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『撫物語』あらすじと感想【今撫子が挑む、過去の千石撫子達。オフシーズン第3弾】

『撫物語』書影画像

ある日、千石撫子は4体の自分の分身を作る。

しかし、それが彼女の新たなる〈物語〉の幕開けであった…。

神の座を降り、人としての道を歩み始めた千石撫子を描く、『〈物語〉シリーズ』オフシーズン第3弾!

こんな人におすすめ!

  • 『〈物語〉シリーズ』ファーストシーズンを読了済の人
  • 『〈物語〉シリーズ』セカンドシーズンを読了済の人
  • 『〈物語〉シリーズ』ファイナルシーズンを読了済の人

あらすじ・内容紹介

かつて〈蛇に巻き付かれた〉少女、〈千石撫子(せんごく なでこ)〉。

自らを被害者の立場に置き続け、その立場の心地よさに甘んじ、そこから脱する努力を何もしなかった彼女は、それ故に1度〈蛇神〉となり、猛威を奮った。

彼女を止める為に戦いに挑んだ〈阿良々木暦(あららぎ こよみ)〉や〈忍野忍(おしの しのぶ)〉を幾度となく蹴散し、阿良々木暦の恋人である〈戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはら〜)〉や、同じく阿良々木暦の後輩である〈神原駿河(かんばる するが)〉の抹殺をも目論む千石撫子。

誰も手がつけられないと思われた彼女はしかし、1人の詐欺師に騙されたことで漫画家を目指すことを決意し、神の座を降りた。

人としての生活に戻った彼女の傍には、監視のために送られてきた式神童女〈斧乃木余接(おののき よつぎ)〉や、親友の〈阿良々木月火(あららぎ つきひ)〉。

漫画家という夢に向かって邁進する彼女は、しかし今、両親からの猛烈な反対を受けていた。

そんなとある日、エスカレートしつつある両親の反対を押し切るため、斧乃木余接の力を借りて4体の自分の分身を作った千石撫子。

しかしその行為が、彼女の新たなる〈物語〉の開幕を告げる…。

神の座を降り、漫画家を目指した始めた千石撫子の奮闘を描く、『〈物語〉シリーズ』オフシーズン第3弾!

『撫物語』の感想・特徴(ネタバレなし)

〈千石撫子〉と〈斧乃木余接〉のダイアローグ

千石撫子、お前が過去の自分を乗り越えるときが、遂に来たんだ

今作は、『化物語(中)』収録の『なでこメデューサ』で友人から呪われ、〈蛇切縄〉なる怪異に巻き付かれた少女、〈千石撫子〉の1人称時点で進行していく。

怪異との関わりを切掛に、再び阿良々木暦と親交を結んだ彼女は、しかし〈絶対に叶わない恋をする楽さ〉や〈被害者の立場〉に甘んじ、人と向き合おうとせず、全てを自己完結させて俯き続けた。

その在り方によって彼女は、〈神〉となり猛威を振るう結果となった。

最終的に、1人の詐欺師に騙され人に戻った彼女は今、漫画家を目指して努力を始めている。

その傍に居るのは、監視のために送られてきた式神童女の〈斧乃木余接〉。

これまでに無かった組み合わせで繰り広げられる会話劇は軽妙かつ漫画の知識に偏っており、今まで『〈物語〉シリーズ』を追ってきた読者にも新鮮に映る筈だ。

是非とも、新たなツーマンセルで繰り広げられる〈物語〉を堪能して欲しい。

立ち塞がる様々な〈千石撫子〉

「夢を追ってひたむきに努力とか、そんな恥ずかしいことしないでよ、恥ずかしい

今作の語り部・千石撫子は、これまでに様々な姿を披露してきた少女だ。

今作では、そんな過去の千石撫子たちが、今の千石撫子、通称〈今撫子〉の前に立ち塞がる。

過去の千石撫子の基本形態である、内気で大人しい〈おと撫子〉や、その派生形態で、阿良々木暦に蛇切縄の跡を見せるため、或いは呪いを解く儀式のたために披露した、上半身裸でブルマー姿の〈ルマ撫子〉とスクール水着姿の〈スク撫子〉。

阿良々木暦にアプローチを掛けるために、前髪を上げてカチューシャを着けた〈媚び撫子〉。

更に、感情の収まりが付かなくなり、遂に爆発して同級生相手にキレ散らかした〈逆撫子〉や、その後に神へと変貌を遂げた無邪気で凶悪な〈神撫子〉と、全6種にも及ぶ千石撫子を前に、〈今撫子〉はどの様に立ち向かうのか。

過去の自分を前に、それらを乗り越えてきた〈今撫子〉が何を思うのかも、今作の要注目ポイントだろう。

ここから始まる〈千石撫子〉の戦い

いつまでも、私はあなたと、一緒だから

これは続刊にもなる為、詳細は伏せるが、今作は千石撫子の新たなる〈物語〉の幕開けとなる作品でもある。

今作で描かれる騒動を皮切りに、漫画家を目指す千石撫子は様々な怪異や専門家と関わっていくことになる。

今後展開していく〈物語〉を読み進めるうちに、きっと今作を再読したくなる筈なので、手元に置いておいて損はない1冊だ。

まとめ

かつては〈可愛いだけ〉の少女であり、その後〈神〉へと変貌を遂げ、そして人間へと戻った千石撫子を主役に据えた今作。

千石撫子と斧乃木余接のダイアローグや、バリエーション豊かな千石撫子たちの登場など、見所は盛り沢山だ。

また、続刊で少しずつ描かれる千石撫子の〈物語〉の、プロローグともなる作品なので、今後もシリーズを追い続けて行くにあたって、押さえておきたい1冊となっている。

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