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『首無の如き祟るもの』あらすじと感想【次々と現れる首無し死体は何を語る!?】

『首無の如き祟るもの』あらすじと感想【次々と現れる首無し死体は何を語る!?】

昭和18年の仲秋。

奥多摩の奥深くにある姫首村(ひめかみむら)には、旧家である秘守家(ひがみけ)が君臨している。

秘守家の長男・秘守長寿郎(ひがみちょうじゅろう)とその妹・秘守妃女子(ひがみ ひめこ)は、秘守家に伝わる儀式「十三夜参り」に臨むこととなった。

長寿郎の身を案じ、後から追いかけていた使用人の斧高(よきたか)。

彼は長寿郎と共に、妃女子の首無し死体を見つけることとなる。

そして10年後。

「二十三夜参り」と「婚舎の集い」が執り行われる中、村で次々と首無し死体が発見される…。

シリーズ最高傑作と名高い、「刀城言耶シリーズ」第3弾!

こんな人におすすめ!

  • ホラーが好きな人
  • 作者に騙されたい人
  • ミステリーが好きな人

あらすじ・内容紹介

奥多摩の奥深くにある姫首村。

村の旧家である秘守家は、代々「淡首様」の祟りに悩まされ、凡ゆる呪いをもって対策を打っていた。

「三々夜参り」と呼ばれる、出生時、3歳、13歳、23歳になる度に行われる儀礼も、その一つだ。

秘守家に仕える6歳の使用人・斧高は、優しく接してくれる秘守家の長男・長寿郎の身を案じ、十三夜参りに臨む彼の後を追った。

そこに現れたのは、長寿郎の双子の妹・妃女子の首無し死体。

しかし秘守家の人間達は、彼女の死体を早々に片付け、有耶無耶の内に処理してしまった。

そして10年後。

長寿郎は二十三夜参りに臨む。

この儀礼を終えれば、長寿郎は誰かと結婚する。

その現実に戸惑いながら、それでも長寿郎を支える斧高。

しかし儀礼は順調には終わらなかった。

次々と現れる、首無し死体。

怪異「首無」の祟りだと村中が騒ぐ中、姫首村に来訪した推理作家の江川蘭子(えがわ らんこ)は首無し死体の分類を試みる。

果たして犯人は、人か首無しか?

そして、秘守家の儀礼の真の意味とは?

見事な「ホラーとミステリーの融合」を魅せる刀城言耶シリーズの中で、最高傑作との声も名高いシリーズ第3弾!

『首無の如き祟るもの』の感想・特徴(ネタバレなし)

凝りに凝った儀礼

く、首無だ……い、いや、淡首様だ……

「刀城言耶シリーズ」の大きな魅力と言えば、著者である三津田信三氏の持つ膨大なら民俗学的知識から来る「オリジナルの宗教儀礼」ではないだろうか。

三津田信三氏は、実在する文献や伝説から意味を繋ぎ合わせ、怪異に対して言わば「合理的」な儀礼を見事に生み出す。

今作でも、九十九折の階段が続く建物「栄螺塔」や、秘守家に伝わる「三々夜参り」といった、オリジナリティと説得力が同居する見事な宗教儀礼を描いている。

そしてその儀礼の完成度故に、そこまで対策しなければならない「淡首様」や「首無」の祟りは、より恐ろしさを増す。

怪異に対する強い対策を描くことで、逆説的に怪異の恐ろしさを描く手法は、著者ならではのものだろう。

首の無い死体の分類

なぜ犯人は被害者の首を切ったのか

本作において事件の渦中に身を置き、探偵としての活躍を見せるのは男装の女性推理作家・江川蘭子。

彼女は同人誌「グロテスク」の発起人にして、数々の名作探偵小説を上梓してきた、正に才媛だ。

そんな彼女は、村や秘守家の事情に詳しい斧高と共に、次々と発生する「首無し死体事件」に挑んでゆく。

特に作中で彼女が披露した、「首無し屍体の分類」は、恐らく首無し死体を扱ったあらゆる小説を推理するのに、大変有用な資料にもなるのではないだろうか。

そして、余所者でありながら村の事件に関わる江川蘭子の意図とは?

彼女の動向からも、決して目が離せない。

「謎を解く舞台装置」では収まらない魅力を放つ刀城言耶

もちろん淡首様の祟りを恐れるが故ですよ

本書は、姫首村の駐在である高屋敷元(たかやしき はじめ)の元妻で媛之森妙元(ひめのもりみょうげん)の名で活動する小説家、高屋敷妙子(たかやしき たえこ)が、斧高から聞いた話などをもとに小説化したものを資料に、更に刀城言耶が小説として再編した、という複雑な形式となっている。

そして、事件の渦中にいるのは江川蘭子だが、当然本作における探偵は刀城言耶であるべきだ。

推理は、刀城言耶らしき人物と高屋敷妙子の会話の中で進んでゆく。

彼の推理方法である、「疑問点の羅列」や二転三転する推理劇もさることながら、最後の最後で高屋敷妙子が抱く「ある疑問」。

そして、本書の最後に差し込まれる「とある情報」から明らかになる事件の全貌と、小説内に仕掛けられたギミックは、最後まで読み通した読者に戦慄を与えるのではないだろうか。

さて、少し話題は逸れるかもしれないが、「ミステリー小説」というジャンルは、シリーズが続くにつれて探偵の扱い方が難しくなってくる。

事件の渦中にいるにも拘らず、物語の最後まで謎が解けないのであれば、「謎を解き明かす名探偵」という魅力が失われてしまう。

かといって最初の事件が起こった段階で謎を解いてしまえば、これはもう物語が成り立たない。

それ故、シリーズが続くほどに探偵の登場は遅くなり、デウス・エクス・マキナ的な「謎を解く舞台装置」と化すこともままある。

しかし、今作での刀城言耶は登場こそ最後だが、決して謎を解くためだけに存在する舞台装置では収まらない魅力を放っている。

彼の魅力もまた、今作の完成度を高める非常に重要な要因だ。

まとめ

刀城言耶シリーズ最高傑作との呼び声高い今作は、「村に伝わる怪異と儀礼」を巧みに描き、見事なオリジナリティと説得力を持たせている。

それでいて「首の無い屍体の分類」という本格探偵小説の要素も多分に盛り込むことで、恐ろしい怪異が現れるホラー小説と、魅力的な謎が提示されるミステリー小説の魅力を掛け合わせ、新たな魅力を生み出している。

今作では刀城言耶の活躍が、シリーズ中でもかなり短いにも拘らず、最高傑作と呼ばれるほどに評価されているのは、こういった要素を巧みに掛け合わせる作者の手腕によるものだろう。

ホラー小説が好きな人も、本格推理が好きな人も、双方是非とも読んでみて欲しい。

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