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誰も想像しなかった、サンタクロースの意外な最期とは?
出典:amazon.co.jp
デンジの捨て身の攻撃により、全身を炎に包まれて敗北するサンタクロース。
これは強大な力を手に入れ万能感に溺れてしまったことで、人間だったころ持ち合わせていた「用心深さ・冷静さ」を失ったことが敗因になったのであろう。
サンタクロースは不死身?
だが人形の悪魔と闇の悪魔の合体技により、サンタクロースは世界中に散らばった人形たちと繋がれるようになった。
これはデンジたちと戦っているサンタクロースが死んでも、他の人形を全て壊さない限りは真の意味で殺せないことを意味している。
「宇宙の心理」を知って自我が崩壊
デンジ・クァンシに怨嗟を吐きながら、燃え尽き崩壊していくサンタクロース。
彼女はリベンジを果たそうとするも、クァンシが連れていた宇宙の魔人・コスモによって森羅万象を頭に流し込まれ自我が崩壊する。
「ハロウィン」のことしか考えられなくなった彼女は、あっけなく物語から退場していくことになる。
「大勢の人間を操り、複数の悪魔の能力を使える」という点で、支配の悪魔であるマキマに対抗できる数少ない存在であったサンタクロース。
だがマキマ本人の介入や、デンジの予測不能で不可解な戦法・中国の刺客たちのトドメにより、その目的は叶わなかった。
罪のない人々を巻き込み、最後は異形の姿となり悪役として散っていったサンタクロース。
連載当時はかなりヒール色の強い存在であったが、以降の銃の悪魔戦やマキマとの戦闘で出た被害を知ってから読み返すと、思わず応援したくなってしまう読者も多いのではないだろうか?
「ハロウィン」の元ネタとは?
『チェンソーマン』の世界では、全てを理解したものは皆「ハロウィン」のことしか考えられなくなる、というトリッキーな設定がある。
「サンタクロース(クリスマス)」に対抗できるのは「ハロウィン」という説もあるが、これは「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」と並ぶ世界3大ホラーの一作、「ハロウィン」を意識しているのではないかと考察したい。
作者の藤本タツキ先生は大の映画好きで、作中でもオマージュやパロディを展開する他、ジャンプの巻末コメントでは好きなホラー映画作品を多数挙げていたことからも、信憑性は高いと感じている。
【チェンソーマン】クァンシ、人類最強のデビルハンターの魅力を徹底解剖!魔人のレズビアンハーレム「刺客編」のラスボス!サンタクロースの名言5選
これから私達はこのキツネにした事を16歳の少年にします
7巻第54話。
国からの指令を受け、デンジの心臓を奪いにいくことが決まったサンタクロースは、同伴するトーリカに今一度その覚悟を問う。
これもトーリカの意思を確かめると共に、精巧な人形を作る際に必要な「罪悪感」を植え付けるための台詞だったのだろう。
3人は契約に使う 一人は趣味だ
7巻第54話。
老人のサンタクロースがドイツ政府関係者に発した台詞。
残りの「趣味」である子供はトーリカの様に家族同然に育て、また新しい「精巧な人形」を作ろうとしていたと推測できる。
チェンソーマンを殺害した後(トーリカを犠牲にした後)のことを考えている様子は、サンタクロースの能力の高さや用意周到さが表れている。
ここに人がいなかったら踊りだしたいおいしさです!
7巻第56話。
トーリカそして読者に、「トーリカの師匠」の可愛らしさや天然さをアピールするかのような台詞。
この他にも「バイバイおじいちゃん」と、老人の人形を殺す際に手を振らせて別れを告げるなど、どこかひょうきんな言動をする場面も。
この愛らしい言動と、実際に行なっている残虐行為は大変なギャップを生み、サンタクロースというキャラクターの奥行きをさらに表現しているのではないだろうか。
敬愛 崇拝 哀憐 そして隠し味は罪悪感
8巻第63話。
トーリカに対し、「精巧な人形」を作る際に必要なものを教えた台詞。
それまで「トーリカの師匠」として、刺客の一人でしかなかった彼女が「サンタクロース」としての正体を見せ始めたシーンだ。
トーリカに見せていた無邪気さ・優しさ・厳しさは全て、彼を「精巧な人形」として仕立てるための下準備でしかなかったのだから後味が悪い。
素晴らしいです 全てを理解していきます
8巻第66話。
闇の力を手に入れ、人の姿を捨てたサンタクロースが初めて言った台詞。
美人だった人間の容姿は残しつつも、異形となってしまったその姿に悲鳴をあげたファンも多いのではないだろうか。
また「全てを理解していく」という台詞も、その後宇宙の魔人であるコスモに森羅万象を流し込まれ、精神が崩壊する末路の前振りでしかなかった。
サンタクロースの声優予想!演技力の確かな実力派のあの人?
30枚目のシングル「宇宙の記憶」を7/24にリリースする坂本真綾さん(@maaya_ids )に取材。インタビューはもちろんですが、外国人カメラマン&アシスタントに「スーパービューティホー!!」と言われながら撮影したお写真も期待していてほしいです! 音楽と人8月号(7/5発売)に掲載いたします。#坂本真綾 pic.twitter.com/9AoULi1jRd
— 音楽と人 (@ongaku_to_hito) June 19, 2019
2021年にアニメ化が決まった『チェンソーマン』。
サンタクロースは刺客編でも重要な役割を担っていることから、芸歴も長く演技力も確かな坂本真綾(さかもと まあや)さんが来ると予想したい。
師匠ポジションにつく大人の女性キャラの声も多く担当しており、サンタクロースのキャラクターにも合うだろう。
坂本さんが演じる柔らかく優しい「トーリカの師匠」と、冷たく淡々とした「サンタクロース」のギャップも、ぜひアニメで見てみたいファン心がある。
おわりに:第1部の完読前と完読後で、印象の変わるサンタクロース
刺客編ではサンタクロース周辺以外にも、様々な伏線が幾重にも張られており一度読んだだけでは、なかなか全てを把握するのは難しい。
特にサンタクロースの活躍は、今後の展開を知る前と知った後で受ける印象が変わってくるだろう。
『チェンソーマン』全体を通してもストーリーの転換期となる刺客編を、今一度読み返してみても新しい発見があるかもしれない。
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