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夏目漱石『夢十夜』あらすじと感想【万華鏡の如く模様を変える珠玉の連作短編】

夏目漱石の『夢十夜』といえば、日本人なら誰でも一度は聞いたことがある珠玉の連作短編です。

私がこの作品を知ったのは国語の教科書。そこに掲載されていた「第一夜」の透明感ある耽美な雰囲気に魅了され、何度も読み返しました。

夏目漱石の小説の中では「世にも奇妙な物語」テイストで、現代人も受け入れやすいのが長所です。

最近青空文庫で再読し、官能的な描写にうっとりしました。恋人たちの死別や悲恋ものが好きな方にもおすすめです。

こんな人におすすめ!

  • 透明感ある耽美な雰囲気に魅了されたい
  • 「世にも奇妙な物語」系統のシュールな短編が好き
  • クリエイティブなことをしている
  • 万華鏡のように模様を変える様々な話を読みたい

あらすじ・内容紹介

『夢十夜』は連作短編で、それぞれ独立した十話が収録されています。それらは夢の世界で起きた出来事を綴ったもので、過去から未来まであらゆる時代を描いています。

第一夜は、瀕死の恋人に「百年待ってください」と乞われ、彼女の墓の横で見張り番を続ける男の話。女の言葉を疑い始めた頃、奇跡が起こります。

第二夜は、「無の境地に至れてない」と住職に嘲られた侍が悟りを開こうと瞑想に励む話。

第三夜は、盲目の子供を背負いあぜ道を行く途中に奇妙な声を聞き、過去の殺人を自覚する話。

第四夜は、手拭いを蛇に変えると豪語する不思議な老人との邂逅、第五夜では、敵陣に引き出された敗軍の将の心情が語られ、第六夜は、仏師・運慶に焦点があたります。

いずれの話もファンタジーやホラー要素を含み、非日常的な読後感を味わうことができました。

『夢十夜』の感想(ネタバレ)

文豪の作品というとどうしても堅苦しいイメージがつきまといますが、『夢十夜』は短い話を詰め合わせたもので、どれも読みやすく仕上がっています。

個人的には恋人の目覚めを待ち続ける男を描いた、第一夜が最も印象深いです。

百年間約束を守り続けた末、美しい白百合が開花するシーンは、筆舌尽くし難い美しさ。百年後に咲いた百合は恋人の生まれ変わりなのか、作中ではハッキリ語られませんが、それゆえ想像力を刺激され、甘美で豊穣な余韻に浸れます。

ホラー好きにおすすめしたいのは第三夜。盲目の子供を背負い、夜道を歩く冒頭から既に不穏な気配が立ち込めており、この先どうなるのかハラハラしました。

第六夜の運慶の話も有名です。あなたがクリエイターやそれに準じる職業を目指しているなら、この短編だけでも読んでください。

「木の中に埋まった仁王を彫り出してるだけ」と陰口を叩かれ、そこで心が折れてしまう人は大勢いるでしょう。芸術は模倣からはじまると言うものの「自分の表現は有名人を後追いしているだけではないのか」と不安に陥った時は、第六夜を読んで自信を回復しましょう。

他、不条理コメディの趣がある第十夜も必読。一列に並んだ豚が次々崖から飛び下りるシーンには、ナンセンスの極みの愉快さと空恐ろしさを同時に覚えました。

まとめ

「世にも奇妙な物語」系統のシュールな短編が好きなら、『夢十夜」はきっとハマるはずです。夢から着想を得た十篇は、時にロマンチックな時に戦慄の結末を迎え、覗くたびに模様を変える万華鏡の如く読者を飽きさせません。

私は第一夜が一番好きですが、どの話が心に残るかは人によって変わってくると思います。

家族や友人、恋人と貸し借りし、どの話がよかったか感想を述べ合うのも素敵ですね。夢日記を付けている人は、突飛な内容に親近感が湧くかもしれません。

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