『チェンソーマン』の刺客編において、最後までデンジたちの前に立ちはだかった強大なラスボス・サンタクロース。
作中では幾重にも伏線が張られ、その正体や契約している悪魔が判明した際には読者を驚かせた。
本記事ではサンタクロースの正体と、その伏線や契約した悪魔たちの能力を解説していこう。
目次
刺客編で最大のミスリード!サンタクロースのその正体とは?
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刺客編を語る際に欠かせないのは、ドイツからの刺客であるサンタクロースのその正体である。
作中では入念に伏線が張られており、物語の終盤で正体が明かされた時に驚いた方も少なくないだろう。
刺客編序盤では老人として登場するが…?
当初くたびれた老人として登場したキャラクターが、ドイツからの刺客「サンタクロース」として描かれていた。
だがそれはブラフであり、老人はサンタクロースが契約する「人形の悪魔」の能力によって生み出された「精巧な人形」だったのだ。
本物の「サンタクロース」とは?
では誰が真のサンタクロースなのか?
それはソ連からの刺客と思われていた、「トーリカの師匠」である。
作中では一切名前が出ておらず、公式でも「トーリカの師匠」や「サンタクロース」とのみ表記されていた。
マキマと岸辺の会話で「寿命で死んだという噂もある」と言われていたり、「サンタクロース」という名前の響きから老人男性を思わせる表現もあった。
このことからも、読者は老人の姿で現れたキャラクターこそがサンタクロースであると思い込んでしまうだろう。
寿命で死にそうな老人を先んじて登場させておくことで、「余命間もないトーリカの師匠」の存在を薄める伏線が張られており、作者の緻密な脚本技術が光る場面でもある。
サンタクロースは刺客の中で最も警戒された、恐るべき敵
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サンタクロースはその凶悪さから、最強のデビルハンターであるマキマや歴戦の岸辺ですら警戒するほどの存在であると示されていた。
ドイツからの厚い信頼、サンタクロースの仕事ぶり
同じ刺客であるクァンシやアメリカの3兄弟、トーリカは、国からの報酬が後払いであることがハッキリ明示される。
だがサンタクロースのみ、仕事を完遂するより前に国から報酬(4人の美男美女の子供)が支払われており、実際に地獄の悪魔と契約する際の生贄としていた。
こうした描写からもサンタクロースがドイツから厚い信頼を得ていること、その信頼を得るだけの仕事をこなしていることが分かる。
護衛のエキスパートを前に、堂々と仕掛ける胆力
またサンタクロースはファーストフード店にて魔人・悪魔・デビルハンターが勢揃いする中で、デンジに「呪いの悪魔の釘」を3回刺してみせた。
ターゲットや護衛たちを前にしても、不安や緊張どころかその殺意すらも感じさせない辺り、プロとしてかなりやり手であることが分かる。
血が出るほど釘を刺されても気づかないのは、サンタクロースの高等な技術なのかデンジが鈍いだけなのかは意見が分かれるだろう。
味方を犠牲にした策略で、デンジたちを地獄に落とすサンタクロース!
出典:amazon.co.jp
人形の悪魔の能力を使い、デパートにデンジたちを追い詰めたサンタクロース。
中国からの刺客・クァンシたちとの戦闘に乗じて、トーリカはデンジを呪い殺すことに成功するが、サンタクロースは
これで貴方も家族です(8巻第63話)
と不穏な台詞を呟き、トーリカを「精巧な人形」に変えてしまうのであった。
弟子であったトーリカもろとも地獄送りに!
老人のサンタクロースとトーリカの命を悪魔に捧げ、闇の力を得ようとするサンタクロース。
地獄の悪魔との契約時に「愛する子供達を捧げる」と発言し、精巧な人形にする人間を「家族」と呼ぶ彼女は、死に行く老人のサンタクロースに対しても手を振り別れの言葉を告げる。
このような言動から、サンタクロース自身にも生贄とする子供たちや精巧な人形たちに対して、愛情に近い感情があったのかもしれないと推測できる。
だが闇の力を手にいれるためにそれら全てを犠牲にしたことからも、その本性は冷酷・残忍であると言えよう。
サンタクロースの真の目的は「マキマの殺害」
闇の力を得たサンタクロースの真の目的は、「マキマの殺害」であった。
恐ろしい化け物に姿を変えたサンタクロースは、タッグを組んだデンジ&クァンシと最終決戦を迎える。
戦いの中で致命傷を負ったデンジに対し
何も知らずマキマに尻尾を振る犬にはふさわしい死に方ですね(8巻第69話)
とマキマの真意を把握しているような発言をする。
このサンタクロースの一連の言動によってマキマが公安メンバーの犠牲すらも厭わない、何らかの黒い思惑を持っていることや、他国が狙っているのはチェンソーマンではなく、マキマの命だということが明らかとなった。
これは今後の『チェンソーマン』の展開にも大きく関わっており、サンタクロースの存在は物語全体のターニングポイントにもなっている。

サンタクロースが契約している悪魔たちを徹底解説!
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サンタクロースは人形の悪魔の能力を用いて、強力な悪魔たちと複数契約していた。
ここでは契約していた悪魔と、どの場面でどのような能力を使ったのかを解説していく。
サンタクロースを語るのに外せない人形の悪魔!
「触れた人間を人形にし、自分の意のままに操る」というシンプルゆえに恐ろしい能力を持つ悪魔。
人形が触れた人間も新たな人形にできる上、魔人であっても死体であれば人形として操ることが可能である。
この悪魔の能力の優れた点は、ほぼ人間と変わらない「精巧な人形」を作れるところだ。
悪魔との契約も代理でおこなえることから、サンタクロースは支払う代償が大きい悪魔たちとの複数契約を可能にしていた。
またサンタクロースが作中で闇の悪魔の力を得た時、「人形」をモチーフにした異形の姿になったことや、自身を「人形の悪魔/人形の悪魔と契約している」と語る。
このことからも、サンタクロースもまたデンジやクァンシと似たようなかたちで、人形の悪魔と契約・融合していたことが考察できる。
ハイリスク・ハイリターンな呪いの悪魔
釘で4回刺した相手を磔刑にし、殺害できる悪魔。
早川アキもこの悪魔と契約しているが、元・バディの姫川はデンジの命を犠牲にしても、アキにこの能力を使わせようとしなかった。
このことからも、かなりハイリスクな悪魔であることが分かる。
またサンタクロースは指の感覚だけで済んでいるが、アキは自身の寿命を代償に支払うなど、契約者によってその重さは異なるようだ。
刺客編ではトーリカの仕掛けた釘を、デンジが踏むことでその能力が発動する。
最後のひと刺しをトーリカに行わせたのは、師匠としての試練的な意味合いだけではなく、彼を精巧な人形にするための「罪悪感」を植え付ける目的もあったのだろう。
その代償は命!?回避不能の能力を持つ地獄の悪魔
老人のサンタクロースと養子3人の命を代償に、デンジたちを地獄に送った悪魔。
誤解されがちではあるが、地獄でデンジたちを襲ったのは闇の悪魔であり、地獄の悪魔の行動自体はデパートにいた人間を地獄送りにしたのみである。(その後マキマがトーリカを支配し、地獄の悪魔と契約させることで全員を地上に送り返した。)
『チェンソーマン』の終盤では、マキマを地獄送りにするため、公安の人間もこの悪魔と契約を結んでいた。
地獄の悪魔との契約において、自らの命を犠牲にした公安メンバーの覚悟と、罪のない子供まで巻き込んだサンタクロースの容赦のなさ・残酷さの対比がハッキリ描かれている。
「超越者」として君臨する闇の悪魔
一度も死を経験したことのない超越者として、地獄に君臨している悪魔。
公安の人間や魔人、デンジやクァンシの手足や頭を一瞬にして切り落とすなど、その力は絶大である。
サンタクロースとは「チェンソーの心臓」と引き換えに、「マキマを殺せる力」を与える契約をしており、作中では数多くの犠牲を出しながらもそれを果たす。
本作品のラスボスであるマキマ(支配の悪魔)ですら倒すことは叶わず、地獄から撤退している描写があることからも、その力が見て取れるだろう。
登場シーンはかなり難解かつ壮大なものであり、ビジュアル面でも印象の強い悪魔だ。



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