『続終物語』あらすじと感想【〈物語〉は続き続ける。最後の舞台は鏡の世界】

『続終物語』書影画像

阿良々木暦が目にするのは、全てが反転した世界。

果たしてこれは、怪異現象なのか…?

続き続ける阿良々木暦の〈物語〉の、総決算!

こんな人におすすめ!

  • 『〈物語〉シリーズ』ファーストシーズンを読了済の人
  • 『〈物語〉シリーズ』セカンドシーズンを読了済の人
  • 『〈物語〉シリーズ』ファイナルシーズンを読了済の人

あらすじ・内容紹介

高校2年生から3年生にかけての春休みに、伝説の吸血鬼に襲われた高校生、〈阿良々木暦〉。

吸血鬼もどきの元人間として生きていくこととなった彼は、様々な人と、様々な怪異と触れ合ってきた。

鬼と、蟹と、蝸牛と、猿と、蛇と、猫と、蜂と、不死鳥と、そして闇と共にあった1年間を終え、無事卒業を迎えたその翌日。

洗面所の鏡に映った自らの姿が、完全に静止していることに気づいた阿良々木暦は、不用意にもその鏡面に手を触れてしまう。

その瞬間、まるで泥沼のように鏡面に沈み込んでいった彼が辿り着いたのは、全てが反転した鏡面世界。

街の様子や目に映る文字だけでなく、そこに棲まう人々までも、全てが反転した世界。

果たしてこれは、如何なる怪異現象なのか。

そして、元の世界へと帰る手段はあるのか。

自らの〈物語〉に決着をつけた阿良々木暦が挑む、『〈物語〉シリーズ』のボーナスステージ。

青春が終われど、〈物語〉は続き続ける!

『続終物語』の感想・特徴(ネタバレなし)

最後の舞台は〈鏡の世界〉

鏡は古来より、真実を映すもの

長きに渡った『〈物語〉シリーズ』の最後の舞台は、全てが謎に包まれた〈鏡の世界〉。

目に映る文字も自転車のブレーキの前後も反転した世界に、阿良々木暦は取り残される。

見も知らぬ世界に1人取り残されるのは、考え方に依っては非常に恐ろしい状況だが、そこは数多の試練を乗り越えてきた阿良々木暦。

深刻な状況をモノともしない軽妙なモノローグで、茶化しつつも的確に現状を説明する。

シリアス過ぎず、さりとて深刻さに気づいていない訳でもない彼の語り口は、読者に謎の安心感を与える。

特に、鏡の世界から抜け出す手段として参考にするのが『ドラえもん』の劇場版、というところなどは、正に阿良々木暦が阿良々木暦たる所以だろう。

怪異と触れ合った1年間を通じて、大きな変化をしつつも変わらない彼の魅力を、存分に味わえるはずだ。

各キャラクターたちの〈鏡映し〉の姿

このパズルもすごいし、このパズルを解ける私もすごいでしょ!

阿良々木暦が迷い込んだ〈鏡の世界〉で反転しているのは、文字やブレーキの前後だけではない。

これまでの『〈物語〉シリーズ』に登場した様々なキャラクターたちも、また反転した姿で登場する。

阿良々木暦よりも高身長であったはずの上の妹〈阿良々木火憐(あららぎ かれん)〉は、身長が縮んで登場し、小学生の〈八九寺真宵(はちくじ まよい)〉は、『傾物語』で登場した21歳の成人女性(通称〈二十一九寺おねーさん〉)として姿を見せる。

棒読み無表情がアイデンティティであったはずの式神童女〈斧乃木余接(おののき よつぎ)〉は、驚愕のキメ顔を披露。

そして何より、初登場から先あまりにも凶悪な振る舞いを見せつけたヒロイン〈老倉育(おいくら そだち)〉は、なんと阿良々木暦に対して(やや過剰気味に)スキンシップを取る朗らかな少女となっている。

その他にも多くのキャラクターが、今までにない姿を見せてくれる。

是非とも、これまで見られなかったキャラクターたちの振る舞いを堪能してほしい。

そして〈あのキャラクターたち〉も登場

知っているとか知らないとか、そんなことはどうでもいいんだよ

勿論今作にも、阿良々木暦の〈物語〉を語る上で欠かせない少女〈忍野扇(おしの おうぎ)〉が姿を見せる。

『〈物語〉シリーズ』セカンドシーズンから姿を見せ、暗躍し、登場人物たちの〈物語〉を引っ掻き回した忍野扇。

『終物語(下)』において、とうとう正体を暴かれ、完全に決着が着いたはずの彼女が、今作においてどの様な役割で登場するのかは要注目だ。

そして更にもう1人、見逃せない人物が登場する。

ヒロインが1人〈神原駿河(かんばる するが)〉の実母にして、専門家の元締め〈臥煙伊豆子(がえん いずこ)〉の姉、〈臥煙遠江(がえん とおえ)〉である。

〈何でも知ってるおねーさん〉として無類の活躍を見せた、あの臥煙伊豆子ですらも苦手意識を持っていたという、臥煙遠江。

そんな彼女が、満を辞して阿良々木暦の前に姿を見せる。

臥煙遠江と阿良々木暦の初のダイアローグからも、目が離せない

まとめ

『〈物語〉シリーズ』ファイナルシーズンの、本当の最終巻となる今作は、ボーナスステージ的な作品で有りながらも、シリーズの総決算として〈物語〉を見事に総括している。

2006年に発刊された『化物語』から、2014年発刊の『続終物語』まで、8年にも渡る『〈物語〉シリーズ』を追い続けた読者にとって、非常に満足度の高い1冊だろう。

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