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『微笑む人』原作小説ネタバレ感想【え、殺した理由 おかしくないですか??】

『微笑む人』書影画像

殺人事件。

それは今日もどこかで起こり、ニュースで聞かない日はないだろう。

問題は、「誰が、どんな理由で、誰を殺したのか」だ。

例えば、子や配偶者が、介護疲れの末に殺してしまったというものなら、まだ同情の余地はあるかもしれないが、強盗目当てや通り魔的なものであれば到底許すことはできないだろう。

ましてや、身内が加害者になったら・・・被害者になったら・・・考えただけでもゾッとしないだろうか。

今回のミステリーは、ありきたりな真相は全て否定される謎めいた話だ。

いったいどんな話だというのか。

こんな人におすすめ!

  • ミステリーが大好き
  • 推理するのが大好き
  • ありきたりな結末には飽きた
  • 結末がはっきりしない話が好き

あらすじ・内容紹介

「本が増えて家が手狭になったから、妻子を殺した」

逮捕された仁藤俊実(にとう としみ)の自供に「そうだったのか」と納得した人間はいないだろう。

誰だって、こんな動機を聞いたら「ふざけるな」と思うのではないだろうか。

どう考えたって、人間はそんな理由で家族を川に沈めて溺死させたりはしないと思うだろう。

仁藤はどうして家族を手にかけ殺したのか?

そもそも本当に仁藤が犯人だったのか?

小説家の「私」は事件をノンフィクションにまとめるべく取材を始めることにした。

「いい人」と評される仁藤。

しかし、過去にさかのぼるとなんと、彼の周囲で不審死を遂げた人間が他にもいることが判明するのだ。

きな臭いと思わないはずがなかった。

『微笑む人』の感想・特徴(ネタバレあり)

「誰が、なぜ、どうやって殺したのか」全て判明している

通常、ミステリー小説というものは「何か謎があり、それを解明していくストーリー」と言うのが大原則ではないだろうか。

しかし、この話はそうではない。

仁藤が逮捕された時点で、既に事件は終わっており、「誰が、なぜ、どうやって殺したのか・証拠はあるのか」についてはすべて揃っている状態。

このままだと、最初から結末がわかっているのに読むような味気無さがないだろうか。

物的証拠も、目撃者証言もあり、何より本人が殺人を認めている。

しいて言えば、動機がふざけているように思えることくらいだろうか。

しかし、「わかっているという不可解な状態」が読みたいという思いを刺激するのだ。

仁藤は典型的なエリートサラリーマンとしての人生を歩んできたといえる。

仁藤の半生に暗い影はなく、今現在も幸せを絵に描いたような状態だった。

だからこそ、何が不満で妻子殺しという凶行に及んだのか、誰も理解できなかった。

「仁藤が犯行に及んだ理由がまったくわからないこと」がわかり、より謎を深めていくのだ。

このミスリードな展開がぞくぞくして癖になるのだ。

今回が初犯ではない?

小説家の「私」は事件を取材するため、仁藤の過去にさかのぼって取材を進めていく。

すると、仁藤の周囲で不審な死が次々と見つかるのだ。

  • 仁藤の逮捕後、ダム湖から同じ勤め先の梶原敬二郎(かじわら けいじろう)の白骨が発見される
  • 仁藤の大学時代、大型ダンプカーの左折に仁藤の同級生が歩行者として歩いていた際、巻き込まれて死亡
  • 仁藤の中学生時代、隣家の主人が大型ダンプカーの左折に巻き込まれて死亡

ここまで見ただけでも「大学時代と中学時代の大型ダンプカー事故、なんだかおかしくないか?」と思ってしまわないだろうか。

どちらの大型ダンプカー事故も、交通事故として処理されているが、仁藤に関係のある人が死亡しているのは紛れもない事実。

小説家の「私」もだが、読んでいる側だって「おかしい」と思うのが自然ではないだろうか。

こうして、仁藤の人生を巻き戻していくと、なぜか不審な死が周りに幾つかあるという不可解な事実。

限りなく不気味で、でも読まずにはいられない展開に手に汗握るのは間違いないのではないだろうか。

不審な死はまだあった。

・小学校時代、仁藤の同級生の女の子の義父が階段から落ちて事故死

普通の人間なら、こんなに周囲に不審死が転がっているなんてありえない。

後に、この同級生の義父は同級生の女の子が階段から突き落としたことがわかるが、仁藤を疑いたくもなるだろう。

殺人によって困難な事態を解決するという方法を、そのとき知ってしまった。

それが後に、どれだけの影響を彼に与えたか計り知れない。

人を殺しても捕まらないことがあるとわかっていれば、殺人も選択肢の中に入ってくる。

むしろ、これまで私が見てきたように、殺人は仁藤にとって安易な解決法になっていたのだ。

こんな過去が現れたら、取材を進めていくうちに混乱してしまいそうだ。

小説家の「私」も騙された

小学生のときに仁藤と同級生だったショウコは夜の店で働いており、小説家の「私」は同じ店で働いているカスミという女性に紹介してもらい取材を行う。

しかし取材後、カスミは「ショウコさんって、前から虚言癖がある人なんですよね」と言い出す。

もしショウコの話がすべて嘘だったら、とても本に書くことはできない。

小説家の「私」はカスミに会って話を聞くことにするが・・・。

わからないのって、落ち着かないですよね。

本の置き場が欲しいから妻子を殺したとか、一年後の昇進が待てなくて人殺しをするとか、わけがわかりませんもんね。

そんなおかしな人にも、わかりやすいトラウマがあれば納得できますよ。

ショウコが義理の父親を殺した場面を目撃したことがトラウマになり、仁藤という人は殺人をなんとも思わなくなった。

そういう解釈をしていた小説家の「私」。

しかし、実はカスミの本名こそがショウコ。

「私」はカスミ(=ショウコ)が黒幕で、取材を妨害することが目的だったのだと悟るのだ。

結局は、「仁藤が過去の事件に関与していたのか」「仁藤が妻子を殺害した本当の動機」「仁藤の過去にトラウマとなる事件があったのか」全部謎のまま終わるという結末で幕を閉じるという迷宮に迷い込んだような気持ちで読み終えることになるのだ。

まとめ

最初からミステリー小説の定番である謎がすでに解かれた状態から始まるのに、結末がわからないまま終わる不思議で迷宮入りしてしまうこの物語。

こんな頭が混乱しそうな話だが、読んでみるとたまらなく癖になるのは間違いない。

ぜひ一度その目で確かめてみてほしい。

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