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『月の砂漠をさばさばと』あらすじと感想【日常のささやかな幸せをほっこりと味わえます】

『月の砂漠をさばさばと』著 北村薫/絵 おーなり由子【日常のささやかな幸せをほっこりと味わえます】

緊急事態宣言が出た最近は、自宅で過ごすことが多い状況にあると思います。

簡単に外出することが出来なくなった今、いつもの日常がどれだけありがたかったかを感じることが多く、優しい気持ちになれるような本を探していたところこの本に出会いました。

日常に散りばめられた母と娘の何気ない会話。

共に生きる貴重な時間が優しい描写で表現されており、おーなり由子さんの柔らかい挿絵が更にあたたかい気持ちにさせてくれます。

こんな人におすすめ!

  • 子育て中の人
  • 暗いニュースに疲れてしまった人
  • ほんわかした気持ちになりたい人

あらすじ・内容紹介

9歳の女の子さきちゃんと、お話を作る仕事をしているお母さんとの日々。

毎日寝る前の布団に入った時間、お母さんはさきちゃんにお話をしてくれます。

さきちゃん目線の出来事、お母さん目線の思い、どちらも情景が浮かぶ美しい描写で書かれています。

その中でも最初の『くまの名前』では、くまさんの苗字が変わることを気にするさきちゃん。

そしてそのことに気づき、苗字が変わった理由を一生懸命考えるお母さん。

『ふわふわの綿菓子』では、初めてお父さんの話が出てきます。

『猫が飼いたい』でのお母さんの涙。

幸せの中に、切なさがキラキラと輝きます

お互いがお互いを思いやるような会話のやり取りが、季節の情景とともに描かれています。

おーなり由子さんの挿絵がとてもあたたかい気持ちにさせてくれて、時にクスっと笑わせてくれます。

『月の砂漠をさばさばと』の感想・特徴(ネタバレなし)

何気ない日常

「般若大行進でしょ?」「ワンニャン大行進だよ」

聞き間違いから色々なことを発見し考えるさきちゃんがとても可愛らしく、大人なら軽く通り過ぎてしまうような事も、子供ながらの視点で描かれていてとても楽しいです

同じ目線で考えるお母さんの優しさと、お互いの心配りに何故か涙が出そうになりました。

 

季節を感じる描写、昔のことを思い出すお母さんのお話。

近所のおばあちゃんとのやりとりと、それを見守るさきちゃん。

全てが何気ない当たり前の日常ですが、特に今この本を読んでよかったと思うのは何気ない日常が送りにくくなっているからでしょう。

普通に生活出来ることの幸せを改めて感じました。

共に生きるということ

さきちゃんとお母さんの食事の時間、眠る前の時間、1日の中でお互いにコミュニケーションする時間がお互いの心の癒しや成長に繋がっています。

そのような何でもない毎日がすごく大切で、見かけた野良猫やお母さんが歌っていた歌、季節の草花を教えてくれたおばあちゃん。

出会った人や生き物と心を通わすことが、共に生きるということなのかなと思いました。

物理的に一緒に生きることが出来なくても、どこかにお互いを思いやる気持ちがあれば、それは人生の中で共に生きることが出来ているのかもしれません。

でも、この世ではいろいろなことが、―本当に信じられないようなことが―起こります。だから、そう言い切る自信もなかったのです。

ただ、お母さんのこの心の部分のように、全ての人が心を通わせ分かり合うことは難しいでしょう。

「離れることもまた、思いやりなのかもしれないな」と深く考えさせられました

想像することの楽しさ

2人の会話は、お母さんの想像力が彩を添えています。

そこにさきちゃんが質問し、さらに想像が膨らんで話が進んでいきます。

この想像力こそが人に気を配り優しく出来るようになる素のように感じました。

 

家を解体している大きな音を聞いてお友達と怖がるさきちゃんは、現場を見ていないのに怖いと感じる想像力がしっかりとついていました。

連絡ノートで男の子とやりとりをするお母さんも、「どんな子かな?」と想像を膨らますことになります。

 

想像することは、怖いと感じることもありますが、まだ見ぬ事実にワクワクする気持ちも味わうことが出来て、それが毎日を楽しむコツなのかもしれません。

この本を読みながら、「さきちゃんはこんな感じかな?」というちょっとした私の想像を、おーなり由子さんの挿絵が文章だけでなく絵として想像する楽しさを与えてくれています。

とてもほっこりする絵ですごく癒されました

まとめ

読み終わった後はすごく心があたたかくなり、幸せな気持ちになれました。

ドラマチックな出来事が起こるストーリーではないですが、じわっと心にしみて胸がいっぱいになりました

お互いを思いやれる会話ややりとりは、こんなにも人の心を柔らかくしてくれるんだなと、自分の子供時代と重ねたり親の立場になって考えてみたり、軽く読めるのに幸せな余韻が読み終わってからいつまでも続きます。

ほのぼのするだけでなく、生きる上での思い通りにいかないこと、切ないことも書かれています。

その表現の仕方がとても美しく、読んでいていやな気持ちになるシーンが1つもありませんでした

お母さんやさきちゃんの気持ちと日常がすごく優しく書かれていたので女性の作家さんが書かれたのかなと思ったら、北村薫さんは男性だということを知って他の作品も読んでみたくなりました。

作中に出てくる宮沢賢治さんの童話も気になりました。

1冊読んでさらに読みたい本が連鎖のように繋がっていきます。

「本を読むまでがめんどくさい」という方も、この本はページ数が多くないのにほっこり出来て癒されるので是非読んでみてください。

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