目次
宜野座伸元の過去に迫る!
〈標本事件〉での宜野座伸元(小説版〈PSYCHO-PASSゼロ 名前のない怪物〉)
執行官の肩を持ちすぎる狡噛に対して、〈飼育の作法〉を忘れるな、という警告をする。
また、佐々山執行官の暴走に巻き込まれ、先輩監視官からの叱責を頻繁に受けている様子。
しかし、残り1つとなった人気のクリームパンを佐々山が独占しようとした際には本気で怒り、奢ってもらえそうになったときには喜びが隠しきれないなどの様子から、佐々山からの印象は悪くない。
〈愛玩奴隷事件〉での宜野座伸元(小説版〈PSYCHO-PASS ASYLUM2〉)
カウンセリングのための動物が〈三宅養努(みやけ かいぬ)〉の手によって一斉に野に放たれた〈動物の再導入〉事件の捜査に、主となって当たる。
また、その中で出会ったバセットハウンドの〈ロン〉という犬を保護する中で、更におぞましい事〈愛玩奴隷事件〉の真相へと辿り着いていくこととなる。
執行官へ気安く接する狡噛への苛立ちを募らせていくが、佐々山の機転や狡噛の気遣いによって、〈誰とでも平等に接するのは、狡噛という人間の魅力だった〉と再認識している。
また、この事件の後も保護した〈ロン〉を飼い続けており、寿命で死んでからは執行官となった後も毎年欠かさず墓参りに訪れている。
〈臓器ナンバリング事件〉での宜野座伸元(漫画〈監視官狡噛慎也〉)
脇役として一瞬だけ登場。
〈佐々山がどこにいるか知らないか?アイツ、俺のサボテンに…!〉と怒りをあらわにしている様子から、佐々山には定期的に揶揄われている様子。
サボテンを大事に育てていたことが、ここで初めて明かされた。
意外とコミカル、宜野座の裏側
第1期では神経質なエリート、第2期以降は優秀な執行官として落ち着きを見せた宜野座だが、その裏側では意外とコミカルな面も披露しているので、軽くまとめてみる。
- 佐々山から〈バレンタインデーとは、身近な人間にチョコレートを渡すことで円滑な人間関係を築く行事〉と嘘の情報を吹き込まれ、狡噛や政陸にチョコレートを渡しまくる。
- 執行官の〈縢秀星(かがり しゅうせい)〉から〈ガミガミメガネ〉と呼ばれ、拷問してやりたいと考える。
- 誤ってスピリタスを飲んでしまい、捜査中に泥酔する。
その他にも、生真面目さ故に妙な行動を起こすシーンや変な拘りを見せるシーンも多数散見される。
ちょっとした小ネタとして楽しめるので、関連作品を視聴する際には少し探してみると楽しいかもしれない。
宜野座伸元のセリフ3選!【内心の吐露】
これから会う連中を、同じ人間だと思うな(第1期PSYCHO-PASS第1話)
赴任したての朱に対して、執行官を指して言い放った台詞。
まだ神経質だった頃の宜野座の発言であり、本心からそう思っている可能性は勿論高いが、それ以降のストーリー展開や宜野座の過去を知っていくにつれて、〈自分に言い聞かせている〉とも取れる良い台詞だ。
事実、そう思っていなければ監視官としてやって来られなかったのではないか、というような宜野座のこのセリフは、最終話で形を変えて朱に受け継がれる。
PSYCHO-PASSという世界を俯瞰して眺めた際に、非常に大きな意味を持つ一言でもある。
……ま……執行官……父さん……(小説版PSYCHO-PASS〈下〉)
父である政陸が、自身を庇って殉職した際の台詞。
アニメ本編では“遅すぎるだろ”という台詞だったが、より思いが伝わるのはこちらではないかと考え、あえて小説版の台詞を抜擢した。
監視官と執行官、という溝を徹底的に誇張し、政陸と一線を引いて接してきた宜野座が、ようやく政陸を〈父さん〉と呼べたこの台詞は、死別の悲痛さと、それでも最後に和解ができたという美しさに満ち溢れた、名台詞ではないだろうか。
自分の顔が嫌いでね。特に目元が気にくわなかった……だがもう、どうでも良くなったんだ、今は(第1期PSYCHO-PASS第22話)
執行官落ちした後、朱に〈伊達だったんですか?眼鏡〉と尋ねられた際への返答。
政陸との死別の際、政陸から〈目元がそっくりだ〉と言われており、政陸への蟠りからそれを否定するために掛けていた伊達眼鏡。
それを外し、〈どうでも良くなった〉と言い切る宜野座からは、かつての険がなくなり、物腰も穏やかになっている。
父との蟠りが解けたことを、静かに、婉曲に表現するこの台詞は、宜野座の人間的な成長を物語っているのではないだろうか。
宜野座伸元と政陸智己【親子として、監視官と執行官として】
【BSフジ】本日24:30~『PSYCHO-PASS サイコパス』第20話放送!
第20話「正義の在処」
ドミネーターに導かれ、シビュラシステムの真実を知った朱。
一方狡噛は、自らの計画を着々と遂行する槙島との距離を、確実に詰め始めていた。
シビュラと狡噛、両者の間で揺れ動く朱がとる行動とは… pic.twitter.com/4zdXA65TB2— PSYCHO-PASS サイコパス 公式 (@psychopass_tv) August 27, 2019
宜野座伸元というキャラクターの魅力は、政陸智己との関係性の中でこそ最も輝くのではないだろうか。
実の親子でありながら上司と部下であり、その間には〈監視官と執行官〉という深い溝が存在している。
この溝故に、宜野座は過酷な幼少期、青年期を過ごしてきており、また母親も廃人のようになってしまった。
宜野座の立場から考えれば、恨んで当然ではあるだろう。
しかし、宜野座は政陸に対して〈かっこいい父親〉である、という想いも確かに抱えている。
幼少期に、政陸が密かに準備していたセーフハウスに連れて行ってもらったことは、彼の原風景として胸の中に確かに残っており、この時のことを〈秘密を教えてもらって嬉しかった思い出〉として刻まれているのだ。
そして、宜野座を庇っての政陸の殉職。
その際に見せた彼の涙からは、父親への尊敬と愛情があったことが伝わってくる。
死別の折ではあったが、彼は確かに父と和解ができたのだ。
その象徴が、父親似であった目元を隠すための伊達眼鏡を外したことだろう。
政陸の存在を、父として自身の中に落とし込めた彼には、父に似た落ち着きや穏やかさが見られる。
そして第2期以降。
政陸が着ていたものに似たコートを身に纏い、彼の集めた酒類を嗜む宜野座の姿は、彼もまた優秀な刑事となるのだろう、という未来を暗示しているようにも思える。
担当声優<野島健児>【役柄幅広い爽やかボイス】
【17話!】フジテレビOAまであと30分!本日は5分遅れの24:50~ですよ~。チーム・宜野座も待機中!? なにかスポーツ観戦しているようにも見えますね。ちなみに「ノイタミナ」のあとにサッカー中継あるみたいですー。 #pp_anime pic.twitter.com/9DgHCGNH
— PSYCHO-PASS サイコパス 公式 (@psychopass_tv) February 14, 2013
1996年、ゲーム『るぷぷキューブルブ☆さらだ』で声優デビューし、翌年『ゲゲゲの鬼太郎』でアニメデビューを果たす。
主に青年主役を演じることが多く、クール系から元気系など、幅広い役柄を熟す。
演技に関しては、あえて原作を読まずに挑むこともあるなど、独特の演技論を持っている。
宜野座伸元というキャラクターに関しては、〈PSYCHO-PASSは、宜野座の成長物語でもある〉と語っており、愛着を持っている。
アニメPSYCHO-PASSの公式ラジオ番組〈PSYCHO-PASSラジオ 公安局刑事課24時〉では、奔放な関智一の発言に対して、スタジオに設置されたドミネーター(煙噴射期)で執行する役割を果たすが、迂闊な発言でたまに執行されることもある。
まとめ
以上、宜野座伸元の魅力について、掻い摘んで解説した。
〈宜野座伸元〉という男は、おそらくPSYCHO-PASSのキャラクターの中でも特に大きな変化を見せたキャラクターだろう。
アニメを見返したり、ノベライズにも触れたりして、その変遷を辿っていくのも、また楽しみ方の1つだろう。
ひょっとすると、〈好みの宜野座〉を見つけられるかもしれない。
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