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『真綿荘の住人たち』あらすじと感想【切なくてちょっと変わった恋愛が覗ける下宿物語】

『真綿荘の住人たち』あらすじと感想【切なくてちょっと変わった恋愛が覗ける下宿物語】

島本理生の作品と言えば“甘酸っぱくて心締め付けられる恋愛小説”というイメージが強いだろう。

だが、今回紹介するお話は一味違う。

今作に登場する真綿荘(まわたそう)の住人たちの抱える恋愛事情は、切ないだけでなく複雑かつ独特だ

住人たちの発言や展開がいい意味で裏切られるものばかりで、最後まで目が離せず飽きさせない内容だった。

こんな人におすすめ!

  • 恋愛物語を読むのに少し飽きてきた人
  • 20歳以上の恋愛小説を読むのが好きな人
  • 最近「恋愛って難しい…」と行き詰まっている人

あらすじ・内容紹介

本作では、池袋と練馬の間に位置する江古田にある木造2階建てアパートの真綿荘に下宿している人たちのちょっと変わった恋愛模様が描かれている。

北海道から上京してきた大学生・大和(やまと)くんは、同じ大学のサークルの性格に難ある美人の先輩に迷惑と思いながらも惹かれていったり、自分の容姿にコンプレックスを持つ女子大生・鯨(くじら)ちゃんは意識していなかった同じゼミの先輩からの好意に気持ちが揺らいだり、男を毛嫌いする椿(つばき)ちゃんは女子高生・八重子(やえこ)ちゃんと交際。

真綿荘の大家・綿貫(わたぬき)さんは、ほかの男性を打ち止めることはできるのに“内縁の夫”という晴雨(せう)さんとは相思相愛の関係性には見えない私生活を送っている。

同じアパートの住人たちの王道の恋愛物語とは少しずれた愛の形が垣間見える、切なくて温かいお話が詰まった作品。

『真綿荘の住人たち』の感想・特徴(ネタバレなし)

さまざまな恋愛のかたち

真綿荘の住人たちの恋愛は、幸せな恋愛をしてるとは言えないものばかり。

北海道から上京してきた大学生の大和くんも、可愛い彼女と同棲している友達のことはいいなと思ったものの、

これまで真綿荘の住人たちを見ていても正直羨ましいとは感じなかった。

と言うほど一般の交際してる人たちとはずれた恋愛をしている人たちが集まっている。

私は真綿荘の人たちの恋愛模様を見て、いろいろな恋愛のかたちがあるんだと知った。

中でも応援したくなったのは、美しい心を持つ大柄の女子大生・鯨ちゃんと彼女と同じ大学の先輩・荒野(こうや)先輩の恋愛だ。

荒野先輩は人柄のよい鯨ちゃんのことが好きなのだが、鯨ちゃんは大和くんに恋をしているので2人の気持ちはすれ違っている。

ある日、荒野先輩が勇気を出して鯨ちゃんに告白した。

鯨ちゃんは「気持ちには応えられないけど、10年前向きに頑張れる」と嬉しさを言葉にした。

その言葉を聞いた後、荒野先輩はこう表現している。

救ってもらうためではなく、自分で自分を救うために好きであることを続ける。

そういう恋があってもいいと思うのは、いま自分がここにいてもいいと思うのと同じことなのだと、なぜか、そんな気がした。

鯨ちゃんが荒野先輩の好意を純粋に喜んでいるところにもぐっときたが、荒野先輩の告白した後の心境を読んで、うまくいっている恋愛だけが幸せとは限らないと思った。

鯨ちゃん、荒野先輩のお互いを思い合う気持ちがとても素敵だったので、2人とも納得のいく方向に進めばいいなと思いながら読み進めていった。

一緒にいる人たちへの思いやり

著者の描く作品の好きなところは、読んでいて心温まる優しさのスパイスが含まれているところだ。

今作では真綿荘の住人たちの暮らしに優しさのスパイスが入っていた。

それは、住人たちが互いを思いやって助け合っているところである。

悩みを打ち明けられたら嫌な顔せず聞くところや住人の誰かが急にいなくなったら住人みんなで探したりと住人たちの優しさが作品に表れている。

特に印象に残ったのは、椿ちゃんの母親が真綿荘を訪れたときの場面。

椿ちゃん・八重子ちゃんカップルは住人たち以外には交際していることは告げておらず、椿ちゃんの母親は八重子ちゃんの存在を不信に思い、「どちら様?」と強い口調で聞いたところ、その場にいた鯨ちゃんが咄嗟に「自分の妹です。似てないけど自慢の妹なんです。」とすぐフォローした。

椿ちゃんが困っていると鯨ちゃんがすぐ察して言ったのだろう。

住人たちの言動から困ったときに互いを思いやって助け合う姿を見て心温まった。

ストレートな愛情表現に惹かれるとは限らない

真綿荘の住人の中で最もわけありの恋愛をしてるのは大家さんの綿貫さんと晴雨さんだ。

綿貫さんにとって晴雨さんは“内縁の夫”であり、それは1人と同義語だと語る。

綿貫さんと晴雨さんは一緒に暮らしてるだけで一緒に出かけることはないし、晴雨さんは一度も「愛してる」と綿貫さんに言ったことがないし、外で何をしに行ったのか干渉もしない。

綿貫さんは誘った男を必ず振り向かせることができるが、晴雨さんだけは振り向いてくれないと感じていたりもしているのだ。

それでも綿貫さんは晴雨さんにぞっこん。

最初はなぜなのか疑問だったのだが、晴雨さんとほかの男性との違いを読んで今まで出会ったことのなかった価値観を知れた。

「いろんな男の人と寝るたびに言われたわ。君の気持ちはわかってたって。

確かにそう、私が誘ったんだもの。

だってより多くの相手とつながれば、それだけ世界を味方にできる。

でも晴雨さんだけは、私になんの落ち度も責任も与えなかった。

あの人だけが、なんの言い訳もせずに、一方的に私を奪って自分のものにした」

「誰一人、私を守らなかった。実の母でさえ。私を完璧に所有してくれる人。それだけが、私のただ一つ、欲しいものだった」

綿貫さんはある過去の出来事が原因で「好き」などの言葉や分かりやすい愛情表現ではなく、ただ自分を所有してくれる人を求めていたようだ。

好きとわかる言葉や、そういう態度を見せてほしいという人しか聞いたことがなかったので綿貫さんの考えは新鮮だった。

まっすぐ気持ちを示す以外にも惹かれる言動があることを知った。

まとめ

真綿荘の住人たちの恋愛を見ていろいろな形の恋愛を知ることができた。

恋愛の価値観はいろいろあっていいし、幸せのあり方もその人の感じたもので間違っていないのだ。

ちょっと遠回りの恋愛をしている真綿荘の人たちから「私も自分らしく頑張ろう」と前向きに恋愛の一歩を進もうとする勇気をもらえる人たちが増えるような気がした。

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