『SUNNY 強い気持ち・強い愛』原作小説あらすじと感想【私の愛すべき青春と仲間たちとの友情】

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学生時代の友情って大人になっても続くのだろうか。

何気なく浮かんだ疑問に解決の糸口を示してくれたのがこの本。

大人になって色々なことがあってもやっぱり仲間の大切さや信頼関係は成長してから磨かれていくのだと感心した。

ノスタルジックな思い出に浸りながら、懐かしい友達に連絡してみよう。

こんな人におすすめ!

  • 懐メロ好き
  • 強いストレスを抱えている
  • 学生時代の友達と仲が良い

あらすじ・内容紹介

阿部奈美ことナミ。

現在、一児の母親である。

母親のお見舞いの帰り、通りかかった病室の名札を見てふと懐かしい名前を目にする。

伊藤芹香。

この名前を目にすると思い出すのは同じクラスメートのセリカこと伊藤芹香。

楽しかった高校時代。

ナミの青春の全て。

そして、セリカは余命1ヶ月のガンに侵されていた。

声を振り絞って涙ながらに皆に会いたいというセリカは目の前で不思議そうにしているナミに笑顔でこう言った。

SUUNYのバカたちだよ

改めて、ナミは二十数年ぶりに再会したセリカの願いを叶えるために、高校時代の仲良し6人組SUUNY(サニー)の仲間達を探すことになった。

ぽっちゃり体型の林梅ことウメ。

ペチャパイの裕子。

ちょっと犯罪まがいの行為をしがちな心(シン)。

雑誌eggのモデルの奈々。

いつでもどこでも一緒に過ごしてきたナミ達6人は高校生という真っただ中で青春を謳歌していた。

離れ離れになっていた仲間達が親友の言葉をきっかけに再び集まり、また新しい友情を取り戻していく。

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』の感想・特徴(ネタバレなし)

LA・LA・LA LOVE SONG

女子高生。

当時はコギャルといった。

ルーズソックス、写ルンです、プリクラ、着くずした制服、ブランドのカーディガン…数え切れない程のファッションアイコンが飛び出し、それを持ち歩き身に着けるのがステータスだ。

ここでSUUNYの仲間達について簡単に話していく。

セリカはメンバーのリーダーで仲間の悪口が許せない性分。

オトコマエの姉御肌で、口よりも手が出やすい。

大人になってもさばさばな性格はそのままだが、がんに侵されてからは恐怖と仲間達への信頼の両方を抱えて生きている。

ウメは、かっこいい男性に目がない。

ダイエットにはめっぽう弱く、高校時代には8度もチャレンジしたが大人になった現在もいまだにデカい。

裕子はいつもハイテンションで女性特有のコンプレックスが強く、すぐウメにバカにされてしまう。

大人になってからは結婚をしている。

整形をして、容姿端麗になったものの再開したウメには相変わらずいじられている。

シンは、いつもチュッパチャップスをなめている飄々とした女の子。

ウメや裕子とは違った垢抜け方で犯罪すれすれなことをやっていたらしいが、本当のところはよくわからない。

大人になってからは、音信不通で探し当てるのに難航した。

奈々は雑誌「egg」の女子高校生モデルで、SUUNYイチのクールビューティー。

ナミとの最初の会話が「あんた、ダッサい」

何故かナミに対してだけは、口が悪く攻撃的。

大人になってからはシン同様に音信不通。

ナミは淡路島から転校してきたいわゆる普通の女子高生。

とある他グループの女子との喧嘩を境に仲間として認められた。

大人になってからは、結婚をして子供をもうけたがどことなく自分自身を見失っていた。

セリカと再会してからはSUUNYの仲間達を探す役目を担う。

SWEET 19 BLUES

女子高校生が渋谷に繰り出すということは、東京では当たり前のこと。

しかし、淡路島の片田舎から出てきたナミにとってはまさに異国の地。

目にするもの聞くもの全てがまぶしい。

カラオケボックスで歌いまくり、カメラで写真を撮りまくる。

プリントをして出来上がった写真にポスカでラクガキをして楽しんだ。

『この道がどこへ続くのかなんて知らない。でも、みんなと一緒に歩いている今が幸せ。転校してきた日、あんなに不安だったのが嘘みたい。今はここが私の居場所なんだと思える。みんなのいる場所が私の居場所。私はそこにいる。』

大人になってからの事は、正直わからない。

今が楽しければそれで良くて、なんでもできる気がした。

仲間がいれば怖いものなんて何もない。

強い気持ち、強い愛

高校時代、ダンス大会で優勝しようと意気込んだもののある事件によってすべて崩壊してしまった。

そう全て、だ。

シンが名付けてくれたSUUNY。

皆が集まっていた憩いの場所である教室、温かい場所。

仲間達とはそれ以来、疎遠になってしまったのだ。

 

場面は変わり、現在。

病室で静かに眠るセリカ。

ナミはそっと病室を去ろうとしたところ、目覚めたセリカに呼び止められた。

ぽつりぽつりと言葉を噛みしめながら話す。

「伊藤芹香物語の主役として悪くはなかった」と穏やかな顔でナミの顔を見る。

セリカから阿部物語の主役としてどうだったと聞かれると、涙がこぼれてきた。

『でも、芹香に会って、みんなを探しているうちにね……なんかひさしぶりに自分を取り戻せたっていうか……。高校の時、芹香がアタシのこと変えてくれたじゃん。……今またそれなんだなって』

しかし、セリカの命は全員と会う前にこと切れてしまった。

祭壇の前では遺言とSUNNYの仲間達へ最後のメッセージが語られた。

渡されたCDは小沢健二の強い気持ち・強い愛。

そして、最後にあの日できなかったダンスを皆で踊る。

まだ最後の1人、奈々だけは現れていない。

セリカのためにあの日出来なかったことをする。

最後の決めポーズが決まった瞬間、彼女が現れた。

『何泣いてんの。笑おう、あの頃みたいに』

20年振りにあった奈々は相変わらず、クールビューティーで昔の様に綺麗な顔のままだった。

みんな笑って、みんな泣いていた。

あの頃の様に明るい陽の光を浴びている様な本当の笑顔でいられた。

まとめ

2018年に映像化された作品、「SUUNY 強い気持ち・強い愛」。

元々は韓国の映画「サニー 永遠の仲間たち」という作品の日本版リメイクでもある。

90年代に流行したファッションや言葉、J-POPがふんだんにちりばめられている。

バラバラになった仲間が呼びかけによって、再結集していく様子は、パズルのピースをひとつひとつ組み合わせていく様に、ひとつひとつの形を確かめる様にゆっくりと描かれている。

90年代を知らない世代には斬新に、知っている世代にはあの頃を懐かしんでもらえる作品だと思う。

きっと読者の皆様にも大事な友達、仲間と呼べる人達がいるはず。

昔遊んだ友達や同級生。

そんな人達のことを思い出したり、久しぶりに連絡をとってみてはいかがだろうか。

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