人気絶頂のまま第1部を終えた『チェンソーマン』。
今回は、独特の作風で話題を呼んだ『チェンソーマン』を彩った名言をキャラクターごとに25個厳選してみた。
SNSで流行したパワーワードから感動の名ゼリフまで余すことなく紹介していくので、ぜひチェックしてほしい。
デンジ
出典:amazon.co.jp
本作の主人公。チェンソーの悪魔であるポチタとデビルハンターをしていたが、第1話でゾンビの悪魔が操るヤクザたちに刺されて死亡。
ポチタと契約することでその心臓を貰い受け、チェンソーマンに変身できるようになる。
義務教育を受けておらず、敵味方から「学がない」と言われているが戦闘センスやひらめきに優れており、自身の不死性を活かしながら誰もが思いつかないような悪魔的な戦い方で悪魔たちを圧倒する。

俺たちの邪魔ァすんなら死ね!(1巻1話)
デンジが初めてチェンソーマンに変身する時のセリフ。
デンジはこの直前に「自分の夢を見せる」という契約をポチタと交わしている。
その邪魔をする悪魔たちは紛れもない敵であり、排除すべき存在だ。
このセリフで注目したいのは一人称。
チェンソーの心臓で生き返ったデンジにとってポチタはもはや一心同体の存在だからこそ、「俺」ではなく「俺たち」と言ったのである。
デンジとポチタの強い絆が知れるこの名言に、『チェンソーマン』という作品への期待感がふくらんだ読者も多いのではないだろうか。
最高じゃあないっすか…(1巻1話)
チェンソーマンとなったデンジはマキマと出会い、「殺されるかペットになるか」の二択を迫られる。
デンジはペットになればどんな朝食が食べられるかをマキマに聞く。
マキマ「食パンにバターとジャム塗って…」
「サラダ コーヒー あと…デザートかな…」
答えを聞いたデンジは、冒頭のセリフを静かにつぶやくのだった。
このメニューは読者から見れば平凡な朝ごはんにしか見えないだろう。
だが3000万円以上の借金を背負わされ、食パンにジャムを塗るなど夢物語だと諦めていたデンジにとっては、これ以上ない豪華メニューなのだ。
「最高」は人によって違う…そんな素朴な教訓と、新しい人生をふみ出したデンジへの感動がギュッと詰まっている。
最高(の名言)じゃあないっすか…。
みんな偉い夢持ってていいなァ!!じゃあ夢バトルしようぜ!夢バトル!!(2巻10話)
コウモリの悪魔を倒した直後にヒルの悪魔との連戦を強いられてしまうデンジ。
防戦一方の中「女の胸を揉みたい」というかけがえない夢のためにデンジは何度でも立ちあがる。
その姿をヒルの悪魔に馬鹿にされたデンジの魂の叫びが冒頭のセリフだ。
先輩の早川(はやかわ)アキは復讐のため。
警察は家族を守るため。
パワーは猫のニャーコを救うために。
だれもが立派な動機で戦っているのに、デンジだけはとてもオゲレツな理由で悪魔と殺しあっている。
それでも自分の夢を叶えたい気持ちはだれよりも強いとデンジは信じて疑わない。
血まみれで夢バトルを宣言するデンジの姿はまるで「夢に偉いも偉くないもない」と読者に訴えているように見える。
これでノーベル賞は俺んモンだぜ~!!(3巻19話)
殺しても死なない永遠の悪魔を殺すため、デンジはチェンソーマンとなり先の見えない耐久戦に挑む。
殺すどころか返り討ちにあいかけるデンジ。
だが永遠の悪魔を斬った返り血を飲むことで回復し、さらに斬り、また血を飲んで回復…の無限ループをデンジは発見する。
この偉大な発見を自ら称賛し、血まみれになりながら叫んだのが冒頭のセリフだ。
ノーベル賞とはそういうものではまったくないのだが、勢いの良さとデンジのイカレっぷりが小気味いい。
読者の間でも人気の名言であり、『チェンソーマン』ファンはなにか閃くたびにこのセリフを言っている…のかもしれない。
マジかよ~!?すっげえワルの敵が使ってくるヤツじゃ~ん!!(8巻67話)
デンジたちが地獄から帰還した後、闇の悪魔の力を得たサンタクロースは自身の分身である人形に自我を持たせ、人間としてデンジを襲撃させる。
人道を無視した彼女の行動に、デンジが発したのがこの台詞だ。
「敵に操られた一般人と戦う」というシリアスなシーンにも関わらず、かなりメタな発言をするデンジのこの台詞は『チェンソーマン』という作品を象徴している名言と言えるだろう。
光の力だああああ!!(8巻68話)
闇の悪魔の力でパワーアップしたサンタクロースと対峙するチェンソーマン。
クァンシとの即興コンビも通用せず、それどころかクァンシがサンタクロースによって人形にされかけてしまう。
だがその時、なにを考えたのかチェンソーマンがガソリンを浴びてサンタクロースに特攻!
ガソリンに着火して燃え上がったチェンソーマンは炎に照らされ、冒頭のセリフを叫びながらサンタクロースに渾身の一撃を浴びせるのであった。
闇属性を光で攻撃するのはファンタジーでは王道かもしれないが、これは光ではなく完全に炎の力である。
こんな強烈でハイテンションな迷言も、本作の愛すべきポイントなのだ。
だから俺…!チェンソーマンになりたい…!(11巻93話)
チェンソーマンが全世界の人々に褒められ、愛されていると知ったデンジ。
それまでの人生で縁がなかった「本物の愛」に感動したデンジが、泣きながら本心とともに吐露したのが冒頭のセリフだ。
本当は普通になんてならなくていい。
毎朝ステーキが食いたいし、たくさん彼女が欲しいし、いっぱいセックスしたい。
その夢を叶えるため、チェンソーマンになりたい。
デンジが公安での生活をとおして世界を広げ、そうして見つけた本当の夢を叫ぶ姿に心が熱くなる名言である。
動機は週刊少年ジャンプの主人公とは思えないほど低俗だが、それもまたデンジらしさであり『チェンソーマン』らしいのだ。
マキマさんってこんな味かぁ…(11巻96話)
マキマとの最終決戦を制し、自室で勝利の晩餐を食べるデンジがつぶやいたセリフ。
メニューは生姜焼きなのだが、その肉は解体したマキマそのものだったと判明する衝撃の発言である。
殺しても日本国民に死を肩代わりさせるマキマへの対策は、殺すのではなく食べてひとつになることだとデンジは考えた。
どんなにひどい仕打ちを受けても、マキマが大好きな気持ちは変わらない。
だからこそマキマと身も心もひとつになり、彼女の罪をいっしょに背負う道をデンジは選んだのである。
曲がりなりにも自分を救ってくれたマキマへの深い愛が感じとれる、デンジ珠玉の名言だ。
それにしても「こんな味」とは「どんな味」なのだろうか…。
ポチタ
いつの間にか #チェンソーマン【公式】Twitterのフォロワーが10万人どころか14万人を突破していました!応援ありがとうございます。 ということで、【フォロワー10万人突破記念】として #デンジ と #ポチタ のアイコンをプレゼント! 次は、15万人突破で新しいアイコンをプレゼントします! pic.twitter.com/FLjipsMxvy
— チェンソーマン【公式】 (@CHAINSAWMAN_PR) February 10, 2021
デンジと契約したチェンソーの悪魔。見た目は丸い小型犬のような可愛らしい外見をしているが、地獄では他の悪魔たちに畏怖されていた最強の存在であり、信奉者たちにその復活を切望されている。
ゾンビの悪魔に一度は殺されるも、デンジの心臓となることで生きながらえデンジを過去のトラウマから遠ざけたり、ピンチの際にはデンジの中で眠るパワーに助力を乞うなど、常にデンジを見守っていた。



たくさん抱きしめてあげて(11巻97話)
マキマの生まれ変わり・ナユタを引き取ったデンジの夢に現れたポチタは、支配の悪魔の真実を語りだした。
「恐怖の力でしか関係を築けない彼女にとっては 家族のようなものにずっと憧れていた」
だから間違った方法でもマキマは対等な関係を築ける世界をめざした。
どうすればナユタにそんな世界を作ってやれるか訊くデンジに、ポチタは冒頭のセリフを贈るのであった。
グロ描写や予想外の展開が多く、ぶっ飛んだマンガという印象が強い『チェンソーマン』。
だがその根底には他者への愛があり、きっとデンジはナユタに愛を与えてくれる。
『チェンソーマン』は愛の物語である、と印象づけてくれるこの名言こそ、第1部のしめくくりにふさわしい。
マキマ
出典:amazon.co.jp
公安退魔特異4課のトップかつ、内閣官房長官直属のデビルハンター。
チェンソーマンとなったデンジの身柄を預かり、職場・家族・住む場所を与える。デンジの恋愛(崇拝)対象であり、飴と鞭でデンジを犬のように飼い慣らす。
その正体は「支配の悪魔」であり、デンジに近づいてきた理由も「チェンソーの悪魔復活」ただ一つと、初めからデンジ自身については眼中になかったことが最終話で判明した。



私も田舎のネズミが好き(6巻52話)
任務に失敗しデンジと駆け落ちしようと約束のカフェへ向かうレゼの前に、立ちはだかったマキマが発した一言。
レゼが「田舎のネズミがいい」と話をしたのはデンジだけであり、マキマがさもその場にいたかのように語りかける登場シーンは、その後のレゼの顛末を予感させる。
連載時には読者もその理由が分かっておらず、彼女のミステリアスさ・恐ろしさがレゼを通して感じられる台詞となっていた。
これは命令です 契約するといいなさい(9巻74話)
マキマの本性がついに明らかになったシーンで飛びだした名言。
支配の悪魔であるマキマはこのひと言であらゆる生命を支配でき、必死の思いで自分にすがってきたアキをあっさりと洗脳してしまう。
デンジとパワーだけは絶対に幸せになってほしいと願っていたアキ。
その気持ちをマキマはいつものミステリアスな鉄仮面で踏みにじり、物語は読者を心の底から震えさせた「銃の魔人」編へと突入する。
物語が大きく動きだし「マキマこそラスボスだ」と読者に認識させた、『チェンソーマン』の転換を象徴するセリフといえるだろう。
早川アキ
出典:amazon.co.jp
デンジ・パワーの同居人・保護者である公安のデビルハンター。
銃の悪魔に家族を殺され復讐のためだけに生きていたが、デンジ・パワーと暮らしていくうちに家族としての情が芽生える。
物語終盤では未来の悪魔が予言した「最悪の未来」が実現してしまうことを恐れ、マキマに助言を請うも「支配の悪魔」の能力によって服従させられてしまう。



姫野先輩 天国まで聞こえるか?オレ達からアンタへの鎮魂歌だ(5巻38話)
特異4課を壊滅させたサムライソードに勝利したデンジは、その場に駆けつけたアキに最強の大会を開こうと提案する。
その内容は「サムライソードの金玉を互いに蹴りあってデカイ悲鳴を上げさせた方が勝ち」というもの。
姫野(ひめの)を殺された復讐心をたぎらせていたアキだったが、デンジの誘いで一気に肩の力が抜けてしまう。
そして姫野が遺した言葉「気楽に復讐を!」を思い出し、アキとデンジは最強の大会を開催するのであった。
冒頭のセリフは、サムライソードの金玉を蹴るアキのモノローグである。
なんとも不細工な鎮魂歌をとても楽しそうに奏でるアキ。
復讐に限らず、何事も気楽に楽しくやるのが一番なのかもしれない。
だけどやっと…やっとさあ なんか毎日が楽しくなってきたんだ(9巻78話)
遺体を銃の魔人として再利用されたアキは、意識がないままデンジとの殺しあいを余儀なくされる。
現実でデンジと戦っている最中、アキは子どもの姿で雪合戦をデンジと楽しむ夢を見ていた。
夢の中でアキが雪玉を投げるたび、現実で銃の魔人が市民を殺し、デンジを撃ち抜く。
そんな事実を知る由もなく、少年のアキは心の底からの笑顔で冒頭のセリフをつぶやくのであった。
銃の悪魔への復讐だけだったアキの人生を変えたのは、デンジやパワーとの家族生活だ。
生前は口にしなかった「楽しい」という本音を死んでから語る切なさが胸を打つ。
大切な人への大切な言葉はちゃんと口にして伝えたい…そう思わせる名言である。
パワー
出典:amazon.co.jp
デンジのバディとして登場した「血の悪魔」の魔人。
虚言癖・人間嫌い・傲慢と難ありの性格だが、唯一の家族である猫のニャーコを大切にしており、デンジ&ポチタとどこか重なる部分もあるキャラクターである。
全てを失い生きることを諦めつつあったデンジに「地獄で自分を探してくれ」と契約し、新たな生きる理由を与えた。
は?言ってないが?(3巻おまけ)
第3巻のおまけコーナー「パワーの事を知ろう!」での一幕で飛びだしたセリフ。
デンジといっしょに中華料理店に来たパワーはマーボーナスを注文する。
「ワシもマーボーナスが昔から好物じゃ」
しかしマーボーナスに大嫌いな野菜が入っていると気づいて豹変し、マーボーナスなんて大嫌いだと騒ぎだす。
デンジの「お前マーボーナス好きって言ったじゃん」という至極まっとうなツッコミに対する切り返しが冒頭の言葉である。
どんな無茶なウソもこう自信満々に言いきられると、なんだか圧倒されてしまう。
ヒロインと呼ぶには規格外にもほどがある、パワーというキャラを象徴する名言だ。
ワシを見つけに来てくれ(11巻91話)
パワーが瀕死のデンジを救うために自分の血をすべて譲り、その見返りの契約として宣告したのが冒頭のセリフだ。
悪魔が死ぬと地獄で同じ名前のまま蘇るが、現世での記憶はすべて失ってしまう。
デンジのためにその命を犠牲にしたパワーも例外ではない。
地獄で血の悪魔がふたたび誕生しても、それは決してパワー本人ではないのだ。
それでもデンジと血の悪魔が出会ってくれれば、きっと血の悪魔はパワーに戻り、ふたたび友達になれる。
そんな願いとデンジへの深い愛が込められた、パワー最後のセリフにして最高の名言だ。
言葉選びやゴミ箱の中というシチュエーションから、第1話におけるポチタのリフレインと解釈する声も。
次のページ
書き手にコメントを届ける