SNSの普及で文章を書くことが身近となっている昨今。
文章能力に対する不安を持つ人は多いのではないだろうか。
本記事ではそんな不安を払拭してくれる文章術専門本を紹介する。
目次
こんな人におすすめ!
- 一から文章の書き方について学びたい人
- 書く仕事で生計を立てたいと考えている人
- 数ある文章術の本の中でどの本を読んだらいいかわからない人
『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた』のあらすじ
今作は長年に渡り書く仕事をしてきた、現役ライターの著者・藤吉豊氏、小川真理子氏が共同で文章術の名著100冊を元に、文章のプロが持つノウハウをランキング形式にして一冊にまとめたものだ。
文章術の名著を見てみると、文章読本のベストセラーからコミュニケーションに関する本、昭和の文豪から令和のブロガーまで多岐にわたり選定されている。
100冊の中で書かれていた文章術のコツとして共通に書かれていたことを冊数の多い順にベスト40までランク付けされているのが特徴だ。
ランキング上位7位までは文章初心者が押さえておくべき本当に大切なルール。
8位から20位まではさらにスキルアップするポイント。
21位から40位までは文章力をさらに高めたい方向けのコツ。
このようにその人のレベルにあった文章術を学ぶことができる内容となっている。
ランキングが終わったあと、ビジネスメールやプレゼン資料、ブログの原稿を例に「文章術ベストセラー100冊」のポイントを活かして文章を修正してみたものも掲載されている。
『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた』感想と内容紹介
仕事でも日常でも使える文章術、1文は60字以内にしよう!
文章術は書く仕事を生業とする人以外にもビジネスメールやプレゼンを考えるとき、SNSを投稿するときにも必要な技術だ。
今作で紹介された40の文章術をあげるポイントを使った文章も紹介されており、さまざまな場面で使えることがわかった。
例えば、インスタやブログなどのSNS投稿の「いいね」をもっと伸ばしたい場合、40のポイント中4つのポイントが使えると著者は述べる。
その中でも「文章の書き方」大事な順ランキング1位の“文章はシンプルに”のポイントの
1文が60字以内になるように、文章を区切る
はとても勉強になる。
ブログやSNS、短いコラム等の原稿より
文章術を使う前の一文(Before)
貯まらない原因として計画性が必要、支出状況の把握ができていない等と言われますが、貯金の実態とお金の貯まらない人の特徴と対策をまとめました!
文章術を使ってみた一文(After)
ここでは、貯金の実態とお金が貯まらない人の特徴と対策をまとめてみました!
Beforeの方では前置きの文が長すぎて何について語ろうとしているのかすぐわからないのに対し、Afterでは、何の特徴について今から書かれるのかが一目瞭然だ。
隙間時間によく覗くSNSは1文が長いと短時間では読み終えられない可能性が高く、とっつきにくい。
Before文章術を使う前と、使った後の After の例文を読み返してみると、1文が簡潔に書かれている方が格段に読みやすかったことがわかるだろう。
何気ない日常を投稿するにも“文章術”が活躍するのだ。
初心に返って学び直せる、読点の8つのルールとは?
学校の授業で文章の書き方、文法について学んで理解しているつもりでも、意外と覚えていないことや説明できない文章ルールがある。
例えば、「文章の書き方」に大事なランキング13位“「、」「。」をテキトーに打たない”
句読点についてのルールを説明するとなると、スラスラ言えないという人は多いのではないだろうか。
句読点には「文章の意味を明確にする」「リズムを刻む」といった重要な役割があり、
文章を書くときは句読点をいい加減にしては上達しない
と著者は述べる。
また、「、」テンの読点には8つのルールが存在することをご存じだろうか。
8つのルールの一つ“修飾する語とされる語の関係を明確にするために打つ”を見てみよう。
例文を読んでみると句読点のルールの大切さがわかるはずだ。
×悪い例
生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べて感激しました。
改善例
生まれてはじめて、フランス料理のフルコースを食べて感激しました。
悪い例はそのままだと複数の意味にとれます。
・意味①
いままででもフランス料理は食べたことあるけど、「(今回)生まれてはじめて感激した」・意味②
「(今回)生まれてはじめてフランス料理のフルコースを食べた。そのことが感激だった」意味①を表現したい場合は改善例1のように「はじめて」の後ろにテンを打ちます。
読点を打たないことによって、何を伝えたいのか分かりづらくなっていることがわかるだろう。
そして、読点を打つことによって表現したいことが強調できるのだ。
このように今作を読み進めていくと、自分ではわかっていたつもりが実は理解していないことが多いということを実感させられる。
「あの文章のルールってなんだったっけ?」というときに忘れかけていた知識を学び直すのにとても役立つと思った。
文章は技術だけでは感動させられない
ここまで読んだ人で、「やはり文章を書く自信がない」と思っている方に朗報だ。
文章術をあげるにはさまざまな技術、知識が必要だが、人の心を打つ文章は技術だけでなく内面を豊かにすることも大切なのだ。
「文章の書き方」に大事なランキング第28位“日頃から内面を耕す“には、人生観がしっかりしていることの大切さについて述べられている。
しっかりと自分と向き合うことができている人は、少しぐらい表現が稚拙でも、読み手の心を打つことができます。
反対に、テクニックをどれだけ磨いても、生き方がブレていれば、文章もブレてしまうのではないでしょうか。
良い文章を書くには、テクニックだけでなく、自分の人格を磨くことも大切です。
心を打つ文章は表現が巧みかそうじゃないかよりも、思いが込められているかどうかによって変わってくるのだ。
例えば好きな作品のレビューブログ。
わかりやすい単純な言葉でまとまっている文章でも熱い思いを感じ、感動したという経験をしたことが筆者は多々ある。
私以外にもこうした経験をしたことがある人はたくさんいるのではないだろうか。
それは一生懸命伝えようとする姿勢が伝わり心動かされたからだと思う。
いくら綺麗にまとまった文章でもその作品が本当に好きかどうか、うわべだけで繕って書いているのか読む側にも見破られてしまうものなのだ。
文章術を磨くのはもちろん、素直でまっすぐに伝えようとする気持ちを忘れずに文章に向き合おう。
まとめ
この記事を読んで、「文章術を楽しく学びたい」と思ってくれる人が増えたら嬉しい限りだ。
文章を書く専門の仕事でない人にも日常に役に立つ技法がたくさん学べる1冊なのでぜひ、おすすめしたい。
文章術は誰にでも必要な技術であり、今からでも伸ばすことができる技術。
今からでも遅くない。
自分の苦手なものから学び、文章術を今後の生活に活かしていこう。
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