wowaka追悼 於 新木場STUDIO COAST【選書つきライブレポート】

さる令和元年、6月1日。
一人のアーティストの為の追憶ライブが、新木場STUDIO COASTにて行われた。

そのアーティストの名は『wowaka』
ボカロPとして、それからバンド『ヒトリエ』のギターボーカリストとして、音楽を行い続けていたアーティストだ。

今回は、そのwowakaの楽曲達について、追悼ライブを観た私の実体験を基に特集記事という形で書かせて頂くことになった。

ライブレポートをメインとしつつ、ReaJoyライターとして読書好きな方々にもwowaka/ヒトリエの楽曲について深く触れて頂きたいという気持ちのもと、当日の曲の簡単な紹介、そしてwowakaの楽曲に合う本を一つ紹介させて頂こうと思う。

一人のファンとして。
そして一人のライターとして。

私ができる方法で、wowakaというアーティストが生き抜いた形を皆様の中に残すことができれば幸いである。

wowaka/ヒトリエとは?

ライブレポートを始める前に、wowakaとヒトリエのことを知らない人達へ向けて、簡易ながらその情報をまとめさせて頂いた。
ぜひレポートを読む前に目を通して欲しい。

wowakaについて

2009年にボカロPとして、デビュー。
P名は『現実逃避P』(ただし、本人の意向で活動は基本的に『wowaka』名のみを使用)。

代表作は『裏表ラバーズ』『ローリンガール』
グレースケールのシンプルな一枚絵をバックに、歌詞が表示されるだけのシンプルな構造をしたMVで曲をあげる特徴がある。
だがその曲の中身は、シンプルなMVとは反対に、意味深な歌詞中毒性の高いメロディー、と忙しないリズムの曲が多い。

尚、ボカロPとしての動画本数は12本/曲(クロスフェードは除く)。
その全てが殿堂入り(10万再生越え)をはたし、内8曲がミリオンを達成している。

2011年ヒトリエとしての活動を開始。

2019年4月。急性心不全にて、この世を去る。

ヒトリエについて

2011年、ヒトリエの元となる『ひとりアトリエ』が、インターネットを通して結成される。
後にギターのシノダが加入し、2014年『センスレンス・ワンダー』をリリースし、メジャーデビュー。

曲の中身は、wowakaとして制作したボカロ曲にくわえ、ヒトリエとして制作された楽曲で彩られている。
バラード曲も多くみられるようになったが、ボカロP時代の曲の忙しないロックは変わらず残され、多くの中毒性の高い楽曲の演奏が行われている。
タイアップ曲としては、アニメ『ディバインゲート』OP『BORUTO-ボルト-』EDの二曲が存在している。

他メンバーは、以下の三名である。
・シノダ
ギター&コーラスを担当。
バンド活動以外にも、ギタリスト、歌い手、ボカロPとしても活動。
そちらの名義は『衝動的の人』。

・イガラシ
ベースを担当。
同人音楽を中心としたバンド活動を行っていたベーシストで、ヒトリエ以外でもいくつかのバンドと活動を行っている。
現時点では、同人音楽サークル『岸田教団』のボーカルであるichigoらとのユニット『JUDGEMENT』でも活動をしている。

・ゆーまお
ドラムを担当。
普段は『叩いてみた』の動画投稿しており、ヒトリエ以外にも『カゲロウプロジェクト』や『古川本舗』などのアーティストらの楽曲に、ドラムとして参加している。

 

ライブレポート

まず初めにことわりをいれておきたい。
私が今回書くこの記事であるが、ニコニコ動画にて行われた生配信を基に書き出した記事となっている。

実は私はライブ会場自体には足を運べなかった人間なのだ。
ニコニコ動画で行われたライブの生配信の視聴という形で、ライブ参戦をする形となった。

臨場感の足りない記事になってしまう可能性があることを先に謝っておきたい。その代わり、動画という形で参戦した者だからこそ見れた景色を書き出していきたいと思う。

尚、冒頭でも説明したように、こちらの記事はwowakaとヒトリエを知らない方向けに曲紹介も共に行っていく
その為、MVなどの公式動画も共に掲載をさせて頂きたく思う。

ご了承を頂れば幸いだ。

始まり、ワンミーツハー/目眩(過去ライブ映像)

ライブの始まりを彩ったのは、二つの過去のライブ映像だった。

最初の映像は、2017年に行われた全国ツアー『IKI』から『ワンミーツハー』
この曲は、アニメ『ディバインゲート』OPの為に製作された楽曲だ。と、同時にヒトリエ初のタイアップ曲となる。

「ねぇ!
その心を貸してよ、
扉を開けてしまうから。」
忘れてた理想に沿って
ニヤリ笑う
ソレを見たいんだよ

(作詞:wowaka)

OPという役割からか、その曲調も激しさが目立った曲調のものとなっており、歌詞の内容もストーリー展開に沿って作られた雰囲気にくわえ、wowaka特有のワードをふんだんに混ぜ合わせて制作されたような楽曲となっている。

暗闇の中、機材がセットされただけで誰もいないステージ。
それを前に流される過去の映像に、手を振る観客もいれば、涙する観客の姿も。
画面を流れていく白いフォントのコメント達は、とても色濃く映え、その言葉に込めた感動と悲しみを強く表現するかのように右から左へと画面を流れていく……。

次に流されたのは、『目眩』
こちらは1stライブの時の映像のものが流されたと思われる。

覚えてる
それでも眩しさに夢を見る
歪な姿でもそれが僕だと笑ってくれた

(作詞:wowaka)

出だしから歌い出されるタイプの一曲。
ギターの静かで綺麗なフレーズが何度も繰り返される中、歌われる歌詞。
何度も何度も同じリズム、メロディーのそれが載せる言葉を変えて静かに歌いかけてくるそれを聴いていると、まるでそのタイトル通りに眩むような感覚に襲われてくる。
けどその眩みの先にあるのは、とても胸に突き刺さる言葉達が並べられた歌詞達の姿なのである。

曲の終わり、「ありがとう」とwowakaが叫ぶ。その言葉にわきだつ観客たち。
それは過去の観客達のものなのか、それとも今目の前でその過去を見つめる観客達のものなのかは、画越しの暗闇の中からはわからなかった。
けれど、その暗闇を照らすかのように、次の瞬間、画面内はたくさんの『88888(拍手を現すコメント)』で覆われていったのだった。

三曲目、ポラリス

ライブ映像が終わると、驚きの光景が開始される事となった。
なんと、ステージ上にメンバー達三人が姿を現し始めたのだ。

wowakaの黄色いテレキャスターを、いつも彼がいる定位置にセットすると、自分達もいつもの定位置につく。

そして準備が整うと、ギターのシノダから挨拶が。
本来ならばこの会場はツアーのファイナルとして立つ場所だったこと、きっとリーダー(wowaka)も立ちたかっただろうということ、だから最も彼が信頼してくれた自分達三人で演奏をする日だと思いステージに立ったこと、それらを涙混じりな声で話してくれた。

そうして始まったのが『ポラリス』
アニメ『BORUTO-ボルト-』のED曲だ。

また一歩を踏み出して あなたはとても強い人
誰も居ない道を行け 誰も居ない道を行け

(作詞:wowaka)

EDという物語の終わりを飾る為に作られたこの曲は、どこか懐かしく切ない心地にせされるバラード曲だ。
が、その合間合間には、やはりwowaka節というべきな、早口で中毒性の高い特徴的なメロディーがぶち込まれた構成となっている。

wowakaの代わりに歌うのは、歌い手としての経験もあるシノダだ。

サビの歌詞である『誰も居ない道を行け』と繰り返し歌うそのさまは、まるでwowakaがいなくなってしまった世界に向けて、その胸の中の感情を歌いぶつけているかのような光景だった。

そんななか、画面上の誰もがうっすらとあることに気づき、それをコメントに残し始めていく。
コーラスに流されている音声の中にwowakaの声が混じっているという、そのことを……。

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まとめ

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