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征陸智己の魅力とは?能力や名言などを徹底解剖!【PSYCHO-PASS】

征陸智己と宜野座伸元【刑事として、父親として】

征陸智己というキャラクターを語る上で欠かせない人物が、上司であり息子である〈宜野座伸元〉だろう。

〈シビュラシステム〉の普及以前から刑事として生き続けてきた征陸は、宜野座伸元の誕生後も事件の渦中に身を置いていた。

余りにも犯罪と近い位置に身を置いており、更にシビュラの普及によってこれまでの〈刑事〉の在り方を否定される様な政情の中で徐々に犯罪係数を上げ、遂に執行官落ちしてしまった征陸。

その結果、妻〈宜野座冴慧〉はユーストレス欠乏症なる病によって廃人同然となり、息子もまた激しい差別に晒される。

そのことを負い目に感じる征陸は、上司となった宜野座から激しい憎しみを向けられても、苦笑いを浮かべつつ耐えることしかできなかった。

しかしそれでも、息子である宜野座に対する慈しみを忘れていない征陸の様子は、見ていて胸が痛くなる。

また宜野座も、母と自分を苦しめた父親への憎しみを露わにしつつ、幼き日に征陸に連れられて訪れたセーフハウス、そこで見せて貰った本物の拳銃という2人の間だけの秘密を、大切な思い出として胸に仕舞い続けており、2人の間には絆があったこともまた確かである。

また、『小説版PSYCHO-PASS上』での狡噛慎也の独白の中で、刑事課1係の関係性は、征陸智己と宜野座伸元の本物の親子を軸にした擬似家族の様なものだと語られていることからも、決して憎しみだけの関係性でなかったことは明らかだろう。

そして征陸の死の間際に訪れた、和解の瞬間。

犯罪者・〈槙島聖護〉を取り押さえた状態の中で迫る、宜野座の危機。

宜野座から〈絶対に離すな〉と怒鳴られながら、それでも最後は息子を守るために宜野座の元へ駆け寄った征陸は、最後の最後で〈刑事〉ではなく〈父親〉としての行動を見せた。

死の間際、漸く〈親子〉としての会話ができた征陸は、最愛の息子の腕の中で事切れる。

彼の生きてきた人生は、決して幸福に満ち溢れたものではなかったかもしれない。

しかし最期の瞬間に、息子の腕の中で〈父親〉として逝ったことは、征陸智己という男にとって、1つの幸せであったのではないだろうか。

宜野座伸元の魅力とは?能力や名言などを徹底解剖!【PSYCHO-PASS】宜野座伸元の魅力とは?能力や名言などを徹底解剖!【PSYCHO-PASS】

担当声優<有本欽隆>【リアル征陸智己】

1941年2月11日生まれの、ベテラン俳優/声優。

1966年の『おそ松くん』で、銀行員役としてアニメ作品に初出演。

以降、『シティー・ハンター』から『十二国記』、『新ゲッターロボ』、『ONE PIECE』など、様々な作品に登場している。

性格はハードボイルド。

トレンチコート姿で台本だけ持って収録現場に現れ、収録が終わればスッと帰る渋さと、人前で声援を貰って喜ぶ茶目っ気を兼ね備えた、正に〈征陸智己〉を思わせる様な人物だったとこのこと。

狡噛慎也の声を担当した関智一氏によれば、〈征陸智己〉というキャラクターや〈PSYCHO-PASS〉という作品に対しては最初〈何が面白いのか分からない〉と言いつつも、終盤では〈征陸智己〉というキャラクターを気に入り〈とても面白い〉と楽しんでいたらしい。

2019年2月1日、食道癌のため惜しまれつつ他界された。

まとめ

豊富な経験と鋭い刑事の勘で捜査を進める、昔ながらの〈ハードボイルド〉なベテラン刑事、征陸智己。

飄々とした振る舞いと、落ち着いた物腰を兼ね備えたこのキャラクターの渋さに、虜になった視聴者も多いのではないだろうか。

そして、そんな彼が胸に秘めた、息子・宜野座伸元への負い目と慈しみ。

死の瞬間、それらを漸く宜野座に吐き出せた彼の人生は、数多くの血生臭い不幸に彩られてはいつつも、僅かな幸福もあったことが伝わってくる。

彼の生き様を把握した上で、其々のシーンでの征陸の想いを想像しながら改めて〈PSYCHO-PASS〉を観ると、また新たな発見があるのではないだろうか。

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