読書好きの皆さんに聞いた「最高に面白いおすすめの小説」を、恋愛・ミステリー・ホラー・ファンタジー・家族・SF・お仕事・青春・音楽・歴史・ディストピア・短編など、計21ジャンルのランキング形式でご紹介!
読書が好きな人はもちろん、苦手な人でもサクサク読み進められる楽しい小説ばかりです。素敵な読書ライフのきっかけとなる1冊を見つけてみてください。
目次
- 小説おすすめ6選【話題の最新作】
- 小説おすすめ5選【泣ける・感動】
- 小説おすすめ4選【家族】
- 小説おすすめ5選【恋愛】
- 小説おすすめ4選【青春】
- 小説おすすめ2選【音楽】
- 小説おすすめ3選【怖いミステリー】
- 小説おすすめ2選【イヤミス】
- 小説おすすめ3選【海外ミステリー】
- 小説おすすめ3選【SF】
- 小説おすすめ5選【ディストピア】
- 小説おすすめ4選【冒険ファンタジー】
- 小説おすすめ3選【風刺のきいたファンタジー】
- 小説おすすめ4選【サイコホラー】
- 小説おすすめ4選【オカルトホラー】
- 小説おすすめ2選【モンスターホラー】
- 小説おすすめ5選【歴史・時代】
- 小説おすすめ5選【お仕事】
- 小説おすすめ4選【社会派】
- 小説おすすめ2選【純文学】
- 小説おすすめ5選【短編】
小説おすすめ6選【話題の最新作】
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
独ソ戦の知られざる真実、少女狙撃兵たちの生き様を目に焼き付けろ!
2022年本屋大賞1位、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞。
ドイツ兵に母を殺されたセラフィマが狙撃兵として戦場で活躍する姿が描かれます。
戦争の悲惨さを直視する骨太なテーマにラノベ仕立てのキャラが噛み合い、満足度の高いエンタメに仕上がっています。
過酷な環境を逞しく生き延び、固い絆を育んで成長していく少女たちの青春群像には、きっと魂を揺さぶられるはず!限りなく百合に近い友情もその手の嗜好の持ち主にはたまりません。
まさみ

『三十の反撃』ソン・ウォンピョン
小さな理不尽に一泡ふかせたいアラサー女子よ、立ち上がれ!
2022年本屋大賞翻訳小説部門大賞1位。
主人公ジヘは現在30歳。大企業の非正規社員として抑圧された日々を過ごしていましたが、ある青年との出会いがきっかけで理不尽な社会に声を上げ…。
この小説に描かれているのは、ままならない私たちのリアル。ずっと頑張ってきたのに報われず「こんなはずじゃなかったのに」とため息癖が付いたアラサー女子は、”平凡代表”のジヘを他人とは思えないはず。
『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子
性格もスタンスも異なる男女3人が本当に求めるおいしいごはんとは?
第167回芥川賞受賞。
職場で上手く立ち回っている自覚があった二谷は、料理上手な愛され系女子社員・芦川から、人一倍努力家で仕事のデキる押尾に意地悪しないかと誘われます。これをきっかけに微妙な三角関係が始まるのですが……。
同じ職場の男女3人を中心に、ご飯と人間関係を交えて日常を描いた小説。自分の好きなタイミングで好きな食事をとる、そんなささやかな幸せすら上司の命令や同僚との付き合いでままならないリアルに、大変共感してしまいました。
3人のスタンスの違いも印象的で、食事の優先順位やコミュニケーションの仕方を通し見えてくる、それぞれの人生にとって大切なものの考察が興味深いです。
『夜に星を放つ』窪美澄
死別、失恋、離婚。喪失を経験した人に贈る、星の瞬きの一期一会
第167回直木賞受賞。
今をときめく女流作家の短編集。双子の妹の死から立ち直れない綾。現在も妹の婚約者と定期的に会い続ける一方、婚活目的のマッチングアプリで出会った恋人になかなか踏み込めずにいるのですが……。
登場人物の年齢は小学生から高齢者まで幅広く、失恋だったり離婚だったり死別だったり、人生において大きな喪失を経験しているのが共通点です。その孤独や喪失感をほんの少しだけ掬い上げてくれるささやかな邂逅の顛末は、往々にしてハッピーエンドとは行かず苦い余韻を残します。
『正欲』朝井リョウ
「正しい欲望」って何?多様性の欺瞞と暴力に切り込んだ傑作
第34回柴田錬三郎賞受賞、2022年本屋大賞4位、2023年に新垣結衣出演で映画化。
あらゆる個性を尊重する社会において、”変態”のレッテルを付けられた人々がいます。
ある現象に興奮する男女、小児性愛者……多様性を偏重するコミュニティにすら「気持ち悪い」「道徳的に間違っている」と弾かれた彼等の苦悩に共感することで、真の正しさとは何か考えさせられます。一方で、自分もボタンを掛け違えれば排斥されるのではないか想像して怖くなりました。



『流浪の月』凪良ゆう
この想いは罪なのか?少女と青年の禁断の関係
2020年本屋大賞1位、2022年に広瀬すず×松坂桃李主演で映画化。
両親を失った小学生・更紗は大学生の文と出会い、自ら望んで誘拐されます。2人は強く惹かれ合うものの、その関係を世間は許しませんでした。
更紗と文、孤独な少女と青年が互いを思いやる一方で、彼らの絆が病的なものとして否定されるのが辛いです。更紗の成長後のパートで明らかになる衝撃的な真実も、心を揺さぶりました。



小説おすすめ5選【泣ける・感動】
5位『世界から猫が消えたなら』川村元気
余命わずかの僕に悪魔が持ちかけてきた「奇妙な取引」とは?
2013年本屋大賞8位、累計発行部数100万部越え、2016年に佐藤健主演で映画化。
愛猫とふたり暮らしをする30歳の「僕」はある日、脳腫瘍で余命わずかと宣告されます。
「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」
自分とまったく同じ姿をした「悪魔」に奇妙な取引を持ちかけられ、電話や映画などの「モノ」を消していく僕と猫と悪魔の7日間を描いた感動作です。
4位『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス
幸せとは何なのか、優しさとは何なのか、心の深い部分に問いかける小説
ヒューゴー賞受賞、ドラマ化。
優しさと悲しみに満ちたタイトルの意味を知った時、自然と涙が頬を伝うでしょう。
知的障害を持つ心優しい青年チャーリィは、脳手術を受けることで天才へと変貌しますが、以前は気づかなかった周囲の悪意や欠点、つらい記憶に悩まされるようになります。そんな中、先に手術を受けたネズミのアルジャーノンに異常な行動が見られるようになって…。
主人公が記録した報告書という形式のため、知能の変化によって文章力や語彙力が変化していき、主人公の精神状態を追体験しているような感覚になります。



3位『ライオンのおやつ』小川糸
死を恐れないで。ホスピスで過ごす人生最後の日々
2020年本屋大賞2位、2021年に土村芳主演でドラマ化。
余命わずかの29歳の主人公・雫が、瀬戸内の島にあるホスピス「ライオンの家」で過ごす人生最後の日々を描いた感動作。ホスピスでは毎週日曜日に死ぬ前にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできるのですが…。
読み始めてすぐ、余命わずかな主人公が自分より若いと知り、頭を硬いもので殴られたような気持ちになりました。



2位『かがみの孤城』辻村深月
著者最高傑作!鏡の中で出逢う7人の心に秘めた願いとは?
2018年本屋大賞、2022年に劇場アニメ化。
良い意味で疲れる読書ができる、時間泥棒な本です。
学校に行けなくなった少女こころは、部屋の鏡を通り抜けて城のような建物へ誘われます。そこには似通った境遇の子ども7人とオオカミの面をつけた少女が。「オオカミ様」の指示は期限内に「願いの部屋」の鍵を見つけること、毎夕5時には自分の家に帰ること。現実世界と行き来しながら、子ども達は次第にかがみの城に居場所を見つけていきますが…。
子ども達が集められた理由は?オオカミ様は何者?謎が謎のまま物語は進みます。主人公にシンクロし、読み手の心は物語の世界を乱高下します。



1位『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾
時空を超えてつながる手紙と心
第7回中央公論文芸賞、2018年に山田涼介主演で映画化。
殺人ミステリーのイメージが強い東野圭吾作品には珍しい、ほっこり優しいヒューマンドラマです。
悪事を働いた少年たちが逃げ込んだのは、とある廃屋。そこはかつて、波矢雄治が店主を務めるお悩み相談所として人気だった雑貨店でした。少年たちの目の前に1通の手紙がシャッターの外から投げ込まれ、それは時空を越えて過去から届いたお悩み相談でした。店主に代わって悩みに答える少年たちが起こす奇蹟の物語。
幼少期を同じ児童養護施設で過ごした少年たち。生活に困り窃盗など悪事を働くも優しい心を持ち合わせている彼らは、投函された人々の悩みに真摯に向き合います。






小説おすすめ4選【家族】
4位『有頂天家族』森見登美彦
狸の四兄弟と愉快な仲間たちの活躍を描いたファンタジー
2008年本屋大賞3位、2013年と2017年にアニメ化。
京都に住む狸の青年・矢三郎は「面白く生きる」がモットーの、下鴨四兄弟の三男。毎日のように人間に化けて悪戯し、師匠にあたる赤玉先生の恋人・弁天に鼻の下を伸ばしていましたが、父を鍋にして食べた「金曜倶楽部」の新たなターゲットにされ、命がけの追いかけっこが始まります。
偉大な父亡きあと、様々な困難に見舞われながらも、最終的には家族団結し、試練を乗り越えようとする矢三郎たちを応援したくなります。
矢三郎の婚約者でツンデレ属性の海星や、マドンナ・弁天、傲慢なのに憎めない赤玉先生など、皆キャラクターが立っていて憎めません。



3位『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ
52ヘルツの孤独な声が紡ぐ「救済の循環」
2021年本屋大賞受賞。
家族から搾取され孤独を背負わされている主人公が、母親からの虐待を受ける少年・ムシと出会うことで物語は動き始めます。
本作は「孤独」についての話ですが、どちらかを「孤独」から救うだけの単調なものではありません。救いつつも誰かから救われる、そんな優しい循環があります。



2位『西の魔女が死んだ』梨木香歩
「喜びも幸せも何でも自分で決めるのよ」大好きなおばあちゃんの教え
第28回日本児童文学者協会新人賞、第13回新美南吉児童文学賞、第44回小学館文学賞。
人生には楽しいことも辛いこともある。
家族との関係に悩んだり、学生生活への窮屈さ、日常の物事に敏感で生きづらさを感じている子は周りに相談出来ないことが多い。
あるとき、「魔法」を授けてくれたのはおばあちゃんこと、西の魔女。主人公の女の子の視点を通して、今まで気が付かなかったことや別の見方、考え方があることを教えてくれる。



1位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
血の繋がらない5人の親の愛情は本物でした
2019年本屋大賞受賞、2021年に永野芽郁主演で映画化。
これは「心に傷を負った少女の成長と卑怯な大人たち」みたいな物語ではありません。
女子高生の優子は、父3人・母2人、苗字が変わること4回。現在の家族は血の繋がらない父・森宮さんだけと、17歳にしてかなりヘビーな人生と思いきや、普通に学生生活を送っています。
特殊な家庭環境に育っても飄々と生きる優子をみて、ダークな描写を無意識に予測していた自分にハッとしました。5人の親は全員彼女を愛しており、それぞれの愛の形は時に破天荒。幸せを願うリレーは普通じゃないけど滋味深いものでした。



小説おすすめ5選【恋愛】
5位『ノルウェイの森』村上春樹
恋愛小説の代表作!恋愛巧者になるための必携の書
累計発行部数1,000万部越え、2010年に松山ケンイチ主演で映画化。
「日本最高の恋愛小説は?」という議論になると必ず名を連ねる本書。
舞台は、学生運動が盛んだった時代。(おそらく)早稲田大学に入学したワタナベは、高校時代の親友・キズキの恋人だった直子へ、苦しくて報われない恋をしています。
直子は、キズキや自身の姉が自死してしまった激しい精神的なダメージから回復できずにいました。
ややこしい方向に進むとわかっていても、ワタナベは直子への想いを断ち切れずにいます。物語は悲劇的な結末に向かいますが、ワタナベの行動や発言は1人の男性として非常に魅力的です!



4位『勝手にふるえてろ』綿矢りさ
恋愛経験なし、26歳OLヨシカのキュートな恋愛小説
2017年に松岡茉優主演で映画化。
恋愛小説だけどキュンとしない、笑えるけど痛い、そんなところがたまらなく愛おしい!
「私には彼氏が2人いて」という主人公は、人生にも恋にも不器用なオタク女子。彼女の心の声がダダ漏れてしてくるような軽やかな文体が、まっすぐ心に突き刺さる。



3位『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦
京都を舞台にした青春ファンタジー!
第20回山本周五郎賞受賞、2007年本屋大賞2位、2017年にアニメ映画化。
大学生の「先輩」は同じクラブの後輩である「黒髪の乙女」に片想い中。なんとかお近付きになりたい下心とは裏腹に、「黒髪の乙女」は今日もおいしいお酒を求め、夜の京都を徘徊します。
天然マイペースで実は酒豪、のんびりおっとり丁寧な口調でオトボケ全開の「黒髪の乙女」が素敵!ここぞという時の思いきりの良さには、「先輩」同様惚れ直すこと間違いなし。
意中の人と仲良くなりたい情熱がことあるごとに空回りしがちな「先輩」のドタバタぶりと、天然マイペースな「黒髪の乙女」のすれ違いが笑いを誘います。



2位『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』七月隆文
両想いなのにずっと一緒にいられない。彼女が抱える切なすぎる秘密とは?
2016年に福士蒼汰×小松菜奈主演で映画化。
大学生の高寿は、ある日電車で見かけた美女・愛美に一目惚れし思いきって告白。何度かのデートを経て、2人は付き合い始めます。はじめこそ幸せ満開のラブラブなカップルでしたが、実は彼女は残酷で切ない秘密を抱えており…。
高寿が愛美の忘れたメモ帳を見て真実を知ってしまってから、2人はまるで余命宣告を受けたかのように残された日々を大切に大切に過ごしていきます。胸キュンな出会いからの悲しい結末に涙が止まりませんでした。



1位『植物図鑑』有川浩
道端で拾った植物オタクのイケメンと同棲生活!チョコより甘い大人の王道ラブコメ
2010年本屋大賞8位、2016年に高畑充希主演で映画化。
「お嬢さん、よかったら俺をひろってくれませんか」
OLのさやかは行き倒れていた男子を拾い、ハウスキーパー契約してしまいます。イケメンで料理上手なイツキにさやかは恋をしますが、やたら植物に詳しいこと以外、彼のことを何も知らないと気づくのでした。
作中に出てくるイツキの料理と、来るぞ来るぞとわかっていても心を鷲づかみにされる展開で2度美味しく味わえます。さやかがイツキに恋をする過程も、イツキのさやかに対する想いや行動の謎も、全てが女子心に刺さること間違いなしです。






小説おすすめ4選【青春】
4位『カラフル』森絵都
色彩に溢れたこの世界の「真実」とは?大人も泣ける青春小説
第46回産経児童出版文化賞受賞、3度の実写映画化。
出会いは中学校の図書室。描かれるのは思春期ならではの悩みや、家族などの複雑な人間関係。それとは別に主人公には時間制限つきの「謎」が課せられていたり…。



3位『君の膵臓をたべたい』住野よる
余命わずかなクラスメイトと過ごすキラキラした青春。しかし別れは唐突に…
2016年本屋大賞2位、2017年に浜辺美波主演で映画化。
唐突に訪れる結末は、予想していたものと違っていたのでかなり衝撃的でした。
ある日、高校生の「僕」は病院で「共病文庫」というタイトルの日記帳を拾います。それは天真爛漫なクラスメイト・桜良のもので、彼女の余命がわずかであることが書かれていました。秘密を知ってしまった僕は、桜良の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合わされることになりますが…。
明るく奔放な言動で主人公を振り回す桜良が魅力的!「運命は選択の結果だ」と語る彼女の言葉も印象的で、被害者みたいに生きるのはかっこ悪いと考えさせられました。2人の何気ない会話もドキドキしてしまいます。



2位『夜のピクニック』恩田陸
これぞ青春!全校生徒で夜通し80キロ歩き通す
第26回吉川英治文学新人賞、2005年本屋大賞受賞。
修学旅行のかわりに、80キロを1晩かけてあるく「歩行祭」を通して、話が進んでいきます。
私は中学生の時にこの本を読みました。読む前は「修学旅行のほうが楽しいに決まってる!」と思っていたのですが、読了後は「夜に友達と語り合いながら歩く高校生活を送りたいかも」と180度転換するくらい、主人公たちの青春が羨ましくなりました。



1位『ぼくは勉強ができない』山田詠美
高校生小説の決定版!凛々しい秀美くんの生き方に惚れる
「ぼくは確かに成績が悪いよ。でも、勉強よりも素敵で大切なことがいっぱいあると思うんだ」
勉強は苦手だけど、年上の女性と付き合うなど、異性にモテモテの高校生・時田秀美の日常を描いた青春小説。
秀美くんの人生を達観したような言動は、世の中で「良し」とされているものがいかに意味をなさないかを教えてくれます。
小説おすすめ2選【音楽】
2位『革命前夜』須賀しのぶ
歴史小説で、青春小説で、ミステリーで、音楽小説!そうそう出会えない贅沢すぎる1冊
第18回大藪春彦賞受賞。
1989年、冷戦下の東ドイツに留学したピアニストの眞山は、音楽の天才たちを前に自分のピアノの方向性に迷います。そんな中出会った美貌のオルガン奏者クリスタは、国家保安省に監視される危うい立場にあり…。
すぐ近くに密告者がいるという重苦しい時代。その暗い時代背景の中だからこそ、音楽と青春の物語が一層光って見えます。眞山の音楽学校の仲間たちも魅力的。
後半のスピーディーな展開と、ベルリンの壁崩壊に向かう爽快感はたまりません。
1位『蜜蜂と遠雷』恩田陸
個性の違う天才たちがピアノコンクールでしのぎを削る
2017年本屋大賞・第156回直木賞をW受賞。
世界的な国際ピアノコンクールを舞台に繰り広げられる才能溢れる若者たちの熱きバトル!
爽やかな好青年の優勝候補マサル。ファンタジックなオーラを纏う少年・風間塵。 元天才ピアニスト・栄伝亜夜。楽器店勤務で後がないチャレンジャー・高島明石。個性豊かな登場人物たちはみんな魅力的で、きっと誰かのファンになってしまうと思う。
開放感あふれるファンタジーな空間の中で、体いっぱいに音で満たされる幸福感を思う存分に味わいましょう。全ての曲を聴き終えた後に、あなたがなりたくなってしまうのは、演奏家?それとも評論家?



小説おすすめ3選【怖いミステリー】
3位『スマホを落としただけなのに』志駕晃
もしも、落とし物の拾い主がハッカーだったら?
第15回『このミステリーがすごい!』大賞、2018年に北川景子主演で映画化。
スマホを落としたことで始まるミステリーは、普段小説を読まない人でも「怖っ!」の連続。
狡猾なハッカーに目をつけられた若い女性が、セキュリティを丸裸にされた彼氏のスマホのせいで恐怖のどん底に落とされる話です。
スマホには私以上に私の情報が詰まってる。誰かに見られるなんて想像しただけでムリ!
2位『Another』綾辻行人
ミステリアスなヒロイン・鳴が魅力的なホラー小説
世界の見え方が反転する衝撃を味わえます。
榊原恒一は家庭の事情で田舎の中学校に編入。彼が割り当てられたクラスメイトには無口で無表情な美少女、見崎鳴がいました。独特な雰囲気を持った鳴に惹かれていく恒一ですが、彼女の姿は他のクラスメイトに見えないらしく…。
夜見山北中学校三年三組でのみ機能する特殊ルールがミスリードとなっているのがポイントで、終盤のどんでん返しには見事に騙されました。不条理なシステムに翻弄される少年少女の群像劇としても楽しめます。



1位『変な家』雨穴
いびつな間取り図に隠された恐るべき事実とは?YouTubeで1,000万回再生された不動産ミステリー
2021年のベストセラーとなったモキュメンタリー小説!
Webライター・雨穴は、第一子の誕生を控えて新居の購入を検討している知人から相談を受けます。彼が買おうか悩んでいる一戸建てには、壁の裏側に謎の空間があるというのです。雨穴は建築家・栗原の助言を乞い、「変な家」の秘密を探り始めました。
前半はロジカルなミステリー、後半はおぞましさを前面に押し出した民俗ホラーと、異なるテイストの二部構成で楽しめます!1枚の設計図から想像を膨らませ、考察を積み重ね、探偵さながら衝撃的な真相を導き出すアドバイザー・栗原氏がかっこいいです。






小説おすすめ2選【イヤミス】
2位『向日葵の咲かない夏』道尾秀介
死んだはずのクラスメイトがある動物に生まれ変わり…
イヤミスの金字塔と名高い傑作!ミチオ視点で綴られる日常は、徐々に虚実入り混じる狂気を帯びだし、生理的嫌悪をかきたてます。
小学生のミチオは学校を欠席した同級生・S君にプリントを届けにいき、S君の死体を発見。しかし担任を連れて戻ると死体は消えていました。その後ミチオは蜘蛛に生まれ変わったS君と再会し、独自に調査を開始します。
トカゲとして生まれ変わったミチオの妹のミカや蜘蛛に変身したS君など、バイプレイヤー(脇役)の強烈な個性に注目。それぞれがやましい秘密や変態的な欲望を抱え、歪んでしまった人間の本質が事件の核心に収束していくのが見事でした。
1位『告白』湊かなえ
本屋大賞受賞のデビュー作!生徒に娘を殺された女教師の告白が冷静で怖い
2009年本屋大賞、2010年に松たか子主演で映画化。
犯人は最初に分かってしまうのに、物語の終着点は最後まで読めません。
女性教師の口から語られたのは、生徒の中に自分の娘を殺した人間がいるという衝撃の「告白」でした。女性教師、加害者の少年達とその周囲の人々。6つのモノローグが明らかにする、衝撃の結末とは?
中学生による幼児殺人、教師による復讐、HIVとタブーをこれでもかと詰め込んだ作品です。しかし、根底に共通しているのは親子という普遍的なテーマに見えます。ダーティーな話ながら共感を持って読めてしまうのは、この親子像がリアルに書かれているからかもしれません。






小説おすすめ3選【海外ミステリー】
3位『五匹の子豚』アガサ・クリスティー
獄中死を遂げた母は無実だった!娘の依頼で名探偵ポアロが16年前の事件の真相を探る
仕掛けられているのはロジックではなく、人間心理の罠。
16年前に画家が自宅で毒殺され、容疑者となった妻は有罪判決を受け獄中死を遂げます。「自分は無罪だ」という母(妻)の手紙を受け取った娘は、名探偵ポアロに事件の真相解明を依頼します。
5人が過去の事件について語っていくのですが、これには「主観」というフィルターが働いています。そのフィルターが取り除かれた時、読者の見ていた風景が180度変わってしまう展開はお見事と言うほかありません。
2位『シャーロック・ホームズの冒険』コナン・ドイル
名探偵ホームズと相棒ワトスン医師の活躍を刮目せよ!
コナンと聞くと、真っ先に人気マンガ『名探偵コナン』が思い浮かぶうちはミステリー界のまだ入り口にいる証拠。
ミステリー界でコナンといえば、やはりコナン・ドイル。あらゆる探偵推理小説の基本であり、人気ナンバーワンの探偵といえばシャーロック・ホームズだ。ミステリー好きを名乗るなら、1作くらいは読んでおこう!
どの作品でも彼の名推理を堪能できるが、初心者におすすめなのがこの作品。味のある挿絵もまた魅力で、当時のベーカー街の暗く情緒ある雰囲気をうまく醸し出している。



1位『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー
クローズドサークルの金字塔!童謡の歌詞通りに1人ずつ殺されていき…
トリックが鮮やかで、種明かしのシーンは実に爽快!「読みやすく、とっつきやすい」ミステリーといえば、アガサ・クリスティーこの人ではないだろうか。
とりわけクリスティーのなかでも「最高傑作」と称される本作は、絶海の孤島に集められた年齢も職業も様々な男女10人が、意味深なわらべ歌とともに1人ずつ殺されていき、最後には「誰もいなくなる」という非常に明快なプロットだ。



小説おすすめ3選【SF】
3位『ユービック』フィリップ・K・ディック
近代SFの父ディックによる「現実崩壊モノ」の傑作!
主人公ジョーはある日、爆発に巻き込まれたことをきっかけに「時間錯乱テロ」に直面。車が次々と旧世代のものに変わり、食品は腐り、人間までもが朽ちてゆく中、ジョーは次々に現れる謎のメッセージを頼りに悪夢から逃れよう奔走しますが…。
亡くなったはずの人物からメッセージが届いたり、そこにあったものが少し目を離した隙に別のものに変わるなど、当たり前のことが通じない不条理な世界で展開するストーリーは、予測不能でとにかくスリリングです!
2位『新世界より』貴志祐介
千年後の日本がディテール豊かに描かれた圧倒的リアリティーのSF小説
第29回日本SF大賞受賞。
もし超能力者のみの社会が実現したらどうなるか?
「神の力」と呼ばれる超能力に覚醒した人類が、各地にコロニーを築いた千年後の日本。主人公の早季は友人たちに囲まれ幸せに暮らしていました。ところが早季たちはコロニーの外で迷子になった際、先史文明が滅びた衝撃の真相を知ってしまい…。
世界の成り立ちに纏わる残酷な真実が明かされて以降の展開は驚きと裏切りに満ちていて、ページをめくる手が止まりませんでした。



1位『三体』劉慈欣
過去・現在・450年後の未来まで、圧倒的なスケールで描かれる現代中国SF大ベストセラー
アジア圏初のヒューゴー賞受賞。
エリート天文学者・葉文潔は宇宙開発に携わっていたある日、人類よりはるかに高い技術を持つ宇宙人の「三体人」とのコンタクトに成功します。数十年後、三体人がついに地球への侵攻を開始。巨大な技術力の差を前に、はたして人類は三体人に勝利することができるのか?
三体人の攻撃によって科学技術の発展を封じられた人類が、知恵と工夫で危機を乗り切ろうとする展開は、読んでいて熱くなります。人類の特技として「嘘」を押し出そうとする作戦も面白いです。






小説おすすめ5選【ディストピア】
5位『ハーモニー』伊藤計劃
人類が争わず完全に調和するには、個人個人の意思は必要ない
本作で描かれている支配の仕方や危機は遠くない将来、私たちを襲うかもしれない、と思わせる迫力があります。
健康と幸福であることが義務となった近未来の社会で生きる霧慧トァンは、かつて共に自殺を図り死んでしまった友人・御冷ミァハのことが忘れられずにいました。ある日、世界同時多発自殺事件が起こり、彼女は犯人を追いますが、事件の背後にいるのは死んだはずのミァハで…。
健康を重視する社会や電子端末による人々の行動の管理という設定は現代にも通じるところがある分、本作からは不気味なリアリティを感じました。



4位『華氏451度』レイ・ブラッドベリ
読書が禁じられた未来を描くディストピア小説
タイトルからは内容の想像がつきにくいのだが、暗い未来社会を描いたいわゆるディストピア小説だ。
「華氏451度」とは、”昇火士”となった主人公が本を焼くための温度のこと。この作品で描かれるディストピアとは、なんと本を読むことが禁じられている社会なのだ!
つまり、大衆が本を読んでしまうと自分で考える力がついてしまうため、未来の支配層が本の所持を禁じたのだ。「なんだ、SFの話か」と思うのは大間違い。実は私たちが現在暮らしている社会そっくりなのだ。というのも、作者がこの作品を書いた1953年はちょうどテレビが登場した頃。多くの人はテレビに夢中になり、本を読まなくなってしまったのだ。
3位『虐殺器官』伊藤計劃
テクノロジーが発達した近未来、特殊な言語による洗脳で虐殺を蔓延させる黒幕とは?
アメリカ情報軍のクラヴィス大尉は、後進国で虐殺を扇動している謎のアメリカ人ジョン・ポールの暗殺を命じられます。早速プラハに飛んだクラヴィスは、そこでジョン・ポールの元愛人ルツィアと接触するのですが…。
ソリッドなアクション描写もさることながら、言葉の本質とは何か、人類の進化とは何かを考えさせられる哲学的な命題にひきこまれます。



2位『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
キャシーたちは何のために生まれ、なぜ生かされていたのか
主人公は英国在住の介護人キャシー。彼女は人々の世話をする傍ら、ヘールシャムと呼ばれる施設で過ごした子供時代を懐かしみます。特別な子ども達だけを集めたヘールシャムには、ある大きな秘密が隠されていたのです。
美しく端正な文章が紡ぐ回想シーンは、ノスタルジックな箱庭の趣で心を奪われました。牧歌的ともいえる幼年時代の記憶と、大人になったキャシーの独白が交錯することで物語は陰影を増していき、徐々に明らかになっていく真実の重みが胸を打ちます。



1位『一九八四年』ジョージ・オーウェル
全体主義国家の恐怖を描くディストピア小説の最高傑作
「英語で書かれた最も重要な小説」とも言われるディストピア文学の金字塔!
舞台は独裁者ビッグブラザーによる恐怖政治に覆われた英国。一介の公務員・スミスは、伝説の反逆者ゴールドスタインを中心とする秘密結社に近づき、ディストピアから抜け出そうともがきます。1つまた1つと禁忌を犯していくスミスに待つのは、「完璧な絶望」と評されたラストシーンでした。
思考を制限される「二重思考」や、政府によって感情を操られる「二分間憎悪」というアイデアに、読んでいて何度もぞっとする小説です。特に、終盤で主人公が洗脳されていくシーンは、ホラー小説にも全く引けをとらない悍ましさがありました。



小説おすすめ4選【冒険ファンタジー】
4位『バルタザールの遍歴』佐藤亜紀
私たちは2人で1つ。双子の貴族の波瀾万丈の大冒険!
1906年、ウィーンの公爵家に誕生したメルヒオールとバルタザールは、同じ体に精神を宿した極めて特殊な双生児でした。
そんな2人で1人な彼らを周囲は変人として持て余します。大人になった彼らは酒と女に溺れた挙句、継母との恋愛スキャンダルが原因で祖国を追われ、波瀾万丈の遍歴を辿ります。
まず注目してほしいのは主人公の設定!結合双生児でも二重人格でもない、同じ体を共有する双生児というのがポイント。喧嘩の際はコントのようなパフォーマンスを演じるのが面白かったです。物語前半と後半の緩急のコントラストも素晴らしく、ナチス将校の追跡を巻いて砂漠を踏破する冒険に胸が躍りました。
3位『ダレン・シャン』ダレン・シャン
人間と半バンパイアの狭間で葛藤する少年が成長していくダークファンタジー
平凡な少年が半吸血鬼となり、胸躍る冒険を繰り広げる人気シリーズ!
蜘蛛が大好きなちょっと変わった男の子ダレンは、親友スティーブと共に移動サーカスを観に行った際、そこで飼われていた蜘蛛がどうしても欲しくて盗んでしまいます。しかしその蜘蛛がスティーブを噛み、ダレンは親友を助けるため、謎の男クレプスリーと取引して半吸血鬼へと生まれ変わります。
旅を続ける中で最初は憎しみ合っていたクレプスリーとの関係性が徐々に変化し、師弟の絆を育んでいくのが印象的でした。サーカスの面々やのちに登場する吸血鬼も個性的で、敵味方問わずユニークな魅力にあふれています。
2位『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング
伝説はここから始まった!世界を席巻した魔法ファンタジー第1作
空を飛んでいる魔法使いが目の前に浮かんでくるような豊かな描写に、1度読み始めたらページをめくる手が止まらないファンタジー小説です!
叔母の家でいじめられながら育ったハリーは、自分が魔法使いであることを知りホグワーツ魔法魔術学校へ入学。ある日、伝説の秘宝「賢者の石」が学校に隠されていることを知り、探し始めます。石には、両親を殺した宿敵・ヴォルデモートも関わっていて…。
ホウキで空を飛び、呪文の練習をするなど、ハリーにとっては何もかもが初めての体験。物おじせずに次々と新しいことを吸収していくハリーの姿は、未知なる世界に飛び込む勇気を与えてくれます。
1位『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ
宝物を探しにいざピラミッドへ!人生という大海原を楽しく航海する術が満載
全世界8500万部、81カ国語に翻訳。
大切に傍において、何度でも読み返したい1冊!
ピラミッドの側に宝物が埋まっている夢を見た羊飼いの少年サンチャゴは、その夢を信じ全てを捨てて宝物を探す旅に出ます。様々な出会いや別れの中で学びながら成長していくサンチャゴが、旅の最後に得たものとは?
主人公が試練を経て成長する王道ストーリーを期待していると、次々に登場する人生の教訓に良い意味で裏切られることでしょう。「人は自分の夢見ていることをいつでも実行できることに気づいていない」など、散りばめられた数々の名言はまるで宝石のよう。「世界で最も読まれた本ベスト10」入りしたのにも頷けます。
小説おすすめ3選【風刺のきいたファンタジー】
3位『モモ』ミヒャエル・エンデ
無垢で純粋なモモの大冒険を描いた児童文学の傑作
ドイツ児童文学賞受賞。
家や家族を持たない代わりに何にも縛られない、モモの自由さに憧れます。
廃墟の円形劇場に住み着いた不思議な少女・モモ。とても聞き上手な彼女はたちまち街の人たちと仲良くなりました。ある日「灰色の男たち」が出現し、人々の時間を盗み始めます。余裕を失くしていく街の人たちを憂えたモモは、「灰色の男たち」に盗まれた時間を取り戻そうと行動を起こします。
悪役に位置付けられた「時間どろぼう」は、仕事や生活に追われ心のゆとりを忘れた現代人の寓意ともとれ、自分の生き方を見直すことにも繋がります。
2位『ガリヴァ旅行記』ジョナサン・スウィフト
イギリス社会への痛烈な批判を含んだ船医ガリヴァの空想冒険譚
風刺小説として名高いこの作品で一貫して描かれるのは「人間の本性である醜さや愚かさ」。
ガリヴァがたどり着いたのは小人の国、巨人の国、空の国、馬の国の4つだ。いずれの国でも奇妙な出で立ちの人間が登場するが、実は自分たちそのものの姿だとガリヴァは旅を通して気づく。



1位『星の王子さま』サン・テグジュペリ
大切なものは目に見えない。普遍的な名セリフの数々が心に響く
一見、子ども向けとして知られる名作だが、実は大人が読んでも読み応えのある作品だ。むしろ、子どものときに読んでピンと来なかったという人も多いだろう。
人生経験をある程度積んでからの方が、数々の名言がより心に沁みわたるかもしれない。
蛇やバラなど抽象的な暗示を与える物が登場し、読む人や時期によっても解釈が異なる作品だが、「大切なものは目に見えない」というキツネのセリフが普遍的で心に刺さる。



小説おすすめ4選【サイコホラー】
4位『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子
ひなびた土と血の香りがする和風ホラー
第6回日本ホラー小説大賞受賞。
タイトル「ぼっけえきょうてえ」とは岡山弁で「とても怖い」の意味。内容も決して名前負けしておらず、独特のトーンを帯びた岡山弁の語り口がじっとりした恐怖を盛り上げています。
明治初期の岡山遊郭にて、客に身の上話をする醜い女郎。極貧の寒村で産声を上げ、物心付く前から堕胎の手伝いをしていた彼女は、胎児が捨てられた川でひとり遊んでいた日々を懐かしみます。
3位『異端の祝祭』芦花公園
親から子に刷り込まれる洗脳の怖さとは?和洋折衷の一風変わったホラー小説
和製『ミッドサマー』と名高いホラー小説。
就職浪人の島本笑美は幽霊が見えるせいで周囲から孤立し、唯一の理解者の兄に依存する日々を送っていました。ある日の面接で笑美はヤンと名乗る不思議な青年に出会い、新興宗教のセミナーじみた研修に連れていかれ…。
2位『悪の教典』貴志祐介
サイコパスの二面性にうちのめされたい方は必読!
第1回山田風太郎賞受賞、2011年本屋大賞7位、2012年に伊藤英明主演で映画化。
高校教師の蓮実聖司はイケメンな上に人格者、生徒にも慕われている完璧な青年。ところが彼は目障りな人間を躊躇なく葬り去ってきた、真性のサイコパスでした。
聖人めいたカリスマを発揮する教師が、裏で残虐な殺人を犯し続ける落差に震え上がりました。自分の教え子や保護者までも始末するのだから理解を超えています。
蓮見の正体に勘付いた数少ない生徒との駆け引きも見所で、仮面が剥がれる瞬間は今か今かとハラハラしました。
クライマックスに描き出された地獄絵図は強烈の一言。どうせ終わるならと満を持して自身を解き放った、蓮見のやりたい放題ぶりが圧巻です。
1位『黒い家』貴志祐介
隣人が怖くなる、エグすぎサイコホラー小説の金字塔
第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞。
私達の身近にも「黒い家」はあるかもしれません。
保険会社の調査員・若槻慎二は、顧客である菰田夫婦の自宅を訪問した際に息子の首吊り死体を発見。現場の状況から自殺と思われましたが、実は菰田夫婦には子どもの不可解な事故死による保険金請求の前科があり…。
平凡で善良な青年・若槻の日常が保険金殺人の常習犯であるモンスタークレーマーに狂わされ、生き地獄と化していくのに戦慄しました。
小説おすすめ4選【オカルトホラー】
4位『怪談のテープ起こし』三津田信三
「実話風怪談」が好きな方は必ず満足できる完成度の高い一冊!
表題作「怪談のテープ起こし」は、自殺者の遺言テープに纏わる怪現象を扱った話。
ホラー作家・三津田信三は担当編集の時任と今度出す短編集の打ち合わせをしています。時任は自分の体験を断章として挟むことを三津田に提案し、早速刊行準備にとりかかるのですが、徐々に様子がおかしくなっていき…。
一篇が終わるごと三津田と編集者の対話が挿入され、どれもが現実に起きた出来事のような臨場感を味わえます。



3位『墓地を見おろす家』小池真理子
スティーヴン・キングリスペクトを感じる和製モダン・ホラー
意気揚々と新生活のスタートを切った主人公の身に降りかかる惨劇に、終始震えが止まりませんでした。
主婦の美沙緒は新居のマンションに引っ越しますが、そこは火葬場と墓地に囲まれ住人の入れ替わりが激しい物件でした。やがて美沙緒の周囲では怪現象が続発し、娘までもが異常な行動をとりだします。
夫婦間の軋轢や娘の言動の変化、隣人たちの不自然な態度など、些細な違和感を散りばめた演出が巧みで夢中になります。
2位『シャイニング』スティーヴン・キング
モダンホラーの王様、スティーヴン・キングの傑作
動物の植木が動いたり、ひとりでに道順が変わる通路の演出にぞっとしました。
小説家志望のジャックは妻子を伴い、オーバールックホテルの冬季限定管理人として赴任します。冬の間は人がいなくなる為最高の執筆環境だとジャックは喜ぶものの、ホテルでは奇妙なことが起こりだし…。
様々な惨劇の舞台となったホテルの過去がオーバーラップした挙句、現実と幻覚の境が溶け出し、次第に正気を失っていくジャックの言動が恐ろしいです。



1位『残穢』小野不由美
怨念の拡散を示唆するラストにぞっとします
第26回山本周五郎賞受賞。
ホラー小説家の「私」は読者のファンレターを読んだ際、そこに綴られている心霊体験に不可解な既視感を覚えます。過去の手紙を掘り出した結果、よく似た報告に行き当たり…。
いわゆるモキュメンタリー仕立ての構成で、小野不由美をモデルとする「私」が綿密な取材と検証を重ね、土地の因縁を紐解いていく展開にのめりこみました。
点と点が結ばれ線になるように次々明らかになる登場人物同士の繋がりや、呪われた一族の系譜に戦慄しました。






小説おすすめ2選【モンスターホラー】
2位『屍鬼』小野不由美
「吸血鬼化」を一種の伝染病ととらえた小説を読みたいならコレ!
ある時、外場村で3名の変死体が発見されました。医者の尾崎は死体の所見にひっかかりを覚えるものの、村人たちの意向で自然死として処理。しかしその後も村では人が消えていき…。
前半は村人たちの紹介に費やされ冗長に感じますが、中盤以降はジェットコースターさながらの疾走感!守りに入る村人視点のみならず、望まず吸血鬼に変えられてしまった元村人視点も進行するため、単純な善と悪に分けられないのがやりきれません。



1位『ぼぎわんが、来る』澤村伊智
謎の怪物ぼぎわんが襲いかかる!澤村伊智の看板作「比嘉姉妹」シリーズ1作目
第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉。
子供の頃に謎の怪物・ぼぎわんに遭遇するも辛うじて生き延びた田原秀樹。大人になり家庭を持った彼の前に、再びぼぎわんの気配が忍び寄ります。秀樹はぼぎわんを撃退するため、有識者の知恵を借りに行くのですが…。
騙しのテクニックを駆使した構成が秀逸!視点人物が交代するごとに前章の語り手の印象が様変わりするのがポイントです。最強霊能者・比嘉琴子の活躍も素晴らしく、終盤の無双っぷりには痺れました。



小説おすすめ5選【歴史・時代】
5位『蒼穹の昴』浅田次郎
女帝・西太后が君臨する激動の中国で、運命に翻弄される人々を描いた群像劇の傑作!
清朝末期の中国。貧しい糞拾いの子・春雲は、立身出世を夢見て宦官となりました。
成長した春雲は西太后に仕えることになり、官僚として取り立てられていた同郷の文秀と対立を余儀なくされます。時同じくして英国が香港を租借し、欧州の列強や日本が訪れて…。
義兄弟の契りを結んだ春雲と文秀のすれ違いや、憎まれ役を演じきった西太后の知られざる苦悩が余すところなく描かれ、血肉が通った登場人物たちが壮大なスケールで織り成すドラマに涙が止まりませんでした。
4位『陰陽師』夢枕獏
陰陽師・安倍晴明が主人公の小説の代表格!
平安時代に実在した高名な陰陽師・安倍晴明と、その友人で武に優れた源博雅。2人は朝廷や貴族の依頼を受け、都を騒がす鬼や付喪神、武将の怨霊などの魑魅魍魎を退治していく中で、貴族の確執や朝廷に渦巻く陰謀を知ることになり…。
自由自在に式神を従え京の都の秩序を守る、晴明の活躍から目が離せません!飄々として掴みどころのない晴明と、義理人情に厚く実直な博雅のコンビがとても魅力的で、深い信頼で結ばれた男同士の絆に感動しました。
しっとり典雅な文章で綴られる四季折々の自然の風景や人々の営みも必見です。
3位『ペスト』アルベール・カミュ
医師の目から語られるペスト禍と都市封鎖
新型コロナのパンデミックに覆われた今だからこそ読めるパニック小説。というよりむしろ、パンデミックを一度でも経験しないと、この小説の面白さや深さは永遠に分からないのではないか。
謎の伝染病の発生から、伝染源の突き止め、無関心だった人々が突如恐怖におののく姿、緊急事態宣言の発令、宣言解除後の無防備さが呼び込む再流行など、2020年以降に世界中で起こった一連の出来事がそっくりそのまま描かれているのがわかる。
ただ、この小説がそれだけで終わらないのは、ペストを人生における”悪の象徴”とみなしていることだ。



2位『村上海賊の娘』和田竜
瀬戸内海を統べる村上武吉の娘が活躍する戦国小説
2014年本屋大賞、第35回吉川英治文学新人賞。
戦に憧れる村上海賊当主の娘・景は、強盗に襲われていた一向宗の信徒たちを助け、信長と争う本願寺へ送り届けます。そこで初めて本物の戦を見た景は、憧れを捨て戦に関わらない生き方を選択。
しかし、本願寺支援に動いた村上海賊が信長との争いを避けるため直前で手を引くことを知り、再び戦場に向かい信徒たちを救うために奔走します。
魅力的なキャラクターが多く、歴史もので珍しい女性主人公・景はもちろん、敵となる七五三兵衛も芯が通った好漢で、どちらも応援したくなります。戦闘描写が派手で、難しいことを考えずに爽快なアクション活劇を楽しめるのも見どころ!
1位『竜馬がゆく』司馬遼太郎
坂本竜馬の劇的な生涯を描いた国民的ベストセラー
1968年に北大路欣也主演でNHK大河ドラマ化。
数々の歴史小説を世に送り出した昭和の文豪・司馬遼太郎による青春歴史小説だ。
歴史もののなかでもひときわ人気の高い幕末を舞台にしているため敷居が低く、さらに主人公は現代の「理想の上司ランキング」でその名前が常に上位に挙がる坂本竜馬!
抜群のカリスマ性と愛着あるキャラクターで、ぐんぐん読み進められるため、歴史小説に慣れていない方にもおすすめできる作品だ。
また、竜馬が出会う勝海舟・西郷隆盛・岩崎弥太郎など維新の志士や人物たちも魅力たっぷり。司馬作品ならではの断定的な造形豊かな人物描写で、まるでその辺にいるかのようなイメージが湧いてくる。






小説おすすめ5選【お仕事】
5位『時給三〇〇円の死神』藤まる
死神のアルバイトに興味はありませんか?
土日・早朝勤務あり、福利厚生なしの時給300円!
主人公・佐倉は応募してもいない「死神バイト」に採用されます。仕事内容は、未練を残した死者をあの世に送るというもの。先輩死神の花森さんに振り回される日々の中、彼が残酷なルールを知るのはもう少し先のこと…。
死者の未練が切ない分、花森さんと佐倉のわちゃわちゃした時間を愛おしく感じます。青春感を堪能しながら、記憶と存在という深遠なテーマにたどり着く人もいるでしょう。
生きるとは?存在する意味とは?迷える読者と主人公に向けて、最後に答えと救いが用意されています。
4位『君たちに明日はない』垣根涼介
恐怖のリストラ面談!リストラ請負人・対象者それぞれの立場で楽しく読める
第18回山本周五郎賞受賞。
「私はもう用済みってことですか!?」
人のクビを切ることを仕事にしているリストラ請負人・村上真介の物語。
一見すると暗いテーマに思われるが、主人公に情があり好感も持てて、関わった人全てに希望の残る後味の良い作品です!
3位『和菓子のアン』坂木司
デパ地下が舞台のほっこりミステリー!和菓子の魅力に夢中になるかも?
日本文化、季節、和菓子、接客。たくさん勉強になるほっこりミステリーです。
人間味あふれる登場人物ばかりなので、読んでいるとやさしい気持ちになります。



2位『下町ロケット』池井戸潤
「ものづくり」に魂を込める男たちの熱き闘い
第145回直木賞受賞。
理想と現実の板挟みになりながら、困難な目標に立ち向かう物語。
航平が社長を務める町場の工場・佃製作所は、資金難や訴訟といった危機に瀕していました。そんな折、大手の帝国重工から、佃製作所が持つロケット部品に関する技術の特許を売ってほしいと持ち掛けられます。
売れば特許を使った開発はできなくなる。航平は技術を守るためこれを断り、逆に佃製作所で製造した部品を使ってもらえないかと提案します。
町場の工場が傲慢な大手を相手に、一歩も引かない戦いを繰り広げます。特許売却派の社員達も仕事に誇りを持っており、部品製造を決意して協力するシーンは胸熱!
1位『本日は、お日柄もよく』原田マハ
スピーチライターのお仕事小説。言葉が持つ力って本当にすごい!
好きだった幼馴染の結婚式。最悪のシチュエーションで、主人公こと葉は衝撃のスピーチをする女性に出会います。
伝説のスピーチライターと呼ばれる久遠久美が紡ぐ言葉の魔力に魅せられ、こと葉は彼女のもとで学び始めます。
スピーチライターの戦略性やロジックが魅力的で、読み応え十分。そうして語られる言葉は、キング牧師やジョブズのように、世界や人々の心を変える力があると訴えてきます。作者の綴る言葉一つ一つが秀逸で、こと葉と久美が生み出すスピーチに胸を打たれました。



小説おすすめ4選【社会派】
4位『君の顔では泣けない』君嶋彼方
1番新しい「男女入れ替わりもの」!他人の人生を生きる苦悩とは?
第12回小説野性時代新人賞。
「男女の入れ替わり」というテーマは使い古されたものだと思っていましたが、そのような考えを良い意味で裏切ってくれた傑作。
本作は、ひょんなことから同級生の女子と入れ替わってしまった主人公の長い人生が描かれています。
多くの人が感じる幸福と苦悩や、入れ替わりによる違和感などがとても繊細に描かれているため、「自分とは別の人生」を生きているような感覚が味わえます。



3位『明け方の若者たち』カツセマサヒコ
「こんなハズじゃなかった人生」を送るあなたへ
2021年に北村匠海主演で映画化。
10代後半から20代前半は、「人生の青さと苦さ」が色濃く現れる時期だと思う。
自分自身への期待や青すぎる野心は、就職や進学を通して経験する失望や挫折によって苦味に変わり、「こんなハズじゃない人生」を送ることを予感させるのです。
そんな時期を懐かしく思える人にはぜひ手に取ってほしいです。



2位『希望が死んだ夜に』天祢涼
子どもの貧困をテーマにした社会派ミステリー!女子中学生殺害事件の真相は?
2019年本屋大賞発掘部門で最多票獲得。
悲劇を生み出しているのは無知と無関心、社会的弱者への想像力の欠如だと痛感しました。
同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された14歳の少女、冬野ネガ。事件を調べるうちに、ネガとのぞみの秘密の関係が明らかになり…。
捜査に携わる刑事視点の現在パートと、ネガ視点の過去パートが交互に行き来することで、ネガとのぞみの家庭の事情が徐々に炙り出されていく構成が秀逸でした。
頼れる大人に恵まれず、二人で支え合うしかなかった少女たちの結末には、もどかしさを感じずにはいられません。
1位『何者』朝井リョウ
就活ってとにかくシンドイ
2013年直木賞受賞。
これから就活を始める方は読まないでください。
就職活動を控えた主人公の大学生・拓人は、友人の光太郎たちと就活対策として集まるようになります。就活が始まり少しずつ変化していく関係性。そしてついに内定を獲得した人が現れたことで、それぞれが隠していた自意識が明らかになっていき…。
拓人や光太郎が抱える将来への焦りや、友人らとの気まずい関係には、嫌な生々しさを感じました。最後に用意されている仕掛けや「何者」の本当の意味を知ったとき、不思議な納得感と驚きを味わうことになるでしょう。
小説おすすめ2選【純文学】
2位『火花』又吉直樹
リアルな芸人の人生を鮮烈に描ききったピース又吉のデビュー作!
第153回芥川賞受賞、2017年に菅田将暉/桐谷健太主演で映画化。
なんとしてでも売れたいという芸人根性に胸が熱くなりました。
売れない芸人の徳永は、とある営業先で先輩芸人の神谷と出会い意気投合。「俺の伝記を書け」と言われ、奇行を繰り返す神谷の様子をノートに綴っていくことに。やがて売れ始めた徳永と、自分の漫才スタイルに追い詰められる神谷。「売れる芸人」「売れない芸人」という明暗がはっきりと分かれ始めてしまい…。
だれも見てくれない営業先での漫才の様子は、悲哀を感じるとともに著者の感じた売れてない芸人に対する扱いを追体験することができます。
1位『推し、燃ゆ』宇佐見りん
「推し」の炎上は「私」の崩壊。青春小説の新境地!
第164回芥川賞受賞。
脇目もふらず「推し活」をしている読者は、自分を見直すきっかけになるかもしれません。
女子高生のあかりは、アイドルの上野真幸を推すことに全存在をかけていました。しかし上野はファンを殴り炎上し、あかりの日常もゆっくり狂いだします。
生きづらさを抱える女子高生の、「推し」を推すことでしか自分を普通と認知できない息苦しさを表現した作品。趣味の範囲の「推し活」にとどまらず、生活のすべてにおいて「推し」を最優先するアンバランスな人間特有の自己肯定感の低さや焦燥が饒舌に言語化され、心の深い所に突き刺さりました。



小説おすすめ5選【短編】
5位『世にも奇妙な君物語』朝井リョウ
直木賞作家・朝井リョウ版「世にも奇妙な物語」
どの話にもオチがあってわかりやすく面白い!「物語に起伏がないと…」と思われる方にはピッタリです。
最終話まで読んだ人だけにわかる大オチが待ってます!!
4位『永遠の森 博物館惑星』菅浩江
惑星まるごと博物館と化した壮大な設定が楽しいSFファンタジー
衛星軌道上に存在する巨大博物館「アフロディーテ」の学芸員・孝弘。自身をAIと接続し膨大な知識をダウンロードしている彼は、上と下に挟まれ苦労が絶えない中間管理職でもありました。そんな孝弘が展示物に纏わる様々なトラブルに巻き込まれ…。
絵画や彫刻に限らず、生きた動植物までも収蔵する「アフロディーテ」巡りに夢中になります。夫婦愛をテーマにしたラストの短編「ラブ・ソング」は最高にロマンチック。ピアノの旋律が実際に聞こえてくるような、幻想美あふれる演奏シーンにうっとりしました。
3位『トリツカレ男』いしいしんじ
「没頭」のプロ、風船売りの少女に恋をする
器用なのか不器用なのか、心を奪われた対象に全力を注ぐ彼の姿は、何か、誰かを好きでいつづける気持ちの素晴らしさを思い出させてくれます。
レストランの給仕係ジュゼッペは、あることに夢中になるとそれを極めるまで止まらない愚直さから「トリツカレ男」の別名で呼ばれています。ある日ジュゼッペはペチカと呼ばれる少女に恋をして…。
ペチカを一途に想い続けるジュゼッペを応援したくなる、なんとも切なくて愛おしい純愛小説。情熱が空回り挫折してもまた立ち上がる信念の強さに勇気をもらえました。



2位『阪急電車』有川浩
恋の始まりは片道わずか15分のローカル線で
2011年に中谷美紀主演で映画化。
人生皆いろんなことがあるけれど、これを読めば「明日も頑張ろう」ってきっと思えます。
電車での出会いは一期一会。辛いことがあっても、素敵な出会い1つでスカッとしたり、ほっこりしたり。
有川さんの紡ぐ文章は読みやすく、1駅ごとに小話になっているので少しずつ楽しめます。しかもオムニバスだから、次の駅でも同じ人に違う出会いがあってワクワクします!
1位『ボッコちゃん』星新一
「ショートショートの神様」の代表作!
2022年に水原希子出演でドラマ化。
ある酒場に雇い入れられたミステリアスな美女。たちまち看板娘となった彼女の正体は実はロボットなのですが、客たちはそうと知らず、今日も口説きにかかります。
表題作「ボッコちゃん」は、ロボット特有のワンパターンなマニュアル対応が衝撃的な結末を招いており、皮肉の極みのシュールな余韻がたまりません。一話一話は短いながらも常人離れした奇想が凝縮されており、鮮やかなどんでん返しに度肝を抜かれます。
どんなブラックなオチも、ウイットとユーモアに包まれているため、読後感が悪くないのが特徴です。



まとめ
歴戦の読書通が絶賛するおすすめの小説をご紹介しました。読んでみたい作品は見つかりましたでしょうか。日常には起こりえない出来事を体験し、登場人物に心を寄り添わせることで、時に人生観すら変わってしまうかもしれません。ぜひ今回紹介した80選を参考にして、時間の経過を忘れさせてくれる魅力的な空想の世界に浸りましょう。
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