図書館戦争シリーズの書評記事第2弾として、今回は『図書館内乱』について語りたいと思います。
前作の『図書館戦争』の記事をまだ読んでいない方は、こちらを先にどうぞ~

郁の周りではいろんなことが起こり、今回も相変わらず、目まぐるしい堂上班です。
それでは早速、いってみましょう!
あらすじ・内容紹介
図書特殊部隊に配属されたことを両親に言えないままでいる郁の職場へ、両親が突然査察に訪れる大ピンチ。
図書特殊部隊の仲間である小牧教官が、耳の聞こえない高校生(毬江・まりえ)に勧めた1冊の本(有川浩『レインツリーの国』)の主人公は、聴覚障害を持つ子が主人公のお話であった。
これが問題となり、小牧は良化特務機関に連行されてしまう。
郁は濡れ衣を着せられ、査問会に呼び出されたり、手塚は、兄との確執があることが明らかに・・・。
『図書館内乱』の感想(ネタバレ)
わだかまり
とうとう郁の恐れていた、両親の職場訪問の日がやってきました。
いつも元気の良い郁も、両親の前では挨拶さえぎこちなくなってしまいます。
検閲が来そうなときは前もって休ませてもらうこととかできないの?
心配性なお母さんのこんな無神経な言葉が郁をイラつかせ、疲弊させてしまうのです。
女の子なんだから・・・とかではなく、自分の大切な子供の夢として応援してくれる親だったらもっと居心地が良いのになぁ。
お父さんはいい職場だと思う。
頑張れよ
郁の本当の仕事を察しているお父さんから、こんな言葉をかけられるなんて郁は思っていなかったでしょう。グッときました。
査問会
同僚の砂川がやらかした事件の共謀者として郁の名前が挙げられ、郁にも査問会の出頭命令が出ました。
これは、手塚の実の兄である慧(未来企画)の仕業によるもので、郁は当然白です。
郁が査問会に呼び出された噂は寮内にも広まり、とても肩身の狭い思いをしています。
査問会の経験者である堂上は、その辛さをよく知っています。
何で何も言わないんだ、あいつ
堂上や柴崎のフォローに助けられ、なんとかやり過ごしますが、それでも精神的に辛いのは周りから見ていても分かります。
なのに、郁は弱音を吐かず、堂上はとても心配しています。
手塚慧に呼び出された郁を迎えに行ったのも堂上でした。
本人が気づいてなくても、郁の王子様は彼しかいません。
小牧と毬江
図書館戦争シリーズを「恋愛」ものとして楽しみたいなら、このシーンは外せません!
小牧と家族ぐるみの付き合いがある図書館利用者の中澤毬江ちゃん。
毬江は小牧に何度も失恋をしていて、それでも想いを寄せ続けています。
小牧に薦められ、図書館で借りた本を毬江が学校で読んでいると生徒の一人が本の題名を見て訝しがりました。
なぜなら、その本のヒロインが難聴者であるのに、耳の聞こえない毬江にその本を進めるのはどうなのか?!「かわいそう」じゃないかと。
事は次第に大きくなり、メディア良化隊に連行されます。
連行先では無理やり証言をとろせようと、拷問にあってしまいます。
それでも、決して屈することのない小牧の心の声です。
お前たちにあの子の何が分かる。
毬江のことでなければ途中で挫けた。
あの子が自由に本を楽しむ権利も感性も誰にも否定させるものか。
笑い上戸キャラの小牧ですが、ここのシーンは男性としてのかっこよさがあります。
文庫本巻末の「ロマンシング・エイジ」もお忘れなく!!
まとめ
小牧と毬江の恋が動いた回でもあり、郁は思いもよらぬ形で王子様の正体を知ってしまいました。
あまりの衝撃に高熱を出し、寝込んでしまうほど…
郁の成長・王子様とのゆくえが増々気になってしまいました!
主題歌:HANDSIGN/僕が君の耳になる
ボーカル&手話パフォーマンスユニットによる実話を基にした曲なんです。
MVでは、耳の聞こえない大学生の女の子と、その子のサポートをすることになった男の子が出てくるのですが、その2人が毬江と小牧と重なりました。
この記事を読んだあなたにおすすめ!
有川浩『レインツリーの国』
作中で、小牧が毬江に薦めたお話ですが、実在していて、映画化もされているのです!


