エルヴィン・スミスは『進撃の巨人』に登場するキャラクターの1人であり、主人公エレンが所属する調査兵団の団長を任されています。
卓越した戦略眼と冷静沈着に組織を動かす統率力を兼ね備えた、非常に優秀な兵士です。
本記事ではそんなエルヴィン・スミスを追跡調査し、魅力を洗い出していきます。
目次
優れた戦略眼を持った調査兵団団長「エルヴィン・スミス」
誕生日 | 10月14日 |
---|---|
身長 | 188cm |
体重 | 92kg |
所属 | 調査兵団 |
エルヴィンは非常に優れた戦略眼と決断力を持ち合わせています。
調査兵団の団長として兵士たちを効果的に指揮し、数々の偉大な功績を残してきました。
現在、調査兵団が壁外を調査するときは「長距離索敵陣形」という隊列にしたがって行動するように定めれています。
この隊列は巨人の襲来をいち早く察知し、兵団全体が効率的に生き延びられるように設計されています。
この隊列の誕生により調査兵団が生き延びる確率が劇的に向上し、人類が初めてまともに壁外調査を行えるようになったと言われています。
そして、この隊列を最初に考案したのが他でもないエルヴィンなのです。
エルヴィンは持ち前の頭脳を駆使し、高度な戦略で兵団を改革してきたことが分かります。
他にもエルヴィンの功績は数え切れないほどあり、大きなところでいうと、
- スパイとして潜り込んでいたアニの捕獲作戦指揮
- ライナーにさらわれたエレンの救出作戦指揮
- フリッツ王政の転覆
など事例をあげればきりがありません。
「大義のためであれば多大な犠牲をもいとわない」という覚悟と責任感
劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~ 各劇場にて週替わりで入場者オリジナルプレゼントの先着配布が決定しました!気になる第1週目は…「エルヴィン」です!! #shingeki http://t.co/RYjaJrVndz pic.twitter.com/dsS5Ge9IxY
— アニメ「進撃の巨人」公式アカウント (@anime_shingeki) June 19, 2015
物腰が柔らかく穏やかな性格をしている一方で、「人類全体の前進」という大義のためであれば、犠牲をいとわず手段も選ばない冷徹な一面も合わせ持っています。
女型の巨人を捕獲した際には、作戦成功の確率を上げるために街中で戦闘を行い、人や街に多くの損害を与えたことがありました。
しかしエルヴィンは「女型の巨人を取り逃した場合にはさらに被害が拡大する」という大義のもと、少数の人命を犠牲にする道を選びました。
さらにエルヴィンの突出したところは「他人だけでなく自らの命を犠牲にするのも厭わない」という徹底した責任感にあります。
ウォール・マリア最終奪還作戦では、右腕を失った状態にも関わらず前線に立ち、兵団を直接指揮しました。
最終的に、「獣の巨人」に怯える兵士たちに向かって「人類のために犠牲になってくれ」と玉砕突撃の指示を出し、その先頭に自らも立ちました。
結果的に、その突撃でエルヴィンも致命傷を喰らい、その傷がきっかけでエルヴィンの人生は幕を閉じることとなりました。
誰よりも先を見通すことに長けていたエルヴィンは、自らの指示でどれだけの犠牲が出るか理解した上で、それでもなお大義のために仲間を死地に送り続けてきました。
仲間たちから「悪魔」と呼ばれてもなお、最後まで信念を貫いた誇りあるリーダーだったと言えるでしょう。
エルヴィンの真の目的は「父親の仮説の証明」
エルヴィンが他人や自分の命を犠牲にしてまで壁外を探求する理由は一体どこにあるのでしょうか。
そのきっかけとなった出来事はエルヴィンの幼少期まで遡ります。
エルヴィンの父親は「王政は何かを隠している。壁の中の人類は王家の力で記憶を改ざんされているのではないか」という仮説を秘密裏に提唱していました。
そんな折に、幼少期のエルヴィンが教師である父親にこう尋ねました。
壁の外に人類がいないって、どうやって調べたんですか?
エルヴィンのささいな疑問がきっかけとなり、父親の思想が王政に見つかり結果的に父親は憲兵団に暗殺されてしまいます。
父親を間接的に殺害してしまったエルヴィンは、それ以降、父親の仮説を証明する為だけに生きるようになりました。
調査兵団に入団したのも、団長となり仲間を死地に送り続けたのも、全てはこの仮説を証明するためでした。
非常に独善的とも言える行動原理ですが、その信念に従って行動した結果、数々の功績をあげたこともまた事実です。
また最終的にはエルヴィンは自身の夢を捨て、人類のために命を捧げたこともあり、最後の瞬間までリーダーとしての責任を貫いた人生だったと言えるでしょう。
エルヴィンの名言を時系列順に紹介!
ここではエルヴィンの残した名言を紹介していきます。
エルヴィンの特徴である「卓越した戦略眼」と「目的達成のために犠牲を厭わない責任感」が感じ取れるよう、時系列に沿って原作から抜粋していきます。
「エレンを奪い返し即帰還するぞ!!心臓を捧げよ!!」
原作第49話「突撃」より抜粋。
人類存亡の運命は今!!この瞬間に決定する!
エレンなくして人類がこの地上に生息できる将来など永遠に訪れない!!
エレンを奪い返し即帰還するぞ!!心臓を捧げよ!!
「鎧の巨人」にさらわれたエレンを救い出すため、調査兵団に突撃の指示を出している場面でのセリフになります。
「人類にとっていかにエレンが重要か」
「この突撃でどれだけの兵士が犠牲になるか」
全てを見通した上で、全軍に突撃を命じたエルヴィンの戦略眼と冷徹さがよく表れた場面になっています。
「今まで俺が巨人に何百人食わせたと思う?」
原作第49話「リヴァイ班」より抜粋。
今まで俺が巨人に何百人食わせたと思う?
腕一本じゃ到底足りないだろう。
いつか行く地獄でそのツケを払えればいいんだが
エレン救出作戦を決行した後の、病室でのエルヴィンとリヴァイとの会話になります。
巨人に右腕を喰われたエルヴィンに対してリヴァイが気にかけていますが、自身の肉体よりも死んでいった仲間たちへの贖罪の意識の方が勝っている様子が見て取れます。
心身ともに傷を負っている状態にも関わらず、その強靭な意思が折れていないことが感じられるシーンになっています。
「知りたければ見に行けばいい。それが調査兵団だろ?」
原作第72話「奪還作戦の夜」より抜粋。
本日ですべての準備は整った。
ウォール・マリア奪還作戦は2日後に決行する。
地下室には何があるのか?
知りたければ見に行けばいい。それが調査兵団だろ?
数日後に迫った「ウォールマリア奪還作戦」について仲間たちに語ったセリフです。
「巨人に関する重大な秘密」が隠されているとされる地下室に向かうため、改めて仲間の意識を統一するリーダーの資質がうかがえるシーンになっています。
多くの犠牲者が出ることが予想されるなか、それでも外を探求することが調査兵団の役割だというエルヴィンの思想が強く表れています。
「この世の真実が明らかになる瞬間には私が立ち会わなければならない」
原作第72話「奪還作戦の夜」より抜粋。
確かにお前の言う通り…
手負いの兵士は現場を退く頃かもしれない。
…でもな、この世の真実が明らかになる瞬間には私が立ち会わなければならない
負傷兵であるエルヴィンを引き留めようと説得したリヴァイ兵長に対して、エルヴィンが胸の内を明かすシーンです。
「人類のため」という大義のもとに常に行動してきたエルヴィンに、初めてエゴの要素が見えた瞬間です。
エルヴィンの目的は「人類が生き残るための大義」だけでなく、「父親の無念を晴らすべく真実が知りたい」という個人的な欲求も多分に含まれていることが明かされた場面になっています。
「いや違う!!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!」
原作第80話「名も無き兵士」より抜粋。
そもそも生まれてきたことに意味は無かったのか?
死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も…無意味だったのか?
いや違う!!
あの兵士に意味を与えるのは我々だ!!
あの勇敢な死者を!!哀れな死者を想うことができるのは!!生者である我々だ!!
我々はここで死に!次の生者に意味を託す!!
それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!
兵士よ怒れ!兵士よ叫べ!兵士よ!!!戦え!!
いよいよ始まった「ウォールマリア奪還作戦」にて、「獣の巨人」に全軍で特攻を仕掛けたときのエルヴィンのセリフです。
「獣の巨人」の投石攻撃によりほぼ確実に死ぬことが分かっていながら、それでも作戦成功のために自身と仲間の命を犠牲にした瞬間です。
死を目前にして震える兵士にむかって悪魔的とも言えるこの演説を発し、人類の運命のために「心臓を捧げよ」をまさに体現しています。
自らが先頭に立ち突撃することで、結果的にエルヴィンは瀕死の重傷を負ってしまいます。
「先生…、…に…いないって…、…やって調べたんですか?」
原作第84話「白夜」より抜粋。
「ウォールマリア奪還作戦」が成功した後、多くの兵士が息絶え、生き残ったのはわずか数名という悲惨な状況でした。
そしてそのなかには「エルヴィン」と「アルミン」の2人が今にも死に絶えそうな瀕死の状態でした。
「巨人化薬」を使えばどちらか1人の命を救うことができるという究極の状況で、決定権を持つリヴァイ兵長はエルヴィンの方を救うことを決意します。
そんな折に、エルヴィンがうなされるかのようにこのセリフを発しました。
幼いころの純粋な興味から、父親を破滅に導いてしまったエルヴィンは、大人になった今でも「真実の探求」という呪縛に囚われていることが分かります。
これを聞いたリヴァイ兵長は「もうエルヴィンを自由にしてやりたい」とエルヴィンの蘇生を取りやめました。
この後エルヴィンは息を引き取り、長い旅路の終わりを迎えることになります。
次のページ
書き手にコメントを届ける