このサイトの持つ大事な役割
ところで ALL REVIEWSで読める多くの情報(書評)は、過去に新聞や雑誌などという紙媒体で発表・掲載されたものである。
このサイトはそれを集めて〝再録〟して活用しているわけだが、膨大な数の資料から必要箇所だけを選別して抜き出して、テキストデータ化して校正してからサイトに投稿する……そういう作業工程を踏んでいるらしい。
運営されている由井緑郎さんから聞いた話だが、これは一人でやるにはかなり途方も無い作業であると思われた。
そう、実はこちらのサイトの運営スタッフは由井さんただ一人きりなのである。
今年の10月になってからサポートスタッフと業務の一部である〝校正〟を分業して行うようになったらしい。
初めてそれを知った時は、とてもじゃないが「信じられない…!」と驚いたのを覚えている。
例えば、ほんの十数年ばかり世代が違うだけなのに当時の良書を読むことができる機会・その存在を知る機会を失ってしまうのは実に惜しい。
リアル世代じゃない人にも知って欲しい。そして、その逆もまた然り。
書籍を通して他世代との交流を深めたり、互いの言動のベースとなるバックグラウンドや様々な価値観を知ることは、世代問わず〝閉鎖的な環境にある人〟や〝今を懸命に生きる人〟にこそ必要に思われる。
温故知新という言葉あるように、古いものを知ってこそ生まれる〝今を生きるための知恵〟があるように思うからだ。
そう思える本は、古い既刊の中にも沢山あるのだ。本物の良作は色褪せないものだと言われている。そして、その存在を効率よく教えてくれるのが〝書評〟だと、僕は思う。
忘却の彼方に追いやられてしまうにはあまりに貴重で価値のある文章。
この記録に世の忙しい人々が気軽に触れられるように発信し続けることにどれだけの意義があるか……それを思うと、とかく長生きして欲しいサイトだと感じる。
書評家の力作の多くは、魂に響く呪文のようなエネルギーを持っている。
英知に溢れた言葉の集合体 は、優れた知識や深い思考能力・真理を捉えた世界の一つを教えてくれる。荒野で生き抜くための糧を与えるように。
無数にある知性の塊という宝石に〝手軽に〟〝気軽に〟〝最短距離で〟たどりつく……このWebサイトが〝欲しい〟〝好きだ〟〝面白い〟と思う〝それぞれの宝〟に導いてくれるだろう。
個人的な解釈ではあるが「ALL REVIEWS」は、そういうWEBサイトだと思う。
「黄色いVIEには、別の意味も込められているのでは?」
最初に僕はそう思った。そして少し調べてみたのだが、この原稿を書き上げた当初は納得のいく答えを見つけられなかった。
しかし、先日ようやく鹿島さんの著書を読む機会に恵まれて気付いたのだ。
(読者の皆さんは、とっくにお気づきの方も多いだろうが)英語も苦手な僕にはサッパリ想像もつかなかったのだ……
フランス人の間では「La vie」という単語が、毎日のように使われるらしい。意味は「命、人生」なんだとか。
VIEには、生命や人生である〝生〟という意味があったのだ。
僕が、「人生に必要なもの」は〝今を生きるための知恵〟や〝荒野で生き抜くための糧〟 などと表現した(語りつくせない)思いや願いを、主宰の鹿島さんは〝VIE〟という短い単語に要約して込めたのではないだろうか。
それをロゴデザインに隠して、敢えてビジュアルのみで伝えてくるあたり、鹿島さんは粋なことをされるのが得意な方なのかもしれない。
いつかお会いすることが叶うなら、この答えを聞いてみたいものだ(笑)
12/29(土)リリース! 「ALL REVIEWS 友の会」
明治以来の活字メディアに発表された〝全ての書評〟を無料で閲覧可能にする〝書評アーカイブ〟ウェブサイト。
しかも、こちらのサイトは〝書評家還元のシステム〟という、ナイスなアイディアも搭載している。
書評対象書籍をALL REVIEWS経由で購入すると、書評家に購入書籍価格の0.7%〜2.1%(Kindle本の場合5.6%)が書評家に還元されるシステム。
同様に、書評家のプロフィールページから書評家の著作を購入しても、購入書籍価格の0.7%〜2.1%(Kindle本の場合5.6%)書評家に還元されるそうだ。
そして今回、新たな取り組みがスタートした。
「ALL REVIEWS 友の会」とは
ずばり、ALL REVIEWSのファンクラブ!
しかしただのファンクラブではなく、右肩下がりと言われる出版業界を、「書評という切り口でどう盛り上げていけるか」を「考えて行動する」ファンクラブを目指しています。従来の「ファンクラブ」と、いま流行りの「オンラインサロン」をミックスさせた存在とお考えいただくとよいかもしれません。「新しい書評のあり方」を探すため、どうぞお力をお貸しください。【どんなことができる?】
① 月2回、会報代わりに「今月必読の本」を紹介する非公開YouTube番組を閲覧可能
② Facebook非公開グループへご招待!
③「ALL REVIEWS」を使った様々な企画立案が可能
「ALL REVIEWS 友の会」はコンテンツ製作所にもなるかもしれない
動画コンテンツ「月刊ALL REVIEWS」はあくまで「会報」です。
「ALL REVIEWSを使ったコンテンツ」を自由に考えて実行に移していくことこそが「ALL REVIEWS 友の会」の一番の醍醐味かもしれません。例えば、
・「ALL REVIEWSのメルマガが作りたい!」
・「ALL REVIEWSに参加している書評家の『書評講座』が受けたい!」
なども面白いと思います。
「やりたい」という気持ちを尊重して、立案から実施まで、管理人もお手伝いしながらやっていきます。また、会員には、ALL REVIEWSからの投げかけもさせていただくことがあると思います。
・「書店さんとのリレーションを作りたい!アイデア求む!」
・「本好きが本当に求めている読書グッズを作りたい!デザイン募集!」
などなどなど…。
はては「出版業界が盛り上がる」仕掛けも考えていければよいと考えています。
どうぞお力をお貸しください。宜しくお願い致します!!!
運営の由井さんはこう語っていた。
「会員数よりもまず、出版社の人と書店の人と読書好きがつながれる場にしていくことが大事だと思っています。あとは居心地の良さですね。サポートスタッフ間のワークスペースでも、まだまだ心地良い場所づくりを完全にはできていないから、日々これ学びです。
友の会の方でも、これからの運営がサポートスタッフのとき以上に大変になるかなぁと思うので、それを想像するとワクワクします!!」
なんとも前向きで、バイタリティーに溢れた言葉だろう。この方にしてこのサイトあり、という感じが伝わってくる。
本好きしかいない濃密なコミュニティーで、読書や出版に関しての交流をしながら「ALL REVIEWSを使ったコンテンツ」を自由に考え、参加者のスキルを活かして、実現に移していくことも可能だと、募集告知には明記してあった。
本好き同士がオンラインで話し合いながら、ファンが見たい・参加したいと思うオリジナルコンテンツを作り出していく・・・
読書好きであり、紙や本そのものが好きであることを自負している僕としては、ぜひとも〝ReaJoy〟に遊びに来てくださる同好な皆様には、「ALL REVIEWS」を経由した書籍の購入を検討していただきたい……そう思わずにはいられない。
これまでにないような切り口と、若者のニーズや外出困難なユーザーに合ったツールを駆使して「出版危機」や「書物の消費財化」にストップをかけようと奮闘している読書系サイト。
みなさんにも、ぜひ応援して欲しいサイトである。
2018.12.29 writer 望月アキオ
(2019年1月18日 加筆)
ALL REVIEWSに掲載されている全ての書評・解説・読書日記・コラム・対談・鼎談は、著作者または著作権継承者の同意を得た上で掲載されており、著作権は著作者または著作権継承者に属しています。間違っても無断転載などの侵害行為をしないようご注意ください。
つい長くなりがちなのですが、ここまでお付き合いいただけて嬉しく思います。そんな優しいあなたに付け込んで、さらに宣伝しちゃうのがアキちゃんことアキオですw
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実は今月(2018年12月12日)文芸サークルを立ち上げて、仲間と創作活動をし始めました。夜更かしメンバーが集まったサークルで、そのうちの一人はReaJoyライターの織さんです。サークル名は「あさぼらけのつき」。
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ReaJoy掲載記事を含む読書系コンテンツの特集記事・詩歌・エッセイ・書評などを詰め込んだオリジナル雑誌、各種小説、絵本や雑貨を製作して、全国各地の文学フリマに出店していきます。
目標は、書評+小説家なトラベルライターになること!笑
Instagramでは散文詩や取材記録を投稿中!Twitterでは日々の出来事を綴っています。ぜひぜひ遊びにきてください☆
この記事を読んだあなたにおすすめ!
【ベクトルは過去→既知のしみじみ+追体験】高校生と、かつて高校生だった人のための読書案内
素晴らしい!
私の拙いブログにも、この記事へのリンク張らせていただきます(*^o^*)
hiroさん
コメントありがとうございます!hiroさんのブログ、拝見しました。連続600日更新(でしたよね?)素晴らしいです。とても真似できない…( ゚Д゚)
しかも、文体がめっちゃカッコいいです!なんてことでしょう!!
ご自分が心地よいと感じる独特のリズム・言葉遣いを確立されている印象を受けました。それが素敵です。
僕はそういう意味では模索中の身なので、あっちへふらふら…コッチヘフラフラ…と足元がおぼつかない感じです。
やはり、どっしり構えて安定した視点で自分らしい〝なにか〟に的を絞り、それを磨くことに集中してエネルギーを注ぐほうが、より深く・広範囲に・強く心に響くように思うのです。
そんなわけで、修行僧のように日参して崇めたいと思った次第ですw
今後ともお世話になります。(/・ω・)/
ブログ記事内で紹介していただいて有難うございます!!
めっちゃ褒められてて焦りましたけどね!笑💦