目次
狡噛慎也が引用していた書籍一覧
狡噛慎也が引用していたり手に持っていたり、もしくは名前を出したことのある書籍一覧。
全て読破すれば、狡噛慎也に近くことができるかも?
アニメ第1期〈PSYCHO-PASS〉
第13話〈『闇の奥』ジョセフ・コンラテッド〉
12話での死闘で負傷し入院していた狡噛が、ベッドの上で読んでいた本。
西洋文化、西洋植民地主義の暗部を描いた小説。
著者ジョセフが英国船員時代に、コンゴ川で得た経験を元に描かれている。
〈地獄の黙示録〉というタイトルで映画化もされている。
第16話〈『大衆の反逆』ホセ・オルテガ・ガセト〉
パスカルの言葉を引用した槙島聖護に対して、オルテガの言葉を引用して返答する。
悪いな。俺は「誰かがパスカルを引用したら用心すべきだということをかなり前に学んでいる」
「大衆人」の起源を辿る、大衆社会学論を記した書籍。
オルテガはこの中で、大衆とそれを構成する「大衆人(労働者階級のことではなく、一部のエリート層)」を痛烈に批判している。
第19話〈『権力と支配』マックス・ウェーバー〉〈『監獄の誕生』ミシェル・フーコー〉〈『ガリバー旅行記』ジョナサン・スウィフト〉
狡噛と、彼の恩師である〈雑賀譲二(さいが じょうじ)〉が、槙島聖護の言動を推測する中で登場。
■『権力と支配』
支配者ではなく服従者の動機から「支配の在り方」を研究する。
■『監獄の誕生』
功利主義者で知られるベンサムが考案した一望監視施設『パノプティコン』の例から、社会による監視を近代合理主義の成果だとする考えに疑問を示す。
■『ガリヴァー旅行記』
船医であるガリヴァーが、難破の末に『小人の島』や『巨人の島』といった個性溢れる島にたどり着く、という物語。
児童書とされることも多いが、その実多くの皮肉を含んだ作品でもある。
第22話(最終回)〈『失われた時を求めて』マルセル・プルースト〉
第22話のラストシーンで、狡噛が読んでいた本。
第一次世界大戦後に繁栄したフランス・パリの街『ベル・エポック』の世相を、プルースト自身の精神史に合わせてパノラマ的に描いた大作。
劇場版〈PSYCHO-PASS〉
〈『失われた時を求めて』マルセル・プルースト〉
人生は生きてる竹馬に乗っているようなもの。竹馬は教会の鐘楼よりも高く伸びやがて人が歩くには困難で危険となりついには落下する
第1期ラストで登場した本書が、引き続き登場。
物語冒頭で引用される。
また、冒頭でテロリストが持っていた本書は、狡噛が国外逃亡の際に持っていたもの。
劇場版〈PSYCHO-PASS Sinners of the System case.3 恩讐の彼方に)〉
〈『恩讐の彼方に』菊池寛〉
主人殺しの罪を犯してしまった市九郎と、市九郎への復讐へ燃える実之助の生き様を描いた小説。
狡噛が、両親を殺したゲリラへの復讐を望む少女〈テンジン〉へと貸し与える。
各々の作品は、作者が人生を賭して考え抜いてきたテーマを内容とした書籍となっている。
難解なものもかなり多いが、少しでも興味が湧けば是非とも読んでみてほしい。
狡噛慎也のセリフ3選!【血肉の宿る言葉】
作中で数多くの名セリフを残している狡噛慎也だが、その中でも特にストーリー展開において重要であろうものを、独断と偏見で選出した。
馬鹿な話だ。刑事ってのは誰かを狩り取る仕事じゃなくて、誰かを守る仕事だった筈なのにな
第1話で朱に撃たれた狡噛が、見舞いに来た朱に向かって放ったセリフ。
新米監視官の身で、先輩である狡噛の判断に異を唱えて狡噛を撃ったことや、その後に1係執行官である〈縢秀星(かがり しゅうせい)〉から辛辣な言葉を浴びたことで、早くも自信を失っていた朱に対し、自身の仕事観から自嘲も込めつつ励ましを与えた名セリフ。
この言葉があったことで、朱は自身の価値判断に自信を得て成長していったことを考えると、物語にとってかなり重要な台詞であったことは明白だ。
許してくれ、とは言わない。次に会うときは恐らく、あんたは俺を裁く立場にいるだろう。その時は容赦なく勤めを果たせ。信念に背を向けてはいけない
槙島がドミネーターで裁けないことが判明し、さらに逃亡すらも許してしまったことで、執行官としての立場も捨て復讐へと走った狡噛が朱に残していった手紙に込められていた一文。
自身の復讐と朱の信念を天秤に掛け、自身の復讐を選んでなお朱の信念の正しさを認めるこの文章は、狡噛なりの優しさと、それでも曲げられない自らの信念が込められている。
手紙を読み終えた朱の〈バカ…〉というセリフも相まって、多くの視聴者の涙腺を緩ませたのではないだろうか。
俺は復讐なんて、命を賭けるほどの価値はないと思っている
家族の復讐を望む少女テンジンに、復讐を終えた狡噛が語りかけるセリフ。(PSYCHO-PASS Sinners of the System case.3 恩讐の彼方に)
復讐を果たした狡噛だからこそ、復讐への過大な評価をせず、あくまで少女の未来を慮っていることがひしひしと伝わる。
本作のサブタイトルであり、テンジンに貸し与えた『恩讐の彼方に』が描き出すテーマを通して婉曲に、しかし実直に復讐の無意味さを語りかけるそのやり方は、復讐を終えた狡噛だからこそできることでもあるだろう。
狡噛慎也と槙島聖護【運命の宿敵】
【BSフジ】本日24:30~『PSYCHO-PASS サイコパス』第20話放送!
第20話「正義の在処」
ドミネーターに導かれ、シビュラシステムの真実を知った朱。
一方狡噛は、自らの計画を着々と遂行する槙島との距離を、確実に詰め始めていた。
シビュラと狡噛、両者の間で揺れ動く朱がとる行動とは… pic.twitter.com/4zdXA65TB2— PSYCHO-PASS サイコパス 公式 (@psychopass_tv) August 27, 2019
狡噛慎也という男を語る上で欠かせない存在が、槙島聖護だろう。
罪を犯していても犯罪係数が上がらない〈免罪体質〉によって、シビュラの目に留まることなく犯罪をプロデュースする彼は、犯罪を通して〈人間の意思〉の本質を問い掛け続ける。
そんな彼の策略によって、特別な存在であった佐々山を失った狡噛は、彼に憎しみを向け復讐を誓う。
そして、そんな狡噛に興味を示した槙島もまた、狡噛に狙いを定め罠を張り、積極的に関わっていく。
しかし、殺し合うしかなかった彼らの間にあったのは、憎しみだけではなかっただろう。
1話冒頭の朱によるモノローグでは、このように語られている。
きっと彼らは、一目見て解った筈だ。二人は初めて出逢うより以前から、ああなる運命だったんだろう。すれ違っていた訳でもない。彼らは、誰よりも深くお互いを理解し、相手のことだけを見つめていた
狡噛慎也と槙島聖護。
彼ら2人の関係性は、このモノローグで語られたことが全てだろう。
殺し合うしかなかった唯一の理解者。
それが、互いにとっての想いだったのだろう。
それが集約されているのが、狡噛と槙島の最後の会話だ。
槙島「どうだい?君はこの後、僕の代わりを見つけられるのかい?」
狡噛「二度とごめんだね」
彼ら2人の関係性は、互いに代替の利かないものだった。
シビュラシステムが存在しない時代に出会っていれば、親友のようになれたかもしれない2人が戦い、殺し合う。
彼らの決着のシーンが非常に美しいのは、その関係性に依る部分が非常に大きいのではないだろうか。
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