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『神様の御用人』あらすじと感想【悩めるフリーター、弱気な神様を救う】

『神様の御用人』あらすじと感想【悩めるフリーター、弱気な神様を救う】

皆さんは初詣に何を願いましたか?

金運向上、合格祈願、良縁、安産…。

お願いごとは人それぞれですが、残念ながらどれだけ願っても叶わないかもしれません。

どうも私たちは神様と人間との関係を誤解しているようです。

ほら少し口うるさいモフモフの神様が、あなたに正しい知識を教えてくれますよ。

あらすじ・内容紹介

  • 良彦:ケガをきっかけに退職してからはフリーターを続けている。
    ひょんなことから「御用人」に命じられ、日本中の神々からこき使われるようになった。
    神様に対しても無礼なほどに臆することなく、親身になって話を聞く優しい心の持ち主。
    信仰心は全くないが、意外とお役目に向いているのかもしれない。
  • 黄金:京都の神社に祀られている狐の神様。
    「方位神」という由緒正しき神であるがスイーツ大好き。
    良彦とはよくケンカになるが、なんだかんだで気に入っている様子。
  • 孝太郎:良彦の幼馴染で神社の跡取り。
    信仰心は篤いが超現実主義者でもあり、神主稼業は経営だと考えている。
    厳しくも温かく良彦を励ます親友。

フリーターの良彦は「御用人」に命じられた。

御用を聞くとは神々の力になれということらしいが、これといった取り柄のない自分に、いったい何ができるのだろうか…。

そんな戸惑いなど知ったことではないと言わんばかりに無理難題が押しつけられる。

まずはモフモフの毛皮をまとった狐神「黄金」が現れたが、神様にしてはちょっと抜けたところがあるようで、良彦のペースにずるずると引きずられている様子。

この一人と一柱、案外いいコンビなのかもしれない。

罰当たりフリーターが日本中をパシリ回る!

注意
以下、ネタバレ注意です。

神様の御用人の感想(ネタバレ)

物語の舞台は京都

良彦たちは西日本を中心とした各地へ飛び出しますが、登場人物たちの地元となるのは京都の町です。

狐神の黄金が祀られている大主神社のモデルは明らかにされていませんが、次のキーワードから左京区に鎮座する吉田神社ではないかと推測しました。

・大主神社を抱える大主山

・その麓は大学の広大なキャンパスに隣接している。

・時計台のある正門沿いの道を突き当たったところに、朱色の鮮やかな一の鳥居はそびえている。

吉田神社は古く平安時代に創建され、四柱の神様が京都の鎮守神として祀られました。

ただでさえ神聖な土地である上に、そのすぐ側に京都大学のキャンパスが構えていることもあってか、心なしかピンと張りつめた空気が流れています。

さて作中の神社が実在していたとなると、「方位神」として登場している黄金のお社もあるのか気になるところ。

調べたところ末社の今宮社には青龍、白虎、朱雀、玄武の霊石があり、これら四神獣はそれぞれ東西南北を守っています。

つまり「方位の神様」となる訳なので、黄金が祀られているのはここではないでしょうか。

ぱっと見はさみし気な場所ですが、ここで黄金と良彦がじゃれ合っているかと思うと、なんだか微笑ましく思えてきますね。

また境内には日本で唯一の八角形をした神殿を備えた大元宮があり、ここにお参りすると日本中の神様に詣でたのと同じご利益があるとされています。

なんとも便利な神社だなと思った罰当たりは私だけでしょうか?

神様との関係性

神様の願いを聞けと言われたら、良彦でなくても「それは逆じゃないの?」と思うでしょう。

受験や就職活動の合格祈願に、病気になれば体の回復をと、人間の願いを叶えてくれる存在だと信じてきたのですから。

じつは神様と人間とは対等とは言えないまでも持ちつ持たれつの関係です。

人間が神に感謝する⇒神の力となる⇒その力で人間を助ける⇒人間が神に感謝する……。

ここで大きな疑問が残ります。

「何に感謝するのか?」「神がいったい何をしてくれたのか?」という疑問が。

人生では様々な不幸に見舞われますが、お祈りをして救われた経験などありませんよね。

そう神様にとって人間という種族への関心はあっても、個人の悩みなどは雨粒のようなものに過ぎず、いちいち知ったことではないようです。

かといって何もしてくれていないという訳ではなく、私たちの為に用意してくださっている物があります。

空、大地、海などの自然や、そこで育まれている動植物。

それらがあるからこそ、人は命を繋いでこられたのですから。

私たちはいつの間にか神様の世話になっているので、神社とはそのことに感謝する場所になります。

「いつもありがとうございます」。

参拝では願いごとをするのではなく、心をこめて感謝の気持ちを伝えましょう。

このように神道の教えから人間としてのあり方を学べるのもこの本の魅力です。

正しい参拝方法については神社本庁のホームページを参考にするといいですよ。

また『成功している人は、なぜ神社にいくのか?』もおすすめです。

ややスピリチュアルと成功法則に寄ったきらいがあるのですが、それに拒否がなければ神様と神社について詳しく知ることができます。

初めての御用は京都スイーツ

黄金からの御用はなんと、美味なる京都スイーツを食べに連れて行けとのこと。

京都といえば和菓子のイメージが強いですが、実はスイーツの名店も数多くあるんですよ。

その中で黄金のご所望は、祇園にある「茶寮都路里」の抹茶パフェ。

この店は宇治茶の老舗「辻利」が経営するカフェであり、本格的な宇治茶はもちろん、茶ソバや季節の甘味を食べられます。

客層のほとんどは女性なので男性だけでは入りづらく、スイーツ男子は指をくわえて見ているしかありません。

私も初めて入店が叶ったとき、彼女との会話もそっちのけでパフェのあま~い海におぼれていたものです。

京都でも指折りの名店を選ぶとは、さすがは神様といったところでしょうか。

http://www.giontsujiri.co.jp/saryo/menu/kyoto_gion/より引用

このパフェには苦あまい抹茶ソフトクリーム、抹茶カステラ、抹茶ゼリーが盛られ、栗の甘露煮や白玉などが味を引き立ててくれています。

なんたるふくよかな歯触りと、ほのかな甘さ……!

ふおお濃緑の柔らかな玻璃から茶の味が……!

神様とは思えぬ食レポの数々…、高天原にはグルメ番組でもあるのでしょうか?

とにもかくにも御用を済ませた良彦はひと安心。

…かと思いきや、抹茶パフェだけでは納得していない黄金は、やり直しをさせるべく彼について回ります。

こうして誕生したフリーターと神様のでこぼこコンビにご注目ください。

http://www.giontsujiri.co.jp/saryo/

京都弁に翻訳してみた

さてここで余談になるのですが、某書評サイトにて「京都が舞台なのだから京都弁で書いてほしかった」とのレビューが目立っていたので、勝手ながら翻訳させて頂きました。

前提として一般的な京都人は「京ことば」ではなく、もっと砕けた「京都弁」使って会話をしていますので、ここでもそれに倣います。

【良彦と黄金の出会いのシーン】

「あんたが御用人なんか」

「……なんやろ、今の……」

「こいつ犬ちゃうんやろか?」

「わしを犬と間違えるなんて無礼なやつやな」

「……狐がしゃべってるやん……」

「めっちゃすごい!ほんまもんやろか……」

「さっそくやけど、あんたに頼みたいことがあんねん」

……いかがでしょうか?

もっちゃりとした会話になってしまい、なんだか読みにくいですね。

関西人でもLINEやメールでは標準語になる人も多く、文字にするには不向きな言語なのかもしれません。

これを機にどうか関西弁を使わない作品へのご理解をお願いします。

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