巻した魔法ファンタジー第1作

#映画化

宇野

空を飛んでいる魔法使いが目の前に浮かんでくるような豊かな描写にページをめくる手が止まらない!

叔母の家でいじめられながら育ったハリーは、自分が魔法使いであることを知りホグワーツ魔法魔術学校へ入学。ある日、伝説の秘宝「賢者の石」が学校に隠されていることを知り、探し始めます。石には、両親を殺した宿敵・ヴォルデモートも関わっていて…。

ホウキで空を飛び、呪文の練習をするなど、ハリーにとっては何もかもが初めての体験。物おじせずに次々と新しいことを吸収していくハリーの姿は、未知なる世界に飛び込む勇気を与えてくれます。

変わり映えしない平凡な日常から抜け出して、壮大なファンタジーの世界を味わいたい方におすすめです。

ページ数 256ページ

3位:『新世界より』貴志祐介

千年後の日本の生活様式がディティール豊かに描かれた、圧倒的リアリティーのあるSF小説

#第29回日本SF大賞受賞 #アニメ化

まさみ

もし超能力者のみの社会が実現したらどうなるか?

「神の力」と呼ばれる超能力に覚醒した人類が、各地にコロニーを築いた千年後の日本。主人公の早季は友人たちに囲まれ幸せに暮らしていました。ところが早季たちはコロニーの外で迷子になった際、先史文明が滅びた衝撃の真相を知ってしまい…。

世界の成り立ちに纏わる残酷な真実が明かされて以降の展開は驚きと裏切りに満ちていて、ページをめくる手が止まりませんでした。郷に語り継がれる業魔や悪鬼の伝承の不気味さや、鮮烈なイマジネーションが弾ける超能力バトルの描写も圧巻です。

ページ数 448ページ
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4位:『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

京都を舞台にした青春ファンタジー小説!

#第20回山本周五郎賞受賞 #2007年本屋大賞2位 #アニメ化

まさみ

大学生の「先輩」は同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に片想い中。なんとかお近付きになりたい下心とは裏腹に、「黒髪の乙女」は今日もおいしいお酒を求め、夜の京都を徘徊します。

天然マイペースで実は酒豪、のんびりおっとり丁寧な口調でオトボケ全開の「黒髪の乙女」が素敵!ここぞという時の思いきりの良さには、「先輩」同様惚れ直すこと間違いなし。

意中の人と仲良くなりたい情熱がことあるごとに空回りしがちな「先輩」のドタバタぶりと、天然マイペースな「黒髪の乙女」のすれ違いが笑いを誘います。

摩訶不思議なハプニングと珍妙奇天烈なキャンパスライフが融合した、森見ワールドの真髄を堪能したい方におすすめです。

ページ数 320ページ
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5位:『永遠の森 博物館惑星』菅浩江

惑星まるごと博物館と化した壮大な設定が楽しいSFファンタジー

まさみ

宇宙に進出した遥か未来の博物館を見学したい人は、ぜひこの本を開いてください。

衛星軌道上に存在する巨大博物館「アフロディーテ」の学芸員・孝弘。自身をAIと接続し膨大な知識をダウンロードしている彼は、上と下に挟まれ苦労が絶えない中間管理職でもありました。そんな孝弘が展示物に纏わる様々なトラブルに巻き込まれ…。

絵画や彫刻に限らず、生きた動植物までも収蔵する「アフロディーテ」巡りに夢中になります。夫婦愛をテーマにしたラストの短編「ラブ・ソング」は最高にロマンチック。ピアノの旋律が実際に聞こえてくるような、幻想美あふれる演奏シーンにうっとりしました。

ページ数 453ページ

6位:『モモ』ミヒャエル・エンデ

無垢で純粋なモモの大冒険を描いた児童文学の傑作

#ドイツ児童文学賞受賞 #映画化

まさみ

家や家族を持たない代わりに何にも縛られない、モモの自由さに憧れます。

廃墟の円形劇場に住み着いた不思議な少女・モモ。とても聞き上手な彼女はたちまち街の人たちと仲良くなりました。ある日「灰色の男たち」が出現し、人々の時間を盗み始めます。余裕を失くしていく街の人たちを憂えたモモは、「灰色の男たち」に盗まれた時間を取り戻そうと行動を起こします。

悪役に位置付けられた「時間どろぼう」は、仕事や生活に追われ心のゆとりを忘れた現代人の寓意ともとれ、自分の生き方を見直すことにも繋がります。

ハラハラドキドキが詰まったファンタジー小説の名作なので、親子で読んで感想を交わすのも楽しそうです。

ページ数 409ページ

7位:『時給三〇〇円の死神』藤まる


あした

土日・早朝勤務あり、福利厚生なしの時給300円!

主人公・佐倉は応募してもいない「死神バイト」に採用されます。仕事内容は、未練を残した死者をあの世に送るというもの。先輩死神の花森さんに振り回される日々の中、彼が残酷なルールを知るのはもう少し先のこと…。

死者の未練が切ない分、花森さんと佐倉のわちゃわちゃした時間を愛おしく感じます。青春感を堪能しながら、記憶と存在という深遠なテーマにたどり着く人もいるでしょう。

生きるとは?存在する意味とは?迷える読者と主人公に向けて、最後に答えと救いが用意されています。

「この小説は哲学だ!」と言いたいです。ニーチェもカントも置いといて、教科書には是非「藤まる」を!

ページ数 328ページ

8位:『バルタザールの遍歴』佐藤亜紀


まさみ

1906年、ウィーンの公爵家に誕生したメルヒオールとバルタザールは、同じ体に精神を宿した極めて特殊な双生児でした。

そんな二人で一人な彼らを周囲は変人として持て余します。大人になった彼らは酒と女に溺れた挙句、継母との恋愛スキャンダルが原因で祖国を追われ、波乱万丈の遍歴を辿ります。

まず注目してほしいのは主人公の設定!結合双生児でも二重人格でもない、同じ体を共有する双生児というのがポイント。喧嘩の際はコントのようなパフォーマンスを演じるのが面白かったです。物語前半と後半の緩急のコントラストも素晴らしく、ナチス将校の追跡を巻いて砂漠を踏破する冒険に胸が躍りました。

美しい装飾や技巧を凝らした文章に酔い痴れたい方は必読です。

ページ数 336ページ

9位:『ガリヴァ旅行記』ジョナサン・スウィフト

イギリス社会への痛烈な批判を含んだ船医ガリヴァの空想冒険譚

#映画化

Cartus

風刺小説として名高いこの作品で一貫して描かれるのは「人間の本性である醜さや愚かさ」。

ガリヴァがたどり着いたのは小人の国、巨人の国、空の国、馬の国の4つだ。いずれの国でも奇妙な出で立ちの人間が登場するが、実は自分たちそのものの姿だとガリヴァは旅を通して気づく。

ちなみに、空の国は映画『天空の城ラピュタ』のモチーフ、馬の国の野獣はインターネットサイト”Yahoo”の由来になっている。

船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。

ページ数 423ページ
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10位:『光の帝国 常野物語』恩田陸

#前田愛主演ドラマの原作

まさみ

常野と呼ばれる一族の出身者、またはその関係者を主人公にした連作短編集。

一般の人々と交わる意志をこめ、自分たちを常に野(下界)に在る「常野」と名付けた超能力者の一族。彼らは予知や人の心を読む能力が備わっていましたが、それ故時代の流れに翻弄され、数奇な運命を辿っていきます。

世間に馴染めない超能力者の苦悩がクローズアップされる一方、その力を使って道を切り開き、他者を助け導くあり方に感動しました。ハートフルな話も多く、読後はじんわり胸が温かくなります。

ヒューマンドラマ要素が強い超能力者の群像劇なので、SFやファンタジーに苦手意識がある方にこそ読んでほしいです。

ページ数 350ページ

11位:『ダレン・シャン』ダレン・シャン

人間と半バンパイアの狭間で葛藤する少年が主人公のダークファンタジー

#映画化

まさみ

平凡な少年が半吸血鬼となり、胸躍る冒険を繰り広げる人気シリーズ!

蜘蛛が大好きなちょっと変わった男の子ダレンは、親友スティーブと共に移動サーカスを観に行った際、そこで飼われていた蜘蛛がどうしても欲しくて盗んでしまいます。しかしその蜘蛛がスティーブを噛み、ダレンは親友を助けるため、謎の男クレプスリーと取引して半吸血鬼へと生まれ変わります。

旅を続ける中で最初は憎しみ合っていたクレプスリーとの関係性が徐々に変化し、師弟の絆を育んでいくのが印象的でした。サーカスの面々やのちに登場する吸血鬼も個性的で、敵味方問わずユニークな魅力にあふれています。

主人公の成長ぶりを実感し、ラストで最高のカタルシスを得たい方におすすめです。

ページ数 318ページ

12位:『有頂天家族』森見登美彦

 

狸の四兄弟と愉快な仲間たちの活躍を描いたファンタジー

#2008年本屋大賞3位 #アニメ化

まさみ

もふもふした狸に目がない方は、ぜひこれを読んで癒されてください。

京都に住む狸の青年・矢三郎は「面白く生きる」がモットーの、下鴨四兄弟の三男。毎日のように人間に化けて悪戯し、師匠にあたる赤玉先生の恋人・弁天に鼻の下を伸ばしていましたが、父を鍋にして食べた「金曜倶楽部」の新たなターゲットにされ、命がけの追いかけっこが始まります。

偉大な父亡きあと、様々な困難に見舞われながらも、最終的には家族団結し、試練を乗り越えようとする矢三郎たちを応援したくなります。

矢三郎の婚約者でツンデレ属性の海星や、マドンナ・弁天、傲慢なのに憎めない赤玉先生など、皆キャラクターが立っていて憎めません。

ページ数 423ページ

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13位:『家守綺譚』梨木香歩


まさみ

少し変わった家に住んでみたい方、万物に神や精霊が宿ると信じている方におすすめ!

小説家志望の綿貫は亡き親友・高堂の父に頼まれ、彼が住んでいた一軒家に引っ越します。そこでは庭木に心が宿り、毎日のように不思議な事件が起きていました。様々な怪異に出会った綿貫は、日々の出来事を日記にしたためることにします。

庭のサルスベリ(花)に片想いされたり、家に迷い込んだ河童や小鬼に悪戯されたり…綿貫が体験する出来事はクスリと笑えるエピソードが多く、とぼけた味わいを感じさせます。

優れた観察眼でもって日常と非日常のあわいをすくい上げ、日々のよしなごとを綴る綿貫を見ていると、ちょっかいをかけたくなる人外たちの気持ちがよくわかります。

ページ数 208ページ

歴史・時代小説のおすすめランキング9選

1位:『竜馬がゆく』司馬遼太郎

坂本竜馬の劇的な生涯を描いた国民的ベストセラー

#北大路欣也主演でNHK大河ドラマ化

Cartus

数々の歴史小説を世に送り出した昭和の文豪・司馬遼太郎による青春歴史小説だ。

歴史もののなかでもひときわ人気の高い幕末を舞台にしているため敷居が低く、さらに主人公は現代の「理想の上司ランキング」でその名前が常に上位に挙がる坂本竜馬!

抜群のカリスマ性と愛着あるキャラクターで、ぐんぐん読み進められるため、歴史小説に慣れていない方にもおすすめできる作品だ。

また、竜馬が出会う勝海舟・西郷隆盛・岩崎弥太郎など維新の志士や人物たちも魅力たっぷり。司馬作品ならではの断定的な造形豊かな人物描写で、まるでその辺にいるかのようなイメージが湧いてくる。

夢中になって読んでいる頃には、あっという間に明治維新を迎えていることだろう。

「薩長連合、大政奉還、あれァ、ぜんぶ竜馬一人がやったことさ」と、勝海舟はいった。坂本竜馬は幕末維新史上の奇蹟といわれる。かれは土佐の郷士の次男坊にすぎず、しかも浪人の身でありながらこの大動乱期に卓抜した仕事をなしえた。竜馬の劇的な生涯を中心に、同じ時代をひたむきに生きた若者たちを描く長篇小説。

ページ数 446ページ

2位:『デカメロン』ジョヴァンニ・ボッカッチョ

ペスト禍で郊外に逃れた男女が10日間すべらない話を繰り広げる

#映画化

Cartus

コロナ禍のような非常時に読まれるべき文学作品は多々あるが、デフォーやカミュの『ペスト』のような暗く重たい作品だけでないのが、文学の懐の幅広い所以だ。

この短編集はイタリアのボッカッチョにより、なんと1350年頃に書かれた。タイトルは「10日」を意味し、当時の感染症であるペストが大流行した際に、田舎に疎開した男女が10日間集まって、交互に面白い話を披露するお話だ。今で言う「すべらない話」を参加者が展開し、盛り上がっている場面を想像すると良いだろう。

では、昔の人々はいったいどんな話で盛り上がっていたのだろうか?古今東西、ウケる話の内容は似たようなものだ。なにせ650年以上、「すべらない話」なのだから…。

ペストが猖獗を極めた十四世紀フィレンツェ。恐怖が蔓延する市中から郊外に逃れた若い男女十人が、面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ代わるがわる語りあう百の物語。人生の諸相、男女の悲喜劇をあざやかに描いた物語文学の最高傑作が、典雅かつ軽やかな名訳で躍動する。不滅の大古典、全訳決定版。

ページ数 555ページ

3位:『村上海賊の娘』和田竜


#2014年本屋大賞 #第35回吉川英治文学新人賞

早坂

時代背景や地理の説明はありますが、複雑さは一切なく、会話や文章も軽快でとても読みやすいので、歴史小説に不慣れな方にもおすすめです。

戦に憧れる村上海賊党首の娘・景は、強盗に襲われていた一向宗の信徒たちを助け、信長と争う本願寺へ送り届けます。そこで初めて本物の戦を見た景は、憧れを捨て戦に関わらない生き方を選択。

しかし、本願寺支援に動いた村上海賊が信長との争いを避けるため直前で手を引くことを知り、再び戦場に向かい信徒たちを救うために奔走します。

魅力的なキャラクターが多く、歴史もので珍しい女性主人公・景はもちろん、敵となる七五三兵衛も芯が通った好漢で、どちらも応援したくなります。戦闘描写が派手で、難しいことを考えずに爽快なアクション活劇を楽しめるのも見どころ!

ページ数 343ページ

4位:『革命前夜』須賀しのぶ


#第18回大藪春彦賞受賞

veyu

どんなジャンルの本を読もうか迷っている人には、「とりあえずこれを読んでみて!」と言いたいです。歴史小説で、青春小説で、ミステリーで、音楽小説。こんな贅沢な一冊はなかなかお目にかかれませんよ。

1989年、冷戦下の東ドイツに留学したピアニストの眞山は、音楽の天才たちを前に自分のピアノの方向性に迷います。そんな中出会った美貌のオルガン奏者クリスタは、国家保安省に監視される危うい立場にあり…。

すぐ近くに密告者がいるという重苦しい時代。その暗い時代背景の中だからこそ、音楽と青春の物語が一層光って見えます。眞山の音楽学校の仲間たちも魅力的。

後半のスピーディーな展開と、ベルリンの壁崩壊に向かう爽快感はたまりません。

ページ数 467ページ

5位:『ペスト』アルベール・カミュ

医師の目から語られるペスト禍と都市封鎖

#映画化

Cartus

新型コロナのパンデミックに覆われた今だからこそ読めるパニック小説。というよりむしろ、パンデミックを一度でも経験しないと、この小説の面白さや深さは永遠に分からないのではないか。

謎の伝染病の発生から、伝染源の突き止め、無関心だった人々が突如恐怖におののく姿、緊急事態宣言の発令、宣言解除後の無防備さが呼び込む再流行など、2020年以降に世界中で起こった一連の出来事がそっくりそのまま描かれているのがわかる。

ただ、この小説がそれだけで終わらないのは、ペストを人生における”悪の象徴”とみなしていることだ。「感染症=戦争」とも例えられたように、戦後間もない時期に書かれたこの名作は戦争の不条理を描いたとも言われている。

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に「悪」と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。

ページ数 476ページ
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6位:『花宵道中』宮木あや子

男の極楽・女の地獄と謳われる江戸の花街の遊女たちの悲喜こもごもを描いた短編集

#安達祐実主演映画の原作

まさみ

ある者は貧しさ故に親に売られ、ある者は誘拐され…。

幼い頃に女郎の母を亡くし新吉原の遊郭で育った遊女・朝霧。彼女は行為中に桜の形の痣が浮かび上がる体質を気に入られ、大勢の客を掴んでいます。ある時火事で焼け出され、大門外の仮宅に移動した朝霧は染物職人の半次郎と出会い恋に落ちます。

やむをえない事情で苦界に沈み、諦めと覚悟をもって身を売る生き様と報われない恋心が、一際切ない余韻をもたらしました。下品さを全く感じさせない、美しく官能的な濡れ場は女性にも受け入れやすいのではないでしょうか。

ほんのりと色香漂い出す文章が紡ぐ、遊郭ものが好きな方は必読!

ページ数 374ページ

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7位:『陰陽師』夢枕獏

#野村萬斎主演映画の原作

まさみ

安倍晴明が主人公の小説の代表格!

平安時代に実在した高名な陰陽師・安倍晴明と、その友人で武に優れた源博雅。2人は朝廷や貴族の依頼を受け、都を騒がす鬼や付喪神、武将の怨霊などの魑魅魍魎を退治していく中で、貴族の確執や朝廷に渦巻く陰謀を知ることになり…。

自由自在に式神を従え京の都の秩序を守る、晴明の活躍から目が離せません!

飄々として掴みどころのない晴明と、義理人情に厚く実直な博雅のコンビがとても魅力的で、深い信頼で結ばれた男同士の絆に感動しました。

しっとり典雅な文章で綴られる四季折々の自然の風景や人々の営みも必見です。

謎多き陰陽師のなりわいに興味がある方や、平安の世が舞台のブロマンス小説に萌えたい方は読んでください。

ページ数 333ページ

8位:『天地明察』冲方丁


#2010年本屋大賞 #岡田准一主演映画の原作

かのまお

日本で初の国産暦の完成までを詳細に描いた時代小説!

徳川家綱の時代、算術家の渋川春海は日本の緯度の計測や新しい暦の作成を任されます。改暦が世の中のあらゆるシステムの変革を伴うことに慄然としながらも、主人公・渋川は粉骨砕身、プロジェクトの完遂を目指します。

改暦作業という仕事が世間に与える影響力の大きさとの格闘に心を持っていかれます。2人の天才、和算家・関孝和と近代囲碁の祖・本因坊道策との切磋琢磨も大きな見どころです。

痺れる名言が多いのも魅力。特に「私たちが小さいのではなく、世が大きいのだ」という主人公のセリフは心に響きました。

これから大きな仕事に挑戦したり、新しい仕事を始めたいと思っている人に読んで欲しい小説です。

ページ数 288ページ

9位:『蒼穹の昴』浅田次郎

#日中共同制作でドラマ化

まさみ

女帝・西太后が君臨する激動の中国を舞台に、波乱万丈の運命に翻弄される人々の姿を描いた群像劇の傑作!

清朝末期の中国。貧しい糞拾いの子・春雲は、立身出世を夢見て宦官となりました。成長した春雲は西太后に仕えることになり、官僚として取り立てられていた同郷の文秀と対立を余儀なくされます。時同じくして英国が香港を租借し、欧州の列強や日本が訪れて…。

義兄弟の契りを結んだ春雲と文秀のすれ違いや、憎まれ役を演じきった西太后の知られざる苦悩が余すところなく描かれ、血肉が通った登場人物たちが壮大なスケールで織り成すドラマに涙が止まりませんでした。

中国の歴史に興味がある方にはぜひ読んでほしい小説。きっと人生観が変わります。

ページ数 384ページ
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1位:『夢をかなえるゾウ』水野敬也

関西弁のゾウの教えで人生が好転していく自己啓発小説

#小栗旬主演ドラマの原作 #アニメ化

ミレット

ファンタジー要素満載かつ実生活にも応用できる気づきがたくさん得られます!フォントも大きく、会話文主体なのですこぶる読みやすい!

各章が一課題なので一気に全部読もうと気負わずに、区切って読めるのも読みやすい点です。

ガネーシャの底なしの能天気さとユーモアに心から笑え、明日への活力になること必至です!

ダメダメな僕のもとに突然現れた、ゾウの姿をしてなぜか関西弁で話す、とてつもなくうさん臭い神様“ガネーシャ”。聞けば、ナポレオン、孔子、ニュートン、最近ではビル・ゲイツまで、歴史上のキーパーソンは自分が導いたという…。しかし、その教えは「靴をみがく」とか「コンビニで募金する」とか地味なものばかり。こんなんで僕は成功できるの!?TVドラマ化、アニメ化、舞台化された、ベスト&ロングセラー。過去の偉人の具体例から導き出される、誰にでもできる超実践的な成功習慣を小説に織り込んだ、笑って、泣けて、タメになる、まったく新しいエンターテインメント小説。

ページ数 408ページ
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2位:『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎

”ロマンはどこだ” 特殊能力を持つ4人組銀行強盗が大暴れ!

#大沢たかお主演映画の原作

ふっかー復活委員長

生きづらさを感じたら、陽気なギャングと遊ぼうよ。

漫才、裏切り、どんでん返し…伏線だらけの大運動会にようこそ!

なんと言っても、コントのような冒頭からは予想もつかぬ「本物」のサスペンス小説なのだ。

読み終えたあなたは、きっと魂のランクが上がってる。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。

ページ数 394ページ

3位:『蕎麦ときしめん』清水義範

抱腹絶倒のパスティーシュ作品集!

Cartus

難しいテーマは勘弁してほしい。ただ、サラッと気分転換がしたい。

普段は重ための小説が好きな方でも、人生そんな風に思うときはあるものだ。そんなときには軽くて、深くなく、全く難しくない清水義範の小説がおすすめだ。

名古屋出身の作者が、蕎麦と地元の名物・きしめんの違いを熱く語る表題作をはじめ、思わずクスリと笑うどころか、抱腹絶倒の作品が収められている。

短編集なので好きな時に好きな順番で読めるのも良いところ。もちろん、名古屋に馴染みがない方でも楽しめる。

ジャンルでいうとパスティーシュ(模倣作品)に区分され、小説世界の幅広さを知ることも出来るだろう。

読書はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。なんととんでもない天才ではないか!鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュ作品の数々。

ページ数 228ページ

心温まる・癒やされる小説のおすすめランキング3選

1位:『麦本三歩の好きなもの』住野よる

なんでもない日常の贅沢をあなたに

一蔵とけい

読むと前向きで晴れやかな気分になります!

住野よるさんは『君の膵臓をたべたい』がベストセラーになり、その後も『よるのばけもの』や『青くて痛くて脆い』などヒット作を連発している作家さんです。

本作は、そんな住野よるさんの描く愛すべきキャラクター・麦本三歩の個性が眩しくて、なんでもない日常が特別に感じられるような小説。

頭の中ですっとイメージが浮かぶような活字の魅力が詰まっていて、読んでいて楽しくなれるのでおすすめです。

朝寝坊、チーズ蒸しパン、そして本。好きなものがたくさんあるから毎日はきっと楽しい。図書館勤務の20代女子、麦本三歩のなにげない日常。

ページ数 296ページ
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2位:『博士の愛した数式』小川洋子

数字が愛おしく見えるようになるハートフルストーリー

#第1回本屋大賞 #寺尾聰主演映画の原作

せり

切なく温かく、そして自然に微笑んでしまう、人生に1度は読むべき小説です!

「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。

ページ数 291ページ
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3位:『ハゴロモ』よしもとばなな

東京での愛人生活を終えて帰郷した主人公の「回復」の物語

うぐはら

光の描写が息を呑むほど美しいので、癒されたい方におすすめです。

失恋をして傷心中の主人公が、故郷へ帰ることによって、忘れていた大切なものを取り戻す話。

生きた屍のようになっていたほたるが、るみちゃんやみつるくんたちと出会い、関わり合うことによって、だんだん人間としての感情を取り戻していくのが印象的でした。

ページ数 185ページ

芥川賞受賞小説のおすすめランキング2選

1位:『推し、燃ゆ』宇佐見りん

「推し」の炎上は「私」の崩壊。青春小説の新境地!

#第164回芥川賞

まさみ

脇目もふらず「推し活」をしている読者は、自分を見直すきっかけになるかもしれません。

女子高生のあかりは、アイドルの上野真幸を推すことに全存在をかけていました。しかし上野はファンを殴り炎上し、あかりの日常もゆっくり狂いだします。

生きづらさを抱える女子高生の、「推し」を推すことでしか自分を普通と認知できない息苦しさを表現した作品。趣味の範囲の「推し活」にとどまらず、生活のすべてにおいて「推し」を最優先するアンバランスな人間特有の自己肯定感の低さや焦燥が饒舌に言語化され、心の深い所に突き刺さりました。

新時代の私小説ともいえるポップな文体は、純文学が苦手な十代の読者にもすんなり受け入れられます。

ページ数 144ページ
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2位:『火花』又吉直樹

リアルな芸人の人生を鮮烈に描ききったピース又吉のデビュー作

#第153回芥川賞 #菅田将暉/桐谷健太主演映画の原作 #ドラマ化

はるう

なんとしてでも売れたいという芸人根性に胸が熱くなりました。

売れない芸人の徳永は、とある営業先で先輩芸人の神谷と出会い意気投合。「俺の伝記を書け」と言われ、奇行を繰り返す神谷の様子をノートに綴っていくことに。やがて売れ始めた徳永と、自分の漫才スタイルに追い詰められる神谷。「売れる芸人」「売れない芸人」という明暗がはっきりと分かれ始めてしまい…。

だれも見てくれない営業先での漫才の様子は、悲哀を感じるとともに著者の感じた売れてない芸人に対する扱いを追体験することができます。

芸人さんが書いているという親しみやすさで、取っつきにくいと思われがちな純文学の敷居を下げてくれる1冊です。

ページ数 180ページ

直木賞受賞小説のおすすめランキング3選

1位:『何者』朝井リョウ


#2013年直木賞 #佐藤健主演映画の原作

真木

これから就活を始める方は読まないでください。

就職活動を控えた主人公の大学生・拓人は、友人の光太郎たちと就活対策として集まるようになります。就活が始まり少しずつ変化していく関係性。そしてついに内定を獲得した人が現れたことで、それぞれが隠していた自意識が明らかになっていき…。

拓人や光太郎が抱える将来への焦りや、友人らとの気まずい関係には、嫌な生々しさを感じました。最後に用意されている仕掛けや「何者」の本当の意味を知ったとき、不思議な納得感と驚きを味わうことになるでしょう。

就活を通じて自分の未熟さや挫折感を味わった人や、惰性で働いてしまっている人にはぜひ読んでもらいたい1冊です。

ページ数 346ページ
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2位:『蜜蜂と遠雷』恩田陸

個性の違う天才たちがピアノコンクールでしのぎを削る

#2017年本屋大賞 #第156回直木賞 #松岡茉優主演映画の原作

emosakana

音楽は好きだけど、クラッシックって何を聴いたら良いのかわからない。でも、難しく考えなくても大丈夫!聞き慣れた童謡から本格的なクラッシック曲まで、じっくり堪能できる素晴らしいホールがここにあります。

開放感あふれるファンタジーな空間の中で、体いっぱいに音で満たされる幸福感を思う存分に味わいましょう。

全ての曲を聴き終えた後に、あなたがなりたくなってしまうのは、演奏家?それとも評論家?

個性豊かな登場人物たちは皆魅力的で、きっと誰かのファンになってしまうと思う。

正直言って、普段本を手に取らない人にとって単行本は重いし高い。だからこそ文庫本で試しに読んでみてほしい。上巻を読み終える頃には、自然と下巻に手が伸びているはず!

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。

ページ数 454ページ
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3位:『肩ごしの恋人』唯川恵


#第126回直木賞受賞 #米倉涼子主演ドラマの原作

吉川

女性読者から圧倒的な支持を得た直木賞受賞作。

恋愛体質で自己中な室野るり子と、仕事にも恋愛にも情熱を持てない早坂萌は、まるでタイプの違う幼馴染み。互いの悪口を言い合いながらも内心うらやましく思っています。

それぞれが理想を追い求めて行動しますが、どうにもいい結果が出ません。ある日、るり子が夫以外の子を身ごもってしまい…。

るり子と萌はやり方はどうあれ、「幸せになろう」「なりたい自分になろう」と奔走します。その結果がどんなものであれ、そこに希望を見出す2人の姿に、読んでいて勇気をもらいました。

「力強く生きたい!」と思っている人に読んでほしいです。

ページ数 336ページ

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