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三島由紀夫『金閣寺』あらすじと感想【美しいモノを破壊したい衝動】

金閣寺より銀閣寺が好きな私が三島由紀夫『金閣寺』を手に取ったのは、決して手に入らない美しい物に焦がれるが故、それを壊したくなる衝動に共感したからです。

本作を読むまで三島由紀夫の著作は未読で、なんとなく難しそうなイメージがあり敬遠していました。

実際読み辛い表現も多々あり、エンタメ中心に読書している身からするとなかなか頭を使いましたが、三島由紀夫特有のダンディズムや耽美な表現、主人公の生々しい葛藤には引き込まれました。

こんな人におすすめ!

  • 決して手に入らない美しい物に焦がれるが故、それを壊したくなる衝動に共感する
  • 三島由紀夫特有のダンディズムや耽美な表現を味わいたい
  • 生きる意味を見つけたい

あらすじ・内容紹介

主人公は日本海に突き出た貧しい寒村出身の青年・溝口。僧侶の父に金閣寺について語り聞かされて育ち、圧倒的な美への憧れを募らせていました。

病弱な上、吃音の溝口は村の子供たちに疎外され、友達もできず孤立します。さらには海軍学校に行った先輩の短剣の鞘を傷付け、劣等感を慰めようとするものの、ますます自分が惨めになるだけでした。

追い討ちをかけるように憧れの娘・有為子に嘲笑され、早い段階で人生に絶望した溝口は、父の勧めもあって学僧になろうと決意。夢にまで見た金閣寺へと旅立ちます。

しかし、そこで待ち受けていた金閣寺は溝口の想像ほど美しくなく、失望を禁じ得ませんでした。

やがて戦争が始まり、寺もろとも空襲で焼け死ぬ未来を幻視した溝口の中で、金閣寺は再び輝きを取り戻します。

注意
以下、ネタバレ注意です。

『金閣寺』の感想(ネタバレ)

『金閣寺』は三島由紀夫の代表作にして、日本文学の中でも特別な位置を占めています。

主人公の溝口は孤独な青年。生来引っ込み思案で友や恋人に恵まれず、鬱屈した日々を送っていました。そんな彼の心の支えとなっていたのが、京都に実在する金閣寺。

修学旅行で観光した身からすれば、金閣寺はけばけばしいだけで、溝口が褒めそやす程の芸術には見えません。むしろ侘び寂びの風情を感じさせる、銀閣寺の方に心惹かれました。故に金閣寺に憧れる溝口を、どこか冷ややかな目で眺めていたのは否めません。

しかし物語が進むにつれ、溝口が秘めた劣等感に共感し、完璧な美を求める気持ちに触れると、「何を大袈裟な」と笑えなくなります。先輩や有為子のような、もとから美しく高潔な人間には、溝口の心情は絶対理解できません。

中盤以降、金閣寺を壊したい衝動に駆られた溝口の独白は、手に入らない人や物を仰いだ経験を持ち、諦めることにばかり慣れてしまった卑屈な人間の胸に響きます。

金閣寺に火を放った溝口がラストで呟く一言は、生きる意味を見失った全ての人々にとっての福音になるかもしれません。

まとめ

もしあなたが自分の存在意義に悩んでいるなら、『金閣寺』を読むのをおすすめします。

人間関係を上手く築けず、妄想の中の金閣寺を美化して生きてきた溝口は、こじらせオタク青年の代名詞。理想よりスケールダウンした現実に勝手にがっかりする場面は、自分の悪癖を突き付けられたみたいで、直視するのが辛かったです。

破滅に突き進む溝口を反面教師にするのも、彼に破壊衝動を託し金閣寺の炎上にスッキリするのもよし。読後は不思議と前向きな心持ちになり、生きていく気力が湧くはずです。

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