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『厭魅の如き憑くもの』あらすじと感想【因習の残る村で起こる、連続殺人事件】

『厭魅の如き憑くもの』あらすじと感想【因習の残る村で起こる、連続殺人事件】

数々の因習が残る土地「神々櫛村(かがくしむら)」で起こる、不可思議な連続殺人事件。

犯人は人か、厭魅(まじもの)か⁉︎

素人探偵、刀城言耶(とうじょうげんや)が謎と因習に挑む!

こんな人におすすめ!

  • ホラー小説が好きな人
  • ミステリー小説が好きな人
  • 昭和を舞台にした小説が好きな人

あらすじ・内容紹介

戦後間もない、昭和30年代のある年の4月。

幻想怪奇作家・刀城言耶は、取材の為に神々櫛村に訪れた。

そこは憑き物筋の巫女による呪いを行う「谺呀治家(かがちけ)」と、非憑き物筋の家系たる「神櫛家(かみぐしけ)」の二つの旧家が対立する村。

古来より不可思議な伝説を持ち、神隠しや謎の怪異「厭魅」の存在が噂されるその村で、不可解な連続殺陣事件が起こる。

皆がアリバイを持つ中での殺人、死体の装飾、そしてその影に見える厭魅の存在。

犯人は人か?怪異か?

昭和の名探偵、刀城牙城(とうじょうがじょう)を父に持つ素人探偵・刀城言耶が、因習を打ち砕こうとする村の若者「漣三郎(れんざぶろう)」や、自らの「憑き物筋」という血に翻弄される少女「紗霧(さぎり)」達の力を借り、事件に挑む!

『厭魅の如き憑くもの』の感想・特徴(ネタバレなし)

不気味な村で起こる、怪異と殺人

最初から何も考えずに怪異を受け入れてしまう思考の停止は、人として情けない。かといって人知を超えたものなど存在しないと断じるのは、人として驕っている

ミステリー小説の魅力とは、即ち「謎」の魅力だと言っても過言ではないだろう。

ミステリーとホラーの融合を謳う本作では、ホラー要素がミステリー要素を、ミステリー要素がホラー要素を互いに高め合い、見事な「謎」を演出している。

舞台となる村には、数々の因習や伝説が残っている。

夜道には謎の影が跋扈し、辻には村の神たる「カカシ様」が乱立し、憑き物筋の巫女である紗霧の背後には不気味な影が蠢いている。

そして山から現れる謎の怪異、厭魅の存在。

余所者である刀城言耶だけでなく、土地に住む者までもが夜道を歩くことを躊躇する村を彩るのは、カカシ様を模した死体の数々。

動機のある者は皆一様にアリバイがある。

誰もが怯える中で嘲笑う様に殺人を行う何者かは、果たして人なのか?

そして、かつてこの村で起こった神隠しとしか思えない行方不明事件との関わりとは?

物語を盛り上げる多彩な謎からは、決して目が離せない。

大量に盛り込まれる、民族学的知識

はじまりが神隠しにあったとなると、少し厄介だなぁ

物語全体に漂う不気味さを更に盛り上げるのは、作中で刀城言耶が語る数多の「民族学的知識」だろう。

例えば「憑き物筋」。

今作で非常に重要な意味を持つこの因習について、「これ一冊を読めば一通り分かる」と言っても過言ではないほどに詳細な説明がなされる(余談だが、このような多様な知識を盛り込んだ小説を俗に「衒学(ペダントリー)小説」と呼ぶ。特に有名なのは、小栗虫太郎著『黒死館殺人事件』だろう)。

物語そのものに大きく関わることは無いものの、その解説は村の不気味さを更に際立たせる。

著者である三津田信三氏の持つ膨大な知識から生まれるこの要素は、特に「因習に縛られた村」系の作品が好きな人はしっかり読んでおけば、別作品への理解の助けにもなるだろう。

二転三転する推理劇

そのうー……どのように切り出したものかと、正直なところ少し戸惑っています

今作の主人公、刀城言耶は「素人探偵」である。

ミステリーとしては異色なこの要素が、「刀城言耶シリーズ」と呼ばれるこのシリーズの大きな魅力を引き出している。

普段の彼は、ただ単に怪異に目がない幻想怪奇作家であって探偵ではない。

だからこそ、その謎解きの作法は「名探偵」のそれではない。

彼は先ず事件の疑問点を箇条書きで列挙し、あらゆる要素からその疑問点を潰していく、という推理方法を取る。

また真相の分からない謎に対しては、ありがちな名探偵よろしく「決定的な証拠」で看破する、という手法ではなく「とりあえずの合理的な説明をつける」という独特な潰し方をする。

そうして謎を潰していき、最後に残った結論が真相である、というのであればまだ定番の範疇だが。

しかし彼は、推理を披露する最中にも推理をする、という規格外の行動を取る。

これにより彼の推理と、それが指し示す犯人は二転三転。

「名探偵、一同集めてさてと言い」の「さて〜」の内容が何度も変わる上に、推理の中で新たな事実を発見することすら有るため、推理の様子は1行たりとも読み飛ばせない。

彼の一風変わった推理劇は、言ってしまえば「よくあるシチュエーション」へのスパイスとして、物語に新たな刺激を加える魅力的な調味料だ。

まとめ

因習の残る村や不可思議な殺人事件、死体の装飾、といった要素から、ともすれば如何にも「横溝正史」的な良くあるタイプの小説だと考えかねない。

しかしその実、「ホラーとミステリーの融合」というテーマを見事に描き切り、最後の1行を読むまでは何方とも断言できないその作風は見事の一言である。

「よくある設定のミステリー」に飽きている人ほど、是非とも手にとって欲しい一冊だ。

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