『キングダム』62巻で秦国六大将軍が復活した。
当然猛者が名を連ねる中、抜群の安定感と愛国心に満ち溢れる男がいる。
“天下の大将軍”王騎が認めた逸材・騰(とう)だ。
今回は主人公・信や王賁・蒙恬といった若き才能の手本となる騰の強さの秘密に迫る。
目次
ファルファル誕生秘話から王騎の副官時代まで騰の基本情報紹介!
王騎との関係性が作中で多く描かれている騰。
しかし、自身の幼い頃や過去の話はほぼ登場していない。
この章では騰の貴重な修行時代を含め、彼の基礎知識を紹介する。
副将にして最古参!大将軍・王騎から全てを受け継いだ男
騰は一番古くから王騎に仕えてきた武将であり、録嗚未・隆国・干央・鱗坊・同金の5人の軍長を束ねる副将でもある(後に鱗坊・同金は戦死)。
馬陽で王騎の死際、騰は王騎軍の先のこと一切を受け継ぐ。
その時王騎から
「長く私を後ろで支えてくれましたが、本来あなたの実力は私に見劣りしません」
という最大級の賛辞を贈られた。
この時蒙武が課題を指摘されたことを考えると、王騎はすでに騰を六大将軍クラスと認めていたのかもしれない。
この価値ある言葉を、騰は拳を強く握るあまり流血させながら聞いていた。
その後の活躍はこれから紹介していくが、“天下の大将軍”王騎に全く引けを取らない大将軍となる。
西洋人?変わった風貌のわけ
金髪に男爵チックな巻いた口髭。明らかに他とは違う西洋風キャラクターだ。
作者・原先生は、過去のインタビューにて「外人の設定で多分シルクロードから流れてきたのでは?」と仰っている。
(参考:コミックナタリー https://natalie.mu/comic/pp/kingdom/page/4)
西端の国・秦が他の列国より強大に成長した理由のひとつに、他国・他民族の優秀な者を積極的に登用し重要なポストに就けたことが挙げられる。
そして軍功を挙げ続ければ、民も公族も関係なく高い地位に上りつめることができた。
つまり『キングダム』で騰のような外国人が出世したことも、下僕だった信が将軍になったことも、秦が強大になれた一因だったのだ。
(参考:始皇帝 中華統一の思想 渡邊義浩著)
ファルファル伝説!幼少期、剣術の師匠は「面白さとボケ」の師匠でもあった
騰は6才のころ、師匠の下で修行に励んでいた。この様子は『キングダム』54・55巻の巻末おまけマンガで描かれている。
意外なことに、当時の騰は剣術よりも死にかけのセミに夢中なひどいボケボケ少年だった。
さらに、少年騰に負けず劣らずボケボケなのがこの師匠である。二人の掛け合いはどうかコミックを見て欲しい。
この笑いは文章では表現できない。
さてファルファルの奥義だが、それは“螺旋”だ。
師匠によると一見止まって見える剣先はわずかに円を描いている。剣の柄の尾を小指で回転させているらしい。それが刃の先端に伝わりわずかに回転する。この円を増幅させ大きな円を描くことで、無敵の螺旋へと成長する。
そして師匠はこう言い残した。
「お前はお前のファルファルの音色を見つけるのだ。それがお前のファルファル道だ。とにかく!」
ファルファル剣術の謎より、騰のボケ・ツッコミの謎が解けたような気がする。
最強騎馬隊を率いる騰の強さは?驚異の螺旋剣術が光る
本日より超武神ガチャに「新UR騰」が登場!王騎と一緒に戦場を駆けよう! https://t.co/zeME8tpdnv #キングダム乱 #キンラン pic.twitter.com/Y9rsAhZbVT
— キングダム 乱 -天下統一への道- (@KingdomRan) April 13, 2018
個の武力も圧倒的な騰。率いる騎馬隊の突破力も凄まじい。
彼の武力を主要シーンとともに紹介する。
死地と化した馬陽!一気に猛将モードへ
「キングダム16巻166話~」
李牧が到着し、龐煖が立ちはだかった馬陽終盤。それまでの騰は王騎の側で相槌を打つか、助言をする参謀的存在に見えた。
しかし窮地に追い込まれたこの場面では、一気に個の武力を見せ始める。龐煖との一騎打ちで王騎本陣の動きが止まる中、敵軍師・趙荘へ向け騰が怒涛の突破!
独特の流輪を描く剣の軌道は「ファルファル」と音を立てながら、一直線に趙荘目掛けてやってくる。
趙荘「な、何ということだ・・・これほどの化け物だったとは・・・王騎め、あえて隠しておったな!!」
勢いのまま、騰は一気に趙荘を討ち取る。
後の什虎でも描かれることとなるが、この騰が率いる騎馬隊は恐らく秦軍の中で最強の突破力を誇るだろう。
いざという時に見せる圧倒的武力!vs臨武君
「キングダム26巻282話」
同金の仇であり、楚軍の第一将・臨武君(りんぶくん)。録嗚未が挑むもビクともしない。
それどころか助太刀した鱗坊も敵将・白麗の矢に倒れ、元王騎軍の軍長がまたひとり逝った。
さらに録嗚未も臨武君の剛腕の前に、馬上から叩き落される。まさに絶体絶命の危機だった。
その時!
ファルファルファルファル
万の軍の中を一切立ち止まることなく、軽々と進んでくる一騎の騎馬。自然と武者震いを発する臨武君。
辛うじてファーストコンタクトは互角だったが、その後は一方的に押される臨武君。
彼は問う。
「バカな・・・貴様は一体何者だ!」
万を持して答える騰。
「天下の大将軍だ」
虚勢でも冗談でもない。
永らくNo2として王騎に仕えてきた。しかし、いざとなればいつでも王騎の代わりを務めるだけの自信はあることは彼の大まじめな眼が物語っている。
ただ録嗚未はツッコまざるを得ない。
録嗚未「あんたは違うだろ」
天才軍師・呉鳳明も認めた!知将としての騰の活躍を解説
魏の天才・呉鳳明をして軍師並みの知を持つと評される騰だが、彼には明らかに特殊能力が備わっている。
その詳細を主要シーンとともに紹介していこう。
未出の天才・媧燐とやり合う!騰軍の防衛戦
「キングダム28巻297話~」
戦象(南国由来の戦闘用の象)部隊に録嗚未と干央を送った騰だったが、象が去った後の砂煙の中から敵本陣が出現。派手な戦象部隊は媧燐の陽動作戦だったのだ。
さすがにしてやられた感を否定できない騰。
しかし彼は即座に釣り鐘型の固い防陣を組み直し、敵襲に備える。
騰「援軍は送らぬ」
なんと戦象部隊に送っていた録嗚未と干央を見殺しにすると言うのだ。
この迅速で的確な対応に媧燐も一目置きはじめた。
媧燐「初動としてはわるくないんじゃねェの?」
知の天才同士の戦いは、プロ棋士の対局に似ている。
何手も先を読み合うプロ同士の戦いでは、一手の悪手が即敗戦へとつながる。
ここから騰、媧燐の両者は一手一手最善の手を打ち合い、互角の戦いを繰り広げるのだった。
天才と天才は通じ合う!呉鳳明との共鳴!
「キングダム60巻655話」
什虎の戦場は楚・什虎軍11万を、魏軍7万と秦軍5万で挟み込む戦況となった。数で上回る魏秦軍だったが、膠着状態からむしろ押される展開となる。敵は要所要所を什虎カルテット(4人衆)と項翼・白麗が抑え、個の強さが同時多発的に発揮される。
この戦況を打開すべく戦略の天才・呉鳳明が魏・秦両軍へ指示を出す。
動き始めた一部の軍を見て、騰はすぐにその真意を理解。
騰「そういうことか、呉鳳明。よかろう、心得た」
だれも騰に何も伝えていない。
騰の凄い所は、平地の戦場に居ながら戦場全体と呉鳳明の策を理解したことだ。呉鳳明本人ですら、高台から戦場を見ながら指揮しているのにだ。
合従軍戦でもそうだったが、騰は常に戦場の最前線に居ながら戦場全体を把握する“俯瞰で物事を把握する”特殊能力を身に付けているようだ。
この能力と個の武力が合わさった時、彼の騎馬隊は最大の突破力を発揮する。
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